イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

読書中『ルネサンスの女たち』とマントヴァ旅行の写真

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 塩野七生さんの『ルネサンスの女たち』に描かれた4人の女性の生涯のうち、おとといの晩、まずは一人目、イザベッラ・デステ(Isabella d'Este)の物語を読み終えました。

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 イタリアに来てから、歴史や文学、美術の授業を通して、イタリアの歴史を学び、歴史番組が好きで、特に中世やルネサンスが取り上げられているときはよく見る上に、イタリア各地を訪ねるたびに、その地ゆかりの歴史や人物について知って、興味深いことが多々あります。

 イタリアのルネサンスが終わろうとする頃、そして、経済や歴史の中心が地中海から移っていこうとする頃の複雑きわまりないイタリアの歴史、当時の人々、できごとを、この作品を読むことで、主人公であるイザベッラ・デステという一人の人物の視点やその一家の運命を軸にとらえ、把握することができました。当時イタリア半島にあった国々の間の政治的状況や、貴族に生まれた子女がしばしば余儀なくされた政略結婚、また僧や尼にならねばならぬ運命、そうしたことは知っていたつもりでしたが、この物語のおかげで、そうした知識がより切実なものとして心に迫り、また、当時イタリア半島にあった国々の互いの関係やその政策、そして多くの人物やできごとを、自分の中で整理することができたように思います。

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Mantova 25/4/2008

 フランスや神聖ローマ帝国、スペインなどの強国のイタリア半島への政治的干渉や支配が、ちょうどこの頃から大きくなってくることは、イタリアの歴史の授業でも学んでいて、そのときは、その理由として、フィレンツェのロレンツォ・デ・メーディチの死や新大陸の発見も挙げられていたように覚えています。一方、『ルネサンスの女たち』の「第1章 イザベッラ・デステ」では、当時の政治的状況が、マントヴァ(Mantova)という一国の侯爵夫人を主人公として語られているため、そうした強国によるイタリア半島への干渉が始まった時期に、マントヴァにとって、一つひとつの事件や戦、同盟などがどういう意味を持っていたかが、よく分かります。おかげで、イタリア半島が大国に支配されていく過程や、その個々の動きを、詳しく知ることができました。

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 そうした難しい政治的状況の中で、国を存続させていくために、マントヴァとウルビーノ、ミラノ、神聖ローマ帝国、教皇領などの間で。それぞれのもくろみがあって行われた政略結婚の多さに驚き、そうした結婚に翻弄された人々、あるいは幸せを得た人々の運命を思いました。当時一人の女性が、ここまで国政に大きく関与し、また国の困難をうまく切り抜けていくことに成功したということにも驚きました。

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 当時の様々な古文書や書籍、手紙などを通して、綿密に構成された一人の女性の生涯と一国の歴史に感嘆すると同時に、心理などが深く掘り下げられることなしに、話がどんどん先に進んでいくことに驚きました。けれども、それは、できごとや人物像を物語のために肉づけして語って、想像・創造の要素が強くなり、史実から離れてしまうことを避けるためであり、また、多くのできごとを包括し、軸や筋をしっかりと持たせて語っていくためには、かえって必要な手法なのだろうと感じました。

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 昨晩からは、「第2章 ルクレツィア・ボルジア」を読み始めました。イタリア各地でボルジアゆかりの館などを訪ねる機会は多く、カプラローラでは確か、悪女という誤った認識でとらえられている女性として、ルクレツィア・ボルジアを語る映像も見たように記憶しています。また、歴史番組でも、後世になってからそうしたゆがんだイメージが定着した理由を、いつだったか紹介していたように覚えています。最近になって発見された当時の文書から、夫の留守にりっぱに国を守ってすばらしい働きも示したことが分かったという番組も、昨年だったか見たことがあり、それはルクレツィア・ボルジアのことだったように思うのですが、ひょっとしたら、イザベッラ・デステのことだったかもしれません。この件については、近いうちに調べてみようと考えています。

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 ブログのお友達に、塩野七生さんの大ファンだという方が少なくないため、以前からぜひ作品を読みたいと考えていて、ずいぶん前に、その最初の2作品である文庫本を購入していたのですが、先週の金曜日に、ようやく読み始めました。読みさしている本が数冊あるので、それを読み終えてからと考えていたのですが、先週は突然ミジャーナに行って、何泊になるか分からぬまま宿泊することになり、インターネットの接続もいまひとつで、授業の準備をするには持って行かなければいけない本や資料が多くなりすぎるからと、塩野さんの一冊、『ルネサンスの女たち』を持って行き、おかげでようやく読み始めることとなったのです。

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 写真は、2008年に夫と義弟が当時属していた合唱団の旅行で、観光ガイドと共に、マントヴァの町を訪ねたときの写真です。わたしたちの初めてのデジタルカメラは、その前年、2007年6月の結婚式のときに、友人たちが祝いに贈ってくれたカメラでした。このマントヴァの写真は、当時夫とわたしが共有していたそのカメラで撮影したものなので、わたしが写したものもあれば、夫が撮った写真もあります。

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 このマントヴァ旅行の写真が少ないことについては、ガイドについて話を聞いていたため、夫も同じカメラを使っていたため、まだブログを始めていなかったためと様々な理由がありますが、一番の理由は、実はわたしたちがマントヴァを訪ねたのはこれが2度目で、この前にも二人で訪ねたことがあったからです。

 このバスの後ろに写っている城の中が博物館になっていて、二人で旅行した夏には、この博物館も訪ねて、内容が充実しているので驚いた記憶があります。ただ、2007年6月から2008年4月のこの合唱団の旅行までの間には、デジタルカメラの写真に、この二人でのマントヴァ旅行の写真がないので、アナログカメラで撮影したか、写真に撮っていないかのどちらかだと思います。

 いつだったかは覚えていないものの、確かにマントヴァとこの城の博物館を訪ねた記憶はしっかりと残っています。それは、ちょうど最高気温が40度を超えるひどく暑い日のことでした。イタリアでは、教会や城など、壁の厚い古い建築は、外が暑くても中が涼しいことが多いのです。博物館を訪ねることにしたのはおそらく涼を取るためでもあったと思うのですが、ところが、どういうわけか博物館であった城の窓が開け放されていたために、早朝だけ開けて、後は閉じていれば涼しかったに違いない屋内が、サウナのように恐ろしく暑かったのです。その暑さに閉口し、ほとんど我慢大会のような暑さと戦いながら訪問したので、マントヴァとこの城を訪ねたことは、夫もわたしも、今でもよく覚えているのです。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2020-08-08 23:13 | Film, Libri & Musica