イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

古の塔へ春の山ゆけばスミレ プリムラ

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 今は廃墟となった古の塔、グワルテロッタ塔(Torre Gualterotta)は、ペルージャ市の北端に近い山の中にあります。

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Torre Gualterotta, Perugia, Umbria 2/4/2021

 先週歩いた、古代エトルリアのファッジェートの墓を訪ねるトレッキングコースから、約400m道を下っていったところにあり、トレッキングコースを説明する案内には、「ぜひこの塔を訪ねるべし」と書かれていました。

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 ただ、この塔まで行かずとも約13kmもあるトレッキングコースで、しかも、わたしたちはコースを逆向きに歩いたために、こんなふうにコースから塔が小さく見えるところまで来た時点で、すでに10km近く歩いて疲れていました。そのため、わたしの足が痛んだためもあり、先週は塔には寄らなかったのです。

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 今日は近道をして、先週よりかなり短いコースを歩いたため、照りつける太陽が暑いほどでしたが、せっかくなので、訪ねることにしました。

 下っていく夫の先に塔が見えます。

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 こんなふうに丘や山のてっぺんに建つ城や塔は、遠くからの方が全貌が分かりやすく、近づくほどに、木々などに遮られて一部しか見えなくなるのが、いつ訪ねてもおもしろく不思議です。左に頂が見える山はアクート山(Monte Acuto)です。

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 坂道を下っていくと正面からは塔が見えるので、塔と呼ばれるのでしょうか。

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 実際には、かつてはいくつもの部屋や広間があった大きな館か城のようです。

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 明日土曜日から月曜日までの復活祭前後の3日間は、イタリアでは全土がレッドゾーンとなり、散歩も住む家の近所のみで許可されています。

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 そこで、夫は休みを取り、わたしも生徒が日本語の授業は土曜を希望していたので、今日、野山を歩くことにしました。

 トレッキングに出かけようというときは、夫がいつも早く早くと急かします。バールでパニーノを買おうかと考えていたのですが、出かける間際に、夫が義父から養蜂作業を手伝うのを頼まれたため、夫を待つ間に、大急ぎで弁当を作りました。

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 散らし寿司にしたかったのですが、錦糸卵にする時間はないので、パセリ入りの卵焼きを作って、大ざっぱに切って、野菜の具が入った寿司飯の上に、スモークサーモンと共に載せています。

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 せっかくなので館跡をしばらく探検したい思いはあったのですが、わたしたちが食事を始めてまもなく到着した人たちがいて、わたしたちが弁当を食べ終えたあと、その二人はまだ食事中でした。わたしたちが到着したのがちょうど昼時だったのです。

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 そこで、昼食後はすぐに出発することにしました。登り道を歩いてトレッキングコースに戻る代わりに、塔からさらに下方へと続いてく道を、しばらく歩いてみたのですが、結局は引き返して、トレッキングコースへと登っていくことにしました。でも、この下っていく道を少しだけ歩いたおかげで、塔と館を違う角度から見て、撮影することができました。

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 最近暖かい日が続いているからか、寒い間は見かけなかった蝶を見かけることが増えてきました。羽を開くとさらに美しいオレンジ色の紋様のある蝶を、止まっているときにではありますが、撮影できました。

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 テッツィオ山が遠ざかっていきます。白い桜がこんなふうに、時々きれいな花で目を楽しませてくれます。

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 車が近づいてきた頃に、一面に自生のプリムラの花が咲いているところがあって、プロムナードならぬプリムラロードだと、一人喜びながら撮影しました。

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 このプリムラの近くにも、そして、他の場所にも、まだ野スミレがところどころできれいな花を咲かせていました。

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Alla Torre Gualterotta tra i fiori di ciliegio, primula e violetta
Perugia, Umbria
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関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- 古のエトルリアの墓へと歩く春の山道 / La Tomba Etrusca del Faggeto, Perugia
- 美しい春の野でも足が悲鳴 登山靴 / Tra i fiori verso il Pian di Nese
- 思いかけぬこと苦もあれば花もある山も人生も / Anello Pian di Nese - Torre Gualterotta

リンク / Riferimento web
- I Luoghi del Silenzio - Torre Gualterotta - Pian del Nese

Articolo scritto da Naoko Ishii

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ブログテーマ:春を感じる一枚
Commented by tokotakikuh at 2021-04-03 10:12
( ´艸`)
そうですか・・ご夫婦の趣味趣向が
何時も、羨ましく思ってます
しかし、急かされるのは・困りものですが
ランチボックスに詰める作業時間を得たのは
良かったこと・・(笑)

絵になる光景に、毎度、楽しませてもらっています
追伸
足の調子?いかがですか・・
Commented by meife-no-shiawase at 2021-04-03 12:45
すごいですね。
石の積み重ねが緻密でかなり手をかけて造った建物のようです。
かなりお金持ちの方だったのかな・・・。
その時代がどうだったのか観てみたいですね。

10キロも歩かれたのですか!
それはすごい!
なおこさんは万歩計はつけていないですか?笑。
何歩ぐらい毎回歩かれているのか知りたいです。

ちらし寿司♪
彩りがきれいですね。スモークサーモンとはオシャレ♡
Commented by milletti_naoko at 2021-04-03 18:38
zakkkanさん、ありがとうございます。
足はもう痛みはほぼ感じることなく歩けるようになりました。
いっしょにこうして出かけて過ごすことができるのはありがたいです。

風景を楽しんでくださっていると知って、うれしいです♪
Commented by milletti_naoko at 2021-04-03 18:53
メイフェさん、今もう少し詳しく説明してあるサイトを見ると、やはりかつては塔と城が存在したのだけれど、塔の名前で知られているそうで、建造は14世紀かとはいわれるものの、もう長いことこうして廃墟となったままなので、はっきりしたことは分からないようです。この場所に、大きな館と言うことはやはり、単なる防御地点と言うよりも、貴族か何かの館だったようにも思うのですが、かつてはいったいどんな風景にどんなふうに建っていたのか、わたしも気になります。

万歩計はつけていないんです。つけたら、もっと意識して歩こうと思えるようになるとは思うのですけれども。

ありがとうございます。スモークサーモン、パスタにも寿司にも手軽に使えて、重宝しています。
by milletti_naoko | 2021-04-02 23:36 | Umbria | Comments(4)