イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

5月と聖母マリア・聖ヨセフと教皇のことば

 日曜日正午のアンジェルスでフランチェスコ教皇が、5月は聖母マリアの月なので、毎日ロザリオの祈りを唱えましょうと言っていました。



 そのため、信仰心の篤い夫は今年5月は毎日ロザリオの祈りを唱えるのではないか、その場合は、新型コロナウイルスの蔓延に世界が苦しむこういう折なので、わたしもいっしょに唱えようと、内心思っていたのですが、どうやら、毎日唱えることはしていない模様です。

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 5月は聖母マリアの月で、花の咲く美しい月だから、結婚式はできれば5月にと、そう言えば最初は夫がそう希望していたのですが、夫が希望していた教会は1、2年前から予約が埋まっているというところが多く、わたしたちが式を挙げたのは6月でした。

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 閑話休題。

 5月1日にFrate Indovinoのカレンダーを見ると、労働の日と書かれていて、それはメーデーでイタリアでは国民の休日なので分かるのですが、さらに「職人の聖ジュゼッペの日」と書かれています。カトリック教会には、聖アントニオや聖ルイージなど、同名の聖人が複数いるために、出身地や特色などを添えて区別することがあります。

 カレンダーを見て、「いったいどんな職芸を持つ聖人なのだろう」と思っていたら、これもフランチェスコ教皇が、「労働者の日は、家具職人である聖ジュゼッペを記念する日でもあります」と言うのを、確かニュースで聞いて、分かりました。イタリア語では名前が「ジュゼッペ」になるイエスの養父、聖ヨセフのことです。家具職人であることは知っていましたが、そこから5月1日にも職人として記念の日が祝われるとはと驚きました。

 1955年に教皇ピウス12世が、職人や労働者の守護聖人として、聖ジュゼッペを労働者の日に記念することにしたのだそうです。(詳しくはこちら

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Natività del Perugino, Montefalco (PG) 7/11/2015

 5月には、聖母マリアだけではなく聖ヨセフ、聖ジュゼッペも記念するのだと驚き、今夜はそのことを記事にしようと、二人が共いる作品を探そうとしたのですが、見つかるのはイエス・キリストの生誕場面ばかりです。

 クリスマスではないので、季節はずれでも許される名画をということで、ラファエロの師であったペルジーノ(Perugino)が描いたキリスト降誕(Natività)のフレスコ画の写真を添えることにしました。というわけで、今回載せた写真は、すべてモンテファルコ(Montefalco)聖フランチェスコ美術館(Complesso Museale di San Francesco)に展示されている作品です。

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 正確な言葉は覚えていませんが、フランチェスコ教皇は、すべての労働者のための日ではあるけれども、今はことさら、自らの安全や命を危険にさらして、わたしたちのために働いてくれている医療関係者、そして、食料の販売や運送に関わる人たちなど、すべての人に感謝し、その人たちのために祈りましょうとも言っていたように覚えています。

 感染が再び広がることのないように、わたしたち一人ひとりが油断せずに責任を持って行動しないと、働いて人と接することを余儀無くされる、こうした仕事をされる方たちの健康を脅かすことになります。仕事のために、わたしたちのために、厳しい状況の中で働かれている店員さんや医療関係者の方、配達員の方に、けれども日本で、心ない言葉を吐いたり、差別的行動を取ったりする人がいると知り、驚き、また悲しくなりました。病気や感染を恐れるあまりに、自らその危険があるにも関わらず、世のために働いてくださっている方に対して、忌み避けるべき感染源であるかのように遇することなど、あってはならないことだと思います。感謝をこそするべきでしょう。そして、そういう方たちが少しでも安全な状況で仕事ができるように、店に大人数で、あるいはしばしば行ったり、人の多いところに出かけて感染者が増える原因を作ったりしないように、心がけたいものです。

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Natività del Perugino, Montefalco 7/11/2015

Perché metto la foto della Natività a maggio?
Perché ho scoperto che il primo maggio si ricorda anche
San Giuseppe artigiano come protettore dei lavoratori
grazie alle parole del Papa Francesco e il Calendario del
Frate Indovino. Poi maggio è il mese della Madonna.
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by zakkkan at 2020-05-03 14:17
思わず・・両の手を合わせ
「コロナ」退散お願い申し上げます

筋違いなことでしょうね・・(笑)

イタリアへ一度だけ出かけたときに
世界遺産が、街中に、ゴロゴロと
当たり前に、出逢える、あの風景が懐かしく思い出されます

今、そのイタリアの方たちも
せめて、マリア像にでも、拝みたい気持ちでしょうね
Commented by meife-no-shiawase at 2020-05-03 22:51
どちらのブログにもコメントをしたくなってしまうのですが
私はどうしても長々と書いてしまうので簡潔にできるだけ・・・。

トラジメーノ湖のお写真はもうどれも素敵で・・・
特に樹が湖に映っているお写真はあまりにも素敵で
しばしぼ~っと鑑賞させていただきました。

波打ち際の1枚もとっても素敵です。
こんな美しい波のお写真は久しぶりに観た気がします。

カンムリカイツブリ・・・なおこさんご夫妻みたい♡
仲良し♪

修道院やフレスコ画などは・・・
私にとってはもうなんだか映画の中の世界のようです。
チョコレートまつり・・・行ってみたいです~!

医療従事者に対して、本当に悲しいことです。
日本はいったいどうしちゃったんだろう・・・って思います。
でもきっと一部の人なんだろうと思います。そうあってほしいです。
なおこさんのおっしゃるとおり、感謝してもしきれないと思います。
怖くて心配で従事していらっしゃる方も絶対にいらっしゃるはずです。
そんな思いのなかを病気の方たちのために頑張ってくださっている。
そういう方たちに手厚い補助をしてほしいと心から思います。
Commented by milletti_naoko at 2020-05-04 04:10
zakkaさん、記事中に書いたら不謹慎だと思う方がいるかもしれないと、書きはしませんでしたが、わたしも思いはzakkaさんが書かれている言葉と同じなんですよ♪ 子供を救い、悪魔を追い払おうとこん棒をふりかざす救済の聖母マリアに、どうか新型コロナウイルスも退散させてくださいと祈りたい気持ちを、写真に託しました。

つい先日、イタリア国内の文化遺産を紹介するテレビ番組があったのですが、本当に古代から現代まで、様々な世界遺産にあふれている国なのだと、改めて感じました♪
Commented by milletti_naoko at 2020-05-04 05:01
メイフェさん、そんなにトラジメーノ湖の風景を気に入っていただけたと知って、うれしいです。季節ごとに、朝に夕べに、それぞれに独特の美しさがある湖と島、大好きで、夫と二人で普段はしばしば訪ねています。樹が水に映る写真、個人的に好きでどうかなあと思いつつ載せたので、お言葉とてもありがたいです♪

わたしも、ごく一部の人だろうと思いながら、日本はどうしたのだろうと不安を感じています。こうして働いてくださっている方への敬意と感謝の気持ちを忘れないこと、当然の支援も行うことの必要を痛切に感じています。
Commented by : at 2020-05-08 06:21 x
ショッキングだからニュースになります。
感謝のパフォーマンスが日本には足りないのだと思います。
大阪では医療従事者のために多額の寄付が集まって早々に支援を始めています。
http://www.pref.osaka.lg.jp/kenisomu/coronakikin/index.html

私は4月中旬過ぎまで90日間イタリアにいました。日本の新聞を読み終えつつあって
イタリアについての記事が「違う」と思うことは多々あります。
耳目を集める報道とはそういうものだと思っています。
Commented by milletti_naoko at 2020-05-08 07:06
上のコメントをくださった方へ

世界中でそういう傾向があるのでしょうが、ニュースでもドラマでも映画でも、衝撃ばかりを与えよう、視聴率を取ろうとする風潮を、嘆かわしいと思っています。政治批判などを抑え込むための報道規制はいけませんが、たとえばイタリアで行われているように、そうやって最前線で働いてくださっている方に皆が感謝する、敬意を抱くような意図的、教育的な報道も、今のような状況では、特に日本では必要なのではないかと感じています。大阪での支援と同じような経済的、そして危険を避けて安全に働けるための支援、また精神的な支援が、全国で行われていきますように。

まだイタリアにいるわたしも、オンラインニュースや日本の皆さんからいただくコメントなどで知るばかりなのですが、やはり日本での報道に違和感を覚えています。

遠い国の状況は情報を全体的にとらえづらいところもあり、目を引くような情報だけかいつまんで、好きなようにまとめて報道し、その際にステレオタイプもかなり入りがちなのでしょう。残念なことで、そういう傾向は、マスコミも避けるべきであるし、視聴者もより正確な扇動的でない情報を望むべきだと思います。

まったく同じことを、東日本大震災のイタリアにおける報道に日々接して感じていたことを、事あるごとに思い出しています。
by milletti_naoko | 2020-05-03 09:15 | Umbria | Comments(6)