ラグーおいしいチンタ・セネーゼと豚さんのその後

　日曜の夕方、散歩中に、道路を渡るチンタ・セネーゼ（cinta senese）の豚さんたちに遭遇したわたしは、

Perugia, Umbria 15/11/2020

ブログの記事に添えようと、確かいつかどこかで食べたはずのチンタ・セネーゼの肉料理の写真を、必死で探しました。10年以上前に、シエナのレストランで一度、夕食に中世料理が食べられるという催しがあり、そのときに食べたように覚えていたのですが、写真が見当たりません。

　でも、その代わり、去年の秋、トスカーナ州シエナ県の村、チェトーナ（Cetona）で食べたパスタに、チンタ・セネーゼの肉が使われていたことを思い出しました。

Cetona (SI), Toscana 13/10/2019
　わたしたちが昼食を食べたレストラン、Ristorante Da Niloは、広場の奥の横長の建物の右側にあります。

　トスカーナのパスタ、ピーチ（pici）が、わたしはとても好きで、メニューにあるとたいてい頼んでいます。コシがあって、うどんと食感がよく似ているために、好きなのではないかと思います。このとき食べたのが、チンタ・セネーゼのラグーのピーチ（pici con ragù di cinta senese）で、ラグーもピーチもとびきりおいしかったので、うれしかったのを覚えています。

　夫が食べたラビオリもとてもおいしかったそうで、

　つけ合わせに、わたしが頼んだスフォルマートや、

夫が頼んだ豆料理も、どれもおいしかったように覚えています。
　トスカーナである上に、レストランでもあり、ふだんわたしたちが食べる店よりも値段はずっと高かったのですが、サービスもとてもよくて、たまたま入った店でおいしい料理にめぐり合えた幸せを思いました。

　店の前の噴水には、ハトがたくさんいました。

Grotta di San Francesco, Cetona (SI), Toscana

　この日は朝、ベルヴェルデ考古学自然公園（Parco Archeologico Naturalistico di Belverde）にある聖フランチェスコの洞窟（Grotta di San Francesco）の内部を、ガイドと共に訪ね、

Museo Civico per la Preistoria del Monte Cetona, Cetona (SI), Toscana
昼食後は、チェトーナ中心街にあるチェトーナ山先史時代博物館を訪ねて、考古学自然公園で発掘された遺跡などを見ました。現在、考古学自然公園となっている森には、5万年前、旧石器時代にネアンデルタール人が定住していました。アッシジの聖フランチェスコも過ごしたことがあるという言い伝えから、聖人の名で呼ばれる洞窟は、中期旧石器時代から青銅器時代の終わりまで利用され、長い間放置されたあとで、古代エトルリア時代や古代ローマ時代にもしばしば訪ねられていたとのことです。

　やはり去年の夏に、モリーゼ州イゼルニアで、ちょうど国立旧石器時代博物館を訪ねたばかりでもあり、様々な展示が興味深かったです。ベルヴェルデ考古学自然公園の発掘に精力的に取り組んだのが、実はペルージャの考古学者、ウンベルト・カルツォーニ（1881-1959）であることを、このとき知って驚きました。
　また、その後再訪したペルージャの国立ウンブリア考古学博物館で、チェトーナの考古学自然公園や洞窟で発見された出土品の展示が多いことに、驚きました。

　博物館を訪ねたあとは、せっかくなので、イタリアで最も美しい村の一つであるチェトーナの町を、しばらく散歩しました。

　チェトーナの中心街は初めてではなかったのですが、最初に訪ねた数年前は、まさかそんな興味深い博物館があり、また、すぐ近くに考古学自然公園があるとは、思いもしませんでした。
Perugia, Umbria 15/11/2020

　閑話休題。実はあの日、チンタ・セネーゼの豚さんたちに出会ったときには、ちょっとしたドラマがありました。と言うのも、こんなふうに皆がのんびりしながら草を食みつつ進んでいたら、前方から、２匹の小さな犬が、ワンワン吠えながら駆けてきて、豚さんたちを道路まで追いやってしまったのです。
　犬たちも豚たちと飼い主が同じで、豚が本来移動すべきでないところへ行こうとしているから、いるべきところへと追い返したのかと、わたしが思っていたら、豚の飼い主を知る夫は、「豚たちが帰らない家はまだ１km先なんだよ。かわいそうに。」と言います。犬は単に遊び半分に豚たちを追い返しただけであるようです。「体は豚の方が大きいから、みんなで立ち向かったら、犬の方がかなわないんじゃないかしら。」とわたしが言い、しばらく様子を見ていると、

今度は豚さんたちが守備態勢をしっかりと取って、互いに隙間がないように身を寄せ合い、家の方へと向かっていきました。そうして、その様子を見て、先頭には強そうな大きい豚がいることだし、これなら大丈夫だろうと、わたしたちも散歩を続けたのでありました。
*******************************************************************************************************************************Squisiti i pici con ragù di cinta senese nell'ottobre 2013 nel ristorante di Cetona.Interessanti il Parco Archeologico Naturalistico di Belvedere, la Grotta di San Francesco abitata dall'uomo di Nealderthal e il Museo Civico per la Preistoria del Monte Cetona.Dopo l'incontro con i maialini d cinta senese durante la passeggiata, ho cercato la foto del piatto con cinta senese e così ho trovato le foto della visita a Cetona, uno dei borghi più belli d'Italia nella provincia di Siena.Cetona (SI), Toscana 13/10/2019*******************************************************************************************************************************

関連記事へのリンク- 夕方に歩けば豚さんチンタ・セネーゼ、ペルージャ (15/11/2020)
- 幸せと聖人・ネアンデルタール人の洞窟、ベルヴェルデ考古学自然公園 (26/9/2019)

Articolo scritto da Naoko Ishii

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