2020年 08月 29日
花畑しのび寄り包む霧カステッルッチョ


シビッリーニ山脈(Monti Sibillini)の最高峰、ヴェットーレ山(Monte Vettore、2476m)の山頂付近に、雲がかかっています。
さらに車で進み、上の写真の右手奥、丘の上にあるカステッルッチョ・ディ・ノルチャの中心街の傍らを通り過ぎ、

ヴェットーレ山のすぐ前を通る道路の脇に駐車しました。

そして、畑と畑の間を通る細い道をしばらく進み、

車を置いた道路と平行に延びる畑道を歩いていくことにしました。

進んでいくと、途中で道が二手に分かれ、夫は右に進みたがったのですが、わたしは左に行きたかったので、夫は右、わたしは左の道を行くことにしました。右手の道は、牛などが放牧されている方に向かっていて、途中で柵がある可能性が高く、また羊の群れがいる場合には、牧羊犬がいるかもしれないので、わたしは避けたかったのです。それに、左の道を進んで、一番高いところまで登れば、向こう側の風景が見えるのではないかと、期待もしていました。

右手を進む道は、わたしが歩いていた道からどんどん離れていったのですが、遠くを歩く夫の姿が、時々見えました。たとえばこのときも、ズームを使って撮影した写真でないと姿を見つけるのが難しいのですが、

裾野の広い緑の山の手前に、夫が見えていました。

わたしがさらに先へと進んでいくと、夫が前方から歩いてくるではありませんか。
遠くに雷鳴が聞こえたり、雨がぱらついたりすることがあったため、夫は進行方向を変えて、ぐるりと回り、駐車していた車へと戻ることにしたのです。
わたしも、このあとさらに少しだけ先に進み、前方に見える高みまで歩いたのですが、霧がかかっていたので、期待していたほどの眺めは見られませんでした。

このあと車まで戻ってから、しばらくドライブし、先ほど夫が手前を歩いていた裾野の広い緑の山が見えるあたりを車で走っていたら、左手から厚い霧の層が迫ってきます。

車から降りて、霧を見守ると、白い霧はどんどん進んでいき、

2分足らずで、山を包み隠してしまいました。

霧はこのあとも、さらにカステッルッチョの方へと進んでいき、

高原はあっという間に

霧に覆われてしまいました。

このあと、わたしたちが車で霧を追い越し、霧を通り抜けたときには、カステッルッチョ・ディ・ノルチャ(Castelluccio di Norcia)がまだきれいに見えていたのですが、ご覧のようにカステッルッチョの後方にも霧がしのび寄ってきていたために、わたしたちが冒頭の写真の位置まで車で進んで後方をふり返ったときには、カステッルッチョももう霧に包まれて見えなくなっていました。
散歩のあとドライブしたのは、ヴェットーレ山の向こうにある峠からの風景を見るためだったのですが、途中から道路も山もすっかり白い霧に包まれて、何も見えず、それで再び花咲く高原へと引き返して、眺めを楽しんでいたら、わたしたちを追いかけるように進んできた霧が、高原を見る見るうちに覆ってしまったのでした。おかげで、霧が周囲を包んでいくめずらしい風景をこの目で見て、撮影することができました。
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カメラを通してだと見えていますが
そうでなければ見えないほど遠くを歩いていらっしゃったんですね!!!
そして前方から。笑。
でも歩かれたところはお花もいっぱい咲いていて・・・
動物たちはいなかったですか?
でもそのあとの霧がものすごいですね。
迫力が・・・本当に珍しい、初めて見ました。
どこか日本の高原の風景と似ているんですよね。
やはり日本とイタリアは風土的に似ている部分が
あるのかなと思ってしまいます。
ところで牧羊犬はどんな種類の犬種なのでしょうか、
吠えられたり、襲ってくることもあるのでしょうか。
このあたりの高原は観光客が訪ねるためか、夫が行こうとした方向に、動物たちがいる柵に囲われた広い場所があり、その外にはいなかったのではないかと思います。もう少し人が少ないところにいると、羊が放牧してあるところもあるのですけれど。
標高が1300m近くある高原なので、霧が動いていくときに、その向こうにあるものがどんどん隠れているのが手に取るように分かって、見ていて驚きましたし、何だか楽しかったです。
イタリアの山では、放牧がされている動物たちが草を食べてしまって、木々が生えないところも少なくないのですが、日本でもそういう高原があるんですね。登山をされる方の写真を見て、わたしもよく似た山や森の風景、花や植物に驚くことがあります。
牧羊犬は白い大きな毛深い犬で、吠え立てたり、襲ってきたりしそうな犬も少なくありません。
