2020年 06月 10日
あでやかな蝶 青い海 カプライア島
6月6日、島での初めてのトレッキングの際に、あでやかで美しいヨーロッパフタオチョウ(学名 Charaxes jasius、イタリア語名 Giasone、Ninfa del Corbezzolo)が、昼食のパニーノに止まったところを撮影した写真と、その蝶についてはすでに当日記事にしています。ただ、旅先で携帯電話からの投稿だったため、簡単にしかご紹介できなかったので、今日はこの蝶との不思議な出会いを、さらなる写真を添えて、詳しくお話しすることにしました。
この日、わたしたちは、島の南西に大きく突き出すトラットーイオ岬(Punta del Trattoio)まで歩きました。この写真の奥に見えるのが目的地だった岬で、手前に見える白い花はゴジアオイ(cisto)の花です。
カレープラント(elicriso)の香りのいい黄色い花も、島のあちこちで咲いていました。
まずは、何かの計測器のようなものが立っている岬の先端の高みまで登りました。
登りつめると、左右にカプライア島の西岸が見えて、眺めがすばらしかったです。「岩山をよじ登り駆け下りる様子がヤギのようだ」と友人が評したことのある夫は、険しい岩山をひょいひょいと下って行き、写真の右端に小さく写っています。高所恐怖症のわたしには、その度胸はありません。
このあたりには、ゆっくり腰を降ろせる場所がなかったため、
岩を少し下って、この見晴らしのいい場所で、パニーノを食べることにしました。
わたしのパニーノ(panino)は、朝出発する前に島の店で、生ハム(prosciutto crudo)とナスのオイル漬け(melanzana sott'olio)をはさんで、作ってもらいました。
このとき、風景を楽しみながらパニーノを食べていたら、目の前の岩に、美しい蝶が止まっているのに気がつきました。この写真は、ズームで撮影した写真の一部を切り取ったもので、
このとき蝶は、わたしたちの下方にある岩の上にいました。この写真の右下に小さく写っているのがお分かりでしょうか。
このあと夫が、蝶を呼び寄せようと、バナナの皮を近くの岩の上に置くと、蝶はそろそろとバナナの皮に近づいたのですが、カメラで撮ろうとすると、飛び去ってしまいました。
ところが、このあとパニーノを食べ続けるわたしのそばに、蝶がやって来て、
パニーノの上に飛び移ったかと思うと、
そろりそろりとパニーノの上を歩き始め、冒頭の写真の位置にとどまって、しばらくの間、じっと動かないのです。初めのうちは、珍しく美しい蝶を、間近で撮影できるのがうれしかったわたしも、いつまでも蝶が動かないので困り始め、確かそのうち、夫が追いやってくれました。
そのあと夫が、リンゴの皮を岩の上に置いてやると、今度はその皮に残ったリンゴで食事をしているようでしたが、
15分後には、リュックサックとフリースジャケットの上にじっとしていました。このヨーロッパフタオチョウのイタリア語名の一つ、Ninfa del Corbezzoloは、この蝶がセイヨウヤマモモ(corbezzolo)の果実を好むことに由来するようですが、わたしたちが出会った蝶は、生ハムにせよ汗の匂いにせよ、どうやら塩気のあるものを好んでいるようでした。蝶でも、仲間とは違う味や食べ物を好む場合があるのでしょうか。
6月のカプライア島は、緑と花に満ち、海も青くて美しかったのですが、昨年6月は炎天の暑い日が続き、途中で休憩できる日かげやベンチ、飲み物などを売る場所がいっさいないために、長時間歩くのは大変でした。だからこそ、すばらしい風景とこの蝶との出会いが、ありがたかったです。
かプライア島旅行記事へのリンク / Link agli articoli sull'Isola di Capraia
- 青い海 花の海 生ハム好きな蝶 / Paese - Punta del Trattoio (6/6/2019)
- 古い牢越え青い海臨む絶壁へ / Porto - Ex colonia penale - Il Dattero (7/6/2019)
- 金色の花と城塞 石の浜 / Punta Bellavista - Cala dello Zurletto - Reganico (8/6/2019)
- 島最南端のゼノービト岬へ / Punta dello Zenobito (9/6/2019)
- カプライア島発って船でリボルノへ / Dalla Capraia a Livorno con il traghetto (10/6/2019)
参照リンク / Riferimenti web
- Isola di Capraia. Natura, cultura, itinerari
- Nuova guida Isola di Capraia. Natura, storia, escursioni via terra e via mare, indicazioni turistiche
*トレッキングのコースや地図が見やすく、分かりやすいので、わたしは上の緑の表紙の本が気に入って歩く際に携帯したのですが、夫によると説明は、下の黄色い表紙の本の方が詳しいとのことで、夫はもっぱらこのNuova guidaを参照していました。
翅を開いたところも見てみたいです
日本にも沖縄あたりにフタオチョウが居るらしいですが見たことはないです
本物のパニーニですね!
食べたかったんですよ。本場のパニーニ。
パンといえばフランスが有名ですが、イタリアの
パンも大好きなもので、横浜のパン屋まで買いに行く
ほどなんですよ。しかも本場のハムか、おいしそうで
こちらまでうれしくなりますね。
凄く細かな文様をしていますね
日本の蝶は、結構簡単な文様が主です
中でも、幻と言われる「ギフ蝶」やアサギマダラの文様がありますが、この蝶は、それより、こまやかですね
人慣れしているのかしら?と思わず思いました
追伸
minoruさん・イタリアまで来てましたか?(笑)
とにかく、なおこさん達があるかれたココが
崖で険しい場所だけど眺めとお花が素晴らしいので印象に残りました☆
パ二―ノにチョウチョは、ちょっと忘れてましたが・・・
イタリアで見る蝶は、やはり珍しい模様のがおおくて、
https://arischan.exblog.jp/27996175/の中のキアゲハも日本で見るキアゲハとは違うと思います!
蝶も、日本の蝶よりは近くに寄ってきてくれるのかな?
と感じて撮影しました~♡
なおこさんの旅のお写真も素晴らしくて、自分の旅の景色も思い出し、嬉しい気持ちになります(^^♪
ご主人さまのヤギのように身軽なご様子。
動画で拝見したかったです。笑。
私も高所恐怖症なのでたぶん無理ですが、
この風景はずっと観ていたくなりますね。
蝶々はなにか、なおこさんがお気に入りのような。
こんなパンなどに来るなんてちょっとびっくりです。
まるで懐いているかのような。
リンゴも本当に食べているかのようですね♡
イタリアのパンは地方によって特色があり、パニーノ用のパンはウンブリアでもいろんな種類があります。なんとイタリアのパンを横浜まで買いに行かれるなんて! いつかご自身で食べられるときが来ますように。
みのるさんのコメント、わたしも皆さんのブログで見て驚いたのですが、なるほど確かにわたしのブログへのコメントの方が、在住場所からすると意外なのかもしれませんね。
交通など不便も多かったのですが、自然や風景がすばらしかったです。昨年は旅先からの短い記事しかないようですので、また時間のあるときに、詳細を記事にできればと考えています。
アリスさんの撮られた蝶、イタリアでは時々見かける蝶で、ブログの他のお友達が撮られているギフチョウに似ているなとずっと思っていました。今調べると、学名Iphiclides pdaliriusで、アゲハチョウ科であるところまではキアゲハともギフチョウとも共通なのですが、亜科はアゲハチョウ亜科でキアゲハと共通で、ウスアゲハ亜科のギフチョウとは異なっていますね!
突き出した崖の先までひょいひょいと歩いて行ったり、岩の上によじ登ろうとしたりするので、見ているわたしの方がこわい思いをすることもあります。一度よじ登ろうとして、リュックの重みで落ちてしまったことがあり、そのときは幸い、背中のリュックがクッションになって大した傷はなかったのですが、注意してもらいたいものです。青い空と青い海と海岸の岩、眺めが素晴らしかったです♪
わたしが撮影しようと近づくと、すぐ飛び去ってしまう蝶が多い中で、生ハムなど塩気のあるものに魅かれたのでしょうが、いつまでもいつまでも近くにいたので不思議でした。なついてくれていたのなら、うれしい限りです。