イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

野スミレが今も花盛りラヴェルナの森、トスカーナ

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 昨日は、久しぶりに、ラヴェルナ(La Verna)の修道院を頂く岩山を取り囲む森を歩きました。

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Santuario della Verna, Chiusi della Verna (AR), Toscana

 ようやく州境を越えて、ラヴェルナ修道院が車の窓から見えたときは、うれしかったです。と言っても、一人の修道士が病院で新型コロナウイルス感染症に感染し、他の皆にも移ってしまったために、5月15日までは修道院には入ることができないことは、訪ねる前から知っていました。

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 ペルージャ市外から、そしてウンブリア州から出ることができるようになったら、夫が一番に行きたいと考えていたのはラヴェルナで、調べていて、夫がニュースを知ったのです。そこで、昨日は、修道院には寄れなくても、岩山の裾にあるブナの森を歩くことにしました。

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 空がどんより曇り、岩山には霧さえかかり、風も強く、何だか秋か冬のような風情でしたが、森のあちこちで、色とりどりの野の花が咲いていました。

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 花を見ると、やはり春は来ているのだなと感じます。

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 平地ではもう季節が過ぎてしまったスミレも、山の森では今が花盛りで、きれいに咲いていたので、驚きました。

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 緑の苔むす美しい岩の並びに、今はブナの森の新緑が、優しい緑色を添えています。

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 このスミレはでも、花が大きくて香りがしないから、ふだん見かけるスミレとは種が違うので、咲く時期も遅いんだよと、夫は言います。

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 けれども、色も姿も美しく、もう見られないと思っていたスミレが、一面に咲いているのを見られて、わたしはとてもうれしかったです。

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 忘れな草も、道の傍らに咲いているところがありました。

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 修道院の境内を通れないので、ラヴェルナからキウーシへと山を下っていくCAI(イタリア山岳会)の51番トレッキングコースを、久しぶりに歩いて、やや遠回りをして、車を置いていたラベッチャ(La Beccia)へと戻りました。

 岩に挟まれた細道を通ると、何だか冒険をしているような気分になります。

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 木の扉を通り抜けてから、後ろをふり返って写真を撮りました。たまにキウーシの駐車場からラヴェルナへと歩くときは、たいていこの扉を通って、岩の方へと歩いていくので、昨日は同じ道を逆方向に歩きました。

 6枚目の写真の場所と、この扉と岩の通りがある場所は、岩と緑が迎えてくれる森の神殿の入り口のようで、ラヴェルナの森の中でも、殊更に趣があると感じている場所です。

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 ユーフォルビア属ではないかと思われる花が咲いています。

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 ラベッチャへの道しるべに従って歩いていると、木々の間にラヴェルナ修道院が見えるところがありました。

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 午後1時を過ぎた頃から、朝から吹いていた強い風がいっそう激しくなり、おかげで時々、暗い雲の間から、太陽と青空が見えて、緑が日の光に包まれるときがありました。

 朝うちを出るときは曇っていたペルージャが、帰ったときにはすっかり晴れて、青空が広がっていたので驚きました。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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ブログテーマ:春を感じる一枚
Commented by tokotakikuh at 2021-05-06 10:23
フレンチェからローマまで
あの憧れの、超特急に乗りました

トスカーナー地帯を車窓から眺めたという記憶が?
違ったかな??(笑)
平野地帯でしたから、この光景は見てないかも

それでも、イタリアという国の、違う面を
楽しめました

毎回、ここで、懐かしい光景にみえるのは
私の経った一度の「イタリア」が頭の中で
画を描いているせいかしら( ´艸`)
Commented by sunandshadows2020 at 2021-05-06 22:58
たった一人の感染者がそのように院内感染してしまうのが残念です。
その為修道院へも行けなくて残念でしたね。
木々の芽が出て来て春が遅いのを知ります。
野のスミレはひっそりとでも確かに春を主張していますね。
Commented by milletti_naoko at 2021-05-07 18:27
zakkkanさん、フィレンツェからローマまでの超特急! わたしも、通訳の仕事帰りとボローニャ・フィレンツェ間トレッキングの出発地点までの移動のために、超特急に乗ったことがあります。車に比べて驚くほど速いのでびっくりしました。

超特急は、高速道路もそうですが、山間部はトンネルを抜けることが多いですし、ラヴェルナの岩山は、車で向かうときも歩くときも、周囲に高い山があるために、見える場所と方角がかなり限られているんです。

イタリアも日本も小さいようで広く、様々な町や自然の風景がありますから、暮らしていても旅行をしても、見られるのはやはりその一部なのだと、そして、同じ場所を何度も訪ねても、そのたびに表情が違うのだと、つくづく感じています。

zakkkanさんはきっとわたしの知らないイタリアの町や風景を、そしてその年のその季節の風情を、十分に楽しまれたことと思います。

わたしもzakkkanさんの記事で、訪ねた京都の違う季節の表情や、文でだけ読んだことのあった地の四季の様子を知ることができて、不思議な懐かしさを感じることが多いです♪
Commented by milletti_naoko at 2021-05-07 18:41
お転婆シニアさん、今はもうどこの病院でも厳重に管理ができているはずなのに、それでも院内感染が起こってしまい、結果として多くの感染者が出てしまうのはとても残念です。最も感染力が強い感染初期の数日間に、PCR検査で陰性が出てしまうことも、その原因なのだろうかという気もします。

ありがとうございます。わたしたちは、もう何度も修道院を訪ねているので、実は境内を通っても、教会は人が多そうだからと感染を避けて入らないことも、最近は多かったんですが、やはり境内が訪ねられなかったのは、夫も楽しみにしていただけに残念でした。

どうか修道士の皆が元気になって、再び修道院を皆が訪ねられるようになりますように。フィオンキ山でも、ラヴェルナでも、今年はやはり春の進みが例年に比べて遅れていることを実感しましたが、何せ今も、ペルージャでは夜間暖房を入れることの方が多いほど、朝晩は冷え込んでいるんです。
by milletti_naoko | 2021-05-06 07:38 | Toscana | Comments(4)