イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

歴史ざんまい今年後半とアヴィニョン旅行の思い出

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 遠いとおい昔、プロヴァンスへの旅行中に買ったと思われる『プロヴァンスの歴史』を、昨晩ようやく読み終えました。約30ページで絵が豊富で、訪ねたこともある場所が時々登場するので、興味を持ちながら読むことができて、しかも長い間さぼっているフランス語学習リハビリ前の準備体操ができたのではないかと思います。

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Alain Dag 'Naud, Christophe Lazé, "Histoire de la Provence", Gisserot

 プロヴァンスには、「ラベンダーを見に行こう」と、夫と行ったこともあれば、友人たちと共に、マグダラのマリアゆかりの地を旅行したこともあります。

 地理をよく知らなくてお恥ずかしいのですが、プロヴァンスというと、ついラベンダー畑やカマルグ湿原地帯ばかりを思い起こしていたわたしは、今回このプロヴァンスの歴史の本を読んで、イタリアへと戻る途中に立ち寄ったアヴィニョンなどの町も、やはりプロヴァンスだったのだと知って驚きました。アヴィニョンはさらに、この本の表紙にも最も大きく描かれています。

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Pont St-Bénézet, Avignon 26/9/2013

 誘われるままに行って、あちこち訪ねた地域が、プロヴァンスやフランスの歴史の中で、どういう位置を占めるかを、この本を通して知ることができて、興味深かったです。7、8割方は理解できたように思うのですが、フランス語学習のリハビリのために、この本の文章を、少しずつノートに書き写して、辞書なども引いて、精読も試みるつもりでいます。そうすれば、フランス語とプロヴァンスの歴史を両方学ぶことができますし、さらに、本で紹介される歴史を機に、ブログでまだお話ししていない観光地についても記事にすることができれば、一石三鳥にもなるはずです。

 アヴィニョン(Avignon)の地名は、14世紀にローマ教皇庁が遷った場所やペトラルカゆかりの地として、イタリアの歴史や文学の授業で学んで知っていました。



 けれども、「橋の上で踊るよ踊るよ」という歌は知っていて、歌ったこともあるものの、その原歌がフランス語で、皆が踊るのが「アヴィニョンの橋の上」だということは、フランス語を勉強し始めて、初めて知りました。

 そのため、アヴィニョンでは、橋を見るのを楽しみにしていて、橋の上を歩くことができたのはうれしかったのですが、

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まさかその橋が、川の途中までしかないとは思わなかったので、そうと知って驚きました。

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 橋が途中で終わっているので、大きな観光船もこんなふうに、橋の向こうを通っていくことができます。

 今写真を見ると、この日はまず、上から2枚目の写真で、ローヌ川とアヴィニョンのサン・ベネゼ橋の向こうに見えている法王庁宮殿を訪れてから、橋を訪ねたようです。

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Palais des Papes, Avignon

 1309年に教皇庁がローマからアヴィニョンに移ったことについて、『地球の歩き方 フランス』には、「当時、法王庁とフランス国王の間では、勢力争いが絶えなかった。そんなとき、法王に選ばれたのが、元ボルドーの大司教でフランス人のクレメンス5世。1309年、フランス王の圧力に屈する形で法王庁ごとアヴィニョンに移住する。」とあるのですが、今回読んだ『Histoire de la Provence』には、「イタリアの諸侯間の対立に脅かされて、教皇がローマを去ることにした。」(Menacé en Italie par les luttes entre seigneurs, le pape decidé de quitter Rome.)とあって、教皇が自主的にフランスに移住したように書かれています。

 ちなみに、イタリアではどうとらえているのだろうと、中立的な記述を探して、イタリア百科事典、トレッカーニのサイトアヴィニョン(Avignone)の項を見ると、クレメンス5世にとっては、アヴィニョンは数ある居住地の一つで、ローマとイタリアを完全に離れるつもりはなく、クレメンス5世の死後に教皇となったヨハネス22世が、過去にアヴィニョンの司教を務めた経験があり、宮廷をアヴィニョンに置いたと書かれています。(リンクはこちら

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 法王庁宮殿は、床が美しいと感嘆して、そのデザインをあしらった手鏡を購入したことは覚えているのですが、写真を見ると、こんなふうに、高みから町の見晴らしも楽しむことができたようです。

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 教皇庁の前では、こんな記念写真も撮影しました。

 この夏から秋にかけて、わたしが読んだ塩野七生作品、『ルネサンスの女たち』、『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』では、主人公は皆、15世紀に生まれて16世紀に亡くなり、主としてイタリアで人生を送っているのですが、その人生を語る小説には、当時の政治的状況から、フランス王や神聖ローマ皇帝、教皇がしばしば登場します。今回、たまたま手に取って読み始めた『プロヴァンスの歴史』にも、古代ローマやフランス王、教皇、神聖ローマ皇帝が出てきました。

 ルネサンスのイタリアを舞台にした歴史小説を2冊読んで、小説に出てきた時代や登場人物に興味を持ち、同じ時代を舞台にした、イタリアの歴史学者が書いた本がないかと探してみました。ずいぶん前から、イタリアの歴史チャンネル、Rai Storiaの歴史番組が好きで、特に古代史や中世・ルネサンスの歴史を扱っているときにはよく見ています。




 中でも、中世史と戦史を専門とするアレッサンドロ・バルベーロ(Alessandro Barbero)教授の語りや説明が、分かりやすく、かつおもしろく興味深いので、この先生が担当している歴史番組は、別の時代についてであっても、時間があれば見るようにしています。数年前には、グッビオの中世祭りで、聴衆の一人として、直接講演を聴いたこともあります。



 数多い著作の中に、ルネサンスを人物を軸にして扱った歴史書がないかと探したものの見つからなかったのですが、かつて、中世祭りで聴いた、カール大帝についての講演が興味深かったことから(詳しくは上記リンク参照)、ローマ法王と神聖ローマ皇帝、そしてフランスの関係を考える上で鍵となるカール大帝(Carlo Magno)についての著書を読もうと考えて注文し、購入していました。

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Alessandro Barbero, "Carlo Magno. Un padre dell'Europa", Laterza

 副題には「ヨーロッパの父(の一人)」と書かれています。昨晩、『プロヴァンスの歴史』を読み終えて、すぐに読み始めたのが、この『カール大帝』で、とりあえずは、数ページの序章を読み終えました。アレッサンドロ・バルベーロは、1996年にイタリアで最も権威ある文学賞の一つ、ストレーガ賞を受賞した作家でもあります。購入前に参考にした書評や口コミには、歴史書でありながら小説としてもおもしろいとあり、この先を読むのが楽しみです。

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Ieri sera ho finito di leggere "Histoire de la Provence" e
iniziato a leggere "Carlo Magno. Un padre dell'Europa"
di Alessandro Barbero.
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by yuki0901671 at 2020-12-16 08:27
おはようございます。

歴史には興味がりますね。
私はアジアの近代史に興味があり
最近は日本の昭和史の本を読んでいます。
耽読するわけではありませんが、おりおり
に少しづつ勉強しています。
Commented by nonkonogoro at 2020-12-16 08:43
プロヴァンスには行ったことがないのですけれど
以前 日本でも プロヴァンスブームがあって
その時 「プロヴァンスの四季」?だったかな
そういう本を購入しました。
英文だったので 少ししか読めなかったのですが
探したのだけれど 見つかりませ~ん。

アヴィニョンの橋の上
この歌も 知っていますよ~
ロンドン橋 の歌など
世界各地に 橋の歌は多いのですね。
日本は お江戸日本橋~かな。

Commented by tokotakikuh at 2020-12-16 14:07
はい・・
イタリアは、なんといっても、国そのものが
歴史の宝庫ですよね

今年、ここを訪ねさせていただき
ヨーロッパの歴史と、風景に魅了させていただきました
素晴らしい一枚一枚が絵ですもの

ありがとうございました
「江國かおり」の愛情と情熱の・・のテーマを
彷彿とさせてくれる景色が、眼に浮かびましたものね(笑)
Commented by milletti_naoko at 2020-12-16 18:49
yuki0901さん、こんにちは。
国や近隣の国、地域の歴史を知ることは大切ですよね。
わたしは、あちこち訪ねる先で、それぞれの時代の政治背景や主要人物に関わる建築や芸術品や町を見かけることが多いこともあって、歴史に興味があり、ついでに読書で人間模様や歴史の動きも楽しんでいます。
Commented by milletti_naoko at 2020-12-16 19:41
nonさん、日本でプロヴァンスのブームがあるときがあったのですね! わたしも旅行中に買ったフランス語の旅行の本が、今は古本がかなりの価格になっているので驚きました。それもまたブームのときにだけ発行されたからかもしれませんね。

この歌、やはりご存じなんですね。確かに橋の歌って、多いですよね。
Commented by milletti_naoko at 2020-12-16 19:49
zakkkanさん、ありがとうございます。
わたしもzakkkanさんがカメラでとらえられる京都などの美しい風景や四季を楽しみに拝見しています。自分が訪ねた場所の、違う季節のやはり情趣あふれる様子が見られるのも興味深いです。
有名な映画や小説であるようですね。いつか機会があれば、わたしも見て、そうして読んでみたいなあと思いました。
Commented by sunandshadows2020 at 2020-12-17 04:57
私も遥か昔になってしまったのですが、プロヴァンスの旅とても楽しみました。残念ながら時間が限られていたのでアヴィニョンは駆け足で通り過ぎました。
なおこさんらしい勉強の仕方だなあと感心しています。
フランス語がスムーズに読め、話せたら良いですね。とても美しい言葉です。途中で終わっている橋も楽しいです。その後ろを行くのはローヌ川の川を下るクルーズですね。
Commented by ciao66 at 2020-12-17 16:51
アヴィニヨンには私も行きましたよ!とてもいい所ですね。
SNCFのストのせいで、1時間の早回りだったので、naokoさんが行かれたサン・ベネゼ橋は横を通っただけだし、床が美しいという法王庁の中にも入ることが出来ませんでしたが、この記事で橋の様子を拝見できて幸いでした。
 歴史的に仏・独・伊がどうできてきたのか、カール大帝はヨーローッパの源となる人物ですね。その本、面白そうとは思いましたが、日本語訳は残念ながら無さそう。
 サン・ベネゼ橋の歌では「橋の上で輪になって踊ろう」となっていますが、ほんとうはそれは違っていました、という話を旅行記に書いております。https://ciao66.exblog.jp/13540122/ もし良かったらお読みいただければ幸いです。
Commented by milletti_naoko at 2020-12-17 17:47
お転婆シニアさん、プロヴァンスは広く、見どころもたくさんありますよね。わたしたちは、このときは友人の急な誘いに慌ただしく準備をして、旅の計画を練る時間もあまりないまま、友人たちと別れたあと、アヴィニョンにはペルージャへと戻る途中で寄ったのだと思うのですが、訪ねられたよかったです。

名高い橋がまさか川の中までしか通っていないとはと驚きました! セーヌ川でもローヌ川でも見かけたクルーズ。船の中からの観光も風情があってよさそうですよね。
Commented by milletti_naoko at 2020-12-17 18:08
ciao66さんもアヴィニョンに行かれたことがあるんですね!
遠方からいらして、時間が限られた中で、ストに遭われるとは大変でしたね。橋や記念撮影はよく覚えているのですが、高みから風景を眺めたことは、写真を見るまですっかり忘れていました。やはり忘れないうちに書き残しておくことは大切だなあと改めて思いました。

昨日はフランク人やフランク王国ができてからカール大帝が生まれるに至るまでの歴史を読んだのですが、もともとはゲルマン系の民族であったとか、オーストリアはどうやら「新しい国」という意味で、フランク人たちの国々の中で東にあった地域らしいとか、もともと南仏に住んでいたガリア人、ローマ人との関係とかそれぞれの地域における言語や慣習とか、意外なことも多くあり、楽しみながら読んでいます。いちいち読み返して対比はしませんでしたが、読み終えたばかりの『プロヴァンスの歴史』に書かれていたことと重なる史実も多く、もっぱらロマンス語文献学やイタリア文学、イタリア語の歴史の授業を通して断片的に知っていたプロヴァンスの歴史や文化を、こんなふうに起源からかいつまんでですが読むことができて興味深かったです。
Commented by cometsan1966 at 2020-12-20 00:17
遠い遠い昔に旅行中に買われた本を読み終える・・時間が
経っているからこそ、その旅行の時の風景や思い出がありありと
再び心によみがえって来ることでしょうね(*^^*)
日本語~英語~イタリア語・・そしてフランス語ですか(^-^;
凄いですね・・その言語力に一層磨きが掛かりますね☆彡
また・・学習の為に更にこの本を利用されようとしている姿
流石だと思います・・歴史も学ばれて・・本を起点に学習の
幅をそうして広げられて凄いなと思います(*^^*)

教皇の前の写真楽しそうですね~私も絶対撮ると思います(^-^;ふふふ
Commented by milletti_naoko at 2020-12-20 00:31
お馬さん、たまたま手にした本を機会に、忘れかけている旅行を、写真を通して思い出すことができました♪ 

フランス語はまだまだ入門なのですが、語彙や文法がイタリア語に近いので、何となく内容を推測しながら読んでいくことができてしまうんです。お馬さんにそんなにほめていただいて、まだ学習のためにノートに書き写していないことを反省しているわたしなのですが、まずは今月仕事で書かなければいけない記事を書いてしまうことを優先するつもりでいます。

こういう写真、記念に残っていいですよね♪ ギターさんも喜ばれるのではないでしょうか。
by milletti_naoko | 2020-12-16 06:38 | Francia & francese | Comments(12)