イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

鬼は外 福来い ひよこ豆カレー

 今朝になって、今年は今日、2月2日が節分の日だと知ったのですが、うちにある乾燥豆は、小豆やレンズ豆で、大豆とは色も形も大きさも違います。一番似ているのはひよこ豆なのですが、水煮缶しかなかったので、豆まきはできませんでしたが、

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ひよこ豆のカレースープを作って食べました。イタリア風に、ニンニクとローズマリー、タマネギ、トマトと料理してもおいしいのですが、わたし自身が最近、なんとなくカレー味が恋しいことが多く、夫も、なぜか豆スープのカレー味はいつもおいしいと言って食べてくれます。

 というわけで、イタリアの伝統的な作り方に比べて、カレーの方が野菜をたくさん入れられることもあって、今日の昼は、いつものタマネギとニンジンとジャガイモに加えて、少し残っていたキャベツも加えて、ひよこ豆のカレースープを作りました。

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 数年前までは、ひよこ豆も乾燥豆を使って料理していたのですが、指示に従って、36時間あるいは48時間水につけておいてから、2、3時間の間煮込んでも、まだかたさが感じられることが少なくありませんでした。湿度がただでさえ高い冬に、長い間豆を煮込むと、屋内の湿度が高くなりますし、ガス代もかさみます。

 数年前に、夫が友人と、食物や消化、栄養に詳しい専門家のもとへと断食合宿に行ったとき、豆は、店で売られている水煮でも健康や消化、栄養の点で問題はないと聞いたそうで、それならばと、最近では、ひよこ豆(ceci)は、有機栽培の水煮缶を購入しています。

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 久しぶりに晴れたからと、夕方は、テッツィオ山(Monte Tezio)へ夕日を見送りに行きました。

 地平線近くに雲の厚い層があって、駐車場に着いた頃に、太陽がその雲の中に隠れようとしてはいたのですが、せっかく歩ける機会を生かそうと、山を登りました。

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 登り道が長い間続くのですが、途中に、見るとうれしくなる、招き猫を描いた木の椅子があります。

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 節分でもあり、「福はうち、福よ来い来い」と、福を招いてくれているようです。

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 ミーララーゴ(Miralago)に着くと、夕日は雲に隠れていましたが、トラジメーノ湖(Lago Trasimeno)は見えたので、うれしかったです。

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 夕日が沈もうとする頃には、地平線近くの空が赤くなり、トラジメーノ湖も鮮やかなピンク色になりました。雲の間から赤い輝きがのぞき、湖の色がたそがれ色に変わり始めた頃に、山を下りました。

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 夕飯には今日も、ドン・マッテーオをテレビで見ながら、夫が作ったピザを食べました。

 テッツィオ山では、豆こそ手に持っていなかったものの、周囲に誰もいないときに、二人で何度か「鬼は外、福はうち」と大きい声で言いました。世界中のみんなのうちから、鬼が出ていきますように、そうして、家の中に、心と体の中に、福がやって来ますように。

関連記事へのリンク
- 憂鬱も風邪も飛んでけ鬼は外、イタリアで日本語教育
- 鬼がうちでもうちは福
- 福は内 UCI映画館じゃありません、イタリア

Articolo scritto da Naoko Ishii

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ブログテーマ:お気に入りの場所やお勧めスポット・お店を教えて!
Commented by yuki0901671 at 2021-02-03 08:57
おはようございます。

ヨーロッパでは豆の料理を食べることが
多かったような気がします。
レンズ豆と豚肉の煮込みをパリで食べましたが、
美味しかったですね。日本では豆といえば大豆なの
で洋風には合いませんね。
Commented by 3841arischan at 2021-02-03 09:19
なおこさん、節分にひよこ豆のカレースープ良いですね~♡
身体があたたまり、幸せな気持ちに慣れ、福がやって来ると思いました~♡
テッツィオ山の道に招き猫の椅子、可愛らしいし気が効いてますね(^-^)
イタリアにいても、なおこさんの節分を祝う気持ちをヒシヒシと感じて素敵な気持ちになれる記事をありがとうございます(*^_^*)
福はうち、こころと身体の中に福がたくさん来る年でありますように・・・♡
Commented by nonkonogoro at 2021-02-03 09:23
楽しい椅子ですね~
招き猫を描いたのは 日本の方なのかな~
イタリアでも 招き猫は有名なのかな~

我が家にも
この椅子と 雰囲気が良く似た椅子があります。
夫が 郊外で製作家さんから購入してきました。

ずっと 遠慮して(笑) 玄関脇のコーナーに
ひっそり置いてありましたが
先日 玄関に置いたら~
とっても いい感じになりました。

Commented by mahoroba-diary at 2021-02-03 11:12
なおこさん、こんにちは。

ひよこ豆のカレーのスープ、とーっても美味しそうですね♪
節分の日のとても良いアイディアだと思います。
イタリアのご家庭では豆をよく食べられると聞きますが、スープなどに入れてよく召し上がるのでしょうね。
畑のたんぱく源でもあり、肉断ちするのにも良いですね。
ご主人様作のピザも美味しそうでそそられています!笑

謝肉祭の記事もとても興味深く拝読しました。
カルナヴァーレの時期にイタリアに行ったことがなくて、いつか体験してみたいです。
なおこさんの記事を拝読していると暦とはいかに人間の生活に深くかかわっているかを再認識いたします。イタリアはカトリックの国で、文化的に深く生活全般に関わっていますね。ドイツはカトリック(主に南部)、プロテスタントが混在しているので、州や地域によってかなり文化的差異があるように思います。なおこさんは語学の才能に恵まれて、とても努力もされたのだと思いますが、語学の知識が凄いですね。
女性写真展の記事で俳句もされると知り、素敵な句で素晴らしいなあ、と感動していました。
ダンテの神曲、また読み返してみたいです。
昔、アレッツオに1週間滞在したことがあるんですよ。
ウンブリアの街や自然そして食事、いつも懐かしく想い出しています。
Commented by u831203 at 2021-02-03 11:14
イタリアにも節分があるのですか?
ご主人と豆撒き、鬼は外、福は内 そうかこれはなおこさんの日本流志向ですね ご主人も粋ですね
招き猫まで登場 日本人が描いたのかな?イタリア人ならかなりの日本通
いずれにしてもイタリアに親しみを覚えます
masa
Commented by tokotakikuh at 2021-02-03 13:48
イタリア式・節分でしょうか?(笑)
ひよこ豆?初めて聞く名前ですが、固そうですね
大豆も、一晩水でふやかします
最近は、ふやかした大豆が売られてますから
便利ですよ・・
我が家も、よく豆は炊きます
ただし、料理は、煮込みですが

福は・内
鬼は・外
来年は大声で豆まきができるとイイネ・・
Commented by sunandshadows2020 at 2021-02-03 13:52
成る程、豆のスープという手がありましたね。気がつきませんでした。私は豆はほとんど乾燥豆を使っていて、前日から水に浸しておいて圧力釜で煮ています。とても簡単にでき時短です。一度にたくさん煮ておいて残りは冷凍にしていつでも使えるようにしているので便利です。
招き猫のベンチがこの日のテーマの福は内になりそうで良いですね。トマトソースがたっぷりのご主人のピザがとても美味しそうですね。
Commented by meife-no-shiawase at 2021-02-03 14:18
ひよこ豆♪それもカレー味なんていいですね♪

昨日、節分ということもあって、いろいろと節分についての番組がありました。
BSか何かの番組で、節分になぜ豆を?というところで
いくつかの説があるようですが、そのひとつは
『魔(ま)を滅(め)する』から「まめ」→豆、と
なったようだと説明していました。
ひよこ豆でも大丈夫です。(笑)。

招き猫ちゃんとは縁起がいいですね。
本当に上手に招いています♪
いい福がいっぱい来ますように♪

Commented by shata3438 at 2021-02-03 16:14
こんにちは。
イタリアにも招き猫があるのですか?
Commented by milletti_naoko at 2021-02-03 16:59
yuki0901さん、おはようございます。
豆料理をよく食べられたんですね! 確かに前菜としても、プリモでスープとしても食べられますし、つけ合わせに出てくることもありますよね。レンズ豆と豚の煮込み、なんとパリでも食べるんですね! レンズ豆とサルシッチャは、カステッルッチョやウンブリアの郷土料理の一つでもあります。

大豆も、味つけいかんによっては、洋風の料理に合うと思いますよ。ひよこ豆も、カレー味でおいしく食べられるのと同じように。
Commented by django32002 at 2021-02-03 17:10
家の外に出た鬼たちもお腹空くでしょうから、美味しそうなカレーの香りに誘われていたら少しおすそ分けしてあげて下さい!
Commented by milletti_naoko at 2021-02-03 17:12
アリスさん、ありがとうございます。
夫は若い頃に友人たちとインドを長く旅行したことがあるので、カレーは基本的に好きなんです。小麦粉を加えて、ごはんの上からかけるカレーにしてもいいのですが、固いパンを浸しながら夫が食べられるし、冷蔵庫に入れていた玄米ごはんが温まるからと、今回はスープにしました。
この招き猫、見るたびに、うれしい気分になります。
アリスさんにとっても、うれしいことがたくさんある、福に満ちた年でありますように♪
Commented by milletti_naoko at 2021-02-03 17:32
のんさん、日本を知っている人かもしれませんね。
ペルージャのこんな山の中にと、見かけるたび不思議なのですが、うれしくなります。

なんとお宅にもよく似た椅子があるんですね!
Commented by milletti_naoko at 2021-02-03 17:50
まほろばさん、こんにちは。
従来豆を特にスープなどで食べる習慣がある上に、おっしゃるように、最近は、肉の食べ過ぎはよくないからと、代わりのたんぱく質源として、イタリアでもよく豆が推奨されているんですよ。ピザ、今回は、夫自身も満足のできで、おいしかったです。

謝肉祭の記事も読んでくださったんですね。ありがとうございます。カトリック教の祝祭日も、農耕や暦に関わる、異教徒のかつての慣習をそのまま取り込んだものが多いので、洋の東西を問わず、自然の営みが人間の生活に深く関わっていること、わたしも興味深いです。

俳句は国語の授業では教えていましたが、作ったのは、高校生のとき、学校で正岡子規の俳句大会に参加するからと、授業中に作って以来なんです。写真家の伝えようとすることがなんとか伝わるようにと、あれこれ考えて悩んだ末に詠みました。おほめのお言葉、ありがとうございます♪

アレッツォを起点に、ウンブリアも町や自然を訪ねられたことがおありなんですね! どんなところを訪ねられたのか、またいつか機会があれば、記事を通して知ることができたら、うれしいです。
Commented by milletti_naoko at 2021-02-03 18:13
masaさん、節分はイタリアにはないのですが、節分の習慣を、日本から来て暮らすわたしたちが、できるだけ異国の地でも試みたり、近しい友人へと知らせてみたりしています。

この招き猫、誰が描いたのか、気になります。
ありがとうございます。イタリアにも日本に親しみを感じてくれる人は多いんですよ。
Commented by milletti_naoko at 2021-02-03 18:38
zakkkanさん、水煮の缶は柔らかいのでありがたいです。大豆も一晩ふやかしてから調理されるんですね。
一度こちらで大豆を買って豆まきをしたことがあるのですが、おそらくは買う人がいなくて長い間売れ残っていたためか、炒ってもかたくて食べられたものではありませんでした。

鬼なんか絶対に来るなよ、来ないでよと、ウィルスにおさらばして心軽く言える日が、早く来ますように。
Commented by milletti_naoko at 2021-02-03 18:46
お転婆シニアさん、イタリアでは豆スープは、レストランのメニューでも特に山や山あいの町ではよく見かけるように思います。圧力釜をお使いなんですね。

いつも見ると親しみを感じるこの招き猫の椅子、昨日は福を運んでくれそうで、見られてとりわけうれしかったです。自家製のトマトソースが載ったピザ、おいしかったです♪
Commented by milletti_naoko at 2021-02-03 19:16
メイフェさん、ありがとうございます。
ひよこ豆でもいいという根拠がきちんとあると知って、なお安心しました。
魔を滅するという話、日本語の授業で節分を教えるために調べて、そうと教えたことはあるのですが、忘れてました。

節分の日に招き猫に会えたら、本当に縁起がよさそうで、うれしかったです。ありがとうございます。
本当に福がたくさん来て、鬼を追い出してくれますように♪
Commented by milletti_naoko at 2021-02-03 19:19
シゲさん、イタリアに従来あるものではないのですが、日本料理店に行くと、日本の方が経営している店ではなくても、いえ、そうではない方が、招き猫がレジ近くに置かれていることが多いように思います。一度、こちらのラジオでmanekinekoの話をしていたことさえあって、驚きました。
Commented by milletti_naoko at 2021-02-03 19:23
Yorozuさん、コメントを拝見して、泣いた赤鬼の話を思い出しました。鬼たちも、好きで鬼をしているわけではないのですよね、きっと。
Commented by kagura-x at 2021-02-04 08:43
ひよこ豆のカレー風味スープ
食が進みそうですね。

イタリアにも招き猫って
いるんですか?
Commented by milletti_naoko at 2021-02-04 18:06
kagura-xさん、カレーが恋しくなるときが時々あって、健康のためにもと豆を料理するときカレー粉を使うと、夫も喜ぶので、最近はこんなふうに料理することが多いです。
ありがとうございます。

招き猫はイタリアには本来はないものなのですが、日本料理店やアニメや漫画を通じて、イタリアでも見かけたりするようになりましたが、山の中にまで絵があるなどというのは珍しいと思います。
Commented at 2021-02-08 06:47
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by milletti_naoko at 2021-02-09 01:46
鍵コメントの方、こんにちは。
そうなんですね。cecio(これは単数形)は、ラテン語cĭcerが起源とのことで、つまり古代ローマの時代から食べられていたので、名前が合成語ではない単純語なのでしょうね。
豆さん、どうか鬼を追い払って、福を呼んでくださいね。
by milletti_naoko | 2021-02-03 08:25 | Umbria | Comments(24)