2020年 04月 09日
少数から千人へ感染者増 ウンブリア イタリア全土移動規制後も感染拡大
なお上の冒頭のグラフで、ピンクは陽性件数(casi positivi)、緑は回復者(guariti)数を示し、中央のグラフには、日ごとの新陽性者(nuovi positivi)数が書かれています。また、一番下のグラフでは、現在の陽性者(attualmente positivi)数、入院患者数合計(ricoverati totale)、うち集中治療室への入院者(di cui ricoverati in terapia intensiva)数の変化が、分かるようになっています。
外出の厳しい制限があっても感染者数が急増する恐れがあり、また検査の結果陽性者数がゼロであっても、実はすでに感染している人が少なくない可能性があります。ですから、日本でもイタリアでも、一人ひとりが努めて外出と人との接触を避けることが、とても大切になります。食料品店や薬局など、営業が認められる店が限定され、多くの企業で生産活動が中止され、在宅での仕事が奨励され、そのおかげで感染が抑止されても、こんなにも急激に感染者数が増え、それに比例して、入院者数や集中治療室への入院者、そして、亡くなる方も増えていくのです。
現在、ウンブリア州庁のサイトでは、刻々と移り変わる新型コロナウイルスの感染状況が、一目で分かるようになっています。冒頭のグラフも、このウェブページ、Dashboard COVID-19 Regione Umbriaにあります。
イタリア全国と同様に、ウンブリアでもようやく、感染者数の増加曲線が頂点を過ぎて、停滞から減少に向かおうとしているのではないかと、この数日の地方ニュースでは、聞いています。
ウンブリア州の回復した人も含む総感染者数は合計1,263人で(現在の感染者数はかっこ内、846人)で、イタリア中部では、人口が少ないことを考慮しても、他州に比べて少なくなっています。ちなみに、今イタリア中部各州の人口を確認すると、2019年1月1日時点での人口が、トスカーナは3,729,641人、ウンブリア882,015人、マルケ1,525,271人、ラッツィオ5,879,082人となっています。(参照元はこちら)広大なトスカーナや首都ローマのあるラッツィオ州よりはるかに少ないことは予想していましたが、お隣のマルケ州に比べても、人口が約半分であることを知って、驚きました。
先のウンブリア州庁の新型コロナウイルス感染情報ページでは、実施されたPCR検査(tamponi eseguiti)数の動き(andamento)や、PCR検査の陽性率(tasso tamponi positivi per data)、そして、市町村ごとの陽性件数合計(casi positivi totali per comune)も、知ることが可能です。
ウンブリアに限らず、イタリア全国でも、修道院や老人ホームなど、同じ空間で暮らす人の多い場所で多くの感染者が出ています。また、大きな都市ばかりではなく、地方の小さい村で、おそらくは、バールや店など、村の人の行くところが決まっているであろうがために、感染者が急増し、封鎖された村もあります。
わたしたちが2014年、パン祭りとオリーブ搾油場めぐり開催中に訪ねた村、グワルド・カッターネオでは、ポッツォという集落が、400人の住民中、その5.5パーセントに当たる21人の感染が判明し、封鎖されました。
2月23日にオルヴィエート・タンゴ・ウィンターが開催され、その際の北イタリアからの参加者が感染源となってしまったというオルヴィエートでは、4月7日朝の時点で、感染者数合計が50人となり、うち6人が亡くなり、8人が入院中とのことでした。(参照元はこちら)感染者の多い地域からの他の地域への移動が、訪ねた先、または旅行中に感染を拡大する原因となりかねないことが、こうした例からも、よく分かります。
イタリアでも日本でも、そして世界で、一人ひとりが外出を避けて、できるだけ家にいることが、感染拡大を抑え、医療危機を避け、多くの人の命を守ることにつながります。今、自らの健康や命を危険にさらして、仕事をしてくださっている医療関係者や店の方などの健康を、これ以上脅かさないためにも、どうかできる限りうちで過ごしましょう。そして、それができるように、国も企業も、経済よりもかけがえのない人の命をこそ大切に考え、守るべく動いてほしいものです。
関連記事へのリンク
- ウンブリア新型コロナウイルス感染関連情報とリンク (2020/3/22)
- 今年のオリーブと昨秋の搾油場めぐり、グワルド・カッターネオ (2015/9/4)
でも、そのうちに、内子高校の先生がいて、3月下旬に私的な旅行で横浜を訪れて帰宅、その後日、4月になって部活動の指導をしたそうで、そのときすでに、症状が少し出ていたにもかかわらず、登校していたとか(>_<)
今日になって、部活指導した生徒も感染したことが分かったそうです^^;
春休みに愛媛県の教員が私的に関西や関東へ旅行していたのをコレを期に調べたら100人ちょっといたそうで、全員を2週間自宅待機にしたそうです!
私は、県内や香川県等へは日帰りで出掛けてますが、関西への旅行は今回は感染防止のため中止しています^^;
何とも、残念な愛媛県の先生方でありますm(__)m
3月下旬は、多くの高校教員によっては学年度も終わって、新年に入って初めて数日続く休みが取れるときなので、旅行に出かけた方もいるのでしょうね。感染が発覚しないと、表面化には出ませんが、この時期は就職や入試など、新生活の始まりの前で、教育関係者に関わらず、また単なる楽しみ以外の目的でも、他県への、他県からの移動もことさらに多いのではないかと思います。