2020年 03月 12日
終わらない福島 守るべき少年の声届かぬ日本と応えたローマ教皇
ローマ教皇にあてた少年の手紙
Pubblicato da 公益財団法人かながわ国際交流財団 su Giovedì 9 gennaio 2020
専務理事 水田秀子
昨年11月、バチカンのフランシスコ教皇が来日され、被爆地の長崎と広島を訪ねて、世界に向け核兵器廃絶を明確に訴えられたことはご記憶に新しいと思います。東京の集会やミサでは...
起こってしまった恐ろしい災害はもう取り返しがつきません。けれども、そのために犠牲となった方、苦しまれる被災地の方が、これ以上苦しまれることのないよう、1日でも早く穏やかな暮らしを取り戻せるようにしていくこと、日本をそういう国にしていけるかどうかは、わたしたち一人ひとりにかかっていると思います。
写真は、ウンブリア州の小さな村で見かけたアーモンドの花です。美しい花に、日本でやがて咲くであろう桜の花を思いました。
あれから9年が経とうとしています。被災者の方々が、故郷や家、仕事を失われた上に、差別や偏見、心なくむごい言葉や行動で、これ以上の苦しみを負うことがないような日本にしていきましょう。そして、再び穏やかな暮らしを取り戻し、穏やかな心で、桜の美しさを愛でられる日々が来るように、わたしたちも被災者の方の立場に立ち、側に立って、あるべき政治や行政、産業、教育の在り方を問い直し、あるべき方向に向かっていくように、一人ひとりができることをしていきましょう。
「国境や人種、文化の違いをこえて、すべての人が差別のない社会で心豊かに暮らせるため、様々な事業を実施し」(日本YMCA同盟からの提言より、リンクはこちら)ている公益財団法人かながわ国際交流財団の取り組みと活動を、数年前に知り、すばらしいと感嘆し、ツイッターやフェイスブックでその活動や発信を追ってきました。外国人としてイタリアに暮らす一市民として、また、日本に憧れ日本で暮らしたいと願うイタリアの人々に日本語を教える教師として、そして、かつて人権教育に全校と町を挙げて取り組む日本の高校に勤めた経験と使命感から、わたし自身も文章を通して、皆が違いを乗り越え、違いを豊かさとして共生できる社会を実現していくために、少しでも役に立てればと考えているからです。
みつはしちかこさんが幼い頃にそんな辛い思いをされていたとは、思いもしませんでした。わたしも小学校高学年で札幌から東京に引っ越したとき、嫌がらせをされたのをぼんやりと覚えています。自分から変わること、そして過去に学ぶことを、若い世代に伝えていくことが大切ですよね。
温かいお言葉、ありがとうございます。そちらでもどうか十分に用心してお過ごしくださいね。