2009年 12月 21日
第31号(1)「新オリーブオイルとブルスケッタ」
はじめに
最近ペルージャではひどく寒い日が続いていたのですが、19日の朝目を覚まして窓を開けると、辺り一面すっかり雪に覆われていました。北部では積雪のため、便をキャンセルする空港も幾つかあるようです。
1.ペルージャの11月~新しいオリーブ・オイルとブルスケッタ
我が家のオリーブ園(oliveto)は二つあって、私たちが住む家の周囲にあるオリーブの木々の他に、ペルージャ郊外のミジャーナ・ディ・モンテ・テッツィオ(Migiana di Monte Tezio)にも数十本のオリーブの木があります。

写真はこのミジャーナのオリーブ園を撮影したものです。11月半ばには、ペルージャでもこうした美しい紅葉を見ることができました。
我が家では、収穫するオリーブの実を毎年近所の搾油場(frantoio)に持ち込んでいます。我が家で収穫するオリーブは少量であるため(といっても毎年優に100kgを超えるのですが)、搾油は自家生産のオリーブを持ち込む他の人のオリーブと共に行われます。搾油場の使用料は、そうして取れたオリーブ・オイルまたは金銭で支払うのですが、今年はオリーブの収穫量が少なかったため、使用量を金銭で支払ったとのことです。

もともとウンブリア州のオリーブ・オイルは、ラッツィオ州などのさらっとしたものに比べて、とろりとしている上に重厚な味わいがあるのが特徴です。さらに、新しい搾りたてのオリーブ・オイルには、ピリッとした独特の辛味があって、毎年うちの夫とその家族は、搾りたてのオリーブ・オイルでブルスケッタ(bruschetta)を食べるのを大変楽しみにしています。
ウンブリアやトスカーナのパンには基本的に塩分がありません。こういうパンはパン屋ではpane toscano(トスカーナのパン)という名前で売られていることが多いのですが、ブルスケッタを作る作業はまずこのpane toscanoをナイフで何片か1cmほどの厚さに切るところから始まります。熱々のものがおいしいので、たいていは人数分だけ(たとえば我が家であれば二切れ)をオーブン(forno)に入れてトーストし、両面がこんがりとキツネ色になって、カリカリに(crocccante)焼き上がったところでオーブンから取り出します。パンをトーストしている間に、ニンニク(aglio)を一かけ用意し、半分に切って皮をむきます。

パンをオーブンから出してすぐに、このニンニクをパンの上にすりつけて皿の上に置き、まずは塩を適量ふりかけ、そのあとでオリーブ・オイルをお好みの量だけパンの上に回しかけます。こうすると、熱々のカリッとしたパンにニンニクがほどよい風味をつけ、オリーブ・オイルのまろやかなおいしさを十分に味わって食べることができます。新鮮なオリーブ・オイルを味わう最もよい方法として、うちの夫は最近よくブルスケッタを食べたがります。
レストランでは、このブルスケッタの上に、さいの目切りしたトマトなどを盛ったものを、前菜としてメニューに載せていたりします。我が家では最初にご説明した簡素なブルスケッタを食べることが多いのですが、カリフラワー(cavolfiore)をゆでて細かく刻み、塩・こしょうとオリーブ・オイルで味つけしたものを、載せて食べることもあります。
つい最近、ブルスケッタの上に、すりおろしたパルミジャーノ・レッジャーノ チーズ(formaggio Parmigiano Reggiano)と細かく刻んだルーコラ(rucola)を散らして食べたのですが、これもなかなかおいしかったです。写真は、基本の簡素なブルスケッタとパルミジャーノ・レッジャーノ チーズとルーコラを上に散らしたものを並べて撮影したものです。
この記事の続きへのリンクは、以下のとおりです。
- 第31号(2)「ティヴォリへの小旅行 、エステ荘・ハドリアヌス荘と町歩き」


鼻がぴくぴくとしました(笑)。
冒頭の2枚も豊かな秋の景色に引き込まれました。
これを見て思いついて、明朝はパンにオリーブオイルを付けて食べようかと!