イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

オルヴィエート散歩で栗拾い 今夜は焼き栗

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 先週オルヴィエート(Orvieto)の崖下トレッキングコースを久しぶりに歩いたときは、夫は早足で2周、わたしはゆっくり歩いて1周することに決めて、途中から夫が速度を上げて、ぐんぐん歩いていきました。

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Anello della Rupe, Orvieto (TR), Umbria 9/10/2020

 きれいだなあと思う風景や花があったら、足を止めてじっくり眺めて写真も撮り、ゆっくり歩こうと思っていたわたしは、そのため、

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途中で、栗がこんなにたくさん落ちているところがあっても、2周目を歩く夫に追い越されてはいけないと、栗を拾わずに歩いていきました。

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 そうして、オルヴィエートの南西の崖下から、長いながい坂道を登って、ローマ門前の菩提樹並木が見えてきたときに、思いがけない黄葉に感動し、

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並木通りに着いてから、夫に電話しました。この通りには、歴史的中心街に入って行ける門が二つあるので、このままコースを歩き終えるか、それともいっしょに中心街を歩くのか、相談しようと思ったからです。

 すると、電話は呼び出し音が鳴るばかりで返事がないのに、下方から夫の声が聞こえたので驚きました。

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 驚いて、柵の下方を見やると、なんと夫がすぐ下、駐車場の脇を通る道にいるではありませんか。上の写真は、このあと夫が歩いて行ってしまってから撮影したので、夫は写っていません。

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 上の写真で落ち葉で覆われた歩道のすぐ先に、中心街に入って行ける門があるので、その「門で待ち合わせましょう」とわたしは言ったのですが、夫の方が足が速いので、また、たくさん歩いて疲れてもいたのでしょう、夫は門の前を通り過ぎ、写真の奥に見えるベンチに座って、わたしを待っていました。そこで、先日もお話ししたように、ベンチに二人並んでしばらくいっしょに休みました。

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 それから、このローマ門からオルヴィエートの歴史的中心街に入り、

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岩壁に設けられた扉が、ホビットの家のようだと思って見ていたら、

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扉の前にいた子猫が、いったんは扉の内部に入って、こちらから様子をうかがっていたのですが、しばらくすると、再び扉の前に出てきて、わたしたちの方を、じっと見ていました。

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 そうして、このあとは二人でしばらく歴史的中心街を散歩して、そのまま車を置いていた駐車場に向かいました。夫がわたしに、「栗がたくさん落ちていたけど、拾ったかい」と尋ねたので、拾わなかったと答えたら、「どうして拾わなかったの」と言われたことは覚えているものの、そんなふうに話したのが、この散歩中だったのか、それとも、菩提樹の下のベンチで落ち合ったときだったのか、そのあとだったのかは、覚えていません。

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 とにかく、散歩中もそのあとも、夫は自分自身が栗を拾ったとは、一言も言わなかったのです。

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 というわけで、今夜になって夫が急に、「今夜は栗を焼いて食べよう」と言ったときは、驚きました。そのとき初めて、実は夫が、オルヴィエートの崖下を歩いていたときに、栗を拾っていたことを知ったからです。

 夕食には、柄の長い栗焼き専用のフライパンを使って、夫が栗を焼いてくれました。栗もいくつかの種類があるようで、あまり味のないものもありましたが、甘くおいしい栗もありました。思いがけず、秋の風味を楽しむことができて、うれしかったです。

 専用のフライパンや栗を焼く様子に興味のある方は、次のリンク先の記事をご覧ください。
関連記事へのリンク
- 崖下の金いろ菩提樹と日本食、オルヴィエート
- オルヴィエート秋の実色づく崖下の道

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by sunandshadows2020 at 2020-10-17 08:15
なおこさんが栗が拾えなくて私も残念に思っていたのですが、なんと足の速いご主人が拾ってくれていたんですね。
ふいと顔をのぞかせた猫さんも可愛いし、歴史のあるオルヴィエートの散策が気楽にできるのが羨ましいです。
Commented by 3841arischan at 2020-10-17 09:57
オルビエートの秋、イイですネ―♡
私が訪ねたのは6月のお祭の時だったから、違う風景が見れて嬉しいです~♡
崖の上の街、イタリアには多いけど、どこも雰囲気ありますよね~(^_-)-☆
猫ちゃんが扉から顔を出してる姿、ほんとに素敵な一瞬でしたね~☆
栗が沢山落ちていて、しかも大きいですね!
日本の栗は、栽培してる栗は大きいですが、野の栗は小さいので拾うと大変だから活け花用か?飾り用には拾いますが食べる用は、産直で買ったものです^^
ご主人様が拾われた栗の焼き栗、素朴でこれぞ秋の味覚ですね♡
Commented by AU3OGR at 2020-10-17 10:47
なおこさん

美しい石塀の街並みですね!
ひょっこり顔出した猫ちゃんが絵になります(๑・̑◡・̑๑)
焼き栗も美味しそう(((o(*゚▽゚*)o)))
焼く時は殻が爆ぜたりしないのでしょうか。
我が家でもできるかな?
Commented by ciao66 at 2020-10-17 13:03
最後の焼き栗の写真からいい栗の香りが漂って秋を感じることができました。いいですね、こんなにたくさん、思いがけずにご主人が持ち帰っていたとは!採れたよと言わないでおいたのは、サプライズを狙った憎い演出だった!

あのオルビエートの街にもう一度行きたい!と思った今回の巻でした。
Commented by Penta at 2020-10-17 13:58 x
岩壁を1周とか2周とか、どこに旅行をしても、近辺を散歩がてらよく歩くのが、その土地を知る上でもいいし楽しみなんでしょうね。

しかし道にたくさんのいが栗が落ちていますね。
家から最寄駅の途中に栗の木が1本あって、先日は自転車のタイヤの空気が漏れる原因が短いいががタイヤに刺さっていたのが原因でした。(笑)
全部空気が抜けていなくて、朝駐輪して夜使う時に、へこんでいるのに気づくくらいの減り具合でした。

柄の長いフライパン、栗だと飛び跳ねるから長くなっているのかと思ったら、暖炉とか焚火で焼くときに便利なんですね。
日本なら焼き芋のような感じが、イタリアでは栗なんでしょうかね。
Commented by tokotakikuh at 2020-10-17 16:03
素晴らしいです
この黄葉の風景は、まさに秋本番ですね
何時もながら、広角のうまさをみます

可愛いね・・キジトラちゃんの子猫
こんあのみると・・たまらないよね(笑)

イタリアも・焼き栗食べるんですね(笑)
Commented by meife-no-shiawase at 2020-10-17 21:06
ご主人さま、栗を拾ってくれていたのですね~♪
私もあれだけの栗・・・惜しい~!!!と思っていたので(笑)
なおこさんが食べられて嬉しくなりました~。٩(ˊᗜˋ*)و!!!

栗を焼くフライパンって生まれて初めてみました。
なるほど・・・穴が開いているんですね。
でもどれぐらいの時間、揺すっていないといけないんでしょう?
けっこうフライパンが重そうですから、トレーニングになりそうですね。
なおこさんの栗焼き姿(笑)も拝見しました♪
自分で焼いた焼きたての栗は、焼きたての焼き芋みたいに美味しいんでしょうね~♡
Commented by cometsan1966 at 2020-10-17 22:15
凄い数の栗がぼとぼとと行く手にこんなに落ちているとは(^-^;
それを避けて歩くのが大変な位ですね・・本当に凄い数☆彡
景色が本当に素晴らしいですね~この岩の造形物や門や塀や
そこにある建物も・・そして色づく木々も落葉も凄く絵になります(*^^*)
こんな美しい場所で運動が出来るなんて。。羨ましいです!

焼き栗・・持ち手の長い専用のフライパンがあるんですね
こうやって直火で焼くのに驚きました(@_@)面白いですね!
たしかもアウトドアのキャンプなんかでは焼く動作自体
凄く見栄えもしますね(*^^*)ふふふ・・やってみたくなりました☆

焼い上りもとても美味しそうですね(^^)/
とってもダイレクトに秋を感じる嬉しい味覚ですね☆
Commented by milletti_naoko at 2020-10-19 01:36
お転婆シニアさん、わたしも拾っていたら、夫に追いつかれてさっさと追い越されてしまっていたと思います。

今年初の栗がオルヴィエートで拾った栗というのも、おもしろいなあと思いつつ、おいしい焼き栗を楽しめました♪
Commented by milletti_naoko at 2020-10-19 04:13
アリスさん、季節ごとの表情が見られるのは、近くに住んでいるおかげで、車で1時間半で行ける距離にあって、ありがたいです。秋のオルヴィエートと言うと、わたしが真っ先に思いついたのは柿がたくさん実った木だったのですが、今回はその通りを通りませんでした。

この猫、かなり恥ずかしがり屋さんのようで、けれども、いったん隠れたのに、また出てきてくれて、安全だとみなしてくれたのでしょうね。かわいらしかったです。

この栗、近くで撮っているので大きいように見えますが、日本で見かける栗と同じくらいの大きさのように思います。オルヴィエートの周囲の栗の木は、本来は食用に栽培していたものではないかと思うのですが、定かではありません。

今年初めて食べた栗、おいしかったです♪ アリスさんが手をかけて作られる栗の数々のデザートは、美しい上に、とびきりおいしそうですね。
Commented by milletti_naoko at 2020-10-19 04:22
AU30GRさん、オルヴィエートは、岩壁の上に築かれた町で、ところどころに崖がむき出しではなく、石やレンガで覆われたところがあるんですよ。

ありがとうございます。いつ訪ねても、町並みや風景が美しいなと感嘆します♪

焼き栗、おいしかったです。おそらくは栗がはぜないように、焚き火の上やコンロの火の上で焼くときも、オーブンに入れて焼くときも、あらかじめナイフで殻に長い切れ目を入れておくのだと思います。おかげではぜることはありませんでした。
Commented by milletti_naoko at 2020-10-19 04:32
ciao66さん、わたしと会ったときは2周目だったので、栗はおそらく車に置いてきていたのでしょう。思いがけず、こんなにたくさん栗が食べられて、うれしかったです♪

いつかぜひオルヴィエートを再訪される日が、早く来ますように♪
Commented by milletti_naoko at 2020-10-19 05:02
Pentaさん、この崖下周遊コースからは、古代エトルリア時代の墳墓遺跡も見ることができ、眺めのいいところが何箇所もあり、今でも咲いている花があって、健康のために歩いたり走ったりしているらしい町の人に、毎回何人も出会うんですよ。

栗のイガで自転車のタイヤがパンクしてしまうなんて! それは大変でしたし、それではこれから気をつけなければいけませんね。

皮にナイフで長い切り目を入れて、飛び跳ねないようにして、焼いているんです。焼き芋もおいしい季節になりましたよね。先日、スーパーでサツマイモを見つけて、思わず購入しました。どうやって料理しようか、考え中です♪
Commented by milletti_naoko at 2020-10-19 05:14
zakkkanさん、ありがとうございます。
菩提樹の黄葉、とてもきれいでした♪

子猫ちゃん、家の人以外の人を見かけることが、まだ少ないのかもしれませんね。隠れてしまったものの、そろりとまた出てきて、こちらを見やる様子が、かわいらしかったです。

そうです。イタリアでも焼き栗を食べるんですよ。
Commented by milletti_naoko at 2020-10-19 05:23
メイフェさん、夫ったら、わたしが拾わなかったと言ったら、「確かにまだ白っぽい栗が多かったよね。」とだけ言っていたんですよ。まさか栗を拾っていたとは思わなかったので、驚きました。ありがとうございます。わたしも栗が食べられて、うれしかったです♪

栗を焼くのに要する時間は、火がコンロの火か焚き火か、また火の強さにもよるのですが、確か20分ほどで、焼き色がついてきたら揺すって、栗のどの面も焼きあがるようにするのだと思います。

おお、わたしの栗焼き姿も見てくださったんですね! ありがとうございます♪ 焼きたてのあつあつの栗、おいしかったです♪
Commented by milletti_naoko at 2020-10-19 05:28
お馬さん、歩いていたら一箇所、木の周りに道いっぱいに栗が落ちているところもあって、びっくりしました! 拾っている女性がいたので、わたしは邪魔はいたしません、距離は取りますという姿勢を見せて、早足で通り過ぎたのではありますが。

ありがとうございます! 焼き栗の写真だけというのもどうかなあと思って、歩きながら目にしていいなあと思った風景も、写真を何枚か選んでみたので、お言葉とてもうれしいです♪

直火なのですが、小さい穴からわずかに火が通るように工夫が凝らしてあって、おもしろいフライパンですよね。ご自身で焼かれるときには、どうか栗が跳ねるのを避けるために、皮の腹にナイフで切り目を入れていおくのをお忘れなきようにお願いしますね。

こちらは柿の季節はまだですが、栗がおいしくて、うれしかったです♪
by milletti_naoko | 2020-10-17 07:58 | Umbria | Comments(16)