昨日、朝6時過ぎによろい戸を開けると、思いがけずきれいな丸い月が、目の前に見えました。
Perugia, Umbria 30/3/2021
そこで、勉強・仕事部屋にカメラを取りに行って、写真を撮りました。

南の空がピンク色に染まってきれいだったのですが、カメラがすぐには見つからず、あちこち探しているうちに、空は青色がまさってしまいました。

日曜の町の丘は、まだ朝日に赤らんでいます。

剪定のおかげで、朝焼けに染まるアミアータ山(Monte Amiata)も、こんなふうに空が澄んだときには、見えるようになりました。
満月は3月28日日曜日で、その日は月が見られませんでしたが、その前日と翌々朝のやはり美しい月は、幸い見ることができました。
カトリック教会では、春分後の最初の満月の次の日曜日が復活祭(Pasqua)と定められているため、年によって日にちが変わり、今年の復活祭は、来週4月4日日曜日です。
その1週間前の日曜日は、枝の主日(Domenica delle Palme)で、教会のミサでは、最後の晩餐前から主の受難、十字架でのイエスの死までを語る聖書のかなり長い聖句が読み上げられ、祝福されたオリーブの枝を受け取り、各家庭ではその枝を、翌年の枝の主日まで1年間飾っておきます。
夫が今週の日曜日に、久しぶりに、テレビ中継のミサを見る代わりに教会のミサに参列したのは、その祝福されたオリーブの枝を受け取るためではないかと思います。
と言うのは、教区教会から帰ってすぐに、「ふだんならすでに祝福がされたオリーブの枝をもらって帰ることができるのに、今日は各自が持って行ったオリーブの枝をミサの間に祝福することになっていた」と、夫が言っていたからです。
足が痛むからとうちに残っていたわたしが、「そのためと知っていたら、わたしも行ったのに」と言うと、夫は「今からモンテマルベの修道院に行こうよ。祝福されたオリーブの枝がもらえるかもしれない」と言い、そこで出かける準備をしたのですが、結局は、夕方修道院のミサに行く義弟夫婦が、祝福を受けたオリーブの枝がもらえるかどうか見て、もしもらえるようだったら、わたしたちの分ももらってきてくれることとなりました。

駐車場は修道院の教会のすぐ近くにあるのですが、それでも歩くのが辛かったので助かりました。こうして受け取った祝福されたオリーブの枝は、家の部屋や廊下などに飾っていた昨年のオリーブの枝と交換しました。
上の写真は、今わたしがこうしてパソコンで書く作業をしている勉強・仕事部屋の壁に飾られた今年のオリーブの枝です。聖母子は、わたしたちの結婚式を執り行ってくれた神父でもあり画家でもあった、今は亡きドン・ネッロ・パッローニ(Don Nello Palloni)の作品です。
例年は、復活祭の前に、教区教会の修道士たちが、教区の家や家族を祝福するために、ちょうど日本の学校の家庭訪問のように地域ごとに日時を決めて、各家庭を順に祝福して回ってくれます。
新型コロナウイルス感染症感染下にある去年と今年は、外出・移動規制のために、この家の祝福を受けることができませんでした。
そういう事情もあって、せめて祝福を受けたオリーブの枝だけでも取りに行こうと、夫は考えたのでしょう。もちろん、聖週間の始まりを告げる枝の主日が、カトリック教徒にとって大切な日であるためでもあるでしょう。
去年の枝の主日は、3月上旬から5月初めまで続いたイタリア全土ロックダウンの最中で、近所の教会のミサにさえ行けなかったため、うちで用意したオリーブの枝をテレビの前に置いて、バチカンで教皇が執り行うミサの中継の前に、テレビを通して枝の祝福が行われました。
日本なら新年を迎える前、年末に大掃除をするところを、イタリアでは、復活祭の前に大掃除をする慣習があります。日曜に夫に誘われて、足をかばいながら散歩をしたら、その晩はアキレス腱の上あたりも痛みました。そのため、しばらく安静にしていたら、痛みがかなり和らいできたので、昨日からは掃除機での掃除も再開しました。
垣谷美雨著、『あなたの人生、片づけます』では、心や人間関係の問題やもつれが家や部屋の乱れにつながり、物理的に片づけていくことを通して、人生や心も空が晴れるように開(ひら)けていっていました。ディーパク・チョープラの瞑想講座でも、「幸せになりたかったら、まずは毎日玄関前を掃除しよう」といった言葉を聞いたように思います。

雲や遮る木の枝がなければ、遠くの山や月や風景が見えてくるように、今のように平穏ならぬ日々が続くときこそ、目の前の何かを片づけ続けていくことで、穏やかな安らかな心、平安が得られていくのではないか。
そんな願いと共に、復活祭に向けて、いえ、復活祭のあとも、いろいろな意味で、しっかりと片づけて、そして、片をつけていかなくてはいけないと感じています。
関連記事へのリンク- そう来たか ~悟りも健康も掃除からArticolo scritto da Naoko Ishii
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