イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

とびきりの夕焼けトラジメーノ湖に突然に

とびきりの夕焼けトラジメーノ湖に突然に_f0234936_08310699.jpeg
 久しぶりに晴れた空がうれしくて、今日は夕方、夫と二人で歩くことにしました。トラジメーノ湖に近い山を歩くトレッキングコースなら、時々湖の眺めも見られるのではないかと思ったのですが、

とびきりの夕焼けトラジメーノ湖に突然に_f0234936_07475636.jpeg
Magione (PG), Umbria 20/10/2020


秋咲きのシクラメンがあちこちに咲き、ヤマモモの実が緑の森を彩っているところはところどころにあるものの、湖があるはずの道の左側はもちろん、右側も上の木々に覆われていて、湖も空もなかなか見えません。

とびきりの夕焼けトラジメーノ湖に突然に_f0234936_07504372.jpeg

 そこで、緑の木々の間をひたすら歩いて、ようやく視界が開けて、トラジメーノ湖(Lago Trasimeno)が見えたときは、うれしかったです。手前に見えるのは、湖の南東の湖畔にある村、サン・サヴィーノ(San Savino)で、その向こうに浮かぶ島はポルヴェーセ島(Isola Polvese)です。

とびきりの夕焼けトラジメーノ湖に突然に_f0234936_07552804.jpg

 上の地図に赤で示された蝶ネクタイの形をした21番トレッキングコース(Trekking 21 Monte Melino - Monte Penna - Monte Sperello)は、以前にも一部歩いたことがあり、そのときは、モンテ・メリーノ(Monte Melino)から、地図にピンクで囲んだ見晴らしのいいところを通って、さらにまっすぐ進み、カスティッリョナッチョ山(Monte Castiglionaccio)の辺りまで歩いてから、道が分からなくなったので、来た道を引き返しました。

 同じところを歩かないようにと、今回は、コースの南側から見晴らしのいいところへ行こうと考え、車でたどり着ける道を探して、なんとか車でコースに近いところまで行って駐車し、トレッキングコースを歩き始めました。

とびきりの夕焼けトラジメーノ湖に突然に_f0234936_08122863.jpeg

 ようやく湖が見えるところに来たと思っても、すぐに風景は木々に隠れてしまったのですが、途中から、かなり険しい登り道がひたすら続き、そうやって登り続けたおかげで、視界が開けて、ふり返るとトラジメーノ湖が見えるところが、時々あるようになりました。

とびきりの夕焼けトラジメーノ湖に突然に_f0234936_08163982.jpeg

 急な山道をさらに登り続け、高い木々が周囲にないところでは、こんなふうに後ろをふり返って、眺めを楽しみます。

とびきりの夕焼けトラジメーノ湖に突然に_f0234936_08190032.jpeg

 やっとのことで坂道を登りきると、前回も歩いた道に行き当たります。左に曲がって、眺めのいいところへと向かい、こんなふうに、右手にマッジョーレ島(Isola Maggiore)ミノーレ島(Isola Minore)が見えるところまで歩きました。

 日が暮れる前に車に戻ろうと、このあとは来た道を引き返し、険しい坂道を下りました。

とびきりの夕焼けトラジメーノ湖に突然に_f0234936_08243439.jpeg

 下っていくうち、下り始めには木々に隠れて見えなかった夕日と湖が、少しずつ姿を現しました。

とびきりの夕焼けトラジメーノ湖に突然に_f0234936_08253530.jpeg

 さらに下ると、夕日と日の光に輝く湖面も見えてきます。

とびきりの夕焼けトラジメーノ湖に突然に_f0234936_08264598.jpeg

 木々の間から、雲と空、湖を、夕日が金色、オレンジ色に染めていきます。

とびきりの夕焼けトラジメーノ湖に突然に_f0234936_08283735.jpeg

 坂道を下りながら、夕日や湖が比較的きれいに見えるところで、足を止めて撮影しました。

 夕日と光の帯が見えるときには、ポルヴェーセ島が木々の後ろに隠れ、島がきれいに見えるときは、夕日が木々に隠れがちなのですが、木のシルエットもまた美しいと、今写真を見て、そう思いました。

とびきりの夕焼けトラジメーノ湖に突然に_f0234936_08312961.jpeg

 夕日が山の向こうに沈んでしまう前に、なんとか、湖が見渡せる場所まで、下っていくことができました。
 
とびきりの夕焼けトラジメーノ湖に突然に_f0234936_08310699.jpeg

 そして、一足先に来ていた夫といっしょに、沈む夕日と、穏やかな湖面が空を映して紅に燃える様子を見つめました。

とびきりの夕焼けトラジメーノ湖に突然に_f0234936_08345769.jpeg

 夕日を見送ったあと、夫に言われて左の空を見て初めて、空に三日月が浮かんでいるのに気づき、今日も月が見られたと、うれしく思いました。

 このあとは左右も上も木々に覆われた小道が続くため、暗くなってしまう前に車に戻ろうと、早足で急ぎました。木々の間から時々見える空や湖が、長い間美しい夕焼け色をしているので、驚きました。最後にはほぼ真っ暗になってしまったのですが、スマートフォンの明かりのおかげで、無事車までたどり着くことができました。

 えも言われぬ美しい夕景を、山を下りながら、たびたび目にすることができて、感動しました。

***************************************************************************************************************
Si infiammano il cielo, le nuvole e il Lago Trasimeno,
a mano a mano che cala il sole e scendiamo il sentiero.
La salita è ripida e faticosa, al ritorno il bosco era quasi buio,
ma è valsa la pena. Il tramonto straordinario.
In alto si vedeva pure la luna crescente.
Magione (PG), Umbria 20/10/2020
***************************************************************************************************************

Articolo scritto da Naoko Ishii

↓ 記事がいいなと思ったら、ランキング応援のクリックをいただけると、うれしいです。
↓ Cliccate sulle icone dei 2 Blog Ranking, grazie :-)
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ  

Commented by 3841arischan at 2020-10-21 09:02
なおこさん、トラジメ―ノ湖が見えるトレッキングコース、良いですね~♡
最初は、なかなか見えなくて、有る所からパッと見えるというのも感動しますよね~
トレッキングコースが整備されてるのって凄く素敵なことだと思いました~(*^_^*)
日本のこういう場所で、整備されてるところもあるのだと思いますが、私はそういう場所を歩いたことがないので、見せていただいて感謝です~♡
降りて来たら夕陽の時間というのも、まさにジャストタイムでしたね~(^_-)-☆
最近の日の入りの時刻は何時くらいですか?
日本は、夕方6時台かな???
Commented by sunandshadows2020 at 2020-10-21 09:24
トラジメーノ湖沿いにそのようなトレッキングコースがあったのですね、初めて知りました。
湖が見え隠れするコース、素晴らしいコースでしょうね。
今回も的な夕焼けですね。
湖と月の風景も良いですね。
Commented by tokotakikuh at 2020-10-21 16:59
感動の得る時間を持つと
明日、きっと良いことあります(笑)

三日月ね
月の出が10時
月の入りが21時

お月様を観ること、わすれてます
Commented by cometsan1966 at 2020-10-21 22:46
いつも見ている美しいトランジメーノ湖も場所を少し変えてみると
また違った感じの表情を見せてくれますね・・トレッキング
コースを進みながら振り返り湖を見ると違った角度や思いもよらぬ
また美しい姿を再発見しますね(*^^*)

富士山も全く同じです・・いつも北にデーンと鎮座していますが
違った場所で見るとその山肌の表情も驚くほど変わります
えっ!?こんな表情なんだ富士山・・形が違うとか・・変だなとか・・
でも・・皆さん自分のところから見える富士山が一番だ!
と誇りに思っているところが面白いです(^-^;ふふふ

いつもながら本当に素晴らしい夕景ですね(*^^*)
湖面に夕日が見事に反射して壮観です・・綺麗ですね☆
お月さまもまだ遠慮がちに輝く時間ですね・・趣がありますね(^^)/
Commented by meife-no-shiawase at 2020-10-22 16:20
トラジメーノ湖。
いつもなおこさんが行かれるところとはまた違った角度からですね。
本当に大きな大きな湖なのですね。

蝶ネクタイ型のトレッキングコース。
上から見ると面白いですね。
これは右回りでも左回りでも歩いて大丈夫なんでしょうか?
両側に分かれて歩いて途中で再会♪なんて面白そう。笑。

なおこさんはご主人さまと出会われる前から、こうやって
山歩きがお好きだったのですか?
自然の中を歩く・・・
生活の中にたくさん取り入れられていていいな♪って思います。
Commented by ciao66 at 2020-10-22 17:38
山から街を見下ろし、湖を見下ろし、いつもと違う景色が見えるというのは新鮮なことですね。そしていつもの夕日も山の上からなら、素晴らしい展望とともに一段と綺麗ですね。
判りやすい地図がnetにあるのがいいねと思ったのです。
でも、http://www.parks.it/parco.trasimeno/で、英訳しながら見たのですが、サイトのどこに地図があるのか見つけられませんでした。
Commented by milletti_naoko at 2020-10-23 05:20
アリスさん、やはりトレッキングコースは、指示された出発地点から行くのがよいので、途中地点を探すと大変なことになるなあと思いつつ、すばらしい眺めと夕日に感動しました♪

実はコースは、あまり整備されておらず、急な斜面に一直線のトレッキングコースなものだから、夫が言うように、大雨のときに水路となってしまい、地面が流れて下の岩がむき出しになり、とても歩きにくかったです。でも、そのおかげでおそらく、この辺りでは人に会うこともなく、安心して歩くことができました♪

まもなく冬時間になりますが、今日の日の入りは6時16分だったようです。
Commented by milletti_naoko at 2020-10-23 05:22
お転婆シニアさん、トラジメーノ湖の近くには、いろいろなトレッキングコースがあるんですよ。長い間風景が見えないと思ったら、険しく足もとも悪い下り道で、長い間湖の夕景を楽しむことができて、感動しました。

思いがけず月が見られて、うれしかったです♪
Commented by milletti_naoko at 2020-10-23 05:30
zakkkanさん、感動の夕日そのものが、すばらしい体験だったのですが、ありがとうございます。よいことがありますように♪

今日は幸い、月の入りは午後11時前だったのですが、夕焼けの美しい頃、空の高みにきれいに見えて、うれしかったです。
Commented by milletti_naoko at 2020-10-23 05:33
お馬さん、空を覆う雲が夕日に染まり、トラジメーノ湖に映って、とてもきれいで感動しました。

富士山と同じで、見る場所や方向、天気や季節によって、また表情が違ってくるので、いつ見ても違った美しさがあるように思います。お馬さんもそうすると、お馬さんが散歩中に見られる富士山が一番だと誇りに思われているのでしょうね。
Commented by milletti_naoko at 2020-10-23 05:40
メイフェさん、せっかく天気がいいから山を歩いてみようと、この日は岸からは少し離れた山を歩きました。トラジメーノ湖は、イタリアで4番目、イタリア中部では一番目に大きい湖なんですよ。数日かけて、湖の周りを歩いて一周するトレッキングコースも、近年考案され、歩く人が増えてきているようです。

わたしは夫と知り合う前は、山を歩くことなど、めったになかったんですよ。自然の中を歩くこと、その楽しさを、夫に教えてもらいました♪
Commented by milletti_naoko at 2020-10-23 05:54
ciao66さん、今回の登り下りの道は、見晴らしがすばらしく感嘆しました。ただ、山育ちで険しい道の登り下りに慣れている夫ならいざ知らず、わたしは登山靴に登山用ストックと装備を整えていても、登りにも下りにも、苦労するところが時々ある道だった上に、夕日を見送ると帰り道がとっぷりと暗くなって街灯もないので、前回歩いたモンテ・メリーノから歩きやすい道を歩いて行って、見晴らしのいいところから、しばらく風景を楽しみつつ下ってみるくらいの方が、安心して歩けるのではないかと思いました。

http://www.parks.it/parco.trasimeno/
このページの左手にある目次のうち、上から4つ目のItinerariをクリックすると、トラジメーノ湖のトレッキングコースの一覧が現れ、そのうち下方にある左手に赤い線が付されたコースについては、リンク先に地図のPDFをダウンロードできるリンクがあるようです。すべてではなく、そのうちのいくつかで確認しただけではあるのですけれども。
by milletti_naoko | 2020-10-21 08:43 | Umbria | Comments(12)