イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

武術・食 イタリア語になった日本語の語彙、四つの主要伊伊辞典を対象とした研究結果から

 日本語からイタリア語に外来語として入り、今では、イタリアで最も流通する四つの辞書すべてに採用されている48語を、おおざっぱにカテゴリーごとに分類し、表にしてみたら、食に関する言葉はもちろん、武道に関する言葉が、ことのほか多いのに驚きました。

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 合気道や柔道、空手という武道そのものを指す言葉だけではなく、柔道家・空手家という武道を行う人を指す名詞までが、イタリア語でよく使われる辞書四つに、見出し語として載っているのです。

 イタリア語で大豆を表すsoia、英語のsoyが、そもそも日本語の醤油という言葉に由来していることも、思いもしなかったので、語源を調べて驚きました。

 日本語からイタリア語に外来語として入った言葉から、日本の料理や食材などといった食文化が、どれだけイタリアに浸透してきているかが分かるのではないかと、昨晩、まずは手持ちの伊伊辞典を調べました。途中で、2003年版の辞書の情報は古いかもしれないと、インターネットで調べ始めたら、幸いなことに最近の研究結果が見つかりました。

 イタリアで最も流通する四つの伊伊辞典で、見出し語として用いられている日本語・中国語を起源とする外来語を調べた2020年発表の研究論文で、論文末には、それぞれの言語からの外来語の一覧があり、品詞や語義なども添えられています。

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引用元 / Citato dalla pagina web di academia.edu :

 ただし、その日本語からの外来語一覧は、場所を表す地名や、地名から派生した語に由来する言葉、さらに、日本語の言葉をもとにしてイタリア語にできた派生語は、考慮の対象とせず、除外しています。除外された語の例として、著者は、たとえば、前者ではedokko(江戸っ子)から派生した形容詞・名詞、edochiano「東京の、東京の住民、東京出身の人」、後者では、scintoismo「神道」などを、挙げています。最終的に、著者が、四つの辞書の見出し語にある日本語のうち、外来語として認めた言葉は、127語です。

 このキアーラ・コルッチャ(Chiara Coluccia)の研究結果で興味深いことの一つは、辞書によって、採用する日本語由来の外来語に、大きな違いがあることです。127語のうち、四つの辞書すべてに採用された語はわずか48語で、うち三つに採用された語は12語、二つに採用された語は23語で、一つの辞書のみが採用した語が44語ですから、合計127語のうち、約3分の1(48語)は、すべての辞書で見出し語として取り上げているけれども、約3分の1(44語)は、四つのうち一つの辞書にしか採用されていないということです。

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 日本語からイタリア語に外来語として入った言葉には、sushi、sashimi、tempuraなど、食に関する言葉が多いだろうと思っていたら、食文化に関わる言葉ももちろん多いのですが、武道に関する言葉が予想に反してかなり多いので、驚きました。

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参照元 / Riferimento web - pagina web di accademia.edu:
Prestiti dal Giappone e dalla Cina: i lemmi d'origine orientale nei vocabolari dell'uso di Chiara Coluccia 2020 

 昨晩、まずは研究論文を読み、論文末にある日本語からの外来語の一覧表に掲載されている127語を、大ざっぱにカテゴリーに分類し、さらに、見出し語として取り上げられている辞書の数ごとに整理して表にしてみました。冒頭の表には、そのうち四つの辞書すべてに採用されている48語を記しています。

 また、すぐ上の表は、日本語からの外来語がとりわけ多いと思われる武道・スポーツと食に関わるカテゴリーについて、採用されている辞書の数ごとに、表にしたものです。

 武道については、段や級、柔道着まで外来語として載せている辞書が二つもあるほど、イタリアにこうした日本の武道が浸透しているのだろうと、改めて驚きました。また、辞書で定義を調べて、イタリア語では、miyagawaとsatsumaが、共に「温州みかん」を意味する同義語とされていることを初めて知りました。

 この論文にも書かれているように、それぞれの辞書によって、さまざまな語彙がいつイタリア語に外来語として入ってきたかについての記述が異なるのですが、言語学者として名高いデ・マウロが編集に携わった大辞典(リンクはこちら)によると、sushiとsashimiは、それぞれ1990年、1991年に入った比較的新しい外来語であるのに対し、sumoは1934年、judoは1935年とかなり以前にイタリア語に外来語として入ってきたことが分かり、興味深いです。

 この論文をきっかけに考えてみたことや調べてみたいことは、他にもいろいろありますので、また折に触れて、記事にしようと考えています。

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Tra 127 prestiti dal giapponese presenti nei quattro maggiori vocabolari dell'uso dell'italiano
18 parole riguardano le arti marziali e 28 riguardano l'alimentazione.
Riferimenti web - la pagina web di academia.edu :
di Chiara Coluccia, 2000
Le tabelle sono state create da me stessa.
4 - parole presenti in tutti i quattro vocabolari.
3 - parole presenti in tre vocabolari.
2 - parole presenti in due vocabolari.
1 - parole presenti in un vocabolario.
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by kagura-x at 2021-01-11 23:15
なかなか面白い記事です。
日常的に日本語になったイタリア語も紹介していただけたら
と思います。
私にはピッツァ、マカロニ、パスタぐらいしか思い浮かびま
せんが…
食に関するものばっかりですね(苦笑)


Commented by yosakoi_soran at 2021-01-12 00:35
こんばんは、いや、こんにちは、現在日本時間午前零時過ぎです
いつも楽しく拝見させていただいています
興味深い記事ですね、土木用語で津波が一個入っていますね、火山国なのでもう少し多いかと思いましたが意外です。
国際的に広く使われる砂防(Sabo)が入って無いのが不思議ですね

Commented by milletti_naoko at 2021-01-12 07:03
さくらさん、コメントをありがとうございます。

イタリア旅行やイタリアのレストランで、ブログ友達の皆さんが出会って、使われているイタリア語の料理名や材料名、わたしが時々、イタリア語のままでご紹介する飲み物や食べ物の名前が、どこまで日本語の辞書の見出しにもなっているのだろうかと考えると興味深いです。食はやはり、イタリア料理にしても日本料理にしても、それまで存在しなかった食材や調味料、料理などが入ってくると同時に、その料理を受け入れる側の言語にも少しずつ外来語として食に関わる言葉が入っていきやすいのでしょうね。
Commented by milletti_naoko at 2021-01-12 07:16
年金爺さん、興味を持って読んでくださって、そうして温かいコメントを、ありがとうございます。
日本時間で遅くなりすぎないうちに書き上げようと思っていたのに、真夜中直前になってしまったのですが、まだ起きていらしたのですね!

ここで著者が対象として調べた辞書は、日本で言うと広辞苑や大辞林のような、大きめだけれども一般的なイタリア語を対象としているため、採用される専門用語は限られているのだと思います。
Commented by sunandshadows2020 at 2021-01-12 09:05
中々面白い日本語イタリアンですね。
中でも柿がイタリアンになっているのが不思議です。そちらでそれほど流通しているのですね。
日本語から英語になったもの、辞書からではないですがこちらではsayonara、sukoshi、tunamiなどよく使われ、最近では料理用語も結構日本語をそのまま使うことが多いようです。蜜柑はその種類からsatumaと呼ぶことが多いです。
Commented by BBpinevalley at 2021-01-12 09:51
なおこさん、
面白い記事ですね。
柿って、イタリア語になってるのですね。
英語でもumamiは最近よく使われる言葉ですが、kokumi(こく味)も聞くようになりました。
あと、hikikomoriは英語になって居ます、ちょっと情けないですが。
keirinは英語では聞きませんね〜
イタリアでは盛んなのでしょうか?
emojiなんて、日本語だって知らない人も多いくらい。
mottainaiもコンセプトとして流行りましたね、一時。
Commented by mahoroba-diary at 2021-01-12 10:41
なおこさん、こんにちは。

なんて興味深いのでしょう。なおこさんのブログはレッスン料をお支払いしなくては申し訳ない、と思うほどに学ばせていただくことばかりです。
イタリアにもこれほどまでに日本語が流入しているのですね。武道は欧米など世界でとても人気がありますね。ドイツでも合気道、柔道、剣道は日本語のままの発音で人気があり習っている子供たちも各地に多くいるようでした。
それにしても、相撲や柔道が戦前にすでに伝わっていたとは・・・これはもしかしたら日独伊三国同盟の名残なのかと思ってしまいました。相撲も欧州では中継されますよね。ドイツでもとても人気がありました。私が暮らしていた頃よりも、グローバル化の影響や和食文化の世界遺産化もあり、今はかなり日本語が一般的になっているのでしょうね。
ゴマ塩、たまり醤油、柿まであるのにびっくりしました。
Commented by u831203 at 2021-01-12 11:48
日本語がイタリア語に外来語として使われているものがたくさんあるのに驚きました
日本の武道は、オリンピックの種目になっているものもありますので、さほど驚きませんが、
神風、坊主、大名、やくざなどもあるとは
やくざはマフィアと訳されるのですかね
ミヤガワ、サツマが温州みかん?日本の産地なら和歌山や四国の地名のほうが有名ですけどね どこからきたのでしょう
いずれにしても日本人の若者でも知らない言葉もあり、興味深いですね
なおこさんの研究熱心に頭が下がります
masa
Commented by tokotakikuh at 2021-01-12 13:18
当たり前に使われている語が、辞書に載るには
そのように、分類されるのも、不思議ですが
案外、日本人が知らない言葉も出てますね
知らないというより、もう使わない方かな?

武道
これは、やはり、日本古来のものですね
相変わらず
芸者、神風なんて言葉に、少々驚きです

カラオケ
これって、日本語だったのよね
韓国、台湾、香港等で見かけて驚きました(笑)
Commented by みーは at 2021-01-12 15:34 x
わあすごい!思ってもみない単語がありますね!
日本で伊語を教えてらっしゃる方たちの中でもedochianoを認識されてる方と、特に江戸っ子を表す単語はないとおっしゃってる方がいました。NHKの伊語番組では何年か前にedochianoが紹介されていました。たまり醤油は英語でもtamariと呼ばれています😆和食以外のものにも風味づけとして用いられているように思います。嬉しいことですね😃
Commented by milletti_naoko at 2021-01-12 18:21
お転婆シニアさん、デ・マウロ新辞典によると、日本の柿に由来する学名、kakiからフランス語に外来語kakiとして入り、イタリア語にはフランス語を介して1836年に入ったとのことです。
https://dizionario.internazionale.it/parola/cachi
柿とイタリア・イタリア語については、次の記事にも詳しく書いていますので、よろしかったらご覧ください。
https://cuoreverde.exblog.jp/27169087/
アメリカと日本の交流は、戦後の占領もあって歴史も長いですものね。こちらでもtsunamiは、高波としてだけではなく、それだけ大変な状況であることを示す比喩としても使われるのをニュースでよく聞きますし、sayonaraも一つだけ、すでにイタリア語に入ったとして採用している辞書があります。
Commented by milletti_naoko at 2021-01-12 18:46
BBpinevalleyさん、柿はイタリアの地方でそれぞれ別の呼び名もあり、フィレンツェではpomo、カターニア、レッチェなどではloto、lodoと言われているそうなのですが(詳しくは→https://cuoreverde.exblog.jp/27169087/)、これまではどちらかというと庭の装飾用だったと思われる柿の実も、近年は食べる人が多くなったので、スーパーなどの店頭にもcachiという名で並んでいます。

英語ではkokumiも使われているんですね! そう言えば、数か月前に、料理対決番組で司会や料理法の紹介をするシェフが、「この料理には日本のpankoがいい」と言っていたので驚いて調べたら、商品名pankoで売られている商品が多いので驚きました。

引きこもりはそう言えば、数年前に世界的に名高い日本の劇作家の方の授業の通訳を務めたことがあって、その作品も引きこもる若者が主人公になっていました。

keirinは、わたしもたまに義家族が見るGiro d'ItaliaやTour de Franceをいっしょに見ることがあるくらいで、自分が自転車競技についての情報を積極的にしようとしていないためか、イタリア語のニュースの中などで聞いたことはまだないのですが、きっと自転車競技が盛んで、スポーツとして愛好する人も多いお国柄からではないかと思います。

emojiは、イタリア語では採用する辞書が四つ中二つとなっています。イタリア語だと長くなってしまうことを短い言葉で伝えられること、発音しやすいことが広まった原因の一つでしょうか。

mottainaiは、英語にはない概念であると、そう言えば昔何かで読んだことがあります。やはり、自らの文化にもともとはないものだけではなく概念や慣習も、関心を引き起こしやすいのでしょうが、根づいて外来語として語彙になるものはそのうちごく一部なのでしょうね。経済的には中国に対して劣勢で、大学や学校では日本語の授業に中国語の授業が取って代わってきていて、わたしも思いきりそのあおりを受けていますが、日本の文化への関心は食に限らず高く、書店でもikigaiが題名にある本まで売られたりしていて驚きました。
Commented by milletti_naoko at 2021-01-12 19:19
まほろばさん、こちらこそありがとうございます。

手持ちの辞書で、寿司と刺身がイタリア語の外来語となっていることといつ流入したかを確認し、World Voiceの記事に日本料理がイタリアでも人気があって店が増えてきていると書こうと思ったことがきっかけなのですが、調べ始めたらおもしろくなって、ついはまってしまいました。まほろばさんも興味を持って読んでくださったと知って、わたしこそうれしいです。ありがとうございます。

こちらの大学院での卒業論文に、日本のイタリアへの関心について知りたいと担当教官から聞いて調べたときに、たとえばイタリア料理の日本への浸透を、バルサミコ酢の一般家庭への浸透とともに語る研究論文も参照したのですが、そうなると「バルサミコ」という語彙も日本語に入ってくるわけで、同じようなことがイタリア語への日本語の語彙の流入を通じても言えるのではないかと考えたんです。

ドイツでも合気道や柔道、剣道がそんなに盛んなんですね! イタリアでも、柔道は昔からかなり盛んに行われていて世界大会でも賞を取ったりしていますし、知人・友人・教え子にもたしなむ人がいて、中には合気道の先生もいます。確かに、日独伊三国同盟の影響もあるかもしれませんね。

うちの夫は若い頃から食や農業に関心があって、マクロバイオティックやダイナミック農法の本を持っていて読んだりしていて、恥ずかしながら、わたしはイタリアに来て初めて知ったので驚きました。そのため夫が梅干しやゴマ塩という言葉を使うのは知っていたのですが、わたしも、もう四つ中三つの辞書に載っているのだとびっくりしました。

もちろん、わたしたち日本人も、広辞苑にある言葉で知らない言葉が、特に外来語についてはあるように、イタリアでもたとえば義父母など高齢の人は知らない人が多いと思うのですけれども。そうそう、ティラミスも約30年前の愛媛県で、世情に疎いわたしはまったく知らなかったのですが、図書館の司書の方が、今人気だからと、近所のフランス料理店で買ってきてくれたのを食べて、初めて知りました。ジェラートも、友人の結婚式に参加するために30年前に東京に行って初めて言葉を知ったような。

今調べてみたら、ティラミスもジェラートも、手元にある旺文社『国語辞典』にはありませんが、『広辞苑』にはちゃんと載っていました!
Commented by milletti_naoko at 2021-01-12 19:48
masaさん、神風は歴史について触れるときだけではなく、残念ながら現代イタリア語でも、自爆テロの意味で使われているんです。一度歴史番組で、日本の特攻隊の神風と自爆テロの違いを説明していたのを見たこともあります。
ヤクザは今ではそのままイタリア語にyakuzaとして入っていますが、語彙を説明するとなると、やはりイタリアに従来ある似た組織、マフィアを使うことになるのでしょうね。そう言えばマフィアは、手元にある旺文社『国語辞典』でも見出し語になっています。

みかんも、地名が果物の名となっていることや、どうして薩摩や宮川かということがおもしろいですよね。参考になる記事もいろいろ見つけたので、またいつか機械をとらえてお話しできたらと思います。

こちらこそ、いつも温かくうれしいコメントをありがとうございます♪
Commented by ciao66 at 2021-01-12 19:59
興味深く拝見しました!kakiは知っていましたが、keirinというのが入っているのが面白いですね。競馬などは多くの国であるのでしょうが、keirinは日本独特なのか?と思ったのです。調べたらkeirinと競輪は違うのだそうで、それは新たな発見でした。

「日本で生まれた競輪がケイリン(Keirin)としてリニューアルされて自転車競技の種目になりました ケイリンは世界共通語です」日本発祥の公営競技である競輪を元に作られた競技で、それと区別するため「ケイリン」と表記される。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1018199715

現在では国際自転車競技連合(UCI) によって"KEIRIN"の名で正式種目と認定されており、世界選手権やオリンピックなどの国際大会でも競技が行われている。(wikipedia)

なるほど勉強になりました!
Commented by milletti_naoko at 2021-01-12 20:00
zakkkanさん、アルファベットのまま、単に一覧表の順に並べても、ぱっと見てとらえにくいし、考察の対象となりにくいと考えて、おおざっぱなカテゴリーを自分なりに考えて分類したのは、わたしなんです。

確かに127語ですから(昨晩の時点では、どういうわけか何度数えても合計が126になったのですが)、そのまま言葉だけ並べてもよかったのですが、やはり元の日本語も添えていないと日本人のわたしたちには把握しづらいという考えもありました。まあもともと、食文化に関する語彙が多いというわたしの仮説を実証するために、最初から表を作って、それぞれの語を当てはめて行ったりもしています。

芸者は、日本文化の歴史を知る上で、慣習を知る上で鍵になって、そうしてイタリア語では置き換えるのが難しい言葉であるということだと思います。神風は現代イタリアでは、自爆テロの意味で使われているんです。

カラオケ、なんと韓国や台湾、香港でも、そんなにあちこちで見かけられるほどはやっているんですね!
Commented by milletti_naoko at 2021-01-12 20:22
みーはさん、コメントをありがとうございます。わたしも、大名や人力車などまでイタリア語の辞書の見出し語になっていると知って、驚きました。

カテリーノフ先生が、生前、イタリア語にたくさんある語彙の中には、人によっては一生に一度しか使わないものや、一生見聞きしない言葉もたくさんあるとおっしゃっていました。(詳しくはhttps://cuoreverde.exblog.jp/18226900/)デ・マウロ新辞典では1942年から使用が見られるとのことですが、日本や東京に暮らす人、関連の文献を読んだりする人でもないと、一般には知られていない言葉なのでしょうね。

たまり醤油は英語でもtamariと呼ばれているんですね! わたしもイタリアの友人が、たまりを台所に置いているのを初めて見たときは驚きました。
Commented by milletti_naoko at 2021-01-12 20:44
ciao66さん、こちらこそありがとうございます。なるほど、おもしろいですね。広辞苑の「競輪」の語義には、「①自転車競技法により(中略)公認のギャンブル的娯楽となっている。②(keirin)1の方式を取り入れた、自転車競技の一つ。オートバイの先導で走り、最後の1周でスプリントを競い、勝敗を決する。オリンピック種目。」とあり、確かにこの第二義が、論文末外来語一覧のイタリア語による語義の説明と合致します。

またいずれ取り上げようと思いますが、外来語としての用法が日本語での用法とは異なる場合も多く、musmeもイタリア語での意味に驚きました。
Commented by zao480 at 2021-01-12 22:59
イタリアにおける外来語となった日本語、なかなか面白いですね。
植物名では、aucuba(アオキ属), kaki(種名), azuki(学名はazukiaだったが現在はササゲ属vignaに統一されてしまった)、いずれも学名になっています。これらはヨーロッパに自生が無いみたいですので外来語で使われるのはわかります。
ごま塩のゴマと塩はイタリアにもありそうですが日本語が使われているのは面白いですね。また、温州ミカンがこちらではあまりメジャーではない産地名なのも不思議ですね。
面白い例をご紹介いただきありがとうございます。
Commented by milletti_naoko at 2021-01-13 01:38
zao480さん、アオキバがaucubaとなったのはなぜだろう、どの言語が媒介してラテン語の学名がこうなったのだろうとあれこれ調べたら、語源の日本語での発音をWikipediaイタリア語版はookiba(英語版ではAokiba)、新デ・マウロ辞典ではaokobaとしてkoが「木」の意味とまで説明し、ラテン語の学名を通じて1829年にイタリア語に入ったとしているのですが(https://dizionario.internazionale.it/parola/aucuba、間違いは指摘した方がいいかしらと思ったりもしています)、1700年代から斑入りのアオキは欧州に伝わっていたものの、雌雄の木が揃ったのは1861年の英国人の紹介によるとする記事もある(参照元https://lovegreen.net/library/garden-tree/evergreen/p105902/)ので、言葉と植物一つとっても、奥にある歴史が興味深いし、言葉の由来をはっきり突き止めるのはなかなか難しそうだなあと思いました。

ゴマも塩もイタリアには確かにあって、それぞれsesamoとsaleなんですが、おそらくイタリアにはマクロバイオティックなどを通じて健康食品として入ったために、店で売っているものも、語義を見ても、日本で思いつくごま塩とは、少なくともわたしが考えていたものとは少し違って、まずはごまをすり鉢ですりつぶしてから炒ったものに塩を加えたものなので、そのためにgomasioとそのまま名称が入ったのかもしれません。

こちらこそうれしく、また興味深いコメントをありがとうございます。
Commented at 2021-01-14 06:29
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by milletti_naoko at 2021-01-14 19:35
鍵コメントの方へ、興味を持って読んでくださったと知って、うれしいです!

手持ちの2003年版『lo Zingarelli 』で確認すると、Miyagawaはまだないけれど(上の研究によると、最新版では採用されている模様)、satsumaはもう植物かつ果実として、見出し語が採用されています。というわけで、流通自体はさらに前からきっと始まっていたと思うので、温州みかんだった可能性も高いですね。言葉の柔らかな響きとリズムも楽しいですね。
by milletti_naoko | 2021-01-11 23:05 | Lingua Italiana | Trackback | Comments(22)