イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

久しぶりに大家族で集うクリスマス、今年のポルツィウンコラ

 今夜、12月23日は、久しぶりにトーディの義弟夫婦と姪たちもやって来て、クリスマスを祝って、夕食を共にし、贈り物を交換しました。

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Basilica di Santa Maria degli Angeli, Assisi (PG), Umbria 13/12/2020

 新型コロナウイルス感染拡大を抑えるための規制で、明日、24日から27日までの4日間は、イタリア全土がレッドゾーンとなり、クリスマスだからと、1日に1度は、居住する州内であれば、家族や友人、恋人などを訪ねることが認められているものの、集まったり移動したりできる人数に制限があるため、全員出会える今夜、皆の仕事のあとで食事を共にすることとなりました。

 レッドゾーンである間の昼食・夕食の指示にあるように、まだイエローゾーン である今夜も、特に高齢の義父母への感染を避けるために、義父母と孫である姪たちは離れて座って、食事の前と後には全員がマスクを着用し、また、互いの距離がきちんと確保できるように気をつけました。

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 ようやく久しぶりに会えたのに、姪たちに触れることも、頬を寄せることもできず、特に義父母たちはきっと寂しい思いをしたのではないかと思うのですが、互いの近況を話しながら食事をして、にぎやかに贈り物の包み紙を開いて、皆の笑顔も見ることができました。

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 あいさつに両頬を寄せ合ってキスをしたり、ハグをしたりするのが自然な家族の間で、こうして距離を取らなければならないことが、イタリア文化ではことさらに辛く感じられると思うのですが、皆、きちんと命を守ろう、義父母を感染させまいと、行動することができていました。

 いつもと違うクリスマスの集いではありましたが、皆が元気でいられることが、やはり一番大切で、久しぶりに互いの顔を見て話をすることができて、よかったです。

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 写真は、わたしたちがふだんミサに行っている、アッシジ郊外のサンタ・マリーア・デッリ・アンジェリ教会(Basilica di Santa Maria degli Angeli)の回廊に飾られているプレゼーペです。

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 明日から4日間は、ペルージャ市から出られないので、今年はアッシジのこの教会のミサには参列できません。ペルージャにも教会は多いのですが、イタリアのカトリック教会は、自己申告書を携帯して、家から一番近い教会のミサに参列するようにと呼びかけています。クリスマスだけは、日頃はミサに行かない人も参列して、教会が混雑することが予想されるためか、今も毎週日曜にミサに行っている義弟夫婦も、今年のクリスマスは家でミサの中継を見ると言っています。

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 12月3日の首相令の時点では、クリスマス前日の12月24日には市外に移動できることになっていたのに、12月18日の新たな首相令で、24日も全土レッドゾーンとなることが決まりました。皆の命を守り、感染を防ぐことが今は大切だと思うので、やむを得ないと思いますし、幸い、12月13日日曜日に、雪のシビッリー山脈を訪ねた帰りに、サンタ・マリーア・デッリ・アンジェリ教会に寄って、ミサに参加し、修道院のプレゼーペも見ることができました。

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 アッシジの歴史的中心街にある聖フランチェスコ大聖堂が、聖フランチェスコの死後に建てられた教会であるのに対し、このサンタ・マリーア・デッリ・アンジェリ教会は、生前のアッシジの聖フランチェスコ(San Francesco d'Assisi)が仲間たちと共に暮らし、最も心にかけていた小さな教会、ポルツィウンコラ(Porziuncola)を包み込むように、後世に築かれた教会です。


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 歴史上初めて、幼子イエスの生誕場面を再現し、プレゼーペ(presepe)を設けようと考えたのが、聖フランチェスコだったからでしょう、

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すぐ上の写真のプレゼーぺへと続く、土産物屋の脇を通る廊下も、

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奥に土産物屋があるこの廊下も、例年は12月8日から1月6日までのクリスマスを祝う期間には、様々な国の美しく、興味深いプレゼーペが並び、世界のプレゼーペ展が開催され、大勢の人でにぎわっているのですが、今年はごくわずかなプレゼーペがあるだけで、がらんとしていました。

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 そのため、今年は世界のプレゼーペ展は開催されないのかと思ったら、中庭には天井がないため、半ば屋外とも言える回廊には、幸いプレゼーペが展示されていたので、ミサの前に急ぎ足で見て回りました。

 ミサへと早めに教会に向かった夫は、回廊に展示があったことを知らなかったそうで、展示を見る人が少なかったのは、夫と同じように、知らずにいた人が多いためかもしれませんし、ミサが始まる直前だったためかもしれません。

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 クリスマスは楽しみであると同時に、贈り物をはじめ、あれこれ準備も大変なので、まだクリスマス前ではあるのですが、とりあえず今年の大きな山が一つ終わったとほっとしています。

関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- 初プレゼーペと聖フランチェスコ / San Francesco e il primo presepe nella storia (24/12/2013)
- アッシジを歩く1 ~ポルツィウンコラ / Basilica di Santa Maria degli Angeli, Porziuncola (27/4/2011)
- アッシジ世界のプレゼーペ展、ポルツィウンコラ / Tutti i presepi del mondo alla Porziuncola (23/12/2018)
- 雪頂くシビッリーニ山脈のカステッルッチョへ (13/12/2020)

Articolo scritto da Naoko Ishii

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ブログテーマ:今年はどうすごす?クリスマス 2020
Commented by sunandshadows2020 at 2020-12-24 15:17
まあ、家族が集まれてよかったですね。
少しの不満はあるでしょうが少なくとも顔を見られただけでも集まった甲斐があるでしょう。
さすがカトリックの国ですね、教会の占める割合が違います。
どうぞ良いクリスマスを!
Commented by ciao66 at 2020-12-24 15:58
美しいプレぜーべの数々を楽しませていただきました♪
距離をとった出会いの寂しいクリスマスになりましたね。
でも、全面的な移動禁止ではなく、会えただけでもまだ良かったのかもしれませんね。
 こちらは寒さは一段落したものの、感染拡大がスピードを増している感じで、今のところ移動は自由とは言うものの、前途多難な感じの年末風景です。
 明治神宮では年末年始の参拝は取りやめに、大みそかの午後4時から年明けの午後4時まで閉門だそうです。
 日本のお寺ではコロナ退散を願うといっています。収束ではなく退散、昔から鬼には退散を願うのが日本の文化でした。皆さんがこのコロナ禍を無事に過ごせますように!
Commented by tokotakikuh at 2020-12-24 16:34
メリークリスマス

そうですよね・・久々に集うためのクリスマスですよね

お正月の全員集合に、惑ってます我が家は( ´艸`)
Commented by milletti_naoko at 2020-12-25 02:00
お転婆シニアさん、いろいろ心配もあったのですが、互いに顔を見て、けれど適度に距離は保つことができて、よかったです。ありがとうございます。どうかそちらも、よいクリスマスをお過ごしくださいね。
Commented by milletti_naoko at 2020-12-25 02:10
ciao66さん、ご覧くださって、そうしてうれしいコメントを、ありがとうございます。イタリアでは秋に入ってから感染が急増し、クリスマスを控えて、医療機関が逼迫しないようにとにかく厳しい規制をと呼びかける声が上がる一方、業者や経済のために厳しすぎる規制は困るという声もあり、クリスマスにはせめて家族に会いたいという国民の声もあって、政府もいろいろな意見をまとめるために、話し合いを多方面と重ねて決めた、苦肉の策だと思います。日本でもどうか、もっと経済よりも体面よりも、国民の命や健康をこそ重視してくれる、そういう政治になってほしいと心から願っています。

ありがとうございます。ciao66さんもどうかご無事で、そしてよい年末年始をお過ごしくださいね。
Commented by milletti_naoko at 2020-12-25 02:17
zakkkanさん、ありがとうございます。
どうかよいクリスマスの1日をお過ごしくださいね。

イタリアではクリスマスや元旦の当日、前日は大勢が集まって感染が拡大するのを避けるために、家族や友人を訪ねるための外出は、州内のみ可能で、しかも訪問可能人数は2人以内で、同じ家に暮らす同士が相手の家を訪ねるのでなければならず、自己申告書が必要で、違反すると高い罰金となっていて、今日はあちこちで取り締まりが行われていたようです。どうか皆さんが安心して過ごせる形で、お互いのお顔を見られるお正月でありますように。
Commented by meife-no-shiawase at 2020-12-26 01:25
確かに欧米の方はハグしたりキスしたり・・・
スキンシップが日常に多いですもんね。
やはり相手に触れるというのは親しみが湧きますし
安心できるメリットがありますもんね・・・
それがないのは本当にちょっと寂しいと思います。
それでもご家族が集まってお祝いができたこと、本当に良かったです。

プレゼーペの素晴らしさ!もうお写真に見惚れました。
いつまでも見ていても飽きないですね。
本当に可愛いし美しい。
素敵なものをたくさん見せていただきました♪
Commented by milletti_naoko at 2020-12-26 23:42
メイフェさん、ありがとうございます。距離があっても、久しぶりに孫たちの顔を見られて、義父母たちもうれしかったことと思います。

夜空の下、照明に浮かび上がるプレゼーペが今年はいつになくきれいでした。と言うより、そう言えば、例年は昼間にしか見たことがなかったかもしれません。プレゼーペにもそれぞれの文化が反映されていて、興味深く、それぞれの美しさがありますよね。こちらこそ温かくうれしいコメントをありがとうございます♪
Commented by cometsan1966 at 2020-12-29 00:11
本当にそちらでは大切な大切なクリスマスというのが凄く
伝わって来ました。。私を含めて日本はケーキを食べて
プレゼントをあげて・・恋人たちは愛を語る・・そんな形
にデフォルメされて根付いてしまいましたが・・こうして
本場のクリスマスの状況をお伝え頂けると心にある神聖な
ものを凄く刺激されるのか~何故か清々しい気持ちになります☆彡

プレゼーペ・・凄いですね・・凄い美しさを感じ見入ってしまいます!
こうした視覚に訴える表現は印象に深く残りますね(*^^*)
不謹慎でレベルが全く違いますが・・私のお馬村の仲間のお話も
心のどこかに温かく残るようになったならば嬉しいです☆彡
Commented by milletti_naoko at 2020-12-29 20:06
お馬さん、こんにちは。日本のクリスマスはおそらくアメリカ文化を通して伝わり、ケーキやおもちゃなどの業界の思惑にも乗って、今のような祝い方をするのではないかと思います。イタリアでは「クリスマスは家族と、復活祭は自分の好きな人と」とさえ言うように、クリスマスは日本のお正月に似て、家族と過ごし、主の生誕を祝う日なのですが、最近ではイタリアでも、アメリカ風のサンタクロースや商業主義の影響が大きく、義父母は残念がって、教皇もしばしば戒めています。

逆にイタリアでは、大晦日はたくさん食べてにぎやかに乾杯して新年を迎える慣習があり、これにはいつもとまどいがあるのですが、来年の元旦は静かに迎えることができそうです。

大切な日を祝おうという心が感じられる美しいプレぜーぺでした。ポルツィウンコラのプレゼーぺを夜に見るのはおそらく初めてで、明かりに浮かび上がる様子が、いっそうきれいでした。お馬さんからのおいしいケーキの優しい贈り物に、シマウマさんたち皆さん、うれしそうでしたね♪
by milletti_naoko | 2020-12-24 09:07 | Feste & eventi | Comments(10)