2020年 03月 26日
ダンテの日 受胎告知の日とフレスコ画

その一つ目、『Dante e l’invenzione dell'inferno』 で、ダンテが『神曲』で描く地獄(inferno)の様子を最も如実に表現しているのは、オルヴィエート大聖堂(Duomo di Orvieto)のルーカ・シニョレッリ(Luca Signorelli)のフレスコ画だと語るのを聞いて、番組が終わってから、おととし大聖堂の中を訪ねたときの写真を探し出しました。

題名を見て、「ダンテと地獄の考案(創作)」と言っても、ダンテ以前にも地獄の存在については考えられ描かれてもいただろうと思いながら、テレビの前に座りました。番組中の解説によると、それまでにも地獄の描写はあり、たとえばフィレンツェの洗礼堂のモザイクにも悪魔が描かれていて、きっとダンテも見たことがあって参考にしたであろうけれども、かくも具体的に生々しく、かつ犯した罪に対応する地獄での苦しみや地獄そのものの構造などを詳細に描いたのはダンテが初めてだということです。

後世の多くの芸術家がダンテ『神曲』(Commedia, Divina Commedia)の『地獄篇』(Inferno)の描写をもとに作品を作ったのだという説明があり、その例として、ミケランジェロの『最後の審判』やロダンの『地獄の門』など、様々な美術作品が紹介されていました。番組内では、『神曲』におけるダンテの地獄での旅を、時にドラマとして、時にダンスで、時に絵や彫刻などの芸術作品と共に、順に語っていきました。語りの切り口が変わったり、また、歴史や美術、歴史などの専門家の解説がしばしば挿入されたりしたので、楽しみながら見ることができ、いつか『神曲』を通して読んでみたいという気持ちになりました。

オルヴィエートのドゥオーモ(Duomo di Orvieto)には、ダンテも描かれています。
今夜見た二つ目の番組では、『Campaldino: Dante va alla guerra』という題のもとに、若かった頃のダンテが参加して、その詳細な記録を残した戦争を取り上げていました。ダンテがフィレンツェを追放されたいきさつも、当時のフィレンツェやアレッツォなどの政治状況と共に説明していました。わたしも夫と訪ねたことのあるポッピ城とその周辺地域が、ダンテが参加した戦の戦場だったと知って驚いたのですが、そう言えば、その戦いの陣形を再現する模型を博物館で見たような記憶も、ぼんやりとあるように思います。この番組でもやはり、時々語られる史実に関連する『地獄篇』の詩句が紹介されていました。
というわけで、今夜の番組では、ダンテの数ある著作のうち、もっぱら『神曲』地獄篇の地獄の描写や詩句が取り上げられていました。
一方、3月25日はまた、カトリック教会では受胎告知の日でもあり、おそらくはそのためでしょう、先日、イタリアのためのロザリオの祈りの前にローマ教皇が話をしたときに、3月25日の正午に、新型コロナウイルスに苦しむ世界中の人々のために、全世界で主の祈りを捧げましょうと呼びかけていました。

テレビでは、教皇が皆に様々な言語で主の祈りを捧げましょうと呼びかけてから、ラテン語で主の祈りを唱え、そのあと、別の教会で司教が、受胎告知の日を記念してのロザリオの祈りを呼びかけていました。
上の写真は、ラッツィオ州のイタリアで最も美しい村の一つ、ヴィトルキアーノ(Vitorchiano)の教会で見た受胎告知のフレスコ画です。この上の写真は、フラッシュを使って撮影したものです。絵そのものが美しい上に、

このときステンドグラスから差し込む日の光が、ちょうど聖母マリアと大天使ガブリエルを七色の光で照らし出すかのように見えて、荘厳で神秘的なものを感じました。
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Il 25 marzo, Dantedì & Annunciazione
Foto: Dante & Inferno, Duomo di Orvieto, Orvieto (TR) 1/12/2018
Annunciazione, Chiesa della SS.Trinità, Vitorchiano (VT) 30/9/2019
Misteriosa la luce che illumina l'affresco attraverso la vetrata.
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- ボッティチェッリ『地獄編』、芸術・歴史の謎に迫るドキュメンタリー映画 / Film, "Botticelli Inferno" (8/11/2016)
- ダンテ地獄の入り口で / Dante all'Inferno (5/3/2016)
- フィレンツェ ブロガー招待1 サン・ジョヴァンニ洗礼堂 / Firenze segreta - Evento per fotoblogger 1 Battistero di San Giovanni (19/10/2013)
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イタリアは大変なことになっているようですね。
ニュースを聞く度に、なお子さんは……。と思います。
ブログを見て、ホッと安心しています。
色々大変でしょうが、どうぞ十分お気をつけ下さい。
こんなことめったにあることでは無いでしょうが、
注意するに越したことはありません。
なおこさん、どうぞお大事になさって下さいね。
いつもブログ記事を楽しみにしています。
はるさんもどうかお体を大切に、気をつけてお過ごしくださいね。
西洋の悪魔主義、悪魔を忌避する宗教的心情はキリスト教のことがよく分からない日本人には理解が難しい部分ですね。
日本でも澁澤龍彦などの研究者が悪魔についての文章を数多く書いていて、若いころ読みこんでいました。ペストなどの風土病的な感染症を悪魔の仕業としたり、悪魔の使者である魔女を疫病の原因として「魔女狩り」などを起こしたことなど、悪魔にたいする恐怖心は本当に深いのだと思いました。
幸い我が家のあるウンブリアはまだイタリアの中では感染者数が少ない方で、少しずつ拡大が進んでいるものの、買い物の際なども皆が注意をしているようで、義家族とも皆、今のところ穏やかな日々を送ることができています。義父はひどく心配していて、夫はいらいらしがちではあるのですけれども。
はるさんもどうかお気をつけて、お体を大切にお過ごしくださいね。



