夫が長年乗っていたカングーが、走行中に止まってしまうことが増え、あれこれ迷って購入すべき車を決めて、その新しい車を、ようやくディーラーで引き取ることができたのが昨年3月9日で、その翌日、昨年の今日からイタリア全土がロックダウンになりました。
最初はマスクを手に入れることさえ難しく、やがてマスクが手に入るようになっても、次にはマスクをせずにいる人が多い状況に、外出先や買い物をする店で困惑していました。けれども、かつては風邪やインフルエンザ、花粉症でマスクなどして外出したら異様だと思われたであろうイタリアでも、ずいぶん前から、多くの人が当たり前のようにマスクを装着し、様々な場面で感染を防ぐための規制が詳しく定められ、また感染を防ぐための制限を人々が意識して守るようになっています。そこで、昨年末には、ワクチン接種が始まれば、すぐにとは言わずとも、以前のような暮らしが少しずつ戻ってくるだろうと考えていました。
ところが、1年後の今も、新型コロナウイルスによる感染が全国で拡大し、現在の陽性件数(Casi attualmente positivi)は昨年の今よりもはるかに多く、47万件を超える状況となっています。
ニューズウィーク日本版の姉妹サイト、World Voice 連載第22回「イタリア全土封鎖から1年、新型コロナウイルス死者10万人超 今も感染拡大」では、変異株のために今なお感染が広まり続けている状況について書いています。
https://www.newsweekjapan.jp/worldvoice/ishii/2021/03/-10.php
よろしかったら、ぜひお読みください。
現在では幸い、ウンブリア州での感染は減少しつつあります。けれども、3月10日午前11:50時点の現在の陽性者数(attualmente positivi)は6640人、10万人あたり763.1人と依然として多く、集中治療室における新型コロナウイルス感染症患者の病床使用率も57%で、現在31%となって危惧されている全国平均よりもはるかに高くなっています。また、ペルージャ県内のフォリンニョやテルニ県での感染の拡大が懸念されています。
イタリア国内では、現在唯一サルデーニャ州だけが、州内での規制がほとんどないホワイトゾーンとなっているのですが、南イタリアでは、カンパーニア、モリーゼ、バジリカータの3州がレッドゾーンとなり、北イタリア及び中部イタリアでは、大半の州がオレンジゾーンとなっています。
変異株のために、ほぼ全土で感染が拡大し、現行の首相令(下記の表参照)では感染の抑止が難しいとして、さらに規制を強化するべく、現在討議が行われています。
出典:在イタリア日本国大使館「2021年3月8日~ ゾーン別措置一覧(概要)」
今日の昼のニュースでは、再び全土を封鎖するべきであるという声も上がっているものの、現在では、ゾーン別措置を続行し、週末に全国で規制を強化する方向に話が進んでいて、直近1週間の住民10万人あたりの新規感染者数が250人を超えた地域をすぐにレッドゾーンとするという案や、1日の新規感染者数が3万人を超えた場合に全土ロックダウンとするという案が出ているという報道がありました。
Andrà tutto bene「きっとすべてがうまく行く」
昨年春の2か月にわたるイタリア全土のロックダウン中は、この言葉に支えられて、きっと乗り越えていけるという希望で、皆の心が一つになっていたのではないかと思います。
ワクチン接種も進み、ここが肝心という今、再び心を一つにしてこの危機を乗り越えていけますようにという願いを込めて、昨年5月4日にフィオンキ山の頂で見つけた、この言葉が記されたイタリアの三色旗の写真を掲載しています。緩やかな規制解除が始まってすぐに、ようやく訪ねることができたスポレート南方にある山で、撮影した写真です。
どうか世界中で、一人ひとりが気をつけて、そして行政がまずは市民の健康を一番に考えた政策を行なって、「きっとすべてがうまく行く」、そういう未来に向かっていきますように。
関連記事へのリンク- 変異株で感染急増 レッドゾーン ペルージャ・ウンブリア、World Voice 連載第19回 (15/2/2021)- イタリア写真草子 - カテゴリ: Covid-19 Italia
Articolo scritto da Naoko Ishii
↓ 記事がいいなと思ったら、ランキング応援のクリックをいただけると、うれしいです。↓ Cliccate sulle icone dei 2 Blog Ranking, grazie :-)