2020年 05月 17日
ウンブリアも要注意3州って本当ですか、イタリア新型コロナウイルス感染状況
ご覧のように現在でも、週ごとの感染増加率や住民10万人あたりの現在の陽性者数が、イタリア全国でも少ない上に、
最近では、昨日も含めて、新規陽性者ゼロの日が時々あるようになってきました。
そのため、ウンブリアの地方ニュースでは、今も感染者が多く感染増加率が高い州と足並みをそろえるのではなく、感染が収まっている地域では、州ごとに規制解除を早めることができるようにしてほしいと国に訴えていると、ずいぶん前から聞いていました。
そこで、この数日のニュースや首相の記者会見で、この要望が受け入れられて、今後は各州の自由裁量がかなり効くようになったと知って喜んでいました。一方では、地方ニュースでは、トラジメーノ湖など観光が主な収入源である地域がウンブリアにも各地にあり、ウンブリアは感染の少ない安心して過ごせる地域であることを全国に伝えて、イタリア国内からの観光客を呼び込もうという言葉をたびたび聞いていました。それを聞きながら、まだ感染の多い地域や国からたくさんの旅行者が来たらどうしようと、わたしは内心心配していました。
ですから、今朝たまたまこのニュースを見たときには、本当に驚きました。
Lombardia, Umbria e Molise.https://t.co/jkf6mZOjfQ
— La Stampa (@LaStampa) May 16, 2020
なんとウンブリア州が、モリーゼ州やロンバルディア州と並んで、最も注意を払わなければいけない三つの州の一つだと、健康省(Ministero della Salute)と高等保健研究所(Istituto. Superiore di Sanità、ISS)が、外出・移動規制の緩やかな解除、第二段階が始まってからの1週間、5月4日から10日までの感染に関するデータを分析した結果として、発表したというではありませんか。
レポートや表、記事をざっと見ると、
「ある感染症に対して、その感染症に対する免疫を持たない集団にその感染症を最初に持ち込んだ一人の感染者が、感染力を失うまでに(免疫の獲得もしくは死亡により)、何人に感染させるかを数値化した感染性の指標」である基本再生産数、R0(Basic Reproduction Number)(引用元はこちら)に対し、感染拡大防止のための移動・外出規制が行われてからの感染しやすさを示すというRt(詳しくはこちら)で、なんとウンブリア州だけが1.23と、1を上回る数とされているというのです。
ウンブリア州の真ん中、ペルージャの我が家では、まれに地方ニュースで、なぜか隣のトスカーナのニュースが流れることがあるのですが、つい先日その晩のニュースを聞いて、ウンブリアでは新規陽性者がゼロだった日に、トスカーナでは二十数人と言っていたので驚いていたところです。ご覧のように住民10万人あたりの1週間の新規感染者数はウンブリアより多い州が大半を占めています。でも新規陽性者数の推移はそれとは別かもしれないと確認すると、4月20日から26日までが合計20名、4月27日から5月3日までが26名、5月4日から10日までが17名ですから、現在、5月11日から16日まで、この週はまだ6日のうちに合計18人ではあるものの、どうして先週の一人の陽性者が感染させうる人数の指標が、そんなにウンブリアだけ高いのか不思議です。わたしはど素人なので、計算に際して何かもっと考慮に入れなければいけない情報が、他にあるのかもしれないのですけれども。
これが問題のISSからの通達を詳しく書いた文。確かに最初のレポートには少し感染上昇の恐れと書きつつも特に警戒は必要ないとありますが、感染可能性の数やもっと危険のある州よりウンブリアが危険としているところに大いに問題があって、観光への影響を考えると罪が大きい。https://t.co/TmxQOGH9n6
— Naoko Ishii (@naoko_perugia) May 17, 2020
ですから、このところの感染者の数があまりにも少ないがために、このように現実を反映しない数字が出てしまっているのではないかというウンブリア州長の言うことが、わたしはもっともなのではないかと思い、感染者数がもともと少ない州が表面的に多いRtを持つように見えるような計算式はどこかおかしいのではないか、その見直しをしてほしいと感じています。
イタリアの他州に比べて感染者数が少ないにも関わらず、ウンブリア州では住民10万人あたりに対して行なっているPCR検査数も、全国5位にあたる高さを誇っています。感染を食い止めるための努力としての検査実施や実際に感染者が少ないことが、逆に保健省と高等保健研究所が出すRtの数値を高くしてしまったのだとしたら残念なことです。昨日も確か千数百行われた検査結果で、新規陽性者がゼロであったと地方ニュースで聞いたところです。
もし本当に、ウンブリア州が他州に比べて感染拡大の恐れがあるのであれば、明日、5月18日からはバールもレストランも開くとされているウンブリアでは用心を重ねて州が対策を取る必要があると思います。わたしは、少なくとも夏までの間は、他州や他国からの旅行者の呼び込みで、州内に感染が広がることを避け、できるだけ州内で州の魅力を伝えて観光・旅行を促進するようにしてはと考えていたのですが、それにしても今回のこの発表は、どれだけ真実性があるのかと疑問に思い、そして残念に思っています。
*追記(5月19日): この記事で言及した新型コロナウイルスのウンブリアにおける感染状況については、記事を書いた数時間後に、その後、やはりウンブリア州は感染率が低く、状況は良好であるという言葉が、当の高等保健研究所からあったことが、オンラインニュースで分かりました。
Coronavirus, l'Iss fa marcia indietro:"Rt è solo un indicatore, in Umbria bassa incidenza"https://t.co/V1kuOZZSb4
— Naoko Ishii (@naoko_perugia) May 17, 2020
ただ、イタリア時間で日曜の夜の段階では、この当局からの訂正についてオンラインで報じていたのは、わたしが探して見つけた範囲では、ウンブリアの地方ニュースサイト二つだけだったように思います。その記事の詳しい内容にも言及したいと思い、さらに、月曜のうちに全国ニュースでもその件に関して言及があったかどうかも確認したいところなのですが、ほぼ1日留守にしていたため、この件について詳しくは、また後日お話しできればと考えています。
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Come possibile "Sotto osservazione Lombardia, Molise e Umbria"?
Allarmanti i dati del Ministero e Iss per noi in Umbria.
Non so come calcolare Rt, ma l'unica regione Rt>1 è l'Umbria
dove nuovi positivi totale settimanale 20-26/4 20 persone, 27/4-3/5 26,
4-10/5 17! Sembra strano a me che forse sono troppo ignorante...
Dopo la smentita dell'Istituto Superiore di Sanità:
"Coronavirus, l'Iss fa marcia indietro:"Rt è solo un indicatore, in Umbria bassa incidenza"
https://corrieredellumbria.corr.it/news/perugia/1612756/umbria-coronavirus-rt-dati-umbria-iss-.html
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どこの国も一緒ですね。行政の発表がいまひとつ
信用できない。市中感染率の真実が分からない。
日本ではPCR検査の異常なほどの少なさがより信頼性
を欠いています。この状態は、ワクチンが普及するまで
続くような気がします。めまいがしそうですね。
週末の土日とでかけていたので、先程からゆっくりと
なおこさんのブログを拝読しました。
お誕生日に行かれた数々の場所・・・
もう一枚ごとに「綺麗~美しい~」そして「いいな~」を
何度も小さく叫びながら・・・。
ご主人、やはりなおこさんを大切に大切に思っていらっしゃるのでしょうね。
お誕生日にきちんとこうやって思い出に残る計画をしていらっしゃる。
噴水・・・こんなに幻想的なものは初めてみました。
私は小さなころから音楽が大好きなのですが
ここでオルガンの音楽などを聴いたら、あまりに幸せ度がアップして
感動のあまりに倒れてしまいそうです。
百の噴水も街の中もゆっくりと、一人でもいいので(笑)
歩いてみたいです。
できたらなおこさんとおしゃべりしながら♡
どのお写真もまるで絵画かなにかのように
美しいですね。
なんでこんな美しいところがあるのだろう・・・と
なおこさんの書かれている文章と共に感激しております。
台湾もいいところですが、街並みの美しさや文化の深さ、
そこはやはりちょっと物足りないです。
なおこさんの今の生活が羨ましいです~♡
今の閉鎖的な状況から扉を開ける時・・・
怖いですね・・・やっぱり。
これといった特効薬がまだない中では、
感染の繰り返しは一番、あってはならないことです。
台湾も慎重に慎重を重ねていますが、経済的なことなどから
そのうち規制を緩めていくのだと思いますが
心配でたまりません。
なのでなおこさんのお気持ちもすごくよくわかります。
何事もなく少しずつ元の生活に戻れますように・・・!
データの参照元
厚生労働省サイト https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11339.html
イタリア政府サイト http://www.salute.gov.it/portale/nuovocoronavirus/dettaglioContenutiNuovoCoronavirus.jsp?area=nuovoCoronavirus&id=5351&lingua=italiano&menu=vuoto
わたしも水をこうして主人公にして、様々に噴き上がったり、流れたり、曲線を描きながら流れ落ちたりするように工夫してある庭園、すばらしいなあと感動しました。ここのオルガンの音色は、残念ながら覚えていないのですが、パリのヴェルサイユ宮殿庭園での噴水の演奏は記憶にあり、やはり目でも耳からも同時に美しいものを楽しめるって、すばらしいと思ったように覚えています。わたしももう長い間訪ねていないのですが、いつかメイフェさんとおしゃべりできる日、散策できる日を楽しみにしています♪
温かいうれしいお言葉をいつもありがとうございます。庭園と風景がとにかくすばらしかったので、感動しました。
台湾の町並みや自然、おしゃれなお店の数々やおいしそうな食べ物、わたしも楽しみに、メイフェさんの記事を拝読しています。
イタリアはここまで命を最優先で推し進めてきましたが、経済のためにも、様々な職業を営む人や企業のためにも、危険があることは理解しながらも、十分に注意しながら規制を解除していくことを選びました。毎晩遅くまで様々な州や関係各位との会合を重ねに重ねて決まったことなので、皆の希望を受け入れるために、誰かには不本意な結果になっていることもあるようで難しいところだと思います。せめてもは国民一人ひとりが今後も十分に気をつけていくこと、消費に貢献することが大切だと思うので、できることから一つひとつ注意しながらしていって、元の生活に戻れる日を待ちたいと思います。