イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

読みました『あなたの人生、片づけます』

 垣谷美雨著『あなたの人生、片づけます』を、読み終えました。昨晩遅くに、本の最後かつ四つ目の話を読み始めたら、続きが気になって結局最後まで一気に読んでしまいました。19日から読み始めて、おかげで楽しいときを過ごすことができました。

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 それぞれの話の登場人物の人生や、うちに秘めた悩み、苦しみが、読み進めるうちに少しずつ分かってきて、そうしてそれが、片づけ屋である大庭十萬里が、掃除の指導をするために家の訪問を重ねるうちに、発見していくという形で明らかになっていくために、どこか推理小説を読んでいるような心持ちで、楽しみながら読み進めました。

 十萬里の片づけの指導を受けることになる人々の年齢や職業、指導が必要となる理由や事情が様々で、また、最後の話だけは、十萬里が自身が語り手となっているところも、コナン・ドイルのシャーロック・ホームズシリーズに通じているように思います。

 人生を片づけると言うよりは、「一つの扉を閉じて初めて、新しい扉が開ける」という言葉にあるように、指導を受けることになった人々が、物をため込んでいることによって閉じている扉を開くように促して、幸せへと導いていく、時にとっつきにくく、時に厳しく温かい、どこかメリー・ポピンズに似たところが、十萬里にはあるように思い、描かれた様々な人間模様や家族の在り方も、興味深く読みました。

 読み終えてみると、帯に書かれていた「あ〜ぐちゃぐちゃ! でも大丈夫! これを読めばきっとあなたも片付けたくなる 部屋も心もスッキリお片づけ小説」という言葉は、わたしが受けた印象とはかなり違うので、そのために読む本ではないようにも思うのですが、片づけようという気持ちは確かに起こり、その証拠に、読んですぐに本の帯を捨ててしまったので、今ここに書き写すために、ゴミ箱から帯を拾ってきました。

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 さて、次はどの本を読もうかと考えるに、『カール大帝』を読み始めたばかりで読みさしている上に、クリスマスに夫が上の写真の2冊の本を贈ってくれましたし、また、今夜はフェデリーコ2世についての歴史番組もありました。イタリア全土で移動が制限されているために、運動不足気味なのに、クリスマスを祝う期間中で、つい甘いものに手が伸びてしまうので、読みさしているディーパクの本を、今こそ最後まで読むのが、本当はいいのでしょう。調べてみたら、読み始めたのはなんと2年前です。

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 でも、とりあえずは、ディーパクの本の内容に言及した過去記事から、戒めのために次の部分だけ引用して、今しばらくはまだ日本語の本を読んでみるつもりでいます。

・白砂糖や精白された炭水化物を排除し、赤身肉を避けて、野菜を多く摂り、肉は鶏肉や魚を中心に摂取するという方針は、わたしも予想していたのですが、中に、「十分な睡眠を取る」ことも含まれていたからです。そうして、満腹や空腹を伝達するホルモンがきちんと機能するためには、十分な睡眠、休息を取ることが必要だと書かれていたので、これからはもっと早めに寝て、睡眠時間をきちんと確保したいと思いました。(記事「読書の秋、食欲と睡眠と画面」から)

・「わたしたちの体は、本当はどれだけの量の食べ物を必要としているのか知っています。つい必要以上に食べ過ぎてしまうのは、ストレスの解消、心の慰めなど、栄養分を摂取するという本来の目的以外の理由で、食べ物を口にする習慣がついてしまっているからです。食事の時間以外に、何か食べたいと思ったら、自分は本当におなかがすいているのか、まず自分に問いかけてみましょう。まずは水を一杯飲んでみましょう。たいていはそれで、空腹が収まるはずです。」(記事「軽やかな心身を目指して誘惑に勝とう」から)

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Perugia, Umbria 27/12/2020

 今日は久しぶりに天気がよく、レッドゾーンでも家の近所なら歩いていいということなので、1時間ほど歩きました。28日から30日までの3日間はオレンジゾーンだというのに、今のところは3日とも雨が降るという予報が出ていることもあって、今日は青空の下の散歩を満喫しました。

関連記事へのリンク 
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- 軽やかな心身を目指して誘惑に勝とう (17/12/2018)
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by yuki0901671 at 2020-12-28 10:03
おはようございます。

イタリアも本当に大変ですね。
ゾーンで区切られているんですか。
日本でもそうすればいいのにですね。
Commented by milletti_naoko at 2020-12-28 17:59
yuki0901さん、おはようございます。
ゾーン別に規制が決まっている上に、クリスマス前から1月6日までは、イタリア全土で祝祭日・日曜とその前日はレッドゾーン、後の日もすべてオレンジゾーンとなっているため、外出や移動にかなり制限があるのですが、少しでも抑止に貢献できればと願っています。
日本もまずは国民の命と健康を最優先してほしいと願いながら、ニュースを追っています。
Commented by meife-no-shiawase at 2020-12-28 22:23
なおこさんの書評(!)でこの本を読みたくなりました。
一気に読んでしまわれるほどだったんですね。
でも読書も面白くて、それぞれの感じ方が違うというか
読み手によっても、また同じ読み手でもその時の心情とかそういうことで
本のイメージも変わってくるのだと思います。

映画などもそうですが観たあと、読書したあと、それについて友人たちと色々と話をするのは面白いですね。
あの場面でそう思ったんだ~のような。(笑)。

睡眠はやはりどんな時も大事ですね♪
ストレスをためず栄養を取って寝るのがいちばん。(笑)。
Commented by milletti_naoko at 2020-12-28 23:27
メイフェさんがおっしゃるように、本でも映画でも漫画でも、人によって、そして同じ人、同じわたしでも、時々のよって受け取り方が違ってくるのが、おもしろいなあと思うことがよくあります。この本、構えずに読み進めることができて、気づくと物語の世界にはまっていて、おもしろかったです。わたしが住んでいた頃の日本にはなかったものや言葉が、もう小説世界に出てくるというのも、何だか新鮮な驚きでした。

本を宣伝する人、売ろうとする人はつい、今のブームに乗って、需要に乗ってと、宣伝文句を考える傾向があるためかなあとふと思いました。大学の共通一次、センター試験の国語の選択式問題に合格するためにとばかり勉強すると、いかに偏った日本語の力が身につくかというより、本当の国語の力はつかないと揶揄した小説を先輩の先生に勧められて読んだことがあるのですが、なんとその本が、本屋で受験用問題集のコーナーに置かれていたのを見たこともあるんです!

もし読まれたら、ぜひ感想をお聞かせください。そうなんです。睡眠、大切だなあと改めて思いました。ブログの記事を書き上げるのがどうしても夜遅くなりがちなので、気をつけて早く寝るようにしなければ。最近は早めに床についても、いつまでも本を読んでしまうので、結局眠るのが遅くはなるのですけれど、それも楽しいです。
Commented by tokotakikuh at 2020-12-29 13:56
あなたの人生・片づけます
もう、そう先の長くない人生ですが
片づけ損ねたものが多いことの気づきます( ´艸`)

そうですか・・
読んでみたくなりました

片づけ、超苦手ない私です
片づける前に、捨てなきゃ、の私でも
この先、片付けから始めたくなりそうです

師走の忙しいひと時だから
読書タイムは、心に、泉の広場を見つけますね
Commented by milletti_naoko at 2020-12-29 20:29
zakkkanさん、心の奥底・表層にある整理がつかずにいる思いが、実は散らかった部屋や物をため込んでしまうことにつながっているということは、この本の四つの短編小説に共通しています。考えてみるとディーパクの本では、その同じ整理されない心が、空腹ではないのに食べてしまい、体重が増えてしまうことにつながると書かれているので、この2冊の本はその点で共通しているようにも思います。

zakkkanさんもですか! わたしも片づけ損ねているものが、目に見えるものも見えないものも、たくさんあります。十萬里が本の中で「人間50を超えたら、いつ死んでもいいように」といったようなことを書いていて、どきりとしました。

寝る前に読み始めて、つい夢中になってさらに遅くまで読みふける、最近はそういう夜が続いています♪
Commented by cometsan1966 at 2020-12-29 20:31
読了お疲れさまでした!・・面白そうな本ですね・・(^-^;
人生を片づけると言うよりは、「一つの扉を閉じて初めて、
新しい扉が開ける」・・なんだかわかる気がします・・
中途半端に散らかしたまま次に移ってはいけないという風に
私には聞こえました(*^^*)
断捨離にもある意味通じるような・・あぁ・・お掃除
しなきゃいけませんね・・((+_+))

ディーパクの本の中にある「十分な睡眠を取る」これは
まさにそうですね・・とかく夜更かしをしがちですが・・
なかなか変えられないんですね・・変える努力をしないと
いけませんね・・そんな風に思いました(*^^*)
面白い興味深いお話・・ありがとうございます!
Commented by milletti_naoko at 2021-01-02 17:44
お馬さんのコメントを拝読しながら、そう言えば、パソコン上の窓も、いろいろ開いて閉めずにいると、次の扉がなかなか開かないし、いろいろな作業を同時進行して、終わったものも心や部屋に置いたままにしておくと、やはり心も部屋も何かがよどんで滞って、引き止められて、先に進みにくくなるのではないかとふと感じました。

しなければならないことやしたいことが多いと、ついつい睡眠にしわ寄せが行きがちですよね。でも、それでは心身に疲れや問題をため込んで浄化・修復できないようなので、今年こそはと、とりあえずは元旦の晩は早めにと言っても、真夜中頃ですが就寝することができました! 1日の時間の使い方を全体的に見直さないと睡眠時間を十分に取るべく早めに寝るのは難しいですし、お馬さんの場合は、入るお仕事の量や時間帯が予測しづらいところがあるので大変ですが、元旦に限らず年の初めは、いろいろなことを今後どうしていくか決めていく、見直していくいい機会だなあと感じています。

こちらこそ読んでくださって、そうして心からのコメントをありがとうございます!
by milletti_naoko | 2020-12-28 08:26 | Film, Libri & Musica | Comments(8)