イタリア写真草子 ペルージャ在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

猫と夕雲とおいしい聖マルティーノ

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 今日の午後窓を開けると、屋根の上で、猫たちがひなたぼっこをしていました。

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Perugia, Umbria 11/11/2020

 9年前にわたしがアイゴを買ったとき、お義父さんが駐車場につけてくれた屋根は、わたしたちが住む2階の窓から見下ろせるところにあります。日当たりがいいので、寒くなり始めると、晴れた日はこんなふうに、猫たちが日光浴をしています。

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 窓からは、猫たちが下の地面にいるときにも、こんなふうに上から目を合わせたり、写真を撮ったりすることができます。

 ちなみに、わたしのアイゴは、車のドアの下あたりが、猫たちが爪を研ぐのにちょうどいい場所にあるらしく、あまりにも多くの傷が入るため、現在は車庫に入れてあって、この駐車場は、夫と義父の車用となっています。どういうわけか猫たちは、夫たちの車には手を出さないのです。

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 黄葉がきれいなポプラとブドウの向こうにある丘の上に、まばゆい夕日が近づいていきます。

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 青空に浮かぶ白いうろこ雲がきれいです。イタリア語では、nuvole a pecorelle「子ひつじ雲」と呼ぶのですが、確かに雲がふわふわの羊毛のように見えます。

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 丘の向こうに姿を消した夕日が、地平線に近づこうとしているのでしょう。金色の金魚が2匹、空を泳いでいます。

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 日の入りの頃には、雲がきれいなピンク色の光を帯びていました。

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 5時過ぎには、空が灰色の雲に覆われていて、やはり明日は天気予報どおり、曇り時々雨となりそうです。

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 さて、今日は11月11日、聖マルティーノの日(giorno di San Martino)ということで、新ワイン(novello)を買って用意しておきました。聖マルティーノの日には、新ワインを飲み、焼き栗(caldarroste)を食べる慣習があるからです。


 「もう何度も撮影したじゃない」と、夫が最近は写されるのを嫌がるので、どうやって栗を焼くかに興味のある方は、上の記事の写真をご覧ください。

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 栗を焼くついでに、パンもオーブンでトーストして、ニンニクをすりつけ、塩をふりかけ、新オイル(olio nuovo)を回しかけて、ブルスケッタ(bruschetta)にして食べました。伝統の秋の旬の味、新ワインも焼き栗も、そうして新オイルも、おいしかったです。

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Oggi nel giorno di San Martino,
le caldarroste e il novello sulla tavola,
due gatti sul tetto,
nuvole a pecorelle e grandi pesci rossi sul cielo.
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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ブログテーマ:猫とのひと時
Commented by tawrajyennu at 2020-11-12 09:49
こんにちは♪
ねこちゃん達、屋根の上で、日向ぼっこですか・・・
気持ち良さそうですね。

11月11日は、聖マルティーノの日なのですね。
新ワインということは、ボジョレーヌーボーのことですね。
今年は、コロナのこともあってか、日本でも解禁日が来週19日に迫ってますが、
いつもの年より、盛り上がりがない感じがします。
新ワインと焼き栗を食べる習慣というのは、どんな意味があるのかしら?
新オリーブオイルと塩だけのブルスケッタも美味しそうです。
Commented by tokotakikuh at 2020-11-12 14:41
アイゴちゃんですか・?
オレンジ色の屋根瓦は、そりゃ、太陽が当たると
暖かさ、倍増でしょうね(笑)
猫は、何よりも天然の日差しを好みます
我が家も、炬燵にもぐりこみますが
太陽が当たる、窓辺が大のお気に入りですから

焼き栗とワインですか・・
なんだか、そんなお話に、ワインは
お酒じゃなく、お茶の代品でしょうか?(笑)
ご主人様に・・よろしくね・・(笑)
Commented by meife-no-shiawase at 2020-11-12 16:23
ネコちゃんたちは暖かくて気持ちが良いところを良く知っていますね。
それに爪の研げるところも。笑。
面白いですね。なおこさんの車はなにか研ぎ心地がよい材質なのでしょうか?

見事なうろこ雲ですね!!!
それがイタリア語では「子ひつじ」になるんですか!
最初は、え~?ひつじ?って思いましたが、そう見えてきますね~。可愛い~♪
中国語では「卷積雲」ってそのままです。
面白みがないですね。笑。

パンがなんとも美味しそうです。
ニンニクをすりつけるのは、薫りも良いしいくらでも食べられますね♪
Commented by ciao66 at 2020-11-12 17:18
猫ちゃんのひなたぼっこ、2匹並んでなんともほほえましいですね♪人間も気持ちがいいものですが、猫もそうなんですね。のんびりした空気が伝わってきます。

うろこ雲がイタリア語では「子ひつじ雲」というのは初めて知りましたが、そう知ってみると、羊が何匹も並んでいるように見えて、まったく違う空のように見えてきました!
Commented by naochann0922 at 2020-11-12 18:26
初めまして。
昨年、両親とイタリアを旅行しました。
食事も美味しくて、何より芸術の厚みが素晴らしくまた訪れたいと思っていましたのに、コロナでいつになることやら・・・
素晴らしい文化の中でお暮らしになっていることをうらやましく思います。
Commented by cometsan1966 at 2020-11-12 23:57
猫さん方・・気持ち良さそうにひなたぼっこですね(*^^*)
可愛くて平和なほっこりと癒される風景ですね☆彡

駐車場の屋根は絶好の日光浴の場だったのですね・・動物は
ちゃんと絶好の場所を探し出して逃さず利用しますよね(*^^*)

うろこ雲がイタリアでは子ひつじ雲なんですね・・確かに
ふわふわな羊毛のように見えます☆綺麗ですね☆彡

金色の金魚ですね2匹・・夕日がペイントしてくれましたね!綺麗です☆彡

新ワインを飲み焼き栗を食べる習慣の聖マルティーノの日!
素晴らしいですね~自然の恵みに感謝する意味がありそうですね☆彡
焼き栗とても美味しそうです(*^^*)わぁ・・新オイル良いですね(^^)/
Commented by milletti_naoko at 2020-11-13 00:17
タワラジェンヌさん、こんにちは。
ぽかぽかのお日さまに、猫たちもうれしそうでした♪

日本でもそういう状況なんですね。ウンブリアでも、ワインなどの生産業者は、レストランが閉まっているために、売り上げがかなり下がるなど、影響が深刻なようです。

新ワインと焼き栗を食べるのは、聖マルティーノの日がちょうど、秋で新ワインが飲める頃、栗がおいしい時期にあたるからのようです。
Commented by milletti_naoko at 2020-11-13 02:14
zakkkanさん、うちで一番日当たりがいい場所ではないかと思います。駐車場のための何ちゃって素材の瓦なので、温かいのではないかと思います。おたくでもやはり日の当たる窓辺に人気があるんですね。

日本では焼き栗にお茶なんですね。ワインなのは、ちょうどこの頃が新ワインを味わえる季節からであるようです。
Commented by milletti_naoko at 2020-11-13 02:28
メイフェさん、おっしゃるとおりで、猫たちを見ていると、朝から夕方まで、お日さまが当たって暖かいところへと、日がめぐるにつれて、順に移動しているようです。夫の車は、悪路も走れるようにと、今も昔も車高が高いのですが、アイゴは小さいので、猫に高さがちょうどいいようです。義父母が猫たちに餌をやるのが、ちょうどこの屋根の下なので、どうしても猫たちが群れやすいのです。

ふわふわの雲たちがかわいらしかったです♪ 中国語はそう言えば、曜日もひどく合理的ですよね。

ニンニクと言えば、日本のレストランで時々食べたガーリックトーストもおいしかったのですが、ブルスケッタもおいしいです♪ すりつけすぎず、でも風味が感じられる程度にすりつけると、おいしいですし、病気も退散させられそうです。
Commented by milletti_naoko at 2020-11-13 02:34
ciao66さん、この黒猫はミケのお母さんで、今もよくいっしょにいます。日中のひなた、特にこの何ちゃって瓦の上は、家の中より暖かそうです。

コメントをきっかけに思ったのですが、きっと日本でうろこ雲とか鰯雲とか言うのは、やはり食生活で魚が占める割合が多いからで、一方イタリアで子ひつじ雲というのは、羊を飼ったり羊毛を使ったり羊の肉やチーズを食べたりという文化がイタリアに昔からあるからなのでしょうね。
Commented by milletti_naoko at 2020-11-13 02:40
naochann0922さん、はじめまして。
去年ご両親とイタリアにいらっしゃったんですね!
思い出になるすてきな旅となったようで何よりです。
いつかまたお越しになれる日が早く来ますように♪
Commented by milletti_naoko at 2020-11-13 02:47
お馬さん、猫たち、わたしが窓を開けたらこちらを見上げていましたが、気持ちのよさにすっかりうとうとしている様子でした♪

イタリアでは山に出かけると、放牧された牛や羊に出会うことがありますし、羊のチーズもよく食べられるなど、羊が伝統的に暮らしに溶け込んでいるので、それで子ひつじ雲と言うようになったのかなあと、ふと思いました。小学校5年生まで暮らしていた札幌では、羊ヶ丘牧場がそう遠くないところにあって、スーパーでは牛や豚の肉といっしょに羊の肉が当たり前に並んでいて、ジンギスカンのタレも普通にどこでも売られていたのに、東京に引っ越してきたら見当たらないと、母が言っていたのを今も覚えています。

例年はこの時期、イタリアでは村まつりで、おいしい新ワインや焼き栗を味わえることが多いのですが、今年はこういう状況なので、うちで楽しみました♪
Commented by sunandshadows2020 at 2020-11-13 10:49
ねこ産たちが暖かく寛げる場所があって良いですね。
猫のいる庭はとても平和に思えます。
所変わればで、”子羊雲”そう言われてみればふわふわした羊毛にも見えますね。うろこ雲とは魚の鱗でしょうがそのようには見えません。聖マルティーノの日には新ワインを飲み、焼き栗を食べる、良いですね。そのように変化のある生活がして見たいです。場所がずれますが、フランスでも11月にはボージョレーが出回りますがそのような習慣があるのかしらとふと思いました。日本では結構ポピュラーなボージョレー、こちらでは人気ありません。新しいオリーブオイルいかがですか?毎年微かに味が違うのも楽しいですね。
Commented by milletti_naoko at 2020-11-13 18:40
お転婆シニアさん、新車に屋根をと義父が取りつけてくれた屋根が、猫たちの格好の日光浴の場所になりました♪

カトリック教でも暮らしにも羊が浸透しているので、子ひつじと思い浮かんだのでしょうね。四季があり、昔むかしからの季節の節目と伝統とおいしいものがあるのは、ありがたいです。イタリアでもちょうどそう、今年の新しいワインがおいしい頃なんです。
by milletti_naoko | 2020-11-12 07:44 | Gastronomia | Comments(14)