イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

無目的散歩はだめでも運動はよし、イタリア外出規制緩和

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 ふだんから「家にじっとしていられない病」の夫、出かけるならできるだけ遠くに行きたいと考える夫が、5月4日からの新型コロナウイルス拡大のための規制の第二段階、外出・移動規制のゆるやかな解除が始まって、まず考えたのが、ウンブリア州内であれば車で山に出かけて歩くことができるだろうかということでした。その結果、散歩(passeggiata)のために出かけることはできないけれども、運動(attività motoria)のためなら車で目的地まで行って歩くことができることを知り、わたしも確認して、

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Monte Fionchi, Spoleto (PG). 4/5/20120

5月4日月曜日に、さっそくスポレートの南東にそびえるフィオンキ山(Monte Fionchi)の頂上を目指して歩きました。たくさん咲いているであろう野の花を愛でて撮影することも目的の一つだったので、夫は出かける前に、一眼レフカメラを持って行こうかどうしようかためらったのですが、カメラを持って歩いていたら、運動ではなくて撮影が目的だから規制違反と言われては困ると考え、カメラは携帯しないことに決めました。

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http://www.governo.it/it/faq-fasedue
(2021年現在URLが無効となっているため、リンクは削除しました)

 もちろん、自分たちの居住する市町村以外でも、同じ州内であれば訪ねられると知って、まず行きたいと考えた場所の一つには、トラジメーノ湖(Lago Trasimeno)もあったのですが、晴れた日のトラジメーノ湖畔は、ふだんでも人が多く、州外に出かけられない状況で、多くの人が気軽に訪ねられそうな場所の一つで、たくさんの人がいる可能性がありました。湖畔を歩くことが運動として認められるのだろうかという疑問もありました。さらに、久しぶりにたくさん歩くためには、やはりもうずいぶん登っていない山に行こうと、候補に挙がったウンブリア州の山の一つ、フィオンキ山に行くことにしたのです。

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Lago Trasimeno 7/2/2020

 トラジメーノ湖の周囲を、丘を登り下りしながら湖や周囲の眺め、自然を楽しむというトレッキングコースも、わたしは提案したのですが、夫は山と呼ぶには標高が低すぎると考え、またわたしが症状を引き起こす花粉が飛んでいるかもしれないと言うので、なるほどと考えて、もっと標高の高い山を登ることにしました。

 さて、外出・移動規制中は、第二段階での規制の緩和が始まってからも、何ができて何ができないかは、首相令そのものやイタリア政府(governo italiano)ウンブリア州(Regione dell'Umbria)のサイトのQ&Aの情報と共に、Raiのウンブリア地方ニュース、TGR Rai Umbriaでの視聴者からの質問に応えるコーナーも参考にしています。

 先週だったか、ペルージャからは車で約1時間の距離にあるグッビオに住む女性から、運動をするという目的で、ペルージャ歴史的中心街の目抜き通り、ヴァンヌッチ通り(Corso Vannucci)を歩いていいかという質問があり、「運動のためなら認められています」と回答していたので、運動のためであると言えば、町歩きでもよいのかと驚きました。

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Lago Trasimeno, San Feliciano, Magione (PG) 17/7/2018

 けれども、つい最近、同じニュースの質問枠で、ペルージャに住む女性から、「トラジメーノ湖に散歩に行ってもいいですか。」という質問があったときには、「いえ、散歩のために行くことは、今の段階ではできません。」という答えがありました。それだけで、特に説明をつけ加えていなかったので、これは後から質問が殺到するだろうなあと思っていたら、案の定昨夕のニュースで、散歩と運動の違いを問い合わせる人が多数あったとして、「健康のための運動(attività motoria)が理由で移動することは認められるけれども、特に目的がなく出かける散歩(passeggiata)は許可されていないのです。」と説明していました。

 行為自体は同じですから、何だかどうかなあという思いは残るのですが、と言うわけで、夕焼けを見に行くことは今の段階では禁じられているものの、運動のために湖畔を歩いていて、そのうちに夕日が沈むのであればよいようです。週末は人が多いでしょうし、花粉症の症状も相変わらずなので、湖畔に行くのは避けることになると思いますが、できるだけ早くまた大好きなトラジメーノ湖を訪ねて、沈む夕日と美しい夕景を楽しめたらと願っています。

 最後に、在イタリア日本国大使館のサイトに掲載されている、2020年5月4日から17日まで効力を有する4月26日首相例(抄訳)の一部とそのページへのリンクを、参考のためにご紹介しておきます。

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出典:「4月26日首相令(抄訳)」(在イタリア日本国大使館)を加工して作成
該当ページのURL https://www.it.emb-japan.go.jp/itpr_ja/covd_19_20200401dpcm_00001.html


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Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by AU3OGR at 2020-05-10 08:25
なおこさん

鬱鬱とした気持ちを晴らすために
湖の周りを散歩するのは心身の健康のため
とも言えますね。
まぁそれをOKにすると収拾がつかないから
わざわざ湖まで行っての散歩はダメということなのでしょうか。
早く自由になりたいですね。
Commented by zakkkan at 2020-05-10 14:41
運動目的ですか・・
ヨーロッパの規制緩和は、そうみたいですね

日本は、緩いです
自粛要請、あくまでも規則罰則はなしですから

他府県ナンバーの車は見かけなくなりましたが
緩和すれば、途端にと思えます

話がそれました・・m(__)m
あくまでも運動を主であるなら、ちょっと一休みに
パチャリもダメなんですか・・
残念です・・

でも、外の、大自然の空気は、また明日へつづきますね
Commented by milletti_naoko at 2020-05-10 17:24
AU30GRさん、それが同じ湖の周りを歩くのでも、運動が目的だと言えばいいけれど、散歩と言うと違反になるそうなんですよ。むやみに人が出かけて押しかけるのを防ぐための苦肉の策でそういうことになっているのだろうとは思うのですけれども。

やはり何よりも命、安全なので、それを政府が最優先してくれているのは心強いです。まずは少しでも早く感染が収束し、規制がさらに解除されていきますように。
Commented by milletti_naoko at 2020-05-10 17:26
zakkkanさん、あくまでも運動が主で、歩きながら時々撮影するなら大丈夫だと思うんですが、トラジメーノ湖の周囲には、時々重たい大きなカメラを構えて定位置でずっと撮影し続けるカメラマンもいて、そういうのは認められていないのだととらえています。

自然の中で歩けることのありがたさ、つくづく感じました♪
Commented by 3841arischan at 2020-05-10 17:36
なおこさん、トラジメ―ノ湖のお散歩、
今年は、なかなか見られないだろう?というのは
何となく想像していました!
やはり、散歩やカメラを持ってだとダメなのですね^^;
健康のための運動との区別、なかなか難しいですね!
それでも、そのうち、解除になるだろうし、いろいろと解除になれば、トラジメ―ノ湖に集中して人が集まるということもなくなるであろうと思いますから、また近いうちになおこさんの写真も見られると想像しています♡
山歩きだけでも、いろいろなお花が咲いていて癒されますね♡
日本は、これからですが、5月いっぱいは、まだ県内だけのお出掛けになりそうです!
来週から、近くのショッピングセンターがオープンになりますし、県立の美術館もオープンです!
Commented by milletti_naoko at 2020-05-10 23:16
アリスさん、わたしの小さいコンパクトカメラで、歩きながらたまに足を止めて撮影する分にはいいけれど、三脚を立てて一点にずっと居座って撮影したり、写真を撮るのが仕事ではないのに(仕事での移動は許可されています)大仰な撮影道具一式を持ってうろうろしたりしては、やはり目的が運動でないことが明らかなのでいけないのではないかと解釈しています。義弟は、運動靴を履いて湖畔に行けばいいんだろうかと言っていますが、町の目抜き通りも運動目的であれば歩いていいのであれば、単に言葉の問題であるような。

トラジメーノ湖は普段から、天気のいい日、夕日が沈む頃、特に週末に人が多いので、週末は避けて訪ねたいと考えています。

日本も地域ごとに少しずつゆるやかな解除が始まっているんですね。
by milletti_naoko | 2020-05-09 23:30 | Covid-19 Italia | Comments(6)