イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

マダニ騒動 人もマダニも出回る季節

マダニ騒動 人もマダニも出回る季節_f0234936_7113954.jpg
 昨日歩いたクッコ山自然公園のトレッキングコースは、道が細いものの、歩く場所には草がありませんでした。わたしも夫も、過去にイタリアの野山で何度かマダニに噛まれた経験から、特に初夏から秋にかけては、草むらを歩くのを避けるようにしています。

マダニ騒動 人もマダニも出回る季節_f0234936_6585843.jpg
Parco del Monte Cucco 2/6/2020

 夏も野山を歩くことが多いわたしたちが、これまでに噛まれた場所は、牛や野生動物など動物がいたり通ったりすることの多い草むらだったからです。

 教え子が、ペルージャの町の公園を犬と散歩していてマダニに噛まれたと聞いていますので、野山に限らず、町でも草むらにはやはり気をつける必要があると思います。

マダニ騒動 人もマダニも出回る季節_f0234936_771365.jpg

 草むらにしゃがみ込んで、自生のランを撮ろうと上半身も草むらに近づけたことがあり、そのときは直後に首の近くにもマダニが見つかったりしたため、歩いている間は、撮影する際に、草むらに近づきすぎないように注意し、近づかなくても撮れる花だけ写していました。

マダニ騒動 人もマダニも出回る季節_f0234936_7113954.jpg

 そうなのですが、野バラとエニシダがいっぱいに咲く峠に着いたときは、

マダニ騒動 人もマダニも出回る季節_f0234936_722190.jpg

わたしたちが何度か訪ね、宿泊したこともあるフォンテ・アヴェッラーナ修道院(Monastero di Fonte Avellana)が思いがけず目の前に現われたのがうれしくて、つい草むらに入って撮影してしまいました。

 トレッキングコースの向こうに見えるよりも、野の花の向こうに見える方がきれいだからと、草むらを歩いて、しかもしゃがみ込み、しばらく最もよさそうな位置を探してから写してしまったのです。そのとき、牛の糞があるのに気づいて、これはマダニがいる恐れがあるから注意しなければと思いました。

マダニ騒動 人もマダニも出回る季節_f0234936_7243194.jpg

 このときは、夫は一眼レフカメラはうちに置いてきたので、スマートフォンで撮影していたのですが、草の中に座ってさえいます。

 それで昨夕、夫が足をマダニに噛まれたのに気づいて、わたしにそう言ったとき、夫本人は「座ってビスケットを食べたときにマダニがついたのだろう」と言うのですが、わたしは「草原で撮影したときに付着したのだろう」と、すぐに思いました。ビスケットを食べたときは、いつものように、わたしがレインコートを広げて、二人ともその上に座って食べたからです。ところが今朝になって、夫がもう1か所噛まれているのに気づき、その後わたしも、数か所噛まれていることに気づきました。山から帰ってすぐにシャワーを浴びても、マダニはそのまま体に残っていたわけです。

 本当は救急病院に行って、取り除いてもらわないといけないのですが、今は新型コロナウイルス感染の危険もあり、また、病院で長い間待たされている間に、マダニがさらに皮膚の奥深くに入ったり、血を吸い始めたりする恐れもあります。そこで夫にピンセットで取り除いてもらいました。

 そうして、それまで着ていた服を着替えて、山を歩いたときの服や山から帰宅後に着た服をすべて窓の外で払い、シャワーを浴びて髪も洗い、ベッドシーツもパジャマも交換して洗うことにして、まずは寝室とベッド、そうして、どこか床を歩いていては大変と、家中に掃除機をかけました。

 おかげで、授業の前に郵便局に行こうと考えていたのに、今日は行けずじまいになりましたが、うちに持ち込んだかもしれないマダニは、すべて退治することができたのではないかと思います。

マダニ騒動 人もマダニも出回る季節_f0234936_739426.jpg

 命に関わる感染症を媒介する恐れもあるので、今後はマダニにさらに気をつけなければいけない、山からうちに戻る前には、服装や体もよくよく点検して、服についたマダニは外で払い落とすようにしなければいけないと、改めて思いました。

関連記事へのリンク
- 川沿いに花の道ゆけば山と修道院、クッコ山 (2020/6/20)
- 花と撮影に夢中でマダニに噛まれた話、潜むマダニにご用心 (2018/6/6)
- 牧羊犬避けてマダニに噛まれたか、シビッリーニ山脈 (2019/7/3)

参照リンク / Riferimenti web
- 国立感染症研究所 - マダニ対策、今できること [pdf]
- 厚生労働省 - ダニ媒介感染症
- FNN PRIME - 夏のレジャーでは草むらに要注意!「殺人ダニ」に噛まれて感染 死亡例相次ぐ (2018/8/1)
- Puntura di zecca: cosa devi sapere - Il Mountainrider
- Zecche - Istituto Superiore di Sanità - EpiCentro

Articolo scritto da Naoko Ishii

↓ 記事がいいなと思ったら、ランキング応援のクリックをいただけると、うれしいです。
↓ Cliccate sulle icone dei 2 Blog Ranking, grazie :-)
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ  

Commented by 3841arischan at 2020-06-05 08:02
なおこさん、美しい野薔薇やエニシダ、そのほかにも沢山のお花が咲いてる場所に行くと、どうしても撮影に夢中のなるのは分かりますとも~
動物が居る場所、要注意ですね!
日本でも山の草むらでマダ二に噛まれて、亡くなるという事故も年に数件起きています!
噛まれた方の数は、さらに多いのではないかと・・・
幸い家の近所では、そういう事が起きてはないのですが、注意はしたいと思います!

それにしても、近くに寄って撮ったお花の美しいことですね~♡
Commented by AU3OGR at 2020-06-05 10:06
なおこさん

マダニに噛まれても気づかないということは
痛くないんですか?
この時期の草むらは危険ですね!
私もわんこの散歩ではできるだけ草のないところを
選んで歩きます。
犬は土や草むらの方を好むので可哀想ですけど。
なおこさんもお気をつけくださいね。
Commented by BBpinevalley at 2020-06-06 19:38
こんばんは。
私も何ヶ月か前に、マダニに背中を噛まれました。
半日以上気づかず、何だか痒くて、蚊に噛まれた跡がカサブタになったかって思いました。
夫が見て、これはマダニだという事で、ハーバード大のメディカルサイトを見ながら、けっこう手際よく取ってくれました。
ニュージーランドには、ライム病が存在しないので大丈夫なようですが、アメリカだと大変です。
イタリアはライム病があるのでしょうね。
取り除いた翌日、ずっと食欲がなく、倦怠感に悩まされました。
すごく小さいマダニだったのに、驚きました。
なおこさんも、具合が悪くならなければ良いですね。
Commented by nonkonogoro at 2020-06-07 07:29
私もマダニにかまれたことがあるので
用心しています。(たぶん庭で)

今我が家で使用中の 蚊よけのスプレーは
マダニ・家ダニにも対応していると書いてあります。
イタリアにも こういうスプレーがあるといいですね。

私は
マダニにかまれても 痛くもかゆくもなかったです。
だから 気づかず ずっと何日も吸い続けるようですね。
私の場合は たまたまよく見える箇所~膝だったので
気づいたのです。
Commented at 2020-06-07 08:14
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by meife-no-shiawase at 2020-06-08 15:15
マダニはそんなに怖いのでしたか。
うちにもワンコがいるのでダニ退治のお薬は飲ませていますが
一度だけブラッシングをしていたら黒いものがくっついていて
よく見たら血を吸って張り付いていました。(・_・;)。

美しい自然の中には虫がいるのは当然のことですが
やはり大事に至ると大変です。
くれぐれも気をつけてくださいね・・・。

野ばらが可愛いですね~。
思わず野ばらが聴きたくなって検索したら色々出てきましたが
ソプラノ歌手の方がドイツ語で歌われているのがとても良くて
それを聴きながらなおこさんのお写真を楽しみました♪
日本語バージョンも色々有りましたが、
やはりヨーロッパの言語で聴くほうが気持ちが盛り上がりました。笑♡
Commented by milletti_naoko at 2020-06-08 18:56
アリスさん、きれいな花は草むらの中にあることが多いのですが、気をつけなければと改めて思いました。

噛まれても幸い無事なのは、たまたま噛んだマダニが病気を運んでいなかったおかげで、けれども感染症を運ぶマダニもいるわけなので、用心が必要ですよね。

ありがとうございます。花がきれいで、うれしかったです♪
Commented by milletti_naoko at 2020-06-08 19:04
AU30GRさん、マダニに噛まれても、痛みより、むしろかゆみを感じることが多く、まったく気づかずにいて、他に見つかったので点検すると、見つかることもあるんです。

犬はやはり自然の緑の中を歩きたがるんですね! ありがとうございます。AU30GRさんも、どうかお気をつけて。
Commented by milletti_naoko at 2020-06-08 19:13
BBpinevalleyさんも、背中を噛まれたことがおありなんですね! わたしたちも、すぐに気づくこともあるのですが、数時間後、あるいは1、2日後に気づくこともあります。

ライム病はイタリアにもあり、なおさら気をつけなければと思います。最近は、森林が伐採されたためもあってか、野生動物が山はもちろん、人里にまでやって来ることも少なくないので、なおさらのこと。

ありがとうございます 。BBpinevalleyさんも、どうかお気をつけて。
Commented by milletti_naoko at 2020-06-08 19:20
のんさんはなんと庭で噛まれてしまったかもしれないんですね!

マダニ対策のスプレーはこちらにもあるかもしれないのですが、防虫だけではなく人体にも害があるのではないかと不安で、あまり探したことがありませんでした。ひょっとして精油などで対策として使えるものがないかどうか、また調べてみます。

マダニが好んで噛みつく場所がどうやらあるらしく、確かにこれまでそういう場所で見かけたことが多いので、今後は特に気をつけながら確認したいと思いました。
Commented by milletti_naoko at 2020-06-08 19:26
鍵コメントの方、お庭にマムシがいて、しかもかまれてしまっただなんて、大変でしたね。

お庭だと行動が制限されて難しいことと思いますが、どうかくれぐれもお気をつけてお過ごしくださいませ。ありがとうございます。わたしも気をつけます!
by milletti_naoko | 2020-06-05 07:52 | Salute | Comments(11)