イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

水鏡 風情か順応かイタリアの山道

水鏡 風情か順応かイタリアの山道_f0234936_00075460.jpg
 湖にせよ水たまりにせよ、水に青空や木々など、周囲の風景が映るのを見て、きれいだなと思うことがよくあります。湖や森を歩いている途中に、そういう瞬間があると、映りがよりきれいに見えるようにと、先を歩く夫に遅れすぎないように気をつけながら、しばらく立つ位置を変えて、写真を撮ります。

水鏡 風情か順応かイタリアの山道_f0234936_23224944.jpg

 最近も水たまりに通りかかっては目を向けるものの、薄暗い冬枯れの景色ではいい写真を撮るのが難しいと、通り過ぎることがよくあります。

水鏡 風情か順応かイタリアの山道_f0234936_23285323.jpg

 冒頭の写真2枚では、水たまりがあるのが、道路そのものではなく、路傍なのですけれども、

水鏡 風情か順応かイタリアの山道_f0234936_23300115.jpg


先日ご紹介したこの写真では、水たまりが車も通る道の大きな穴にできていました。けれども、この水たまりを見たときに、わたしは、どんな風景を映しているだろう、青空や枝がきれいに映るだろうかとしか、思わなかったのです。

 車道にあってはならない大きい穴があることに、こちらの記事にコメントをいただいて、初めて思い至りました。

水鏡 風情か順応かイタリアの山道_f0234936_23334646.jpg

 たとえば、この聖母マリアのほこらの写真を写したすぐ近くの道路では、

水鏡 風情か順応かイタリアの山道_f0234936_23350002.jpg

大雨が降った後だったからか、あるいは湧き水があるためか、道路の右手から左へと、

水鏡 風情か順応かイタリアの山道_f0234936_23365316.jpg

路上の穴を伝って、

水鏡 風情か順応かイタリアの山道_f0234936_23372600.jpg

水が左手の渓流へと流れ落ちていました。あるいは、流れる水のために道路の地面が柔らかくなって、車が通るたびに、穴ができてしまっていました。

水鏡 風情か順応かイタリアの山道_f0234936_23402982.jpg

 そうなのですけれども、単に自分たちが歩いていたからという理由だけではなく、こういう場所を見ても、わたしは、道路にこんなふうに水がたまっていて、穴があいていてけしからんとは思わず、靴を濡らしたり泥で汚したりしないように注意して歩かなければいけないことに当惑しつつも、

水鏡 風情か順応かイタリアの山道_f0234936_23414799.jpg

水たまりに映る風景がきれいだなあ、どうしたらうまく写せるかなあとばかり考えていたのです。

 イタリアの山道には、穴が多いことに慣れてしまったのでしょうか。端から端まで穴だらけだったり、でこぼこだったりする恐ろしい悪路にも、出会うことがあるため、この程度は問題と認識しなくなってしまったのでしょうか。

水鏡 風情か順応かイタリアの山道_f0234936_00075460.jpg


 のんびりゆったりと構えている方が、心穏やかでいられるかもしれません。

水鏡 風情か順応かイタリアの山道_f0234936_23534070.jpg

 でも、観光案内に紹介されているコースですから、自転車やバイクで走る人のためにも、こんなに大きな穴を放置していてはいけないと思います。こんなふうに市民が慣れてしまうことが、ゆくゆくは事故の可能性を増やしてしまうのではないかと反省しています。

********************************************************************************************************************************
Guardavo la pozzanghera solo attratta dalla bellezza dei riflessi sull'acqua. Però per rendere sicuro il percorso di trekking, noi cittadini dovremmo cercare di non abituarci troppo alle strade poco mantenute e ai disservizi.
********************************************************************************************************************************

Articolo scritto da Naoko Ishii

↓ 記事がいいなと思ったら、ランキング応援のクリックをいただけると、うれしいです。
↓ Cliccate sulle icone dei 2 Blog Ranking, grazie :-)
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ  

Commented by sunandshadows2020 at 2021-03-26 01:18
自然道に近い山道なのでその様な穴があっても不思議ではないし、むしろトレッキングでは避けて通るからなんの問題もないと思うのですが。ごめんなさい、指摘するつもりではなく、自転車で通った時その穴に嵌ったら危ないと感じただけです。その穴があまりにも綺麗な円形なので人工的に作られた物かなとも思いました。
水溜りに映る風景を撮ることを試みていらしたのですね。
成る程前の記事では気がつかなかったのですが今回は水が見えました。
花粉の少ない夕方にお出かけなのも頷けます。
Commented by ciao66 at 2021-03-26 17:50
舗装していない地道は雰囲気が有って景色と調和がとれているのはいいのですが、水たまりはむしろ風情が有るかもしれませんが、穴ぼこだらけの道では、確かに危ないですね。
ぬかるみで車がはまり込むかもしれませんし、路肩が弱くて崖からずり落ちれば大変ですね。
昔はこんな道ばっかりだったのでしょうが・・・
Commented by chikusai3 at 2021-03-26 22:00
なおこ様
はじめまして竹斎といいます。「イタリア写真草子」の“里山”を拝見していて感じるものがあります。何故かなつかしく胸がキュンとなるのです。これは日本の山ではないか、自分の育った田舎の風景ではないか、と思ってしまうのです。韓国、中国以外の国でこんな気持ちになるのは珍しいことです。イタリアと日本、遠くて近い風景があるのですね。不思議です。
Commented by tokotakikuh at 2021-03-27 15:41
これからの季節
こうした、トレッキング?が楽しくなりますよね
大いに、自然を
眼で見る、自然と楽しい時間を過ごしてくださいね
アップも、お待ちしてます
Commented by milletti_naoko at 2021-04-02 05:00
お転婆シニアさん、いえいえ、ゆったりと構えることも大切だけれども、問題意識も持って気をつけないといけないなと思いました。ありがとうございます。トレッキングコースではありますが、案内標識もあればサイトにも紹介があるので、最近は自転車で通る人にも時々出会います。自転車は進むのが速いので、何かに気を取られていて事故の原因にもなりかねませんよね。
Commented by milletti_naoko at 2021-04-02 05:07
ciao66さん、水たまりは風情があるのですが、この穴、ひどく深いんです。特に自転車で行く人には危ないし、おっしゃるように車でも穴にたまった水で道路がぬかるむと、大変だと思います。

幸い今はもう長い間雨が降らないので、道はからからに乾いているのですが、雨が降ったときに問題が起こらない道路づくり、町づくりも大切だと思います。
Commented by milletti_naoko at 2021-04-02 05:12
竹斎さま、はじめまして。コメントをありがとうございます。お返事が大変遅くなりました。

なつかしさと共に、風景を楽しんでくださっていると知ってうれしいです。育たれた田舎の風景と、それほどまでによく似ているのですね。わたしも時々、日本の方が載せていらっしゃる山や森の写真を見て、イタリアで見かける風景と似ているので驚くことがあります。地域によっては気温や湿度、生えている植物などが、遠く離れていても似ていると言うことがあるのでしょうね。今日も久しぶりにツクシを見て、幼い頃、近所の土手にたくさん生えていたのを懐かしく思い出しました。
Commented by milletti_naoko at 2021-04-02 05:15
zakkkanさん、野山を通る道でも少しずつ少しずつ春が進み、しおれ始める花あり、咲き始める花あり。楽しみながら歩いています。

ありがとうございます。わたしもzakkkanさんの美しい京都の風景や花や猫ちゃんたち、楽しみに拝見しています♪
by milletti_naoko | 2021-03-25 23:48 | Umbria | Comments(8)