イタリア写真草子 ペルージャ在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

ダブリンで会って魅かれたイタリア文化2、World Voice 連載第11回

 1999年夏に、アイルランドに魅かれてダブリンに行ったわたしが、帰国後にイタリア語を勉強し始め、3年後には退職して、イタリアに留学しようと思うほどに、イタリアに魅かれたのは、2週間の滞在中にどんな出会いがあったからか。

 ニューズウィーク日本版姉妹サイト、World Voiceでのわたしの連載、「イタリアの緑のこころ」第11回は、「ダブリンで会って魅かれたイタリア文化2」と題して、第10回に続いて、ダブリンでのイタリアとの出会いの詳細と、今のわたしのイタリアへの思いについて書いています。よろしかったら、ぜひお読みください。

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https://www.newsweekjapan.jp/worldvoice/ishii/2020/12/-24-200218.php

 記事へのリンクは、以下のとおりです。

- Newsweek Japan - World Voice - ダブリンで会って魅かれたイタリア文化2

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 アイルランドの英語学校に行って、イタリア熱に駆られて帰り、1年留学して帰国するつもりが、滞在が長くなり、結婚してイタリアでずっと暮らすことになりと、人生とは、思いがけないことが起こり、そうして思いがけないことも起こしていける、おもしろいものだなあと、改めて思いました。

 2002年4月から9月まで、わたしがイタリアで初めて暮らしたウルバーニアの村は、最初のホームステイ先は、お金のためだけにと留学生を受け入れる婦人の家で、家族の人とイタリア語を話せる機会になればと、食事も頼んでいたのに、わたし一人で冷えた夕食を食べなければならず、途中で変えてもらうなど、問題もありましたが、親切な心温かい人の多い村でした。

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Urbania (PU), Marche 27/8/2011

 当時は、特にウルバーニアの村では東洋人差別などというものはなく、半年もの間暮らしたものだから、そのうち語学学校への行き帰りに村を歩いていたら、高齢者の方たちに声をかけられて、足を止めてはおしゃべりをすることが増え、いつしか幾組かの高齢者のご夫婦や一人暮らしご婦人に、先を争って食事に招待していただくようになりました。ある日の夕方、散歩しながら川がきれいだなあと眺めていたら、自殺を考えているのではないかと心配した女性が、わたしはそんな心配をされているとは思わなかったのですが、自宅に誘ってくれておしゃべりがはずみ、以来最初は彼女との家族ぐるみでの、そうして、彼女の友人ぐるみでのつきあいが始まりました。

 今は彼女は、娘さんの住む南米で暮らしているのですが、彼女を通して知り合った友人のルチャーノとルアーナとは、今でも時々ウルバーニアに行くたびに、再会を懐かしみ、おしゃべりを楽しんでいます。

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Casabella Home, Urbania (PU), Marche 2/1/2019

 二人の店、Casabella Homeにはいつ訪ねても、季節ごとのすてきなもの、かわいらしいものがたくさんあります。

 一度、ルパン三世と峰不二子を店内で見かけて驚いたこともあるのですが、

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26/8/2011

そのときは、かちかちハートのキッチンタイマーや、口が花の形をしたきれいな花瓶など、普通の店ではないときめく出会いがあり、ついたくさん買い込んでしまいました。花瓶は残念ながら割れてしまいましたが、キッチンタイマーは今もお気に入りです。

Casabella Home
Viale Raffaello Sanzio, 19 - 61049 Urbania (PU)
Tel. : 0722 317479
FB : Facebook - Casabella Home Urbania

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Il mio 11° articolo Newsweek Japan World Voice
sull'incontro con gli italiani a Dublino,
gentilezza incontrata ad Urbania e in Italia.
foto: Con amici davanti a Casabella Home, Urbania (PU) 2/1/2019
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関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- ダブリンで会って魅かれたイタリア文化、World Voice 連載第10回 (1/12/2020)
- 「直子の渡伊日記Ⅰ 出発編」(3/4/2013)
- 里帰り ベファーナの町、ウルバーニア / Urbania, Befana, amici & Casabella Home (2/1/2019)
- ルパンと里帰り / Lupin III a Casabella Home Urbania! (1/9/2012)

Articolo scritto da Naoko Ishii

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ブログテーマ:お気に入りの場所やお勧めスポット・お店を教えて!
Commented by meife-no-shiawase at 2020-12-08 13:18
なおこさんの今の生活へ至るまでのまた過程を知ることができて嬉しいです♪

私の中では欧米はなんとなくイメージで東洋人が入りにくいところもあるのではないのかな・・・
疎外感などを感じられることも多くないのかな・・・と思っていましたが、
今日のブログとワールドボイスの記事を拝見して、イタリアの方の心の優しさになんだか涙まで出ちゃいました。
(お馬さんと同じく涙腺が最近めっぽう弱いです。笑)

でもきっとなおこさんの心の純粋さというか、
そういうところがどこの国の方にも受けいられるのでしょうね・・・。
ブログを拝見していても色々なことを素直に吸収されている方だなという印象です。

本当に人生とは想定外のことが色々と起こって面白いですね。笑。
私も中学生の頃から将来は海外で暮らしたいと思っていましたが、
まさかそれが台湾とは想像もしていませんでした。笑。

なおこさん、そしてまた字が美しい。
性格が表れている美しさですね。

わ~♪こちらのお店。私も行きたい。
お写真に写っているのだけでも欲しい物がいっぱい。笑。

イタリアのキッチン用品などは魅力的なものが多いですね。アレッシィが好きで色々ちょこちょこ買っています。
今年のクリスマスも自分へのプレゼントに。笑。
Commented by tokotakikuh at 2020-12-08 14:27
フム・(笑)
こうして、貴女の、人生の最大の方との・・めぐり逢いが
始まるのでしょうね

留学という体験は、それは、それは、勇気の塊だと
私のような者には思えます
若さが・羨ましいです(笑)
つづきが、楽しみです
相方さんとの出遭いも、ぜひぜひ・・ね!!
Commented at 2020-12-08 15:27
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ciao66 at 2020-12-08 19:35
「イタリアの緑のこころ」を拝見しましたよ。
イタリア人に出会って、魅かれるように、イタリアに吸い寄せられた経緯が良く分かりました。そもそもダブリンが出発地だったとは意外でした!18年前の手書きの絵入り計画書はとても貴重な一品ですね。

イタリア人の声の大きい国民性というのは、面白いですね。
イタリア人は控え目ではもちろん無さそうですが、オペラに馴染んでいるのか?会話は少し声が大きくてもあまり耳障りではない感じがします。
Commented by cometsan1966 at 2020-12-08 21:33
う~~ん☆夢のあるとても良いお話ですね☆World Voicの
連載記事を含めてとても読み応えがありました(*^^*)
素晴らしいですね~そうやって好きな事・物・人を追いかけて
進まれるその姿に凄く感銘を受けました(^^)/

人生・・1度しかないのですから~そうでなければいけませんよね☆
常に目的意識を持ち続けて真っすぐにその道を歩まれた
なおこさん・・凄いと思います・・良い生き方だなと(^^)/

渡伊日記出発編からも・・そのイタリアへの想いや考え
そしてしっかり計算されて道を進まれる決意が伺えます!

お店のお二人人柄が溢れ出ていますね・・なおこさんの
腕をつかまれて・・親密さと信頼関係の度合いが良く分かります☆彡

とても清々しい良い気持ち後味の良い記事でした(^^)/
ありがとうございました☆彡
Commented by milletti_naoko at 2020-12-09 05:33
メイフェさん、お忙しいのにどちらも記事を読んでくださったんですね。それも関心を持ってくださって! ありがとうございます。

最初に訪ねたのが、赤毛のアンの島、プリンス・エドワード島で、島の人も観光客も、皆きさくで優しかったので、行ったら行ったで、だれかいっしょに行動できる人が見つかるだろうとは思っていたんです。まさかあそこまで、学校の皆と行動を共にし続けるとは思わなかったので、驚きました。そうして楽しかったです。今もたとえば夫の友人たちと、何かにつけて大勢で集まろうとするのは、距離もありますし、準備もあるので大変なのですが、やはりみんなで楽しもう、大勢で集まろうという意識や、そのために移動する距離もあまり気にしない、そういうところに、わたしは実は魅かれていたんだなあと、今回記事を書いて、改めて思いました。

温かいお言葉をありがとうございます。幼い頃から、父の転勤で日本各地を転々として、就職後は自分の異動で、数年ごとに勤務校が変わり、がらりと環境が変わるということ、同じ日本国内や同じ愛媛県内でも、いろいろ違っていることを肌で体験しているために、順応しやすいということもあるかもしれません。どこでも最初はなじむのに苦労しただけに、このイタリアの学校仲間たちのあまりにも自然な温かさというか「いっしょにいよう」という姿勢に驚きつつもうれしかったです。サルデーニャの女性陣が、ちょうどわたしたちと同い年だったのも幸いしたことと思います。

メイフェさんもですか! 人生って不思議で、そうしておもしろいですね。

ありがとうございます。最近はメモ帳に書く字が乱雑になりがちなので、まずはそういうところから気をつけなければいけないなあと感じています。

ルチャーノとルアーナのお店、こういうお店って、どこに行ってもたいてい同じようなものが並んでいることが多いのですが、ここは何だかこれかわいい、おしゃれ、便利というものが何かしらあって、ついつい財布のひもがゆるんでしまいます。

ウルバーニアの写真を載せようと考えて、ふと思いついて、イタリアの人の優しさについて書くなら、二人といっしょに写った写真が、ちょうど今の時期に合った服装とショーウィンドウで、こういう時期なので店の宣伝にもなるかもしれないと、許可をもらって、選んで載せました。それだけに、メイフェさんのお言葉、とてもうれしいです♪
Commented by milletti_naoko at 2020-12-09 06:04
zakkkanさん、わたしは母やとてもお世話になった先輩の先生が40代で亡くなったこともあって、あと10年だけ生きられるとしたら何がしたいかということを考えたんです。

思いきって飛び出してよかったと思っています。
World Voiceの連載記事は基本的に、イタリアの社会や文化について書くことになっているのですが、この続きはブログにはあちこちの記事に書き散らしてあって、夫との出会いは、ご満足のいくものかどうかは分かりませんが、次の記事に書いてあります。よろしければ。
・出会いのきっかけ https://cuoreverde.exblog.jp/14784951/
Commented by milletti_naoko at 2020-12-09 06:12
鍵コメントの方へ

それは本当にすばらしいですね。アメリカの小説を読んでアイルランドに魅かれて行って、イタリアとの出会いが待っていたのですから、縁って本当に不思議ですよね。
Commented by milletti_naoko at 2020-12-09 06:19
ciao66さん、読んでくださったんですね。ありがとうございます。何を書こうかと煮つまってしまって、自分も人もわくわくするような記事を何かと、ふと自分の原点を思い出すような気持ちで書いてみました。ご感想うれしいです。本当に、あのときこうして書いていなかったら、忘れていた思いが、いろいろあるように思います。

イタリアにも控えめな人はいるのですが、イタリア語そのものが大きく口を開けて伸び伸びと発音する言語だという気もします。日本でもヨーロッパでも、北に行くほど、寒さのためか、母音で開く口の大きさが閉じていき、さらには母音が少なくなっていく傾向があるような。
Commented by milletti_naoko at 2020-12-09 06:37
お馬さん、ご多忙の中読んでくださってありがとうございます。あの頃のひたむきさや熱中を、自分でも懐かしく思いながら書いてみました。教え始めて最初の3年は仕事に没頭していたのですが、二校目に転勤する前から少し趣味に時間をかける余裕ができて、まずは競技がるたに熱中して、転勤後は片道数時間かけて野村から今治まで往復して週1で師匠の家に練習に行って夜中に戻ったり、次は英語に夢中になってと、あれこれはまって、最後はイタリア語に行きつきました。

ずっと読書や百人一首の世界、国語が好きだったので、どれも言語や文学を軸としているとすれば、形を変えても筋が通っていると言えるかもしれません。

退職については、単にイタリアで学びたかっただけではなく、実は2年担任を持ち上がった学年を、3年目に持つことができなくて、それがひどく辛かったのでそういう思いは2度としたくないという気持ちもあったのですけれども、今思うとそのおかげで、最後に担任を持ったクラスの生徒たちとめぐりあうことができたのでした。

こちらこそ、いつも温かいお言葉をありがとうございます♪
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by milletti_naoko | 2020-12-08 08:45 | Ricordi | Comments(10)