イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

ウンブリア ブラジル型が過半数・高齢者ワクチン予約 大混乱、ペルージャ ブラジル型71% 英国型23.7%

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 ウンブリア州では、1月8日に、外部との接触がなく感染が考えられない病院やケアハウスで、二人の感染者がブラジル型の変異株に感染していたことが分かっていて、そのために、市中でも感染がかなり進んでいるのではないかと心配はしていたのですが、



最新の調査によると、ウンブリア州では検出された新型コロナウイルスのうち、ブラジル型が53.9%、英国型29.5%で変異株が大半となり、ペルージャ市内では、ブラジル型が71%、英国型が23.7%を占めるのだとのことです。


 いずれの変異株も感染力が強い上に、ブラジル型はワクチンが効きにくいとされ、英国型は子供が感染しやすいとされています。そのため、ウンブリア州では、今週には感染曲線が頂点に達し、減少傾向に向かうのではないかと言われているものの、まだ予断を許さない状況で、これまでにも増して、慎重に行動しなくてはと感じています。


 ウンブリア州の高齢者のワクチン接種については、1940年および1941年1月生まれの人、つまり81歳の人については、2月12日から予約が始まり、2月22日から27日まで、接種が予定されています。

 今日、2月25日からは、その前に生まれた高齢者も、皆ワクチン接種を予約することができると、昨日テレビの地方ニュースで聞いて、今朝さっそく義弟が薬局に足を運んだのですが、システムエラーで予約できないために、薬局では長蛇の列ができていたそうです。そこで夫がオンラインで試みて、無事義父母二人の予約を取ることができました。


 3月半ばの予約が取れたのですが、二人の予約日時が違ってしまったので、同じ日にしようと、オンラインで試みたものの不可能で、また、フリーダイヤルに電話しても応答がないとのことです。また、予約したときに電話の画面に「印刷する」という表示があったものの、そのときには印刷せずにいたら、その印刷ページに戻ることができず、その後、携帯電話にメッセージ、SMSが送られてきて、そこに予約の詳細情報は書かれているものの、印刷用のPDF画面がないそうです。そのため、夫は予約がきちんとできていることを、ワクチン接種の際に証明できるかどうかと不安そうです。予約日時が違うことについては、今日が予約開始日で、大勢の人の予約が殺到するだろうから、義父母のワクチン接種を同じ日にしようと試みていたら、結果的に二人がワクチン接種を受けられる日が遅くなってしまうので、このままにしておいた方がいいのではないかと言っておきました。保健所もただでさえアクセスが殺到しているときでもあり、さらに煩わせない方がよかろうと思うと同時に、変更などしていたら、変更が実際には反映していなかったことがワクチン接種の際に判明するなどという問題も起こりかねないと思うからでもあります。

 調べてみると、UmbriaONの記事には、ウンブリア州では、朝からシステムエラーで、薬局でも市民の自宅でも、ワクチン接種の予約ができない状況が数時間続き、密集を避けなければいけないときに、薬局の前に大勢が並ぶ事態となり、予約を受けつけるはずのフリーダイヤルも応答がないと書かれています。

 このオンライン記事でも、昼の地方のテレビニュースでも、こうした状況に、caos「大混乱、カオス」という言葉さえ使っていました。また、いずれのニュースでも、「1941年生まれの人は、80歳の誕生日を迎えてからでないと、予約ができない」という報道があり、先日のニュースには「80歳になってからでなければいけない」という限定はなかったので、そのための混乱もあったことと思います。

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 この記事を書いている現時点、イタリア時間2月25日午後3時過ぎには、オンラインのワクチン接種予約サービスが、「より大勢へのワクチン接種が可能となるよう取り図る必要があるために、午後4時まで休止」となっています。

 というわけで、システムがうまく作動していて、しかも接種の空きがある時間帯に、夫が無事に二人分の予約を取ることができたのは、日時は別であれ、何よりです。

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Perugia, Umbria 24/2/2021

 80代で高齢の義父母は、幸い今のところ二人とも元気です。この数日はようやく空が晴れて、気温も上がったため、義父は毎日、木々の剪定に勤しんでいます。

 この写真の左手の赤屋根近くにある、明るい黄緑色は竹の葉で、最近では、この辺りの木々が育ちすぎて、視界を遮っていたのですが、おとといだったか義父が剪定してくれたので、

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再び、かつて向こうに見えていたペルージャ大学工学部の学舎や住宅街が見えてきました。昨日は空が霞んでいたのですが、空気が澄んでいて雲がなければ、この奥にはトスカーナ州のアミアータ山も、小さく見えるはずです。

 竹の緑の葉のてっぺんの右側にあるのは、今厳しい状況に置かれているペルージャの総合病院です。

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 幸い、今のところ、わたしたち家族は皆元気です。そうして、ひなたでくつろいでいる猫たちを見ると、ほっとします。


Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by sunandshadows2020 at 2021-02-26 00:05
コロナ接種予約に関して、やはりそちらもこちらと同じような混乱が起こりましたね。
義両親さまの予約別の日になってしまった様ですが、カオスの中で変更は手間取りそうですし逆に今の予約をキャンセルされても困るしで、現状維持が安全かも知れませんね。
日頃の画像からなおこさんの御宅は閑散とした所にあると思っていましたが、今日の景色からは別の表情が現れました。
Commented by u831203 at 2021-02-26 13:52
ワクチン接種の予約が取れてよかったですね
ご高齢の義ご両親がおられるのでご心配もひとしおだったことと思います
トスカーナ州 州都はあのフィレンツェでしたか
ルネッサンスの発祥の地ですね
憧れのイタリアはもう行くこともないでしょうから、なおこさんの写真と記事で楽しませていただきます
masa
Commented by 3841arischan at 2021-02-26 14:20
なおこさん、変異株が流行り、大変ですね~
実は、愛媛の今治で最近感染した方のが変異株らしいということで、国立感染症?へ送り調べているとのこと!
今治は造船所があるため、外国人の船員?からの感染が少しですが出たようで神経質になっている今です!でも、愛媛全体で、毎日数人程度なので(また感染者が0の日も)、たいしたことはないですが・・・
ワクチンはそちらのが早いので、情報提供をありがとうございます(*^_^*)
義両親様、1日でも早くワクチン接種出来ることをお祈り申し上げます。
Commented by tokotakikuh at 2021-02-26 15:44
猫たちの姿に、ほっとさせられますね
この子たちは、今騒々しい「コロナ」は無縁でしょうね?

ワクチンは
日本は・・出遅れましたね
ヨーロッパからの供給が出来ずらい?
途上国へ、差し出すためだと聴きますとね
日本は、まるで、途上国並みの遅れです

高齢者?いつから始まるのか
皆無ですよ
その癖、宣言解除が始まりつつあります
春ですから・・人は待ってましたと?弾けるのが
第4派を引き起こしかねないですね
Commented by ciao66 at 2021-02-26 19:36
木々の剪定をして視界が広がる、というのはいいですね!
昔はこれが見えていたよね、というのが復活すれば嬉しいものでしょう。お天気のいい時にはどんな風なのか、拝見するのが楽しみなような気もします。
 さて、変異株がすでに殆どだという、今のイタリアのコロナ禍では、ご心配なことでしょうが、どうぞ、無事に切り抜けられますよう、お祈り申し上げます。
 日本でも、首都圏の感染スピードがなかなか減らないのは、ひょっとして、良く調べがついていない変異株の影響かもしれず、イタリアの今日は、明日の日本の姿かもしれません。
 あまり張り詰めすぎずに、日々を楽しみつつ、警戒して過ごしたいと思います。
Commented by shata3438 at 2021-02-26 21:40
こんばんは。
日本もワクチンでは大混乱です。やっと大まかのスケジュールが決まったようですが、それも遅れていくでしょう。仕方がない事ですが、政府の考えているように東京オリンピックまでに何とか感染が広がらない程度にワクチン接種は絶望的です。
Commented by milletti_naoko at 2021-02-28 23:29
お転婆シニアさん、ウンブリア州では最初は接種できる人を1940年生まれと限定していたので、人数が限られていて問題が少なかったようですが、80歳以上は皆OKとした途端に、システムエラーで大混乱となったようです。このあとようやく予約できたら5月半ばだったという報道もあったので、この3月半ばの二人別々の接種日時のままにしておこうということになり、わたしもほっとしています。
Commented by milletti_naoko at 2021-02-28 23:37
masaさん、ありがとうございます。とりあえずは第一回目の接種の予約が取れて、ほっとしています。

フィレンツェは一時期だけですが、イタリアの首都だった時もあるんですよ。masaさんの美しい絵と秀子さんの日々のうれしいこと、すてきなことを綴られた記事、わたしも楽しみにしています♪
Commented by milletti_naoko at 2021-02-28 23:42
アリスさん、こちらこそありがとうございます。
今治には大きな産業も多いですものね。日本は島国で、さらに四国は本州から離れた島でもあり、やはり感染が防ぎやすいのではないかと思いますが、一度火種が広がると気づかぬうちに大変になるので、それでもまずは感染源が突き止められているということは、安心できるということかと思います。
Commented by milletti_naoko at 2021-02-28 23:51
zakkkanさん、かわいらしい猫たちを見たり、なでたりするとほっとします♪

ワクチンについては、イタリアでも米国や英国、イスラエルに比べると遅れているので、先日のテレビで、やはり研究への投資が少なかったために、自国で開発できなかったことが供給量が少ないことにつながっているという話があり、日本も同じことが言えるのではないかと思います。

日本はやはり大陸から遠く離れた島国であることが、感染を食い止めるのに役立っているという状況はあるものの、日本でもイタリアでも、ワクチンの早期の供給と感染を食い止めるための検査、規制をしっかりとしてほしいと願っています。
Commented by milletti_naoko at 2021-03-01 00:02
ciao66さん、我が家は東は急斜面の上方の並木や電柱、住宅、西はうちの庭のとても背の高い木に視界を遮られ、北は住宅が並ぶ丘の斜面が見えるので、唯一見晴らしがきくのがこの木々が風景を隠していた南、南西方面だったんです。

他州では英国型が30%ほどで少しずつ増えている状況なのですが、ペルージャではブラジル型が大半で、次いで英国型の変異株とのことで、予想はしていましたがここまでとはと驚きました。

日本でも英国型は少しずつ感染が広がっているようで、どうか今後も、急に感染が上昇するような地域があった場合にはゲノム解析をできるだけして、ペルージャのような事態になる前に防ぐことができますように。
Commented by milletti_naoko at 2021-03-01 01:11
シゲさん、どうか一刻も早くワクチン接種の日程が決まり、始まっていきますように。島国だけあって、日本は水際対策は機能しているようですが、空港に到着時には陰性でも後に症状が出て感染が分かるという場合もありますから、日本だけではなく多くの国でワクチン接種がまだ遅れていますから、なかなか難しい状況ですね。
by milletti_naoko | 2021-02-25 23:32 | Covid-19 Italia | Comments(12)