イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

いつもと違うクリスマス祝祭期間の始まり

 今日、12月8日は、聖母の無原罪の御やどりの祝日で、イタリアでは国民の祝日でもあります。例年ならばたいていの場合は、朝、アッシジ郊外のサンタ・マリーア・デッリ・アンジェリ教会のミサに出かけて、

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Basilica di Santa Maria degli Angeli, Assisi (PG), Umbria 1/12/2019

時間があれば、修道院も訪ね、プレゼーペを見て回ります。

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17/12/2019

 プレゼーペ(presepe)は、幼子イエスの生誕場面を再現した模型で、歴史上初めてプレゼーペを思いついて、本当の人や動物を使って、生誕場面を再現したのは、アッシジの聖フランチェスコです。

 いつもなら、ミサから帰宅してから、大家族で、昼食の食卓を囲みます。12月8日は、イタリアでは伝統的にはクリスマスの祝祭期間の始まりで、家庭や町、教会などで、クリスマスツリーやプレゼーペ、イルミネーションなどの飾りつけが始まるときでもあります。そのため例年であれば、この日の昼食後に、姪たちといっしょに義父母宅のクリスマスツリーを飾ることがよくあります。

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 ところが今年は、ウンブリアがイエローゾーンになったとは言え、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、そして、特に高齢者を感染から守るために、政府からは「同居しない家族を訪問したり、食事を共にしたりすることはしないように」という強い勧めがあり、義父母も義弟たちもわたしたちも、それぞれの家族だけで、食べることにしました。

 イタリアで感染が広がり始めるまでは、毎週日曜日にはミサに参列していた義父母も、今はもう長い間、教会でのミサには行かず、その代わり、テレビで中継されるミサを見るという形で参加しています。

 ようやくウンブリアがイエローゾーンになって、サンタ・マリーア・デッリ・アンジェリ教会のミサに行けると、今朝は夫は、どしゃぶりの雨の中、一人でミサに行き、わたしはうちで昼食を用意して待ちました。例年12月8日は、いつになく参列する人が多いために、数百、数千ありそうな席もすべて埋まってしまい、ミサの間じゅう立っていなければいけないこともあるほどなのですが、帰ってきた夫によると、今日はさすがに人がいたものの、それでも例年に比べるとずっと少なかったとのことです。

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8/12/2020

 昼食には、今日はやはりお祝いをと、トンカツを揚げました。我が家では、いろいろな小麦粉を使ったパンを作ったり食べたりして、固くなったパンを挽いてパン粉にしているために、衣の色にむらがあります。

 今回は、日本のトンカツと同じくらい厚い肉を使い、おいしく揚げることができて、うれしかったです。夫もおいしいと喜んでくれました。

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 午後もずっと雨が降り続けたので、うちで過ごしたのですが、クリスマスツリーを飾る前に、まずは家具を移動しようと、机やテレビ、テレビ台の配置を変えていたら、それに時間がかかってしまったので、クリスマスの飾りつけは、とりあえず延期になりました。寒くなってきたので、ハイビスカスの花を屋内に入れ、また、蘭を贈ってもらったので、この二つの植木鉢を置く場所を作るための配置換えです。

 義父母も夫も寂しそうですが、皆が元気でいてくれることがありがたいと思います。空が黒雲に覆われ、雨が降り続けた1日でしたが、沈む夕日に、雲がオレンジ色に輝いて、きれいでした。

関連記事へのリンク
- 聖母無原罪の御宿リを祝うミサ、ペルージャ (8/12/2010)
- イタリア語学習メルマガ第91号「初プレゼーペと聖フランチェスコ」 (24/12/2013)
- プロヴァンスのプレゼーペ (25/12/2013)
- 景色彩る金色うれしいイエローゾーン ウンブリア他5州12月6日日曜から (5/12/2020)

Articolo scritto da Naoko Ishii

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ブログテーマ:今年はどうすごす?クリスマス 2020
Commented by meife-no-shiawase at 2020-12-09 11:16
聖母の無原罪の御やどり・・・
恥ずかしながら初めて知りました。
教派によっても考え方が違ったりするとか・・・
イタリアではそれを祝日としていることも・・・。
祝日って字のごとく、それを祝う日であるのだと改めて。

ただ、やった~オヤスミ!って思うだけでなく
その祝日がどういう日なのかもきちんと知って置かなければならないですね。
台湾の祝日も全部説明できるか?と言われたらできないかもです。
最近、日本の祝日も、なんの日だっけ?って思ってしまうほどです。
時間を見つけて祝日研究しなければ。笑。

大家族での集まりは残念でしたが、
ご両親もなおこさんやご主人さまがそばにいらっしゃるからとても安心ですね。
こんな中でも、健康で家族が一緒にいられることが幸せかもしれません。

それにこんなジュージューのとんかつ!!!
お写真みただけで、今日、とんかつ食べたい!ってなりました。笑。
ご主人さまも喜ばれたなんて良かったですね。
ちなみに、いつもソースは何で召し上がっていますか?
お塩だけでも美味しいですよね。
台湾では日本のとんかつソースも手に入るので、一応常備していますが
台湾の人たちにとんかつを出したら、ニンニクとお醤油で食べるのが美味しいって。笑。
日本のあのちょっと甘めのソースは不人気でした。
Commented by tokotakikuh at 2020-12-09 12:19
クリスマス
イタリアは、盛大にお祝いするのでしょうね

ドイツや中央は、マーケットも出ますよね
今年は、そういった行事は、どうなのでしょう?

しかし、流石ですね
ミサの参列者の数は、想像以上ですね
流石ですが
こうして拝読していると、とにもかくにも
コロナの終息を願いましょうね

とんかつですか・・
今夜、わが家もとんかつにします・・(笑)
Commented by ciao66 at 2020-12-09 17:40
いつもと違うクリスマス、家族だけだったり、オンラインだったり、寂しいクリスマスになりそうですね。
ペレぜーべも見事ですが、トンカツも美味しそう!
とはいえ、クリスマス前にせめてイエローゾーンに戻ったのは幸いでしたね。どうぞ良いクリスマスをお迎えください。
Commented by cometsan1966 at 2020-12-09 23:38
プレゼーペ・・とてもリアルな模型ですね・・圧倒されます!
毎年の恒例行事が・・コロナ禍で影響を受けるのは寂しいですね。
ご主人様凄いですね・・どしゃぶりの雨の中ミサに出かけられるとは!
トンカツ美味しそうにあがってきましたね・・私も大好きなので
お腹が空いて来ました(*^^*)・・固くなったパンを焼いて
パン粉を作られて・・あっ!そう言えばいつも金曜日に行く
老舗パン屋さんにはそこのパンで作った無料のパン粉があり
いつも横目でチェックしてます・・いつか料理を再開したら
それを頂いて美味しいトンカツを作りたいです(^^)/

なおこさんの所の夕日・・私が今日馬小屋から観た夕日に
雲の感じもお日様の感じも良く似ていて驚きました(^^)/
私のところは沈むときに太陽が2つに見えました(*^^*)
夕日・・今まであまり興味ありませんでしたが・・こちらで
美しい夕日の数々を拝見して興味を持ちました・・良く観れば
馬小屋からも丁度夕日を今の時期観えるので愛でたいです☆彡
Commented by milletti_naoko at 2020-12-09 23:54
メイフェさん、イタリアにはカトリック教の祝祭日で、国民の祝日である日がかなりあります。カトリック教でもなければなじみのない祝日ですよね。あえて説明を省いたのは、近々書くつもりのWorld Voiceの記事と重なりすぎないようにしようという意図からで、聖母の無原罪の御宿りは、わたしもイタリアに暮らし始めるまで知らなかったのですが、説明をすでにした記事へのリンクを添えてそれでいいかなあと考えたのです。やはり不親切でしたね。すみません。

日本の祝日も、わたしがイタリアにいる間に、新たにできたり、日にちが変わったりしているので、驚いています。日本の手帳を購入するときはそれが把握しやすいのですが、これも勉強しなければいけませんね。

子供たちが皆遠方に行って離れて住んでいる家族も多いことを思うと、義父母が同じ二世代住宅に住んでいることは、義父母にとっても夫たち息子にとっても、安心なのではないかと思います。

ありがとうございます。メイフェさんの記事、お肉がいつもおいしそうで、お味を想像しながら拝見しています。香辛料がこちらでは見つかりにくいものが、中華料理にしても和食にしても多いのですが、トンカツはこちらにあるもので作ることができます。ソースはペルージャでは手に入らないのですが、一度ローマの店でウスターソースを高い値段で買ったあとで、そう言えば別の名前で、いつものスーパーに売られていて、確かイギリス製なのでそれほど高くもなかったので、驚いたことがあります。今コメントにお返事していて思い出しました。今度再発見して買わなくては! うちの夫、そう言えばお好み焼きはタレの甘いのがだめと言い、日本の料理で砂糖やみりんを使うものは、砂糖を抜き、あるいはほんのわずかだけ使うようにしています。うちは塩をかけているのですが、なんとニンニクとしょうゆで食べるのがおいしいとは! 今度試してみます。

ちなみに夫に、トンカツはあなたも好きな日本料理だからと言ったら、イタリア料理だよと言っていました。ミラノ風カツレツと同種のものととらえているようで、それを言うならヴィーナー・シュニッツェルの方が近いなあと思いつつ聞いていたわたしです。
Commented by milletti_naoko at 2020-12-10 00:00
zakkkanさん、クリスマスはとても大切な祝祭なのですが、宗教として大切で、ミサに入ったりして厳粛に過ごし、家族と過ごすという点では、むしろ日本の元旦に相当する日ではないかと思います。クリスマスプレゼントも、日本のお年玉に通じるものがあるようで、常緑樹を飾って日が長くなっていくのを祝う異教の祝祭の慣習を、キリスト教でも受け継いだという意味では、クリスマスツリーも門松と共通するものがあるわけでもありますし。

イタリアでもクリスマスの市場は例年は出るのですが、今年はいろいろとやはり感染を防ぐための各自治体や国の規制に従う必要があり、人が集まるのも避けなければいけないので、例年とは違った形になるのではないかと思います。

トンカツ、おいしいですよね。大好きです♪
Commented by milletti_naoko at 2020-12-10 00:20
ciao66さん、いつもと違うクリスマス、イタリア中で皆が責任ある、配慮ある行動を取ることができて、少しでも感染を減少方向にまま維持していけたらと思います。いろいろ統計を見ると、やはりゆるい規制では、ロックダウンほどの効果はないことが明らかでもありますので。

トンカツおいしかったです♪ 雨に足を止められていますが、やはり市外に出られること、ありがたいです。
Commented by milletti_naoko at 2020-12-10 00:35
お馬さん、プロヴァンスは海も山も、家も風景もとにかく美しく独特で、その特徴をうまくとらえたプレゼーペ、みごとだなあと感嘆し、旅を思い出して、うれしかったです。

こういうときだからこそ、ようやくアッシジにも行けるようになったからミサに行きたいと、夫は考えたようです。固くなったパンは、野菜のすりおろし器ですり下ろしてパン粉にすることもあるのですが、義父母宅にチーズとパン用の自動すり下ろし器があるので、それで大量にすり下ろしておくと、早くて楽で便利です。老舗パン屋さん、なんとそうやって無料のパン粉も提供されているんですね! お馬さん、そんなにお料理に情熱を持って臨まれていたのですね。いつかぜひ再開して、シマウマさんたちやギターさんを、よい香りで喜ばせてあげてください。

雲の合間から太陽が二つに見える夕日は、夕日の色も太陽の輝きも、いつもにも増してきれいですよね。お宅からもよく見えるのですね! はっとするほど美しい夕日や風景、お馬さんの場合は富士山を眺めることも、瞑想と同じくらいの心身の浄化作用があるそうです。ぜひぜひ♪
Commented at 2020-12-11 06:30
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by milletti_naoko at 2020-12-12 23:12
鍵コメントの方へ

イタリアではミサは行われるのですが、例えば例年行われていた真夜中のミサについては、夜間の外出禁止の時間帯までに皆がうちに帰れるように午後8時からなど早く始めたり、地方の小さい教会では入れない人が出て困らないようにずいぶん前からオンラインなどで席を予約できるようにしたりして、感染を広げない範囲、法に抵触しない範囲で参列できるように工夫されています。

おっしゃるとおり、やはり大切なのは心だと思います。
by milletti_naoko | 2020-12-09 08:52 | Feste & eventi | Comments(10)