イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

一面の水仙 風に揺れるカステッルッチョ、ノルチャ

 久しぶりにカステッルッチョ・ディ・ノルチャ(Castelluccio di Norcia)の高原を訪ねると、思いがけず、一面に自生のスイセン(narciso selvatico)が咲いていて、うれしかったです。

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Castelluccio & narcisi selvatici sul Pian Grande, Norcia (PG) 18/5/2020

 奥の丘の上には、イタリア中部地震以来、まだ再建が進まないカステッルッチョの中心街が、霞んで見えています。

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 1日中、そしてウンブリア州ほぼ全域で、天気が悪く、北西からの激しい風が吹いていました。雨がちという予報が出ていたので、ドライブをして、雨が降っていなければ歩いてみようということで、足を伸ばして、ペルージャから車で2時間半ほどかかるカステッルッチョ・ディ・ノルチャの高原を、久しぶりに訪ねることにしました。

 途中で雨に降られ、着いたときから空が曇っていたのですが、道中も着いてからも、たくさんの花を見ることができました。強い風で花が揺れていた上、寒かったので近くから撮影しませんでしたが、手前に咲く花の中で、空色をしているのはワスレナグサです。

 この写真でも、高原の奥の小さな丘の上に、カステッルッチョの村が小さく写っています。高原の中をゆく道路を車が進んでいたとき、夫が高原の奥の方に白く見えるのはスイセンの花だよと言うのを、話半分に聞いていたので、

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実際に高原を歩いていくと、一面にスイセンが咲いていたので驚きました。

 学名はNarcissus poeticus、日本では口紅水仙という名で親しまれている花です。

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 スイセンに混じって、赤紫のラン(orchidea)も、時々咲いています。

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 黄色い花は、ラナンキュラス、キンポウゲ(ranuncolo)です。

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 シビッリーニ山脈(Monti Sibillini)やその最高峰であるヴェットーレ山(Monte Vettore、2476m)を、最近では時々遠くから見るばかりだったのですが、ようやく久しぶりにシビッリーニ山脈を訪ね、ヴェットーレ山(写真奥の右手)も近くから見ることができました。

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 たいした距離は歩かない予定で家を出たからか、夫が珍しく一眼レフのカメラを持ってきて、撮影していました。重くて荷物になるからと、普段は家に置いておくことの方が多いのです。

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 この高原一面に、赤いヒナゲシや青いヤグルマギクが咲くのは、年によって時期がずれるのですが、例年6月下旬から7月の初めにかけてです。その頃には花、夏には登山、冬には雪の山を訪ねてと、カステッルッチョは四季を通じて、これまでにも何度も行っているのですが、スイセンの花が咲くのを見たのは初めてです。

 今はまだ青い高原の向こうに、緑の木で描かれたイタリアが、車の窓から見えました。昨晩の記事で言及した新型コロナウイルスのウンブリアにおける感染状況については、記事を書いた数時間後に、その後、やはりウンブリア州は感染率が低く、状況は良好であるという言葉が、当の高等保健研究所からあったことが、オンラインニュースで分かりました。ただ、イタリア時間で日曜の夜の段階では、この当局からの訂正についてオンラインで報じていたのは、わたしが探して見つけた範囲では、ウンブリアの地方ニュースサイト二つだけだったように思います。その記事の詳しい内容にも言及したいと思い、さらに、月曜のうちに全国ニュースでもその件に関して言及があったかどうかも確認したいところなのですが、ほぼ1日留守にしていたため、この件について詳しくは、また後日お話しできればと考えています。

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Castelluccio & Pian Grande pieno di fiori
anche ora
con narcisi selvatici, ranuncoli, orchidee e non solo... :-)
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by 3841arischan at 2020-05-19 13:28
なおこさん、久しぶりのカステルッチョで、自生のスイセン見せて頂いて感動しました(^_-)-☆
日本では、園芸品種のスイセンみたいですねー❤
我が家にも、こういう種類のスイセンあると思います(^-^)
昨年のオランダ旅行で、沢山の種類のスイセンを農家の畑で見たのを思い出しました(^_^)ゞ
広大な畑に咲いていたから、自生ではありませんが沢山のスイセンを見たのは初めてでしたからとても感動したのを思い出すのです(^-^)
わすれな草も咲いていて、ほんとに、美しい風景ありがとうございます❤
Commented by PochiPochi-2-s at 2020-05-19 15:45
口紅水仙、球根が園芸店でよく売られています。
でも、こんなに一面に咲いているのは感動ものですね!

水仙ではないのですが、ニッコウキスゲが一面に咲いている
出会ったことがあります。
もう30年ぐらい前の霧ヶ峰・車山高原です。
でも最近は鹿害でかなりの数のニッコウキスゲが食べられてしまい、
少なくなったようです。鹿が入らないように柵しているらしいです。
また尾瀬沼の水芭蕉もかなりの被害を受けているらしい。
そちらでは鹿害がないのでしょうか?

イタリアもロックダウンが解除されましたね。
日本はなんだかはっきりしないうちにそれほどたいしたことも
なかったのかもうすぐ残りの都府県も緊急事態宣言が解除
されるようです。ちょっと?なところがありますが…。
Commented by zakkkan at 2020-05-19 16:31
[ナリシス」ですね
この時期に咲くこの風景によく似た場所へ
行きました
白一面に広がる風景は、圧巻でした

ご主人でしょうか?
あのスタンス、私もよくやります・・(笑)
Commented by sunandshadows2020 at 2020-05-20 13:48
水仙ならちょっと時期が遅いのではと思ったのですが、高原なので気温が低いのでしょうね。
自生の水仙なんですね、素晴らしい!
今緑の山々も夏にはこちらのように茶色になりますか?
それとも雨があるので緑がいつでも楽しめるでしょうか?
Commented by nonkonogoro at 2020-05-21 08:12
野生の水仙
一面に白い花が咲いて
本当に美しい眺めですね。

こちらでは
近場の淡路島の水仙が2月ごろ
見ごろとなっています。

私は2月生まれなので
水仙が誕生花です。
ナルシスト~は 語源がナルシス?
でしたっけ~
Commented by milletti_naoko at 2020-05-21 23:13
アリスさん、わたしもまさかこんなにスイセンの花が咲いているとは思いもかけなかったので感動しました。何とお宅のお庭にもあるかもしれないんですね!

オランダと言うとすぐに思い浮かぶのはチューリップで、蘭もかなりの数を生産していると聞いたことがあるのですが、畑にも一面のスイセンが咲いていたのですね。 

こちらこそ、うれしいコメントをありがとうございます♪
Commented by milletti_naoko at 2020-05-21 23:40
PochiPochi-2-sさん、これまでにもフィオンキ山やスバージオ山で斜面に一面に咲いているのを見たことがあるのですが、標高の高い山に囲まれた広い高原に咲いている様子にはまた、それとは違う美しさがありました。

高原一面に咲くニッコウキスゲもきれいですよね。わたしも、自分自身の修学旅行か、生徒を引率して行ったときか覚えていないのですが、霧ヶ峰で見たことがあります。

イタリアも規制解除が今もゆるやかに進んでいるところです。日本で実施されている検査数が少ないのが気になっているので、本当に感染が収束の方向に向かっていることを祈っています。
Commented by milletti_naoko at 2020-05-21 23:56
zakkkanさんの思い出の中にも、いっぱいにスイセンが咲く高原があるんですね!

その中でこんなふうに写真を撮られていたとは、本格的ですね。
Commented by milletti_naoko at 2020-05-22 00:35
お転婆シニアさん、標高約1350mで、しかも周囲を高峰に囲まれているからか、今がちょうど花盛りという感じでした。そう言えば、スバージオ山でも満開の自生のスイセンを見かけたのは去年5月の半ばです。https://cuoreverde.exblog.jp/30592078/

今緑の山は、基本的には緑のままです。イタリアでは牛や馬、羊の放牧のために、山頂近くなどに木が育たずに草ばかりが生えているところもよくあるのですが、冬も草は青かったような記憶があります。もちろん、雪が降って白くならなければの話ですけれども。
Commented by milletti_naoko at 2020-05-22 00:44
のんさん、淡路島ではなんと2月にスイセンが咲くんですね! 気候が暖かいのでしょうね。この高原は標高1350mなので、咲く時期が遅いのだと思います。

まあ、のんさんの誕生花なんですね!
by milletti_naoko | 2020-05-19 07:21 | Umbria | Comments(10)