2020年 04月 05日
復活祭の掃除と夫婦げんかと猫の平常心

ところが今日は、夫もわたしも散歩をせずに、午後7時過ぎまで掃除に熱中していました。
日本の「大晦日の大掃除」に相応するのは、イタリアでは「復活祭の掃除(pulizie pasquali)、春の掃除(pulizie di primavera)」ではないかと思います。復活祭(Pasqua)の前には、毎年教区を担当する修道士さんたちが各家庭を訪れて祝福してくれるので、その祝福や復活祭の祝いの前に家をきれいにするということかと、わたしは思い込んでいて、そう書いてあるサイトもあるのですが、調べてみると、ユダヤ教で復活祭の前に家の掃除をして清める慣習があったことからと説明するサイトもあります。外出規制が4月13日までに延長され、3月7日に行われるはずだった我が家での家族の祝福は、今年は少なくとも4月12日の復活祭当日までには、例年のようには行えそうもありません。
毎日、平日も週末も、晴れて天気がよくても、楽しみのために外出することができないおかげで、今年はいつにも増して念入りに復活祭の大掃除をすることができています。

ふだんなら二人でどこかへ出かけて時間がなかったり、あるいは夫はミジャーナで改築や農作業をするので、わたしがうちで一人で掃除したりするのですが、今回はうちにこもらざるを得ない状況で、夫が積極的に気になったところを率先して掃除してくれるので助かります。今日はつい二人とも夢中になって、掃除が終わった頃には夕食の時間が迫っていました。
そうしてようやく夕食を食べ終わったあとのことです。わたしが食器を洗っていると、夫が冷蔵庫が作動しないと言います。今日の午後夫は、冷蔵庫の裏を掃除するために、冷蔵庫を動かして掃除の後に元に戻したそうです。わたしは過去の経験からすぐに、夫が冷蔵庫を後ろの壁に近づけすぎたためではないかと思いました。ところが夫は聞く耳を持たず、わたしに皿洗いを続けるよう言って、コンセントを分解したり、冷蔵庫の裏を見て、ひどく熱くなっていると言ってみたりしています。わたしはとりあえず夫が見ていないすきに、後ろの壁との間が1センチもなかった冷蔵庫を5センチほど前に移動しました。

そのまま待っていれば冷蔵庫がまた作動し始めるはずだとわたしは思い、夫に待つように言ったのに、夫にせかされ、冷凍庫内のものをとりあえず下階の義父母宅の冷凍庫に入れさせてもらい、そのあと冷蔵庫のものまで動かそうと言って聞かないので、仕方ないなあと中のものを取り出している途中に、幸い冷蔵庫の電源が入りました。
確かにこの冷蔵庫は古く、わたしが夫と二人でトスカーナとの州境にあった古い家に暮らし始めた2005年には、夫がすでに購入してありました。それで夫は壊れたのだと思い込んだのでしょうが、わたしが何を言っても聞かない上に、そのときの返事のしようが失礼でしたし、結局はわたしが言っていたように、待っていれば何も慌てて移動する必要もなかったのです。それで、わたしが冷たい目で夫を見ていたら、夫が怒り出したので、けんかになったのです。

そのときは、お互いひどく腹が立ったのですけれども、よく考えてみたら、夫は夕方、冷蔵庫の掃除に励んでくれていたのです。疲れて、いらいらしていたのでしょう。
映画や物語でも、わたしはどちらかと言うと、いい人なのだけれども不器用で、うまく言えない、素直に行動に表せない、そういうタイプに魅かれるというか、共感を持つことが多くあります。愛でも恋でも、どちらもすばらしくてお互いにぞっこんと言うよりも、お互いに割れ鍋に綴じ蓋で、それが分かっていて、だけど愛おしいという方が、何だか本物に近いような、そんな気がしています。そういう不器用なところに、かえって誠実さが見えて、夫のことを、この人なら信頼できると思った、そういうところもあるでしょう。

しばらくしてから無事仲直りいたしました。
写真は、おとといの散歩中に見かけたミミです。水を飲んでいたのですが、こんなにも近くにミツバチがたくさんいるのに、平然として、まったく動じない様子なので驚きました。畑で採れたレタスを洗っていたら、中から数匹スズメバチがでてきただけで、悲鳴を上げたわたしとは大違いです。
これだけの平常心があれば、ささいなことは気にせずに、お互い相手を立て合って、心穏やかに過ごせるでしょうに。まだまだ修行が必要なわたしです。
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Calma la nostra gatta, indisturbata dalle api.
Vorrei essere così.
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おはようございます
ミミちゃん可愛い、悠々としていますね
そちらも自粛で大変ですね
いつも穏やかななおこさんが気持ちがついていけない
こともあるなんて身近に感じますわ
私は77才にもなってるのによく腹がたちますの
自粛しながらも買い物は仕方がなく出ます
娘たちは地下鉄に乗ります、気になりますが
家では出来ない仕事です
なおこさんいつもありがとうございます

ご主人様とのささいなことでの喧嘩、家ではよくあることです(笑)
最近は、直ぐに仲直り出来ますが・・・
ストレスがたまる自粛生活ではありますが、がんばってるんなおこさんたちイタリアの方を見習いたいと思います。
みみちゃん、動じないのが素敵ですね~♡
でも、すぐに仲直りするなんて、えらいわー。なおこさんから歩み寄ったのかなと想像しています。
全く喧嘩しないように我慢するのはストレスだし、まあ避けられない事ですよね。溜め過ぎないよう、そして上手く仲直りできるよう、お互い頑張りましょう。ふふ。

素敵なお話♪
今、外出制限中、どの家庭もきっとケンカがあると思います。
私たちもそうです。夫も花粉や部屋の埃のアレルギーがあり、おとといから症状がひどくなってきています。そんな中、私が物を片づけたり、部屋の掃き掃除をせかせかして、埃を舞い散らせたのが原因で、怒らせてしまいました。
私は、幸いなことにアレルギーがないので、どれだけ辛いかわかりませんが、思いやりを忘れたらいけませんね。。。
夫にこの冷蔵庫の話をすると、古くても、ちゃんとセンサーがあるあるんだねと、何かに近いと熱くなって危ないからねと、言ってました。また動くようになって良かったですね!
私たちも、先日、洗濯機が壊れたところなので。。。
ウンブリアでは幸い感染が広がる前に移動制限の措置となったので、他州に比べて犠牲者や感染者が少ないのですが、今こそ用心しなければいけないと思っています。
ありがとうございます。実はケンカは決して少なくないんですよ。腹を立てることも。
こちらこそいつもありがとうございます。どうかお体を大切にお過ごしくださいね。
まあ、そうだったんですね! 思いも寄らない来た道の共通点の多さに驚きました。お会いして話を始めたら、親近感や共通の思い出で、楽しい話がはずみそうな予感がしています♪ ずっと訪問してくださっていたんですね、ありがとうございます。わたしもおそらく、毎日書こうと決めていないと、ずるずるさぼってしまいそうで、逆に何とか続けることができています。
イタリアでの蔓延のあまりの早さに驚いていたのですが、そういうご事情があったのですね。うちの夫も、車で30分足らずではありますが、改築中のうちに水やりにも種をまきにも行けないと途方に暮れています。規制の厳しいイタリアで、歩き回る人たち、ごく一部だと願いたいものです。
日本でもいよいよ東京などが移動規制になると、こちらでもニュースとして報じられました。本当に一刻も早く収束して、平常の生活が取り戻せる日が来ますように。
どうか日本でもお気をつけてお過ごしくださいね。
ミミのあまりに平然とした様子に驚きました!
動くようになってほっとしたのですが、今朝気づいたら、また夫が壁に近づけていたので、こっそり前に出しておきました。洗濯機が壊れるとは、こういうときだからこそ大変ですね。どうかくれぐれもお気をつけてお過ごしくださいね。
出さなくなるんですよ!足長は人と共存を望んでいます。