イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

久しぶり花と緑のポルヴェーセ島、トラジメーノ湖

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 トラジメーノ湖(Lago Trasimeno)に浮かぶ三つの島のうち、最も大きく自然が豊かなポルヴェーセ島(Isola Polvese)を、先週久しぶりに訪ねました。

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Isola Polvese sul Lago Trasimeno, Castiglione del Lago (PG) 19/6/2020

 例年は、3月下旬から船の便が再開するため、その頃にサン・フェリチャーノの港から船に乗って、春のポルヴェーセ島を訪ねるのですが、今年は5月になってもまだ船の便がなかったのです。

 島が近づき、中世の城塞が見えてきました。

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 ラベンダー(lavanda)が花盛りで、蝶が周囲を飛び回っています。わたしたちは、いつものように、岸沿いの遊歩道を時計回りに歩くことにしました。

 金曜の午後であるにも関わらず、人が多かったのですが、いっしょに船を降りた人が皆古城跡を訪ねている間に、何度も訪ねたことがあるわたしたちは城は訪ねず先に進んだおかげで、静かな島を楽しむことができました。

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 まずは半周して、島の北西の端まで歩き、この見晴らしのいい岸辺の岩に腰を下ろし、夫に倣って足を水に浸しました。

 ちょうど夫の頭の上あたりに見えるのがミノーレ島(Isola Minore)、その左手に浮かぶ島がマッジョーレ島(Isola Maggiore)です。

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 夏至を翌日に迎えた太陽の光とトラジメーノ湖の澄んだ水に包まれていたら、このあたりは島に近いために魚が見つかりやすいからか、カンムリカイツブリ(svasso)たちが、湖面を行ったり来たり、水に潜ったりしていました。

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 この日は、トンボ(libellula)もたくさん見ることができて、うれしかったです。

 このあと、帰りの船まではまだかなり時間があることに気づいた夫が、日光浴をしようとTシャツを脱いで岩に寝そべりました。すでに30分ほどこの場所にいたため、できれば日焼けは避けたい上に、せっかくだから島の高みも歩いてみたかったわたしは、「あと30分くらいこうしている」と言う夫に、じゃあその30分間、島の高みを散歩して戻ってくると言って、

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こちらの長い階段を登り、

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オリーブの古木の間を歩きました。イタリア語では、「聖ヨハネの草」(erba di San Giovanni)とも呼ばれるセイヨウオトギリソウiperico、学名 Hypericum perforatum)は、岸辺の遊歩道沿いにも見かけましたが、島の高みには、あちこちに群れになって咲いているところがありました。

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Resti della Chiesa di San Secondo – Monastero Olivetano

 ずいぶん前から工事中だった教会跡も、今は整備が終わり、中を歩くことができるようになっています。

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 元修道院も、環境や科学教育のための場として、生まれ変わりました。盛り上げた土と緑と花でポルヴェーセ島を模しているのがいいなと思います。

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 銀の球体に、きれいに風景が映るのを見て、わたしも映り、写真内に湖の景色も収まるように撮影してみました。

 出発してから25分近く経っていたので、このあと夫に電話して、岸辺へと引き返し、

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二人で残りの半周を歩きました。この展望台からは、島の北東の岸を見渡すことができます。

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 北東の岸辺の遊歩道は、背の高い木々に囲まれています。菩提樹(tiglio)の花が咲いていて、離れたところからも花の香りが感じられるほどでした。

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 秋には自生のシクラメンがいっぱいに咲き、一面がピンクとなる道は、今は緑の木々と苔むす岩のたたずまいが、日本庭園のようです。

 島の南東の端は、見晴らしもよく砂浜もあり、ピクニックをする人たちがいて、子供たちが砂浜で遊んでいました。

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 船の出発まで約20分あり、わたしの提案で港から少し坂を登ったところにある庭に、スイレンが咲いているかどうかを見に行くことにして、南東の端には寄らずにそのままキョウチクトウ(oleandro)が花咲く道を歩きました。

 ところが、庭は工事中で立ち入り禁止だったため、港へと引き返しました。

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 平日でもあり、利用客が少ないからか船が小さく、乗客が互いの距離を取れるようにと、座れる席は限られています。帰りは外の席はいっぱいだったので、船の内部の席に座って、ポルヴェーセ島を出発しました。

 スイレンの花が見られなかったのは残念でしたが、久しぶりに島を訪ねて、美しい花や眺めを楽しむことができて、うれしかったです。

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Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by meife-no-shiawase at 2020-06-25 21:11
なんとも美しいところですね・・・♡
ご主人さまが足をお水につけていらっしゃるお写真の
空と水と山と・・・気持ちよさそうです~!!!
お水も本当に綺麗。
なおこさんも水遊びされたのですね♡
水の温度はけっこう高いのでしょうか?

カンムリカイツブリ・・・
豊富にごはんがありそうですね。笑。

なおこさん、体力がある方ですね♪
この階段はかなりきつそうです。

日本庭園と書かれているお写真の風景もまたたまりません。
こんな素敵なところを歩いてみたいです。

おふたりでお散歩されていらっしゃる時は
どんなお話をされているのでしょう♪うふ♡(๑◔‿◔๑)♪
Commented by milletti_naoko at 2020-06-25 22:55
メイフェさん、空と水と大地に包まれて気持ちよかったです。足を入れた瞬間は、水がひんやりと冷たかったのですが、そのうち慣れてきました。わたしも足だけ水に浸しました♪ カンムリカイツブリたち、なかなか餌を見つけられないようだと視力のいい夫が言っていました。湖面が穏やかで水が澄んでいたので、魚に鳥の影が見えてしまっていたのかもしれません。

ゆっくり岸辺で休んだ後だったので、登っていくことができました♪ いつかメイフェさんと歩くことができる日が来ますように。

二人ともそれぞれのペースで歩いて、たまにいっしょに歩いたり立ち止まったりして話すことの方が多いんですよ。……の花が咲いているとか、あの鳴き声は何の鳥だろうとか、そんな話をしていることが多いような。
Commented by zakkkan at 2020-06-26 12:32
静かなプチ旅でしょうか?
島内を歩かれる、距離は?(笑)
いいですね・・静かな、静かな時間ですね

せっかくだから・・この上ない贅沢は
人の気配を感じない時間ですね

そうそう、菩提樹の花、初めて見ました
黄色なんですね、香りがあるのですか?
知らなかった・・(笑)
Commented by ciao66 at 2020-06-26 17:13
静かな美しい島を楽しめて良かったですね!観光客の向かうほうとは違う道を行くというところがコツだったのでしょうが。
それにしても、花いっぱいで、眺めもいいし、ラベンダーの香りが漂ってきそうだし、菩提樹の珍しい花も有るし、いい時間が過ごせましたね♪
Commented by milletti_naoko at 2020-06-27 08:13
zakkkanさん、島はどう歩くかによって距離が変わってくるのですが、2時間あれば、休みながら、ゆっくり岸辺を1周できると考えて、時刻表を見て往復の時間を決めています。

菩提樹の花、かなり遠くからでも香りが分かります。イタリアでは街路樹として菩提樹を植えているところも、あちこちにあるんですよ。
Commented by milletti_naoko at 2020-06-27 08:19
ciao66さん、島の周り方はいろいろありますが、同じ方向に岸辺を歩いて回ると、皆がぞろぞろと連れ立って歩く形になってしまうので、このときは城塞に寄らずに正解でした。古城と言っても中は空っぽなのですが、初めて訪ねる人には興味深いことと思います。

もう花の時期が過ぎただろうかと思っていたので、たくさん花が咲いていて、うれしかったです♪
by milletti_naoko | 2020-06-25 18:07 | Umbria | Comments(6)