2020年 08月 02日
聖なる森 みどり美しい自然の庭園、ラヴェルナ

その美しい森の中でも、お気に入りの場所の一つを撮影したのが、冒頭の写真です。

アッシジの聖フランチェスコが聖痕を受けた聖地、ラヴェルナに後世に築かれたラヴェルナ修道院を、わたしたちは毎年何度も訪ねるのですが、もう何度も訪れていることもあって、最近ではもっぱら、修道院を頂く岩山を取り囲む森を歩くことの方が、行く第一の理由となっています。
わたしはふだんは、修道院が真上に見える岩壁の手前の野原を通り、岩壁のすぐ下を進むトレッキングコースを歩くのが好きで、そうしています。この野原には春から夏にかけて色とりどりの野の花が咲いていることが多く、秋には崖を取り囲む木々の紅葉が美しいからです。

けれども、この日はひどく暑かったため、日がさんさんと差すであろうこの野原を避けて、いつも夫が歩く別のトレッキングコースを歩いて、ラヴェルナに向かうことにしました。
今も花盛りできれいな紫陽花(ortensia)の花に出会うことができたのは、そのおかげです。

大きくみごとなブナ(faggio)の木が、いくつもあることにも驚きました。

いつもは夫が一人で歩く道をいっしょに歩いていくと、こちらの洞窟の前で、わたしがふだん通るトレッキングコースと合流しました。
気温が約30度あって、森の中でも蒸し暑いほどであるのに、上の写真の洞窟の前に立つと、穴から5メートル離れていても、洞窟内から、冷凍庫を開いたときのようなひんやりとした風が吹いてくるのが感じられます。洞窟のすぐ前に立つと、中の空気が冷たいほどでさえあるのが分かります。中に入りたがる夫を何とかなだめたのですが、真夏でも内部がこれほど冷たいとは、いったいどれだけ深く大きい洞窟なのだろうかと、いつ前を通っても不思議に思います。

岩山の周囲を歩くこのトレッキングコースには、雨が降るとすぐぬかるんで、泥だらけになりがちなところが何箇所かあります。この日は久しぶりに、そういう場所さえ地面がからからに乾いていました。長い間雨が降らないためでしょう。

このあといったん森を出て、日ざしが暑いけれども、テベレ川の流れる平野が見晴らせる道を歩き、

再び森に入ります。緑の苔や岩の形の美しさに、感嘆しながら歩いていきます。
朝、わたしがラヴェルナの森を歩こうと提案したとき、夫は人が多すぎるのではないかと心配していました。けれども、「週末は混雑するだろうけれど、今日は平日だし、今は大型バスで訪れる集団の観光客も少ないだろうから、きっと大丈夫。」とわたしが言って、ラヴェルナに向かいました。森の中では幸い、それほど多くの人には出会わなかったのですが、修道院が近づいてくると、手前のレストランにも、駐車場近くにも、そして境内にも、大勢の人がいたので驚きました。

あまりにも混雑しているので、バールでパニーノを頼むのもあきらめて、境内を歩いていたら、高みに赤いバラがきれいに咲いているのが見えました。

そこで、長い階段を登って、バラ(rosa)の花を愛でに行き、そこから教会と境内の十字架も写るように撮影したのが、こちらの写真です。教会前の広場では、今回はあまりにも人が多いので、写真は撮りませんでした。教会も、入り口から中をのぞいただけで、訪ねることなしに、駐車場へと歩いて戻ることにしました。

石畳の参詣路を下って、車を置いているラ・ベッチャ(La Beccia)へと向かうと、途中でこんなふうに岩山の上に建つ修道院が見えるところがあります。上から2枚目の写真は、ここからズームを使って撮影したものです。

さらに進むと、右手に、秋には紅葉が美しいカエデ(acero)の大木があります。その少し先に見える石の門の左手に、トレッキングコースへの入り口があり、わたしはふだんは、ここから石垣の中に入って、野原を通って修道院を頂く岩壁の下へと向かって歩いていきます。

驚いたことに、真っ赤なヒナゲシ(papavero)が、今も元気に咲いています。

修道院の境内は大勢の人でにぎわっていたものの、美しい森を静かな中で、自然と対話しながら歩くことができて、うれしかったです。
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ありがとうございます。今年はやはり海外には行かずに国内を旅行するイタリアの人が多いらしく、イタリア各地のふだんはそれほど観光客が集中しない観光地が、例年になく混雑しています。そういう時期にあって、いつもの森で静けさの中を歩き、きれいな花にたくさん出会えて、よかったです♪
一枚目のお写真、本当に妖精でもどこかに映っていそうな・・・
修道院・・・この言葉だけでも私にはもう物語の中のようです。
この岩壁もものすごいですね。
映画にでも出てきそうな・・・。
そして洞窟。こちらも身近にあるものではありません。
ひんやりとした空気が伝わってくるようです。
こちらの修道院は石造りではありますが、日本の大きなお寺に通じるものが多いように思います。人里を離れて瞑想と祈りに過ごせることから、聖フランチェスコはこうした岩がちの森を好んだようですし、また聖書でキリストが亡くなったときに天地が避けたと言われることから、聖フランチェスコは洞窟、岩の裂け目に特別な思いを抱いていたと、ポッジョ・ブストーネの修道院の修道士さんから聞いたことがあります。ラヴェルナでもオルヴィエートでも夫はどういうわけかこういう切り立った岩壁の周囲を歩くのが好きなのですが、わたしも何かこうした岩壁や岩は、厳しさと共に、守ってくれる大いなる温かさもあるように感じています。
この洞窟から流れる空気はいつもひんやりと冷たいので驚くのですが、この日はことさらに暑かったので、その冷たさにさらに驚きました♪



