イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

イタリア危険度別規制強化 ウンブリア他数州もオレンジゾーンになる可能性、新型コロナウイルス感染状況

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 イタリア全国で、そしてわたしたちが暮らすウンブリア州でも新型コロナウイルス感染者が急増する中、最近では、「そろそろ首相令が出る」と言われるたびに、テレビニュースやオンラインニュース、ツイッターで情報を調べたりして、「いつ出るのだろう、どういう内容なのだろう」と、そわそわして落ち着きません。首相令で、どれだけ日常生活や移動に制限がもたらされるのか、すでにある予定や行動をどんなふうに変えていかなければいけないのかが、分かるからです。

 新聞やニュースなどでは、「今日の何時に首相の記者会見」とあったのに、けれども、全国20州の州長などとの話し合いがもめて、ようやくまとまったのが午前1時で、発表は翌日に持ち越され、それも結局は昼過ぎになったということもありました。イタリア全土ロックダウンとなるのではなく、各州の状況に応じて、三つのゾーンに分けて、それぞれに応じた規制が課されるとは知っていたものの、では、ウンブリアはどのゾーンにあたるのだろう、これだけ感染者が急増しているのだから、最も厳しい措置が取られるのではないかと、11日4日にはらはらしていたら、同じようなつぶやきを、ツイッターで多く見かけましたし、当日午後8時20分から首相の記者会見があると知ったのもやはりツイッターで、この日は夕食を早めに終えて、夫と二人テレビの前で、首相の言葉と説明を注意深く聴きました。

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https://twitter.com/MinisteroSalute/status/1324338739322277890

 そして、住民人口あたりの感染者数やその急増ぶりから、絶対最も規制が厳しいだろうと思っていたウンブリアが、予想に反して、措置が最もゆるやかなイエローゾーンに属すると知り、また該当する抑制措置を聞いて、まだまだ自由に行動できる範囲が多いことにほっとすると同時に、現状に対してあまりにも規制が甘いのではないかと、心配になりました。

 詳細については、在イタリア日本大使館のサイトが、それぞれのゾーンにおける規制がよく分かるように、次のようにまとめてくれています。
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出典:在イタリア日本国大使館「ゾーン別措置(概要:2020年11月6日から有効)」
(https://www.it.emb-japan.go.jp/itpr_ja/covid_19_20201106misureGAR.html)
↑ リンクが現在は無効となっていますが、外務省サイトの指示に従い、リンクを残してあります。

 イエローゾーンについての規制は、11月3日の首相令ですでに聞いていた規制に比べて、特に新しいことはなかったように思います。

 11月3日の首相令が出るその前から、同居する人以外の人の家は、家族や友人であっても訪ねないようにと、すでに政府からは、規制ではないものの、感染を防ぐべく守るようにと強く呼びかけていました。屋内の同じ場所で長い間いっしょに過ごし、かつ話をしたり歌ったりする場合には、たとえ換気をしていても、マスクをしていなければ感染する危険が高いことが分かり、また、家族や友人と家の中で共に過ごすことが原因で、感染が拡大する例が多いことが明らかになっているからです。けれども、そういう指示が政府からあり、また、10月13日の首相令ですでに、私宅であっても同居していない人を6人以上招かないように、また、屋内に同居していない人がいる場合は、私宅でもマスクをするように言っているのですが、「私宅までは警察は介入しない」ことをいいことに、10月24日土曜日にはロマーニャの友人たちが訪ねてきて、さらに義弟夫婦も加わって、結果的にミジャーナの家に、同居していない7人が集まっていました。食事の間も食後のおしゃべりも、もちろんマスクなしです。

 また、11月1日は、高齢の義父母への感染が心配だからと、日曜の大家族での昼食は避けた方がいいとわたしが言い、義父母と夫は説得できたのですが、医師であるはずの義弟の奥さんと義弟が、「自分たちは仕事のために外に出るだけだし、感染していないから大丈夫」と義父母を説得して、結局皆でいっしょに食べることになってしまいました。

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 イタリア全国で4万人に近い新規感染者と425名の死者が出た11月7日は、ウンブリア州でも新規感染者が688人、死者が4人も出て、現在の感染者数は今では9375人となっています。

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https://coronavirus.regione.umbria.it/

 にも関わらず、今回ウンブリア州がイエローゾーンにとどまったのは、三つのゾーンに分ける際に参考にした情報が、10月25日までの感染状況だったためでしょう。現在の陽性者数(attualmente positivi)は、10月25日の時点でも急増していたものの、11月7日に比べれば半分以下でした。

けれども、残念であると同時に幸いなことに、ウンブリアは他の数州と同様に、金曜に発表されるはずだった最新報告に見られる感染状況を考えれば、今のままイエローゾーンであるかどうか、定かではない州の一つとなっています。

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 移動が厳しく制限されるのは、わたしも辛いのですが、わたしも夫も仕事はオンラインでできていますし、残念ながら、イエローゾーンのままでは、規制や推奨事項が守られず、友達や家族を大切に思うという名義のもとに、マスクなしで集ったり、互いの家を訪れたりすることが、わたしの身近だけではなく、イタリア各地で続けられることでしょう。

 8日日曜日は、大家族では集わず、各家庭でそれぞれが食べることになったと知ってほっとしているのですが、2週間後には、さらなる規制がなければ、現状であればやはりイエローゾーンのエミリア・ロマーニャの友人たちは、ミジャーナに泊まりがけで来る予定だと言っているのです。大勢で集うその中に、一人でも感染者がいれば、感染がそのあとどんどん拡大してしまうということに、症状がなくても自分も感染しているかもしれないということに、思い至らない人があまりにも多いことが気になります。そういう友人たちの中には、高齢者が大勢いる施設で働く人や、学校の教員もいるので、なおさらのこと。

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http://www.governo.it/it/articolo/domande-frequenti-sulle-misure-adottate-dal-governo/15638

 ウンブリアもまだイエローゾーンである間は、健康のための散歩やトレッキングのために、イエローゾーンである他のゾーンには移動ができるので、8日は大家族での日曜の昼食もないことですし、どこかに歩きに行こうかと夫と話しているところです。できるだけ人と会わずに済む場所へ、移動することができる今のうちに。

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Perugia, Umbria 7/11/2020

 7日土曜日は久しぶりに朝から天気がいいので、ブドウの葉と隣家のポプラの葉が、日の光に輝いて、黄葉がとてもきれいでした。夫は朝から、義父とトーディから駆けつけた義弟と共に、日が暮れるまでオリーブを収穫しました。仕事が忙しいために土曜でないと授業が受けられないという生徒の授業があるわたしは、仕事や掃除、食事のしたくをしました。

*追記:この後11月9日月曜日に、ウンブリア州も、リグーリア、バジリカータ、トスカーナ、アブルッツォと共に、11月11日水曜日から、オレンジゾーンとなることが決まりました。詳細は↓
- クッコ山の夕日とウンブリア他5州水曜からオレンジゾーン (10/11/2020)

関連記事へのリンク
- 秋色ラヴェルナと感染拡大イタリア・ウンブリア (24/10/2020)
- 冬時間 夕焼けと夫婦げんかと首相令 (25/10/2020)
- 新型コロナウイルス感染拡大急増イタリア・ウンブリア (1/11/2020)
- 感染少ない安全地域から危険性中程度オレンジゾーンへ、イタリア第二波 ウンブリアの場合、World Voice 連載第7回 (11/11/2020)
- イタリア写真草子 Fotoblog da Perugia タグ:新型コロナウイルス イタリア

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by 3841arischan at 2020-11-08 14:27
なおこさん、まだまだ感染者の多いイタリア、
全土ロックダウンでなくて良かったですと言いたいところですが、法的拘束がないと、「いいだろう~」と解釈する人が出るのは、まずいことでもありますね!
集まるのが好きなイタリア人、なおこさん夫婦のお友達たちも良い人たちではあるけど、こういう時期だから、もしも?のときは、感染拡大につながるし、難しい問題ですね!
感染者が出ないことをいのってます!
Commented by tokotakikuh at 2020-11-08 16:08
そうですか・・
この数をみると・仕方のない処置ですね
これから、冬場に向かいます
インフルと、抱き合わせで、コロナ感染怖いです

静かに、見守りましょう
ただ、気持ちの良い日は、自然観察も
いいのでは?
Commented by cometsan1966 at 2020-11-08 23:41
イタリア・・深刻な状況になって来ましたね・・
こちらのコロナニュースでも必ずイタリアが入っています(@_@)

日本大使館の地域における規制の表を見るにつけ・・黄色の
地域でも週末のショッピングモール閉鎖は驚きました(汗)
日常品の例外はあっても・・重い内容ですね。。。
22時~5時の外出禁止も・・大きな制限でどれだけ深刻
かを物語っていますね。。

一日の死者が425名・・一日4万人近い感染者・・
お住まいのウンブリア州も新規感染688人と死者4名は
ゆゆしき事態ですね・・緊張感を一段と上げないと・・
会食も困りますね~こういう時に・・次はいつできるか
わからないからとやった物勝ち~早い物勝ちの判断は
危険なので・・なおこさんのお気持ちお察しします。。。(+_+)

どうか感染にはくれぐれもお気を付けくださいね☆
Commented by milletti_naoko at 2020-11-10 05:33
アリスさん、良識に任せて、ぎりぎりのところまでは自由を許すという方針を政府が取っているのに、それに甘えて、これなら大丈夫と、行動範囲を広げて、会う人を増やしてしまう人が身近にさえいるので、困っています。ありがとうございます。今日の夕方、ウンブリアは他4州と共に水曜日からオレンジゾーンになることが決まったため、とりあえず2週間先に友人たちがくることはなくなりました。ペルージャ市の外に行けないとなると、少なくともあと2週間はトラジメーノ湖も見られず、フィオンキ山にもラヴェルにもオルヴィエートにも行けないのは残念ですが、これで感染拡大が少しでも抑えられることにほっとしています。
Commented by milletti_naoko at 2020-11-10 05:45
zakkkanさん、水曜からはウンブリア州もオレンジゾーンとなることが決まり、これで少しでも感染に歯止めがかけれれればと、ある意味ほっとしています。

ブドウやポプラの黄葉、霧がかかった丘など、うちの窓から見える風景も楽しめるのがありがたいです。
Commented by milletti_naoko at 2020-11-10 06:00
お馬さん、ショッピングモールは、特に今のように涼しくなると、週末大勢が押し寄せるので、感染を防ぐためにはやはり仕方ないかと思います。

ありがとうございます。水曜からは規制が厳しいオレンジゾーンに、ウンブリア州も入ることになったので、暮らしは不自由にはなり移動は制限されますが、これで少しでも感染が食い止められることを願っています。
Commented by Makitalia at 2020-11-10 07:18 x
なおこさん、こんにちは!
今日は、イエローゾーンだった5州が、オレンジに加わることが発表されましたね。私の住むエミリア・ロマーニャ州はイエローのままで、びっくりしました。ボローニャの感染者が非常に多いことと、3つのゾーンに分割された時から、他の5州同様、そのうちオレンジになるだろうと言われていたからです。
まだ、自由が利くことはうれしいのですが、まだまだマスクを着用せず、ぶらぶらしている人、マスクを下げておしゃべりしている人、至近距離の若い人たちを見かけるので、厳しめの処置にしてもらった方が良いのかなとも思っています。
ウンブリア州がオレンジになったので、エミリア・ロマーニャ州の友人の皆様も、これで諦めがつきますね。きつい言い方ですが、友人関係も大事なものの、お互いの家族を守るために、もう少し気を配ってほしいものですね。
では、免疫を低下させず、お互い、これからも気をつけていきましょうね!
Commented by milletti_naoko at 2020-11-12 01:01
まきさん、こんにちは! エミリア・ロマーニャについては、わたしも驚いたのですが、ラッツィオにせよエミリア・ロマーニャにせよ、州全体が広いので、平均的に見るとまだ感染がそれほど深刻ではなく、医療機関も対処していける状態にあるということだったのでしょうね。「だった」と言うのは、今日の午後のニュースでは、エミリア・ロマーニャもオレンジゾーン になる可能性がある州として言及があったからです。

こういう状況にも関わらず、やはりマスクもせずに不必要に動き、距離を取らない人が若い人に多いのですね。おっしゃるように、こうした若者が家族、特に高齢者の方に伝染させてしまわないように、取り締まりや厳しい処置が必要かと思います。

ありがとうございます。本当に、大変な時期ではありますが、お互い気をつけていきましょう♪
by milletti_naoko | 2020-11-08 09:32 | Covid-19 Italia | Comments(8)