イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

年末に鹿に当たり昨日無事帰還夫の車

 去年のクリスマス前、ようやくイエローゾーンとなったトスカーナ州のラヴェルナ(La Verna)を訪ね、

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Santuario della Verna, Chiusi della Verna (AR), Toscana 20/12/2020

修道院が建つ岩壁を囲む森を、久しぶりに歩いた12月20日のことです。


 森を歩いたあと、ラヴェルナ修道院でミサに参加し、ミサが終わったあと、教会の外に出ると、すでに日が沈んでいました。

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 南西の空はまだ明るく、茜色が残っていたのですが、

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修道院から駐車場へと下っていく急な坂道で、後ろをふり返ると、風景はたそがれの色に包まれています。

 ペルージャへと無料高速道路を進んでいるうちに、日がとっぷり暮れて暗くなり、高速道路を降りて、20分以内にはうちに着くだろうと、のんびりと山あいのくねくね道を走っていたときのことです。片道1車線の道路は、ふだんはたいてい、前を走る車の中に遅い車が1台あって、追い越すこともできないために、何台もの車が数珠つなぎになって走るのですが、この日は珍しく、前をゆく車がありませんでした。

 ラジオの音楽を聞きながらぼんやり前を見ていたとき、わたしが座っていた助手席のすぐ前方に、右から突然鹿が飛び出してきて、ドンという音がしました。けれど道路に鹿の姿はなかったので、そのまま鹿はどこかへ、おそらく右手にあった森の中へと走り去ったものと願いつつ、夫はしばらく車の運転を進め、ヘッドライトなどの様子がおかしいことには気づきつつも、運転は問題なくできるからと、そのままうちに戻りました。

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 明るい日の光のもとで見ると、車の前部にひび割れした部分があり、ヘッドライトカバーにもひびが入っています。また、夫が言うには、車軸も多少ゆがんだのではないかということです。

 イタリアでは自動車保険への加入が義務となっていて、夫ももちろん以前からずっと自動車保険には加入しているのですが、対人・対物賠償などから成る一般的な自動車保険では、野生動物との衝突で車が破損しても、補償を受けることができません。不幸中の幸いで、昨年3月に手にしたばかりの新しい車は、新車だからともともとついていた車両保険に加えて、保険会社の誘いに乗って夫がさらに高い料金を払って、万一の際のために備えていました。悩んだり相談したり、契約書を読んだりした結果、幸い、どんなふうに事故が起こったかという報告を保険会社に3日以内にすれば、修理費用の10%あるいは250ユーロだけは夫持ちで、あとは保険会社の支払いとなるとのことです。
  
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 鹿との接触後は、ハイビームがつかなくなったためもあり、最近は、ノルチャやオルヴィエートなど遠方に出かける際には、わたしのアイゴで出かけていました。大好きな夫の車がいつも車庫にあるので、ミケはうれしかったのか、よく夫の車のそばにいました。

 数年前に、知人の車が午後7時頃、まだそう暗くもないときに、ペルージャの住宅街近くで、イノシシとぶつかって大破し、けれどもイノシシは平然とその場を立ち去ったという話を聞いたことがあります。高速道路でも車がイノシシや鹿と衝突して壊れて、動物の方は無事という場合も少なくないようです。

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 夫の友人は、やはり鹿と接触した車がその場を動かなくなり、修理費用に5千ユーロかかり、野生動物との接触でも補償が受けられる自動車保険はかけていなかったのだけれども、そのときに警察を呼び、またあれこれ手続きをして、3千ユーロはウンブリア州から賠償金を受け取ることができたそうです。

 鹿には気の毒ですし、事故がなければ一番なのですが、車がその後も動いたこと、そして、車両保険に入っていて、しかもその保険が適用できる期間中に鹿との接触が起こって、本当に幸いでした。

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Perugia, Umbria 4/1/2021

 用事があってペルージャの中心街に行き、美しいプロジェクションマッピングを見た1月4日は、


夫がディーラーから、「保険会社が害を見積もりに来るから、車を持ち込んで、1週間置いておくように」と言われた日でした。そこで、この日はわたしがアイゴで夫をディーラーに迎えに行き、その足でペルージャの中心街に向かいました。

 夫が車を持ち込んでからちょうど1週間後だった昨日、ディーラーから連絡を受けた夫が、見積もりが終わった車を引き取ろうと、義弟に送ってもらってディーラーに行くと、なんと修理ももうすべて終わり、外も中もすっかりきれいに掃除してくれていたそうです。

 夫自身が負担しなければいけない金額がいくらになるかはまだ分からないのですが、とりあえずは思ったよりも早く、無事に修理もきちんと終わり、ほっとしています。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by sunandshadows2020 at 2021-01-13 01:01
避けきれない事故でしたね、でも保険が効いて良かったです。
新車ですから、いくら治るといえ残念では有りますが。
我が家でも新車の最初の傷が付いてからようやく慣れたねと言う口癖です。
それにしても大事にならずに済んで良かったです。
猪とかに体当たりなどは何としても避けたいですけれどね。
Commented by milletti_naoko at 2021-01-13 02:08
お転婆シニアさん、最近はローマの町はずれでさえ、イノシシをみかけることがあるそうで、高速道路でイノシシや鹿と遭遇して車が大破したというニュースも時々あるくらいなんです。山中の道はよく走るので、いつ事故に遭ってもおかしくないことを思うと、事故は残念でしたが、まだ保険が効いている最中で、本当によかったです。

最初の傷は気になりますよね。本当に、鹿が相手でも車が動かなくなることもまれではないようなので、接触が右端だけだったようで何よりです。
Commented by tokotakikuh at 2021-01-13 11:56
鹿ですか
シカは・大丈夫だったのでしょうね
むしろ、鹿の死骸を観なかったことに、安堵ですね

こちらでも、イノシシ、しか、サル
高速道路の標識に「注意:」を促す立て看板はありますね
夕暮れ時は、彼らも山に帰るのでしょうね
だから急ぐのでしょうね

しかし、良かったですね
新車なのに、ケチがついた気分を払拭できてね

海外の保険事情が知らないのですが
日本では、任意保険は、当たり前の世界です
シカは、対物でしょうか?それとも
自損ですか( ´艸`)
Commented by tomomato at 2021-01-13 16:45
これは、 怖い事故ですね。 もちろん野生動物にとっても本当に可愛そうですが、 当たった方の損害も大きくて・・・・
うちの近くも突然横切るシカやイノシシがたくさんいるので、困ります。   それにしても、 良い保険に入っていて本当に良かったですね。 不幸中の幸いでした。  そして、大きな事故にならなくて本当に良かった!!!  
Commented by milletti_naoko at 2021-01-13 19:07
zakkkanさん、破損した部分が主に鹿が飛び出してきた方向である右の、しかも端にとどまっていることもあり、無事であったことを願っています。夫の知人など、車は廃車となって、ぶつかったイノシシが道路に倒れていたので、せめてはイノシシの肉をと、狩猟をする父親に連絡したら、そうする間にイノシシが起き上がって立ち去ってしまったとさえ言っていますので。

先日は同じ場所でオオカミに遭遇した人がいるそうで、ひょっとしたらあんなにも急いでいたのは、オオカミから逃げるためだったのかもしれません。夫は視力がいいので、かなり前方でも路上の猫や野生動物を見かけて、急ブレーキをかけたりハンドルを切ったりするので、こわい思いをすることがあるほどなのですが、このときは不意に右の森から飛び出してきて、あっという間でした。

イタリアでもは、事故の場合の対人・対物賠償などの自動車保険は義務となっているのですが、野生動物との接触による事故は、そういう一般の保険には含まれていないのです。新車であるおかげで、盗難や災害などでも補償される車両保険にも入っていたので、助かりました。

保険についての記述があいまいだったので、zakkkanさんのコメントを拝読してから、その旨が分かりやすいように書き直しました。
Commented by milletti_naoko at 2021-01-13 19:13
tonomatoさんのお宅の近くでも、野生動物が突然道路を横切ることがよくあるのですね。ありがとうございます。大きな事故にならずに、本当に助かりました。

わたしたちは山へ出かけることが多いのですが、ペルージャの我が家の近くでもキツネを道路で見かけるという人の話を聞きますし、郊外では鹿やウサギ、イノシシを路上で見かけることは時々あります。それだけ人間が野生動物が従来生息していた地域を狭めてしまっているということでもあるのですよね。
Commented by ciao66 at 2021-01-13 19:33
野生動物に実際にぶつかった体験談も、車のほうが大破してしまうこともあるということも、ここで初めて目にしました。
野生動物注意の道路標識はよく見かけますが、高速ではすごいショックになる、ということなのでしょうね。
車の速度×重量×動物の体重×その速度=エネルギー膨大!
車の損害は有ったものの、小破だったし、ご無事で良かったし、車両保険でカバーできて、大損害はまぬかれましたし、動物も多分大丈夫だろうと期待したいですね。
Commented by milletti_naoko at 2021-01-13 19:38
ciao66さん、ありがとうございます。
小波だったので、ということは、鹿もきっとケガが少なくて済んだであろう、そうであってほしいと願っています。

もう10年前の話ですが、日本の対馬市で、イノシシの数が膨大に増えて、農作物の被害や自動車事故も増え、損害が大きいからと、市からイタリアにイノシシ対策研修にいらしたご一行の通訳を務めたことがあります。その際、対馬市の方もやはり、イノシシは平気だけれど車が大破という事故が多いとおっしゃっていたように思いますし、そのとき、ウンブリア州庁でも質疑応答や説明の場を設けてくれたのですが、事故の映像も見て驚きました。
Commented by Penta at 2021-01-14 03:42 x
そちらでは野生動物と車の衝突が割とあるんですね。
シカと当たるとボディが凹むだけじゃなく割れるんですね。

日本では、事故を起こしても、次の年は保険の掛け金が上がると言うので、保険の請求をしない人がいるように聞きます。
これまでは大手の保険会社でしたが、今では外資系とか新興の会社で掛け金が少なくて済む所も良くCMをしています。
Commented by milletti_naoko at 2021-01-14 06:02
Pentaさん、日本でも少なくないようで、上のコメントに書いた対馬市のように、特に対イノシシの交通事故の被害が多いという町もあり、愛媛県の山中の村に暮らされる先生が、時々車が野生動物とぶつかることがあって、「今日はキジ鍋だ」なんて言うこともあるとおっしゃるのを聞いたこともあります。

ちなみに、バンパーがへこまずに割れたのは、プラスチックでできているからで、結局その部分はパーツごと取り替えることになったそうで、さらに冷却水のホースも替える必要があったそうです。

保険の掛け金が上がるので請求をしないという話はこちらでも聞いています。外資系のひどく掛け金が少ない会社は、アイゴを購入したトヨタのディーラーが保険会社として使っていたのですが、口コミを見ると、事故のときにまったく頼りにならないというものが多かったので、2年目以降は、夫が利用している大手の保険会社で保険をかけています。保険料は高いのですが、いざというときのためにしっかり対応してくれるという安心感があります。
by milletti_naoko | 2021-01-12 23:45 | Altro | Comments(10)