チョコ卵中身とパスタ用キノコ騒動、復活祭こぼれ話

　イタリアでは、春になって復活祭が近づいてくると、スーパーやお菓子専門店に、復活祭に子供たちや家族などに贈るための大きな卵形のチョコレートが、ずらりと並びます。

　よく見かけるのは、大きな正方形の包装プラスチックで、こんなふうに卵全体を包み、卵の上のあたりをリボンやひもで縛り、余った上の部分を広げて飾りとしてある商品です。
　子供用のチョコレートは、子供の好きなキャラクターなどが包装に描かれています。

　卵型チョコレートと言っても、その大きな卵の中は空洞になっていて、チョコの殻を割って開けると、中には、卵型をしたプラスチックの入れ物があって、その中にさらに、イタリア語ではsorpresaと呼ばれる、びっくりプレゼントが入っています。
　子供用の包装のチョコレートの場合には、おもちゃなどが入っているのですが、今年のこのリンツのチョコ卵の場合には、わたしも夫も大好きなリンドールのチョコレートが四つと、ハートの中に四つ葉のクローバーや花を思わせる穴のデザインがあるペンダントが入っていました。

　ハートにギザギザがあるのが、最初は気になって、そう言えば昔そういう歌があったなあと思ったのですが、葉っぱの形に似せているのかもしれないと、後から思い直しました。
　閑話休題。昨日の復活祭の昼食では、義弟やわたしたち夫婦も、手分けして準備を手伝いました。そうして、パスタの具には、トーディの義弟が採ってお義母さんが冷凍していたキノコを使うことになりました。そろそろパスタに和えるキノコとパセリとニンニクは、オリーブオイルでいい具合に料理できたかという頃、味見をした夫が「これはまずい」と、そばにいた義弟にも味見をするよう促します。
　義弟も同じ意見で、二人の話を聞くと、「だいたい母さんときたら、いろんな種類のキノコをいっしょに混ぜてしまうから、せっかく中にあったポルチーニも、別のキノコのせいで味がだいなしになってしまったんだ。これは食べられたものじゃない。捨ててしまおうか。」と言っています。


　用意された具はかなりの量で、もうパスタもゆでなければいけないときだし、何よりもったいないと考えて、わたしも味見してみました。そうしたら、なんとそれはキノコではなく、ナスだったのです。冷凍庫から出してきたお義母さんが、ぶつ切りになって冷凍された状態を見てキノコだと思ったばかりではなく、夫と義弟は味見をしても、それがナスの味だと気づかなかったのです。小さく細かく切ってあるので、見た目にはキノコだかナスだか見分けるのが難しかったのですけれども。
　と言うわけで、わたしの方でさらに塩とニンニクを加え、お義母さんの希望でトマトソースもさらに加えて、ナスたっぷりのソースでパスタを和えることになりました。こう言う事情で、アク抜きをすることなしにナスを料理したので、苦みが若干残ったのですが、特にお義父さんの気に入って、これはおいしいと、おかわりもしていました。
　切って冷凍すると、見た目が変わってしまうので、冷凍庫に入れる前に、中に何が入っているかを、やはり書く必要があったのでしょう。それにしても、慌てていたためでもあるのでしょうが、複数の目で見て、複数の舌で味見をしても、思い込んでいると真実に気がつかない、そういうこともあるのだなあと、おもしろく思いました。
関連記事へのリンク- うれしいバーチ復活祭チョコ (5/4/2015)

Articolo scritto da Naoko Ishii

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