夕焼けに牛立ち並ぶクッコ山、日曜はさらなるオレンジ・レッドゾーン

　日曜の夕方、久しぶりにクッコ山（Monte Cucco、1566m）に向かうと、車窓から見える山や木々が、秋の装いをしていました。
8/11/2020
　クッコ山は尾根の長い山で、山頂は、中央よりやや左にある一番高い部分なのですが、今回わたしたちが夕日を見送った場所は、右手前にある高速道路の出口（uscita）の看板の向こうに見えています。

　高速道路を降りたときから、それはゆっくりと走る車が前方にあって、後ろに行列ができていて、なんとその車もクッコ山を登っていったため、かなりゆっくりと山を登ることになりました。余裕を持って早めにうちを出てはいたのですが、夕日に間に合うだろうかと心配になっていたので、ようやく夕日が見えてきたときには、ほっとしました。

　クッコ山はウンブリアとマルケの州境になっていて、クッコ山の西側、わたしたちが沈む夕日を見送った方向には、ウンブリア州の平野が広がり、山が連なっています。

　一方、夕日に背を向けると、クッコ山の東にあるマルケ州の平野と山が見えます。
　赤らむ空を背景に、山にキアニーナ牛が一列に並んでいます。

　どうやら、うちに帰ろうとしているようで、こちらに近づいてきます。このときは夕陽に気を取られていたので、気がつかなかったのですが、今この上の写真の中央あたりをよく見ると、

かわいい子牛が、懸命に皆の後を追っていました。

　この後、牛たちは一列に並んで、山を下っていきました。
　上の写真で、右の平野に広がる町は、紙の生産で名高いファブリアーノ（Fabriano）で、その向こうに見える一際高い山は、サン・ヴィチーノ山（1479m）です。

　テッツィオ山（961m）の向こうに夕日を見送ったとき、西の方には、ウンブリアの山や平野が見えていたのですが、トスカーナ州のアミアータ山（1738m）も、周囲の山に比べて標高が高いので、テッツィオ山の左手に見えていました。

　日曜には、ウンブリア州はまだ、危険がそれほど深刻ではないとされるイエローゾーンでした。クッコ山は、標高の高いところまで車で楽に登れるため、夏には人が多いのですが、今では山は人が少ないだろうと考えていたら、道路を何台もの車が列になって下っていったので、驚きました。

　夕日が沈んだときには、空が赤みがかったオレンジ色をしていたのですが、

霧や雲がいくつも層をなしているためか、しばらくすると、空は白く、山は青くなっていきました。

　車まで戻って、夕日を見送った場所をふり返ると、空はもうたそがれの色をしています。
　今夜のニュースで、危険度によって三つのゾーンに色分けされていたイタリアで、また、危険度が増してゾーンが変わる州があることを知りました。　
https://twitter.com/Tg3web/status/1327315094120894465

　11月15日日曜日からは、トスカーナ州とカンパーニア州も新たにレッドゾーンになり、

https://twitter.com/Tg3web/status/1327315094120894465
エミリア・ロマーニャ州、フリウリ・ベネチア・ジュリア州とマルケ州がオレンジゾーンとなり、（イタリア語の表記により忠実にカタカナで書くと、フリウリ・ヴェネッツィア・ジューリア州なのですが、日本語として字面が美しくない上に、ただでさえ長い州名がさらに長くなってしまうため、上のように書いています。）
https://twitter.com/Tg3web/status/1327315094120894465
イエローゾーンに残るのは、ベネト州、トレンティーノ・アルト・アディジェ州（アルト・アディジェ県とトレント県）、ラッツィオ州、モリーゼ州、サルデーニャ州の5州のみとなりました。
　ウンブリア州でもまだ感染者が多いのですが、レッドゾーンになるのを免れたのは、ペルージャに37の病床がある野営病院が陸軍によって設置されて、すでに入院が可能となり、またテルニでも現在、赤十字が野営病院を設置中であるために、病床不足にとりあえずは対応することができたため、また、一人の感染者が平均何人に感染させていくかを示す実効再生産数、Rtの値がまだ高くはあるものの減少したためであると、地方ニュースでは説明していました。
　最初の発表でレッドゾーンになった州で、おかしいと立腹する州長が多かったのに対し、フィレンツェ市長が、現在の状況から考えて必要な措置であり、また地域による差別化や基準を反映した自動的なゾーン変更は、州民一人ひとりが感染を拡大させないように、より注意を払うと思われるのでよいと思うと語っていたのが、印象に残りました。
　イタリアで全国的に見ると、すでに取られた措置の効果が出たようで、Rtは下がってきているものの、感染はまだ増加している上に、各地で医療機関の逼迫が見られ始めたとのことで、これからもますます気をつけて行動していかなければいけないと感じています。
関連記事へのリンク- イタリア危険度別規制強化 ウンブリア他数州もオレンジゾーンになる可能性、新型コロナウイルス感染状況 (8/11/2020)- クッコ山の夕日とウンブリア他５州水曜からオレンジゾーン (10/11/2020)- 感染少ない安全地域から危険性中程度オレンジゾーンへ、イタリア第二波 ウンブリアの場合、World Voice 連載第７回 (11/11/2020)- サン・ヴィチーノ山から望むクッコ山、不調復旧エキサイトブログ (23/8/2020)

Articolo scritto da Naoko Ishii

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