2020年 06月 14日
黄花藤・蘭咲く森を修道院へ、トスカーナ ラヴェルナ
アッシジの聖フランチェスコ(San Francesco d'Assisi)が聖痕(stimmate)を受けた地に後世に建てられた修道院は、カトリック教の聖地で、聖フランチェスコの足跡を追う数々の巡礼路の巡礼地でもあり、わたしたちも2009年秋に、カゼンティーノの森林(Foreste Casentinesi)を縦断してラヴェルナを目指す聖なる森林の山道(Sentiero delle Foreste Sacre)を歩きました。
夫はもちろん、カトリック教徒ではないわたしも、聖フランチェスコを敬愛しているのですが、昨日ラヴェルナに向かったのは、いつものようにラヴェルナ修道院を頂く岩山を取り囲む森を歩くためでした。
この岩山の裾にあるブナの森を通って修道院を目指す周遊コース、anello basso della Vernaは、所要時間が約2時間で、緑のブナや岩、野の花や風景が美しいので、わたしたちのお気に入りです。国立公園なので、秋・冬の間に狩猟がなく、安全して歩けるのもありがたいです。
岩壁にここまで近づくと、冒頭の写真に見える教会や十字架が木々に隠れてしまうのですが、よくよく注意してご覧になると、右端の木の向こうに、大きな十字架の上部が見えているのがお分かりかと思います。
出発地点であるラ・ベッチャ(La Beccia)が近づいてきたときに、車内から撮影したこの写真では、教会と大きな十字架も右手に見えています。
駐車場からしばらくは、修道院への参詣路を歩きます。ヒナゲシ(papavero)の赤い花が、まだ元気に咲いていたので、うれしかったです。
岩壁の下にある黄花藤(maggiociondolo)は、日当たりがいいために時期が過ぎようとはしていましたが、まだ咲いていました。
このあとは、ブナの木々と苔むす岩の美しい森を通って、岩山の裾を歩いたのですが、今回は昨日咲いていた花と道筋、風景に焦点を当ててお話しします。
森の入り口付近では、この鮮やかなピンク色の花を、あちこちで見かけました。
野に咲く白い星のような小さい花も、そこかしこに咲いています。
ユリにはつぼみが育っています。何十回と歩いたコースですが、ユリの花やつぼみをラヴェルナの森で見かけたのは、昨日が初めてです。
このきれいな蘭(orchidea)の花、ダクティロリザ・マクラタ(学名 Dactylorhiza maculata)も、たくさん咲いていました。
なだらかな山道が途中から登りになり、そうして、雨の日が続いたあとのこの森ではよくあるように、ぬかるんだ道が多くなります。そのぬかるんだ登り道を進んで行くと、道がやがていったん森を出て、
ふり返ると、遠い下方に、テベレ川の流れる平野が、山並みの間に見えています。
日当たりがいいので乾いた山道を登りつめると、トレッキングコースの分岐点なので、案内標識が立っています。これまで歩いてきたのは53番トレッキングコースなのですが、ここから直進すると再び道は森に入り、この先は56番トレッキングコースとなります。ちなみに左に進む道は、パンがおいしいことで知られ、夏にはパン祭りも開催される村、リンボッキ(Rimbocchi)に向かいます。
岩山の半周が終わり、そろそろ森を出ようとする頃に、あとから来た夫と合流しました。昨日は花や自然を観察しながら、ゆっくり歩きたいと、夫が出発時点からそう言っていたので、わたしも花や風景の写真を撮りながら、ゆっくり進んでいました。
頭上に花盛りの黄花藤があり、日の光に輝いてきれいです。この少し先に、黄花藤の大きな木があって花がきれいだったことを、2年ほど前のことだったのですが、覚えていたので、楽しみにしていたら、
そのときよりもさらに、たくさんの花が咲いていて、うれしかったです。どういうわけか、昨年はまったく花が咲いていなかったので、木が切られたのだろうかと思っていたので、なおさらのこと。イタリア語でmaggiociondoloと呼ばれる黄花藤は、5月(maggio)に咲く花が、ペンダント(ciondolo)のように枝から垂れ下がっていることから、その名があるのでしょう。昨年はおそらく5月に花を探したために、まだ時期が早くて見つからなかったのかもしれません。
黄花藤がたくさん咲いている場所で、岩に腰を下ろし、花を愛でながら、うちで作ってきたパニーノを食べました。蝶は周囲を飛ぶだけでやって来ませんでしたが、きれいな花を見ながら昼食が食べられて、うれしかったです。
関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- 90kmの巡礼の旅〜聖なる森林の山道 Il Sentiero delle Foreste Sacre
- 秋のラヴェルナ 岩山の裾周遊コース / Anello basso della Verna in autunno
↑ 昨日歩いた周遊コースの登山地図も掲載しています。
- 生ハムのパニーノ好む美しい蝶、カプライア島 / Farfalla Giasone, amante del prosciutto crudo?
その中でも、とくに、私は大きなキングサリが珍しくて嬉しいです♡
自生のキングサリがこんなに大きくなるのですね~♡
私が英国で見たのも、6月で、でも、お庭なので、お手入れされたキングサリでした~
自生でも大きくなるキングサリ、この黄色が目立つから、咲いていたら直ぐに目がいきますね~
青空の下だからよけいにお花の色が美しく、素晴らしいトレッキングになりましたね~(^-^)
どの国においても、相当なる過酷さを語っています
無宗教ですから、私は
仏教国にうまれこそしてますが、どの寺へ、どの宗派の
という、容にはこだわりが無いのです
ただ、海外で見る、十字架には、なんだか惹かれます(笑)
祈りに満ちた佇まいにかもしれません
イエロースレンダー・・
野生ですね・・好いですね・・素敵です
静かな、澄んだ空気の中、お花畑でランチですね
楽しみに、つづきを・・お待ちしてます(笑)
2時間のお散歩コース。素晴らしいな~♪いいですね~♪
なにか城壁にも見えてきますが、修道院なのですね。
ブナの樹の間の道は本当に気持ちが良さそうです。
でも、秋冬には狩猟の方たちが出たりするんでしょうか?
結構危険だったりするのかな・・・
そして黄花藤にびっくりしました。
私が昨日、台湾で観た樹と同じだと思ったのですが・・・
よく調べてみたら、別のお花なのですね。
でもパット見は本当によく似ているんです。
私が見たのはGolden Showerでしたが、なおこさんのお花(笑)はGolden chain treeでした。
でもどちらも黄色と緑の色合いが本当に美しいですね。
こんなところで美味しいサンドウィッチ♪
いい時間を過ごしていらっしゃいますね~♡
こんなにキングサリがたくさん咲いていたことにも驚きました。かなり高い木もあって、記事中最初のキングサリの花の写真は、高く育った木の高みに咲いている花を、ずっと下から見上げてズームを使って撮影したものなんですよ。なるほど、大きいキングサリは日本では珍しいんですね。よく歩く森でも、花が咲く季節ではないと見分けるのが難しいのだなあと、今回あちこちの木にキングサリが咲くのを見て思いました。
十字架と言えば、ちょうどこのとき、大きな十字架(冒頭の写真の十字架とは別です)を掲げての行進が行われていました。
花盛りの黄花藤を愛でながら昼食が食べられてうれしかったです♪
秋冬は、狩猟のために山歩きがはばかられる場所が多いのですが、このラヴェルナの森は国立自然公園で狩猟が禁じられているので、幸い安心して歩くことができます。公園の境界に近いために、冬は時々銃声が聞こえることがあるのですが、夫によると狩猟の場所はかなり遠いそうです。
メイフェさんの花の記事、わたしも拝見しました。木に育つ様子が遠くから見ると本当によく似ていますね! 黄花藤はキングサリとも呼ばれ、鎖のように、藤のように咲く花は、5枚花弁があるゴールデンシャワーとは違うのですが、そう言えば、遠くから撮影した写真ばかりで、一つひとつの花が分かりにくいですね。次回は近影の写真もご紹介しますね。
散歩中にとっておきの場所で食事ができて、うれしかったです♪