2020年 05月 16日
古のティヴォリの遺跡に夕日の光、ハドリアヌス荘
夕日を浴びた後方の遺跡が、彫像が並ぶカノプス(Canopo)の池に映っています。
わたしたちが訪ねた2009年12月には一部立ち入りが禁止され、柵などが設置されていました。夕日に染まる古の遺跡の水鏡がきれいです。
夕日の光に向かって歩いていきます。奥に見えるのはセラーピスの神殿(Serapeo)です。
日が傾くにつれ差す日の光がオレンジ色から桜色へと変わっていきます。
ハドリアヌス帝の南西の端にあるロッカブルーナの塔(Torre di Roccabruna)まで歩き、
夕日や風景が見えるだろうかと、塔の上階へと登ると、
遠い山並みや里を金色の光に包みながら、
夕日が沈んでいきます。
日が暮れるのが早い冬は、閉場時間が午後5時と早く、暗くなる前にハドリアヌス荘を出ようと、出口へと急ぎます。
暮れの紺と夕日のピンクがせめぎ合うたそがれの空も、その光に包まれた遺跡も美しく、このとき左手を見ると、
ポイキレ(Pecile)の豊かに水をたたえた水面が、その空と周囲の木々をそのままに映していて、それはきれいでした。
南西の空には、まだオレンジがかがった残照が残っています。
暗くならぬうちにと、出口へと急ぎます。
ヴィーナスの神殿(Tempietto di Venere)まで来れば、ハドリアヌス荘の北端にある出口まであと少しです。
このあとさらに急ぎ足で歩き続けて、ようやく門の外に出たのは、そのときに写した写真から(ここでは割愛します)、閉場時間であった午後5時の8分前、4時52分であったようです。
昨日、イタリア語学習メルマガ第31号の後半をこのブログに移行したときは、古い写真を見つけること、そしてその中から記事の内容に合う写真を選ぶのに、ことの外苦労し、時間がかかりました。エステ荘もハドリアヌス荘も、そういうきっかけで10年半前の旅行の写真を、久しぶりに見ることになったのですが、その際に写真で見たポイキレの水面に映る夕焼け空があまりにも美しいので、その写真をご紹介するために、今回はたそがれに焦点を当てて、この旅行の思い出を語ることにしました。ずいぶん昔のことなので、ここには載せていない写真も参考に、当時購入したハドリアヌス荘の本やサイトの情報、別荘の地図をもとに、自分たちの足取りを再構築してみたと言った方がいいかもしれません。
昨晩ようやく決まったイタリアにおける外出・移動規制解除の方針によると、6月3日からは、自らが居住する州以外にも行くことができるようになるとのことです。エステ荘やハドリアヌス荘であれば、他の観光客との距離を十分に取ることが難しくなさそうですし、6月3日にはヨーロッパ連合に加盟する国からもイタリアに来ることができるようになると言っても、すぐにははるばるイタリアまで来る旅行客も少ないでしょうから、日の長いうちに、そして暑くなりすぎないうちに、またエステ荘とハドリアヌス荘を訪ねてみたい、そして今度こそ、ハドリアヌス荘のすべての遺跡を見てみたいと、写真を見ながら、記事を書きながらそう思いました。
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- 第31号(2)「ティヴォリへの小旅行、エステ荘・ハドリアヌス荘と町歩き」