イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

洗礼者聖ヨハネの日とその聖首を祀るローマの教会

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 6月24日は洗礼者聖ヨハネ(San Giovanni Battista)を記念する日です。ちょうど夏至の頃で、太陽や植物の持つエネルギーが頂点に達する時期でもあるためでしょう、イタリア各地に、その前夜、23日の晩から24日にかけて、花と水を使った様々な慣習があることについては、これまでにも何度かご紹介しています。(詳しくはこちら

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23/6/2018

 本来、6月24日は洗礼者ヨハネの誕生を祝う記念日で、斬首と聖首の発見についてはまたそれぞれ、8月29日と2月24日・5月29日が記念の日とされているようなのですが(ウィキペディア「洗礼者ヨハネ」参照)、イタリアで洗礼者聖ヨハネの日と聞いてすぐに思い浮かべるのは6月24日なので、今回は、ローマの町で訪ねてその存在に驚いた、洗礼者ヨハネの聖首を祀る教会について、お話しします。

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Roma 28/10/2019

 昨年10月28日、パスポート更新のためにローマを訪ねたときのことです。道に迷いながらも、何とか日本大使館が開いている間に新しいパスポートを受け取ることができて、ほっとしながら宿泊先のホテルに向かい、帰り道には、行きには撮影する余裕がなかったバルベリーニのトリトーネの噴水も撮影しました。

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 来た道を引き返し、サン・シルヴェストロ広場(Piazza di San Silvestro)に通りかかったとき、わたしの先を歩いていた夫が、写真の左手に見える教会に入っていきました。

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 この教会、San Silvestro in Capiteに夫と二人で入ってみて、二人ともそのとき初めて、

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この教会に洗礼者聖ヨハネの頭(こうべ)が聖遺物(reliquia)として祀られていることを知って、驚きました。

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 洗礼者ヨハネの聖首は、教会脇の礼拝堂に祀られています。

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 斬首によって亡くなった聖人の頭であるため、拡大しての撮影ははばかられ、いつか訪ねたいと思われる方に、どんなふうに祀られていたかが分かるように、カメラの向きだけ変えて、2枚撮影しました。

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 内部は暗く、信者の方がいたので、こんなふうに教会内部の概観が分かるようにだけ写真を撮りました。今調べていて、上の写真には隅しか写っていないアーチ型天井には、洗礼者ヨハネも描かれていたことを知りました。

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 このあと、寄り道し、道に迷いながらローマの町を歩いていたら、パンテオンがまだ開いていたので訪ねたことは、

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以前にも記事に書いたのですが、このパンテオン内部にも実は、中央祭壇の右、上の写真の右端にあたる位置に、

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洗礼者聖ヨハネが、

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聖母子、アッシジの聖フランチェスコと共に描かれていました。

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 この記事を描くにあたって、つい数か月前(だったように覚えています)にどこかの教会で見たはずの洗礼者ヨハネの首を抱えた男のフレスコ画を、パソコンの写真の中から探したのですが、なかなか見つからないので、とりあえず、このまま投稿することにしました。いずれ見つかったら、写真を後から添えるつもりでいます。

関連記事へのリンク
- 芳しい花の力を浴びる朝 (21/6/2014)
- 花の香り・自然の力浴びる朝、聖ヨハネの水 (23/6/2018)
- 夜も美しパンテオン、ローマ (28/10/2019)

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by nonkonogoro at 2020-06-25 09:25
ヨハネの首 頭部のことなんですね。
それが祀られている光景は ちょっと怖いですけれど~
私はマカオで ザビエルの手首が祀られているのを
見ました。 怖がりなので じっくりとは眺めていません。
首は もっと 怖いです。

前日のブログの
ハイキングの美しい光景を もう一度眺めることにします。

Commented by zakkkan at 2020-06-25 15:48
キリスト教には、疎くて・・m(__)m
ヨハネの生誕日ですか

ローマは不慣れなんですか?
なんて、ばかげた質問でお許しね

海外へ旅すると
やっぱり、教会の作り、教会が醸し出す風景に魅了します
それは、海外の方が神社仏閣に足を運ばれるのとは
また違った意味です
Commented by milletti_naoko at 2020-06-25 19:44
のんさん、頭と言っても、詳細の説明はなく、装飾がかなり施された中に入っていますので、どこにあってどういう形をしているかもわたしには分かりにくかったのですが、頭蓋骨ではないかと推測しますが、定かではありません。カトリック教会には、聖人の亡骸を、たいていの場合は表面は覆われているものの、ガラスケースに入れて信者の方が拝めるようにしてあるところも少なくないんですよ。わたしもそういう場合は、こわがりなのであまり眺められませんし、カメラも近くでは向けられないのですけれども。
Commented by milletti_naoko at 2020-06-25 19:53
zakkkanさん、バチカン周辺やテベレ川沿い、最寄駅から日本大使館への行き来など、よく歩く場所は限られているので、今回はいつもとは違う場所、ホテルから大使館に向かって、迷いました。正確には、夫が見当違いの方にこちらだと言って道路を渡ってしまったことがきっかけでした。

こちらの人も、日本の寺社や日本庭園は、歴史とつくり、風景に興味を持って訪ねて、感嘆することも多いのではないかとわたしは感じています。うちの夫もそうでした。
by milletti_naoko | 2020-06-24 23:51 | Lazio | Comments(4)