2020年 07月 22日
誕生日 感謝の祝いを聖母に告げに、アッシジ教会と非常時のミサ


アッシジの聖フランチェスコ(San Francesco d'Assisi)が長く暮らし亡くなった場所、生前最も心にかけていたという小さな教会、ポルツィウンコラ(Porziuncola)を大きく包み込むように後世に建てられた教会、

アッシジ郊外のサンタ・マリーア・デッリ・アンジェリ教会(Basilica di Santa Maria degli Angeli)は、夫にとって大切な教会で、ですから以前、ほぼ毎週日曜日にミサに参列していたときは、やや遠方ではありますが、たいていこの教会まで出かけていました。聖フランチェスコを記念する祝祭日、10月4日を選んで結婚式を挙げるほど、聖人を敬愛し、かつ信仰心の篤い両親のもとで生まれ育ったためということもあるのでしょう。
今年初めまでは、毎週ほぼ欠かすことなく日曜にはミサに行っていた義父母も、新型コロナウイルスの感染者がイタリアで出始めてからは、高齢であることもあり、まだミサのために教会の戻ることはなく、テレビで放映されるミサやロザリオの祈りを視聴するという形で、参加しています。
けれども夫は、やはり教会でのミサに参列したいという思いが強かったらしく、先週日曜は午前10時からのミサにと出かけました。外国から訪ねてくる信者も多い教会なので、わたしは感染の恐れもあるかと、そのときは同行しませんでした。その日ミサから帰った夫に話を聞くと、大きい教会であるために、普段であれば復活祭やクリスマスでもなければ、どんなに大勢の人が参列しても皆が席に座ることができるのに、今は感染を防ぐために、数人が座れるはずの長椅子に二人しか腰を下ろせないために、中に入れない人が大勢いて、教会前の広場でミサに参加したのだそうです。ミサがすでに始まってから到着しても、いつもなら中に入って座ることができるのに、夫はこの日はそういうわけで、外でミサを受けなければならず、しかも、このミサの後、次の11時半のミサが始まるまでに、消毒作業が行われたために、教会の中に入ることすらできなかったのだそうです。

7月17日、カステッルッチョからの帰り道にアッシジが近づいてきたとき、夫がこのサンタ・マリーア・デッリ・アンジェリ教会を訪ねて、聖母マリアに感謝を伝えたいと言ったのは、そういう事情もあってのことだと思います。教会が開いているだろうかと、インターネットで調べると、ポルツィウンコラのミサの時刻を書いたページ(リンクはこちら)に、平日は午後6時からミサとあり、ちょうどその2、30分前に教会に着けそうだったので、わたしの方から、ミサにいっしょに参列しましょうかと申し出ました。
この教会の内部は撮影が禁止されているため、内部を写したポスターの写真を引用しています。平常であれば、ポルツィウンコラの小さな教会の奥にある祭壇でミサの説教が行われるため、わたしたちは、その奥の祭壇と小さな教会の間に並ぶ長椅子に空席を見つけて、座ってミサを受けることが多いのですが、今は、新型コロナウイルスによる感染拡大を最小限に食い止めるためでしょう、入り口の扉から遠く換気が難しい奥の祭壇ではなく、この小さな教会の前で、ミサが執り行われました。長椅子には、信者が互いの距離を取ることができるようにと、普段なら4、5人座れる長椅子に、二人だけが座れることになっていて、しかも座るべき位置に、そう指示を書いた紙が貼ってあります。

教会の入り口には、教会内部ではマスクを着用し、入る前に手を消毒するようにと書かれていて、消毒液が設置してあります。教会内を見渡すと、大半の人がマスクをきちんと着用していたのですが、まれにマスクを口にせずに腕につけている人がいたり、顔につけてはいても鼻や口がマスクから出ている人もいます。
「1. マスクは個人を守るものではなく、私のマスクはあなたを、あなたのマスクは私を守ります。2. 公共の閉鎖された空間では常に、屋外では互いに1mの距離が保てない場合にのみ着用義務あり。3. 責任を持って管理し、自然環境に放置しないこと。何か質問ありますか。」#新型コロナウイルス #イタリア https://t.co/F4qKG4wcxQ
— Naoko Ishii (@naoko_perugia) July 19, 2020
以前にも記事に書きましたが、わたしたち及び大半の人がつけている手術用のマスクは、自らを守るにはほとんど役に立たず、自分のウイルスが他人を感染させることを防ぐのに役立つものです。ですから、皆がしっかりとマスクをしなければ、せっかくマスクをしていても、感染の危険にさらされる人が出てきます。この教会のように、例年世界中から多くの信者が訪れる教会であれば、なおさらその可能性があります。
この日は、ほとんどの人がきちんとマスクを装着していたこともあって、最初はつけていなかった人も、後から見るときちんとつけ直したりもしていたのですが、マスクをまったくせずにあちこち走り回っている子供もいました。高齢の信者も多いのですから、感染拡大を防ぐために、皆の意識と責任感が問われるところだと思います。
いつもであれば、大きな画面とスピーカーによるミサの放送があるので、後方の席に座っていても、ミサを目と耳できちんと追うことができるのですが、金曜にはそういう画面やスピーカーを使っての放送はなく、かなり前方で話されるミサの言葉が聞き取りづらかったです。それは、泣いたりおしゃべりしたりする子供、ひそひそと話をする大人たちがいたためでもあります。
3月上旬以降、もう長い間、サンタ・マリーア・デッリ・アンジェリ教会内でミサを受けることができずにいた夫が、平日の夕方、ミサが始まるかなり前に教会を訪ねたこともあって、久しぶりに教会内でミサを受けることができて、夫自身は特に何も言っていなかったのですが、きっと喜んでいたことと思います。
平日金曜の夕方でも、大勢の人がミサに参加していたので、やはり日曜には、さらに大勢がミサを受けようとするために教会内が混雑し、外でないと参列できない可能性が高いのではないかと思います。そういう状況では感染の可能性も高くなるため、わたしはまだしばらくは、日曜のミサへの参列は避けたいと考えています。
余談ですが、この日金曜日は、ペルージャを含むウンブリアの広い地域にわたって、数時間豪雨が続くという予報が出ていたのに、確かスポレートに近づいた頃から空が晴れ始め、アッシジでは青空が広がっていたので驚きました。


飛沫を防ぐために絶対に着用して欲しいですね。
たまに見かける未着用の人を見るとガッカリします。
全員が気をつければ広がりはおさえられると思います。
こんな記事が出てのを覚えています
イタリアも、そのあたり、気になることでしょうね
日本では、経済優先とかで、第二派にも関わらず
ってことが、気にかかります
今年の2月に
「マスク」はね、相手からの防御じゃなく
自分から相手に感染させないため
息子(医療関係者」が言いました
今でもね、暑いのに、外でマスクをしている人の多い日本です、ノーマスク者を白い目で見るような?
熱中症対策には、2メートル以上離れる関係なら
外ではノーマスクが推奨ですって
そういわれても、日本人は生真面目です
それなのに、お酒が入ると・・ダメなのね・・
信仰心の篤い皆様ですから、やはり教会に直接行かれて
ミサを受けたいと思われるのでしょうね。
ご主人さまが喜ばれてよかったです。
それにしてもまた美しい教会に目を見張ります。
青空を背景に本当に素晴らしい。
なおこさんのブログへお邪魔すると、毎日がイタリア旅行のようで
そんな気分を味わせていただけて嬉しいです~。
夏は蒸し暑い日本ですが、マスクをつける慣習が以前からあるので、やはり守る人が多いのは心強いですね。
温かいうれしいコメントをいつもありがとうございます♪ 今はさておき、かつては毎週日曜日にこの教会のミサに出かけていたのですが、不思議なことに朝入るときは曇っていたり霧がかかったりしていても、ミサのあとで外に出ると、青空が広がっていることが多かったんですよ。