イタリア高齢者70代・80代ワクチン接種進捗状況、出遅れ気味ウンブリア木曜から50代予約可能か

　イタリアでは、規制の緩やかな解除が始まった4月26日以降、感染は極めて緩やかではあるものの減少傾向にあり、

イタリアにおける現在の感染者数の推移、出典：https://www.rainews.it/ran24/speciali/2020/covid19/

ワクチンの接種も、州によってかなりばらつきがあるものの、着々と進んでいます。

　現在では、国の方針はまずは重症化しやすい高齢者や基礎疾患を有する人、その家族や介護をする人に優先して接種することとなっていて、

https://coronavirus.gimbe.org/vaccini.it-IT.html

おかげで、80代の高齢者の大半が１回目のワクチン接種を受け、すでに２回の接種を終えた人も大勢います。
https://coronavirus.gimbe.org/vaccini.it-IT.html

　一方、やはり優先してワクチン接種が行われるべき70代も接種は順調に進んでいます。ただ、国の方針や率先して接種を進めている他州に比べると、ずっと出かけていてニュースを日々確認できているわけではないのですが、ウンブリア州では60代のワクチン接種が、ようやく5月17日月曜から予約できるという、ひどく遅い状況であった上に、それで予約を試みても、ワクチン不足でいつ接種が受けられるか分からないという結果に終わったという女性の話が、当日の昼のニュースで報道されました。他州では40歳でも予約が可能であるところがあるというのにです。
https://www.governo.it/it/cscovid19/report-vaccini/

　イタリア政府サイトで、5月17日午後9時12分の時点でのウンブリア州におけるワクチン接種状況を見ると、これまで配布されたワクチンについては、その91%の接種が終わっています。
　昼の地方ニュースでは、ウンブリアの当局によると、配布されたワクチンでは数が足りないとのことで、かかりつけ医と薬局に60代のワクチン接種を任せようと考えているのだけれども、話がまだまとまっていないのだと報道していました。高齢者が特に多い州であり、基礎疾患を持つ人や両者の介護者の人数も多いために、60代の接種の予約までこぎつけられないのだろうかと思っていたら、夕方見損なったウンブリアの地方ニュースで、ウンブリアでも、今後１回目のワクチンの接種は60代、そしてより若い年齢層にもどんどん行われていくという報道があったようで、その報道を共有したツイートが目に留まりました。

#vaccinazioni via alla somministrazione ai sessantenni e sblocco delle pre adesioni per le altre fasce di età, a partire dai cinquantenni. L'annuncio arriva dalla Regione, da chiarire restano le modalità con cui avverrà questa accelerazione promessa pic.twitter.com/lDJKcn1Fv1

— Tgr Rai Umbria (@TgrRaiUmbria) May 17, 2021

　このニュースによると、ウンブリア州でも、5月19日水曜日には60代のワクチン接種が始まり、7月末までには、接種可能なすべての年齢層の人に、１回目の接種が行われる予定であるとのことです。5月20日木曜日には、50代も予約が可能で、追って他の年齢層も予約可能となり、今月中には接種可能な全年齢層が予約できるそうです。
　州側からは、ファイザーのワクチン接種の間隔を21日間から42日間とすることで、こうして接種を早めることが可能となったと話があったそうで、ということは、60代に投与するワクチンもファイザーであると考えられると、ニュースは続いています。ただし、ワクチン接種を担当するはずの薬局やかかりつけ医とは、まだ話がついていないそうです。
　わたしの夫は60歳なのですが、もともと針が嫌いで、血液検査さえ行くのをひどく渋る上に、親しい友人にワクチン反対者が多く、残念ながらワクチンには懐疑的です。先日会ったほぼ同年代の親戚が、新型コロナウイルス感染症にかかって、命の危険さえあったと聞いて、ワクチン接種の必要は感じているようですが、60代以上はアストラゼネカのワクチンと言われており（ただし、先に引用したニュースではファイザーだろうと推測されています）、似た副作用があるだろうと予測されてはいても、ジョンソン&ジョンソンなら接種が一度で済むので、できればジョンソン&ジョンソンがいいと夫は言うのですが、現状ではウンブリア州では自分が受けるワクチンを選ぶことはできません。
　最近は、あまりニュースを追えていないのですが、、これまで見聞きしたことからわたしが認識しているのは、アストラゼネカのワクチン接種を受けて、血栓症で死亡した事例は極めてまれである上に、亡くなった人はもっぱら若い女性であり、男性には問題がないようだということです。
　無責任にワクチン反対を唱える友人たちは、実は多くがすでに新型コロナウイルス感染症に感染し、ただし、ほぼ、あるいは、まったく症状なしに済んでいる人たちです。万一感染して症状が重くなる可能性も、健康への害が大きく残る可能性もあるので、夫ができるだけ考えを変えて、早くワクチン接種を予約してくれることを願っています。勧められるとかえって意地になって反対する人なので、わたしから強くは言いませんし、どのワクチンであれ、予期もしない万一の副作用がないとは限らないので、やはり決断は本人に任せたいと思います。
　幸い高齢の義父母はすでにワクチン接種を終えましたし、わたしも、木曜日にウンブリア州で50代のワクチン接種予約が始まったら、できるだけ早く予約をしたいと思います。すぐに予約できるとは限らず、また、接種日がいつ頃になるかも分かりませんが、ワクチンを受ければ、たとえまずは一度だけの接種だとしても、より安心して過ごすことができますし、対面授業もまた再開していけることでしょう。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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