2020年 07月 29日
モリーゼへドライブ、音楽と風景とトンカツと

うちを出てから約6時間半後、ようやくヴェナーフロの町並みが前方に見えてきたときは、夫もわたしもほっとしました。

アイゴなら、CDが聞けるという利点もあります。長旅の供にと、ずいぶん前にわたしが、サービスエリアで安価で購入したイタリアの名歌100曲は、いわゆる懐かしのメロディーが多いこともあって、夫の大のお気に入りで、旅の間、うれしそうに聞いていました。わたしが好きな歌や、かつてイタリア語学校の授業で学んだ歌も、たくさんあります。

有料の高速道路を避けて、最も早く着ける道をグーグルマップで調べ、紙の道路地図でも、道のりを蛍光ペンでなぞっておきました。292kmを走り、4時間弱を要するとのことだったのですが、朝食や昼食、給油などに時間がかかることが分かっていたので、宿泊先には、到着は午後4時頃になると連絡してありました。
予定よりも時間がかかってしまったのは、一つには、ウンブリアでもアブルッツォでも道路工事があちこちで長い区間にわたって行われていたために、渋滞を避けて無料高速道路から降りたり、山中のカーブの多い道を、トラックなどの後について行列になって、長い間走ったりしなければいけなかったからです。そのおかげで、それは見晴らしのすばらしい道を走ることもできました。

わざわざ遠いモリーゼまで行かなくても、緑の美しい高い山で登ったことのない山は、もっと近くにもあるのだなあと、そんなことも話しながら、車を走らせます。たとえばここで前方に見える山は、おそらくは登山地図もうちにあるものの、写真に見える斜面の反対側、ラッツィオ州側しか登ったことがないのではないかと思います。

予定より到着が遅くなってしまったのはまた、夫は運転していて気になる場所があると、かなりの遠回りになっても、訪ねようとするからでもあります。
この日も、ようやくくねくね道から無料高速道路へと戻ったと思ったら、車窓から見えた古城が気になった夫は、高速道路を降りて、山道を走って来た方向へと引き返し、バルソラーノ(Balsorano)のピッコローミニ城(Castello Piccolomini)まで運転しました。この広場からの色とりどりの花と古城の眺めが、とてもきれいです。
ただ、そうして夫が山道を引き返している途中、わたしは風景に見覚えがあったので、予感はしていたのですが、実はこの城は以前にも旅の途中で立ち寄ったことがあるものの、個人の所有で訪ねることはできませんでした。夫も城の前まで行ってそれを思い出したため、そのあとは再び、ヴェナーフロを目指しました。

と思ったら、夫が今度は急に、モンテカッシーノ修道院に立ち寄ろうと言うではありませんか。2013年5月に、聖ベネデットの足跡を追って、スビアーコから歩いた巡礼の目的地がこのモンテカッシーノ修道院でした。(詳しくはこちら)訪ねてみたい気持ちがないわけではないものの、すでに訪ねたことがある修道院ですし、長旅の途中で、モンテカッシーノに寄っていては、宿に到着する時間が、告げていた時間よりも遅くなってしまいます。

そもそも、カッシーノを通ることは、前夜確認していたのに、そのときは寄ろうなどとは一言も言っていなかったのです。けれども、一度決めると夫も考えを変えないので、突然の変更で道に迷いながらも、何とか丘のてっぺんにあるモンテカッシーノ修道院(Abbazia di Montecassino)への道を見つけて、長い坂道を登っていきました。

この坂道は、眼下にカッシーノ(Cassino)の町や

平野が広がり、遠くの山並みもきれいに見えて、眺めがすばらしかったです。

長いドライブの末に、ヴェナーフロに着いたと思ったら、今度は宿の場所が分かりません。グーグルマップの指示に従っていたら、こんなところを車が走れるのだろうかという小路に入っていったので、ひどくとまどいました。
結局は、この広場の有料駐車場に車を止めて、宿の主人に電話をして、道を教えてもらい、そうしてようやく、宿にたどり着くことができました。

親切な宿の主人からは、郷土料理がおいしい店、ピザのおいしい店、肉のおいしい店と、レストランを三つ教えてもらったのですが、月曜の晩に開いていたのは、肉がおいしいというDon Carlosだけだったので、パブと知ってとまどいはあったものの、ここで食べることにしました。

メニューを見ると、なんと豚のカツレツ(schnitzel di maiale)がメニューにあるではありませんか。

わたしはトンカツが大好きなのですが、イタリアでメニューに見ることはまれです。思わず注文すると、大きなピザの皿に大きな大きなトンカツが運ばれてきたので驚きました。日本のトンカツほどにはからっと揚がっておらず、トンカツソースはもちろんなくて、味つけは塩でしてあったのですが、とてもおいしかったので、うれしかったです。
わたしのトンカツもですが、夫のハンバーガーもひどく大きいので驚きました。

ヴェナーフロのたそがれの町並みは風情があったのですが、食事ができる場所を探して、すでにかなり歩いていたこともあり、疲れていたので、歴史的中心街を少しだけ散歩してから、すぐに宿へと戻りました。


でも交代で運転できるなら、しかもお気に入りの音楽を聴きながら、そしていいところで寄り道し、モンテカッシーノ修道院からの眺めは絶景だし、それは楽しいひと時だったでしょう!
カツレツは「あたり」で良かったですね♪
疲れた時に「はずれ」に当たると疲労感が増しますが、お宿お薦めのところがやはり正解でしたね!
続きを楽しみにしています。
トンカツをうちで作るときは、オリーブオイルを消費しすぎないようにと、日本のトンカツ用の肉に比べるとかなり薄めの肉を、裏と表を引っくり返して揚げることになりがちなんです。久しぶりに厚みもしっかりあり、ボリュームは大きすぎるほどのトンカツを食べられて、しかも美味しかったので、うれしかったです♪
続きを楽しみにしてくださって、ありがとうございます。少しずつ書いていこうと思います。
ミラノ風カツレットは聞いたことがありますけど、
こういう日本風なとんかつがあったとは驚きです。
塩とレモンをかけて食べたらおいしそうですね。
いっそのこととんかつソースを紹介してあげらた
どうでしょうか。イタリアのかたも喜ぶのではないで
しょうか。
もう、ゆめですね、こうした「旅」は
ドライブを兼ねて、なんて言わせない「車旅」
羨ましいです
ちょっと・・寄り道
それを楽しめる、年代と、ゆとりですね
勿論「登山」は私には無経験ですから
景色を楽しむだけですが
車なら、寄り道が可能。高速より地道がいい
時間を少し、きにならないのなら、こんな旅は
「理想です」日本では、恐らく無理かな?(笑)
それとも、年齢がそういわせるかな?
実は先日、お夕飯にパスタを作ったので、お供の音楽はイタリア音楽をYoutubeから選んで聴きました。
メロディと一緒に流れてくるイタリア語の歌に、
「あ~なおこさんのお話されているイタリア語♪」と思ったら
すごく良い気分になりました♪
車内で聴かれていた曲もきっと素敵な音楽でしょうね♪
予定が詰まっていない自由の旅は途中下車がまたいいものです♪
ご主人さまもまた色々なことに好奇心をお持ちの方ですね。
せっかく行っても、色々なことに興味がないではつまりません。
私もとんかつ大好きです・・・揚物が大好きです。笑。
お塩でも凄く美味しそうです。良かったですね♪
そうですね。トンカツソース、夫も意外と好きだったような。こちらでは高いのですけれども。
わたしも有料の高速道路より、こうして眺めがよく、風景が楽しめる道の方が好きです。目的地だけではなく、道中の風景を楽しむこと、楽しめること、ありがたいです。
そう言えば、親しい友人に、登山や巡礼でも、足を止めることなくひたすらどんどん歩いて行く人もいて、そういう人はそういう人でまた困りますよね。寄り道で見えた風景がすばらしかったです♪
とんかつ、おいしいですよね。大きくておいしくて、うれしかったです♪
緑の深い山々、お城と美味しいトンカツまで、好みのお味で良かったですね!
ありがとうございます。トンカツもおいしく、花の向こうに見える古城がきれいでした♪