イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

聖ヨセフ揚げ菓子と夕雲と行かざる散歩

 3月19日は、イエス・キリストの養父、聖ヨセフを記念する日で、イタリアの父の日(Festa del papà)でもあります。

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Perugia, Umbria 19/3/2021

 今年も義母が、ウンブリア州でこの日に食べる伝統の菓子、米を牛乳で炊いてから、卵や小麦粉などを加えて油で揚げた聖ジュゼッペのフリッテッラ(frittelle di San Giuseppe)を作って、わたしたちにも分けてくれました。イタリア語では、ヨセフはジュゼッペ(Giuseppe)、聖ヨセフはサン・ジュゼッペ(San Giuseppe)です。

 3月19日は義母の聖名の祝日(onomastico)でもあり、マスクをしてあいさつをし、ささやかに二人のためにお祝いをしました。高齢の二人が幸い元気でいてくれて、何よりです。

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20/3/2021

 ペルージャでは最低気温が零度前後で、早朝はひどく寒く、日中も激しい北風が吹く寒い日が続いています。昨日も朝は気温が低く、午前9時37分に、「今がちょうど春分で、だからもう春になって、これから日がどんどん長くなっていくのよ」と夫に言いに行ったら、「春はいいね。それにしては寒いけどね」という返事が返ってきました。

 そんなふうに寒い日だった上に、わたしが注文した本が昨日中に届く予定だったので、昨日は本が届いたあと、夕方にいつもの郊外の緑の丘を散歩することになりました。

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 アマゾンイタリアに注文した商品は、昼食どきに届くことが多く、遅くても夕方5時頃までにはたいてい受け取ることができるからです。

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 ところが土曜日は、なんと午後7時過ぎに本が届きました。午後4時過ぎに、どうも義父母がうちにいるようだから、本が届くのを待たずに歩きに行こうかと言ったら、

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冷たい北風が激しく吹いていたので、夫もあまり気が乗らなかったようで、結局は1日うちで過ごすこととなりました。

 おかげで暖かく過ごし、そうして無事に本を受け取ることができました。ただ、揚げ菓子を食べたり、夫の焼いたピザを食べたり、チョコ子羊を食べたりと、カロリーをため込む一方で消費できていないので、今日も相変わらず激しい北風が吹いてはいますが、夕方には少しでも歩きに出かけることができればと考えています。

 昨日の夕方は、北風が上空の雲を吹き払い、下方に帯状に伸びる雲が、夕日にピンク色に染まって、とてもきれいでした。

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Buone le frittelle di San Giuseppe.

Tira la tramontana e bello il tramonto.
Però dovremmo anche camminare per smaltire le calorie
che continuiamo ad accumulare in questi giorni.
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by mahoroba-diary at 2021-03-22 09:10
なおこさん、おはようございます。

このなだらかな丘陵の風景は、なおこさんのお宅からのトレードマークのような景色ですね・・・その季節季節で、微妙に空の色や木々の色彩も変化して美しいですね。春の空気っていいですよね。こちらまで清々しい気分にさせていただいています。

金曜日は聖ヨセフの日でしたね。このようなお菓子を焼いていただく習慣があるのですね。そしてお義母さまの聖名の祝日でもあったのですね。ご両親さま、とても喜ばれたことでしょう。例えマスクはしていても、目と目を見て、話をしたり、時を過ごすことはかけがえのない時間だと気づかされます。
挨拶のキスや、ハグや握手ができないことはとても辛いことですよね。日本人は平気でも欧州の方々にとってそれがどれだけ辛いか想像します。私でもとても辛いですもの。
コロナ禍とはいえ、なおこさんたちの生活は自然が豊かでお散歩で深呼吸できること、本当に素晴らしい生活です。
Commented by nonkonogoro at 2021-03-22 09:29
こちらも
昨日は一日雨でしたし
今日も 少し肌寒いです。

ヨセフさんの記念日のお菓子
中身が コメを牛乳で炊いたもの~
というのは興味深いです。
コメは ヨーロッパでも
昔から食べられていたのかな~
リゾットのような食べ物ですね。

イタリアには
ライスコロッケ(これは日本語ですが)が
ありますよね。

今朝
長崎産の 甘酸っぱいイチゴを
ヨーグルトに入れて食べながら~
私達には 今の甘すぎるイチゴより
ちょっと酸味の残っている方がいいね~と
言いながら食べました。

なおこさんちでは 
たしか 甘いシロップにつけて
クリームをかけて 食べるのでしたね。
そのままだと 少し酸味が強いのかもしれませんね。

子どもの頃
いちごに 練乳をかけて食べると
幸せ感にあふれたことを思い出しました。

Commented by meife-no-shiawase at 2021-03-22 20:03
美味しそうなお菓子ですね♪
米を牛乳で炊くのですか・・・なるほど。
見た目はフレンチトーストみたいですが
お米からできているともっちりしているのでしょうか?
食べてみたいです~。

ご両親さまがお元気そうで何よりです。
家族が健康でいるのが本当に幸せなことですね♡
Commented by tokotakikuh at 2021-03-23 15:00
お米からのお菓子ですか?
珍しいですね
油で揚げる
日本でも思えば、お餅を油で揚げて食べますね

Commented by milletti_naoko at 2021-03-24 04:34
まほろばさん、こんばんは。ありがとうございます。自分のうちの窓から見える夕景がきれいなのは、ありがたいなと思います。日中も今はあちこちに咲いた花が見えて、義父が剪定してくれたおかげで、遠くの町並みや山も見えるようになりました。

ばたばたしていて、ひな祭りに散らし寿司を作り損ねたので、この日に作って義父母にも食べてもらおうと思っていたら、山から下ったのが遅くなってしまい、結局昨日の夕食に食べてもらうことになりましたが、喜んでくれました。ウンブリア州で流行しているブラジル型の変異株は従来型よりはるかに感染力が強いということで、マスクをしながらできるだけ手短にではありますが、こんなふうに祝ったり、贈り合ったりして、いっしょに祝えるのがありがたいです。

この日は幸い夕方に郊外を歩いて、自然を楽しむことができました♪
Commented by milletti_naoko at 2021-03-24 04:51
のんさん、そちらも肌寒い日が続いているんですね。

米と牛乳と砂糖という思いがけない組み合わせに驚いたのですが、そう言えばこちらでは、お菓子はそんなふうに牛乳や砂糖を使うので、自然とそういうお菓子ができたのだろうなと思いました。イタリアには15世紀にすでに米が栽培されて、食べられていたことが分かっているようです。

うちでは夫は、砂糖とレモンに漬けておいてから食べるのが好きなので、よくそうするのですが、そんなことをしなくても甘いイチゴもあるんですよ。ただ、そう言えば、うちの母が昔トマトに砂糖をかけて食べていたのもひょっとしたらそのままでは酸っぱかったからかもしれず、夫がイチゴをそうして食べたがるのも、そういう幼い頃からの習慣かもしれません。

練乳と言うと、練乳のかかったイチゴ味のアイスクリームが好きでした。こちらでは見かけないので、懐かしいです。イチゴはおいしいですよね。
Commented by milletti_naoko at 2021-03-24 04:56
メイフェさん、確かにフレンチトーストに似た材料を使っていて、甘いです。そう、炊かれたごはんなので、もっちりとしているんですよ。意外とおいしいのですが、初めて見たとき、食べたときには驚きました。

ありがとうございます。もう二人とも80代後半なので、元気でいてくれて本当にありがたいです♪
Commented by milletti_naoko at 2021-03-24 04:57
zakkkanさん、ところ変われば食べ方も変わるのだと、初めて見たとき、食べたときは驚きました!

そう言えば、お餅も揚げて食べますよね。
by milletti_naoko | 2021-03-21 23:10 | Gastronomia | Comments(8)