2020年 05月 31日
テッツィオ山登れば花と城と見晴らし、ペルージャ
エニシダ(ginestra)が生い茂る急な斜面を登り、ようやく着いた十字架からは、雲は多かったものの、眼下にテベレ川の流れる平野が広がり、遠くの山々も見渡すことができました。
下方には、わたしたちのうち、そして夫の新しい車も小さく見えています。
うちを出発してから10分ほどは、車も通れる砂利道を登っていきます。もうセイヨウオトギリソウ(iperico)の花が咲き始めていたので、驚きました。
道の傍らに、いくつか野生のアスパラガス(asparago selvatico)を見かけたのですが、採っていたら歩かないことになるからと、摘まずに写真だけ撮って、歩いていきます。
例年3月頃から生え出して、雨のあとによく育つ野生のアスパラガスは、イタリアのおいしい山菜です。今年は長い間うちにこもらなければならず、5月になってようやく野生のアスパラガスを食べることができました。
うちを出てから約10分後、森の間を通る細い山道に入ります。最初のうちは道はなだらかで、登り始めても傾斜がゆるやかです。この白いかわいらしい花が、時々傍らの木に咲いていました。
急になった山の細道をなおも登ると、時々左手に視界が開けて、プロコーピオ城(Castello di Procopio)が見える場所があります。
2004年に夫と初めてこの道を登ったときは、花盛りのエニシダとイヌバラ(rosa canina)の枝を、かき分けながら登りました。エニシダは今も花盛りですが、イヌバラはまだ咲いている花もあるものの、散ってしまった花が多く、道に花びらが敷きつめられているところが時々ありました。
カエデ(acero)は、種を飛ばす準備を、着々と整えています。
ようやく目指す一つ目の十字架が見えてきました。一つ目の十字架と呼ばれるのは、テッツィオ山には登山の目的地でもある大きな十字架が三つあるためです。おととい雨が降ったために、山の急な斜面は足もとが滑りやすく、砂利道を歩いてプロコーピオ城まで歩くだけだろうと思っていたわたしが、登山ストックを持たずに出発して、足もとに気をつけながらゆっくりと登ったため、うちから山頂まで約45分かかりました。
一つ目の十字架の付近は、こんなふうに花や緑に彩られて、自然の庭園のようでした。今写真で確認すると、山頂で見晴らしを楽しんだ5分後には、もう山を下っています。
斜面が急なので、下っていると、時々眺めのいい場所があります。この写真の右手には、昨年何度も訪ねて一度登頂もしたクッコ山(Monte Cucco)が写っています。
急な斜面では土に足が滑りやすく、両脇の木で体を支えようと思っても、エニシダは枝が細く、イヌバラはトゲがあリます。山に生まれて山に育った夫は、ひょいひょいと下っていくのですが、わたしは用心しながら、ゆっくりと下りました。
途中から、夫の提案で野生のアスパラガスを収穫しながら下ることになり、友人から夫への電話もあったので、道がなだらかになってからは、じっくりと花を撮影することができました。
このカンパヌラ・ラプンクルス(Campanula rapunculus)も、歩く途中で、時々見かけました。
スイカズラ(caprifoglio)の花も、つぼみが開き始めています。
このかわいらしいピンクの花も咲いていました。
イタリア中部の山で見かけるイヌバラは、ピンクの花が多いのですが、昨日は白い花が咲くイヌバラも見かけました。
わたしがゆっくり歩き、夫も電話したりアスパラガスを探したりしながら下ったので、下ってミジャーナのうちに戻るまでにも、登りと同様約45分かかりました。わたしは2本しか収穫できなかったのですが、夫がたくさん摘んでくれたおかげで、昨夜の夕食はミジャーナの家にあるものを使い、アスパラガスとツナのパスタを作って食べました。夫が言うように「山と海の取り合わせ」なので、これまでこういう食べ方をしたことがなかったのですが、なかなかおいしかったです。
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Passeggiata sul Monte Tezio fino alla Prima Croce
tra ginestre e rose canine fiorite.
Ora in fiore anche i caprifogli e le campanule.
Monte Tezio, Perugia 30/5/2020
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関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- テッツィオ山登頂 (1/5/2010)
- Monte Tezio I - verso Le Tre Croci (1/5/2010)
それをツナとのパスタなんて~
新鮮なアスパラガスがさぞかし美味しかったことでしょう~♡
なおこさんのおうちとご主人さまのお車を探せ~で
お写真をじっくり首を斜めにして拝見。笑。
水色の車が映っているところでしょうか。
な、なんてお大きな素敵なおうち。
緑がいっぱいで空気も美味しそうですね~♪
夫の車は砂色で(販売店ではそう呼んでいました)、うちは、直前の記事の2枚目の写真に見えている家です。隣の家や後ろの家と、ほぼ隣接しているので、一見大きな家に見えますが、メイフェさんが言われている家とはまた別の家だと思います。うちの左手に見える屋根は、かつて家畜小屋として使われていたところで、今は物置になっていたりするんですよ。緑が豊かでありがたいです♪
南北に細長いのところも、日本に似ていますね。
イタリアでもですが、日本でも山の高いところまではロープウェイや自動車で登って、標高の高いなだらかな道を歩きながら風景や花を楽しめるところも、きっとあると思いますよ。
山に生えるカエデは葉も大きいので、プロペラも大きいのかもしれませんね。
黄色いエニシダの花が良いですね~
エニシダの花が少し映り込み、下の村の風景と
とても、合っていて、良いなあと思いました。
エニシダというのは、ハリエニシダとは、また違うのかしら?
語りのお話の中に、ハリエニシダというのが出て来るのです。
野生のアスパラガスとツナのパスタ、聞いただけで、美味しそうです。
筍や、キノコ同様に・・・と書いてありますが、
イタリアでも、筍を食べる習慣があるのでしょうか?
どんなふうに食べるのかなあと想像してます。
イヌバラというのは、私の辺りで見かける、ナニワイバラというのに、似ていますね。
海のものなら海のもの、山のものなら山のもので統一するべきだけれどという思いが、夫の言葉にはあったように思います。トットちゃんのトモエ学園の校長先生の言葉、懐かしいです。不思議と今もぼんやりとですが記憶にありました。
書き方が紛らわしくてすみません。キノコやタケノコ同様なのは、「雨のあとによく育つ」という点だけで、タケノコを掘って食べる習慣はイタリアにはありません。
ナニワイバラよく似ていますよね。わたしも他の方のブログで写真を見て驚き、中国原産だと知ってさらに驚きました。