2020年 06月 13日
薬局でマスクは購入できたのだけれど
3月上旬に、イタリア全土で外出・移動が制限されることとなったとき、なかなかマスクが見つからず、ようやく義弟が見つけてくれたので、わたしたちの分も購入してもらったのですが、ごくふつうの手術用マスクであるにも関わらず、そのときは一つが3.50ユーロもしました。その後、イタリア政府が、手術用マスクは50〜60セントで購入できるようにしてくれたとはニュースで聞いたものの、やはり店で手に入らないというニュースも耳にしていました。そのため、出かけることやマスクが必要な屋内で他の人と接触する状況がほとんどなかったわたしはもちろん、夫まで、本当はいけないのでしょうが、同じマスクを、アルコールで消毒してはずっと使い続けていました。
幸い、薬局(farmacia)は郵便局のすぐ近くにあったので、郵便局を出てすぐに、薬局に向かいました。着くと、前に人が並んでいたので、わたしも後ろに並びました。ところが、そうして待っていたら、店員から「番号札を取りましたか」と聞かれました。
それまでこの薬局には、番号札を取って入ったことがなかったので、わたしも前に並ぶ人もそれは思いつかず、そう言われて初めて、店内に入って番号札を取りました。そうして、その後すぐに番号を呼ばれたので、再び中に入りました。
「入り口で番号札を取ってください(Ritirare il numero dell'elimina code all'ingresso)」とは、確かに掲示があったのですが、赤でたくさん書かれた紙の下の方にそう書いてあった上に(ピンクの矢印で示した2行です)、前の人から距離を取って並んでいたわたしには、その人のかげになっていたので、見ることができなかったのです。
入り口から入ってすぐ、左手に半分見えている白いものが、番号札発券機です。奥にあるレジへ行くには、通常三つの通路があるのですが、今は一方通行となっていて、右または左の通路を通ってレジまで行き、レジから入り口へは中央の通路を通って戻ることになっています。わたしの番号は10番で、店員に左の列に並ぶように言われたので、左の床の通路に薄緑色で示された矢印に従って進みました。
郵便局へ行こうと家を出る直前に、夫にマスクを頼まれたので、どういうマスクの種類があってどれを選べばよいかを調べる余裕がありませんでした。そこで、政府が用意した1枚50〜60セントのマスクがあればよいのだけれどと思いながら、列に並び、とにかくどんなマスクでもあればありがたいと考えていました。
それで、わたしの番が来て、レジで「どのマスクがいいですか」と聞かれたときに、「どんなマスクがありますか」と聞くと、「仕事で終始客に応対しなければいけないわけでないなら、手術用マスクでいいでしょう」との返事で、さらに4枚入りと10枚入りとどちらがよいかと聞かれたので、手術用マスクを10枚購入しました。
値段を聞くと、一つ50セントで上乗せがないのがありがたく、医療品として税金控除もできるとのことなので、保健証(tessera sanitaria)も示して、器械で読み取ってもらいました。イタリアの保健証に興味がある方は、こちらの記事に写真があります。
必要なマスクがしかも政府が示す値段で購入できてうれしかったのですが、帰宅して紙袋を開けると、紙袋の中にマスクが直接10枚入っていたので驚きました。安全性や機能を証明するマークやイタリアあるいはヨーロッパ連合国で作られたものであることを示す言葉が入ったポリエチレン袋か何かに密封されて入っているものと思い込んでいたからです。夫は、多数入ったマスクのうち10枚を取り分けたのだろうと言っていますし、薬局で購入したのですから、安全して使えるマスクであることを願っています。
そして、この記事を書くために、店の入り口の写真を拡大し、掲示に書かれている文字を読んで初めて、手術用マスク以外にもどういうマスク(mascherina)が購入できたかを知りました。
それを手がかりに調べてみて、どこかで読んで漠然と知ってはいたのですが、わたしが購入した手術用マスク(mascherina chirurgica)は、自分がウイルスを持っている場合に、他者への感染を防ぐには役立つけれども、他者のウイルスから自分を守るにはほとんど役立たないことがわかりました、同時に、他者も自分もウイルスから守るのに役立つ「バルブなしのFFP2マスク(FFP2 KN95 senza valvola)」が、実はわたしがマスクを購入した店では、売られていたことも分かりました。
ただ、いろいろな記事を読み比べると、薬局の店員が言っていたように、バールやレストランなど、長時間人と接する職業である場合でなければ、一般の人には手術用マスクを勧めています。また、今のところ、バールやレストランでも、たいていの場合は、店の人はすべてマスクをした状態で接客をしていますし、店内で、飲食のためにマスクを外す場合を除いては、皆がマスクをしていますので、手術用マスクで大丈夫な場合が多いと思います。
ただ、ここで問題は、わたしたちが先日いっしょにバラ園を訪ねて、いつものレストランで夕食を共にした友人が、当日していたマスクが、バルブのあるFFP2マスクであったことです。このバルブつきマスクは、他者からのウイルスはほぼ完璧に遮断するけれども、自らのウイルスは20%しか遮断しないマスクなのです。この友人は夫の親しい友人であるだけではなく、職場の同僚でもあり、二人が働くウンブリア州庁の庁舎は、デザイン優先のガラス張りで窓も開けられない建物なので、同じ課で働く同僚である彼がこの「外部に対してはウイルスが通過するマスク」を装着し続ける場合、もし彼が感染していたら夫が危険にさらされることになります。
残念ながら、こういうバルブつきのマスクも、装着する人を時々見かけることがあり、こういう人とマスクで話をせざるを得ない状況も発生しかねないことを思うと、バルブなしのFFP2マスクも手元にあった方が安心なようにも思います。まあ、あの晩の友人の話しぶりからすると、どうやら友人も、わたしたちがその日もしていた手術用マスクがほしかったのに、店にはバルブつきマスクしか置いていなかったようなので、あれから3週間が経とうとする今は、手に入れたであろう手術用マスクをつけてくれるであろうことを願っています。
関連記事へのリンク
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マスクにもいろんな種類があるのですね。
いま日本では暑さでマスクによる「熱中症」が話題に
なっています。屋外ではマスクを外すことを勧める
ようになってきていますね。
屋内ではフェイスガードの着用とか、2メートル以内で
の会話を避けるとか、机の間に仕切りをつけて飛沫感染
を予防するとか、マスクだけでは根本的に無理なようです。
布製のも使用されています。
まあ 気休め程度なのかもしれませんが
やはり 話している相手が マスクをしてないと
不安になります。
私は以前 サーズかマーズの流行った頃に
頑丈なマスクをアマゾンで購入しましたが
緊迫した状態になったら使おうと まだ置いてあります。
アマゾンで 2415円。開封して18枚あるので
おそらく20枚入りだったような。韓国製です。
当時 めちゃくちゃ高いなあと思いましたが
今の状態より 安いですね。
日本では 市場に出回りだしたようですが
以前のように安値ではないみたいです。
昔は100円ショップで 5~7枚位入っていたかな~
日本でもそう言えば、5月の下旬あたりからです!
いろいろな種類がありますが、こちらでは50枚入り1980円というのが一番安価なようです。
10枚入りで売ってるのは少し割高ですが、1枚ずつ袋に入っているので安心です。
私はというと、ほとんど布マスクをしているので、洗い替えがきくし、枚数を気にしなくていいから気に入っています。
通販で、小さめ(女性用)を購入しました。
ただ、これからは、暑いのが難点ですね(・。・;
我々がマスクを買おうとした時はずいぶん遅れていて店頭には見当たらずウェブサイトで購入したのですが、中国製でした。KN95とありますがなんとなくこれで大丈夫かな、そしてその頃は発がん性物質が含有されている中国製マスクのことが話題になっていた時なので、更にしんぱいになったものです。そして規制はあったもののお値段も需要と供給のバランスのせいかとても高価だったと記憶しています。
政府の示す値段で購入出来るのは良いですね。
こちらでも外出時、人が訪ねて来るときは必ずマスクを着用しますが、なんとなく気休めのような感覚もあります。
日本では以前から多くの方が着用する慣習もあるからか、ずっと安いのですね。やはり何かに密封されて製造者が分かる方が安心だと感じられます。
日本の夏は蒸し暑いので、口にマスクがあるとさらに暑いですよね。日本の天気予報を見て、気温の高さに驚いています。
人と対応するとき、接触する時がやはり一番感染しやすいようですから、こうしてマスクを皆が着用することを国も呼びかけ、これまでそういう習慣のなかった皆もするようになって、ほっとしています。
アメリカ在住ブロガーさんのところで拝見しました。
イタリアではマスクは皆さん、されているのですね。
なおこさんがご紹介されたマスクの種類にびっくりです~!!!
でもこの間、台湾のテレビでもやっていましたが
マスクの性能が良くてもきちんと装着していないと
効果は減ってしまうということでした。
その例でマスクと顔の形が合っていないと(!)隙間ができてしまう・・・って。
でも密封するほどになると、あの水泳の時のゴーグルみたいな張り付き方になると・・・
それだともう痕が付いたりして大変ですよね・・・
台湾も色々と規制は解かれてきていますが、マスクだけはまだまだ。
スーパーマーケットでも入店拒否されました。(-_-;)。
でも自分だけでなくスタッフさんのことも守らないといけないですもんね。
これからは玄関のところにマスクの箱を置いて忘れないように
持ち歩こうと思います♪
客もマスクをして手を消毒してから入店し、互いの距離が1mになるように気をつけています。コーヒーを飲んだりクロワッサンを食べるときはマスクを外しますが、それも可能であれば外でするようにしています。
台湾でもなんですね! 先日義父が、マスクなしでは入店しないようにと注意されたと言っていました。安全が守られる点でもありがたいし、店にとっては、そういうマスクなしの客がいるのが見つかって営業停止に追い込まれる恐れがあるので死活問題でもあります。