イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

清らかな渓流へ花満ちる山を下って、シビッリーニ山脈 フィアストローネ渓谷

 山道を長い間ひたすら下り、花も眺めもきれいだけれど、こんなに下りが続いては、帰りに登るのが大変だなと心配しながら歩き、ようやくたどり着いた渓谷の下では、緑の中を清らかに流れるフィアストローネ川(Fiume Fiastrone)が、わたしたちを迎えてくれました。

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Fiume Fiastrone, Parco Nazionale dei Monti Sibillini 22/5/2021

澄んだ水のせせらぎと緑に包まれて、ここまで歩いてきて本当によかったと思い、30分ほど川の流れを見つめ、冷たい水に足も少しだけ浸してみました。

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 緑の木々に覆われた山道を歩き始めてすぐに、見晴らしのいい場所に出て、右手を見やると、こんなふうに左右から断崖が迫るのが見えました。左上の岩壁の上に建っているのは何だろうと、夫が双眼鏡を取り出しました。わたしは教会かと思っていたのですが、古城の遺跡だと分かったようです。

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 さらに進んでいくと、野バラがたくさん咲いていて、わたしたちが歩いていく右手にも、そして前方にも、フィアストローネ渓谷(Vallata del Fiastrone)の対岸の切り立つ崖が見えています。

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 野バラのピンクの花もきれいですが、わたしたちが歩いた道の中央や傍らにも、野の花がたくさん咲いていました。

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 この花も、色がきれいで花がかわいらしいなと思って、撮影しました。

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 渓谷の底を流れる川へと向かって、さらにどんどん道を下っていきます。

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Rio Fessa

 まずはいったん、フィアストローネ川に流れ込む小川の川床まで下りました。と言っても、小川には今は水がまったくありません。

 この今は水がない川を渡って、

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今度は対岸の山の斜面の細道を登っていきます。

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 トキワガシ(leccio)の木が生い茂る森の中を進んでいたら、トキワガシに混じってブナ(faggio)の木もあることに気づいて、夫が驚いていました。

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 しばらく登った先で、少しだけ森の中から出て、日が当たる野原を歩くと、対岸の断崖が目前に見えます。

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 このあとはすぐに、再び森の中に入り、ひどく急な斜面を、ジグザグに川へと山を下っていきました。5月下旬の山に、驚くほどたくさん、春咲きの自生のシクラメン(ciclamino)が咲いていて、うれしかったです。

 下るのは楽なのですが、これは帰りに登るのに苦労するなと思いながら、長いながい坂道を下った果てに、冒頭の写真のフィアストローネ川に着きました。土曜日なので大勢が歩いているのではと心配していたのですが、走り回るバイクの音がおそらくは遠くから時々響いてきたものの、山を歩いている間じゅう、会ったのは他の登山者一人だけです。しばらく夫と二人で、川のほとりで休みました。そうして、そのあと、夫はさらに川沿いのトレッキングコースを歩くつもりだと言ったのですが、わたしは、来た道を引き返して、ゆっくりと登っていくことにしました。

 二手に分かれる前に、夫と二人で、トレッキングコースを地図で確認したり、おやつを食べたりしたこともあって、今写真の撮影時刻で確認すると、40分余りを、この川のほとりで過ごしたようです。

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 川の流れに浸した足を乾かしてから、ゆっくりと山を登っていくと、こんなかわいらしい白い花も咲いていました。

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 この美しい蘭(orchidea)の花も、一輪だけ見かけました。急な斜面を登り切ってから、今は乾いている小川まで下って、水のない川床を歩いて渡り、

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再び長い登り坂を歩き始める前に、傍らに見つけた石に腰を下ろして休んでいたら、夫がやって来ました。渓谷を川に沿って歩いてみようとしたものの、倒れた木も多いために、すぐに道が分からなくなり、岩山をしばらく手探りで登って歩いたあと、来た道を引き返して来たのだそうです。

 一面に咲く黄色い花に励まされながら、わたしも登っていきます。

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 野イチゴの花が咲き、小さな青い実が育っていました。

 長い坂を登りきると、しばらくはまた眺めがよく、花がきれいな道が続き、登り下りは大変でしたが、すてきな山歩きをすることができました。

 下っている間は、体が楽で、風景も花もきれいだったのに、つい「帰りに登りが続いて大変だ」と考えてしまって、どこか重い気分で下ってしまいました。夫と二人だけなのですから、帰りはゆっくりと時間をかけて登れば、それほど疲れずに済み、少しずつでも登っていけば、必ず登りきることができるのですから、先の心配をしないで、もっと今そのときを楽しんでおけばよかったと反省しています。人生にも通じることだと思うので、このことを、心に刻んでおくつもりでいます。

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Scorre dolce l'acqua limpida nella Vallata del Fiastrone,
dopo una discesa lunga tra lecci, faggi e ciclamini.
Certo, per ritornare siamo dovuti risalire a lungo,
ma è valsa la pena, erano belli sia i fiori che i panorami.
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by manekinntetti at 2021-05-23 23:17
いつも、憧れながら、楽しく拝見させてもらってます♪

街から離れて山歩きをしていると、日本と似たような山道や小さなお花があったりで、なんだか思わず嬉しくなりました♪
Commented by tokotakikuh at 2021-05-26 11:26
誰も・・いない?(笑)
そこに風景があるから・・歩みがスムーズですね
静かな時間を持つと、日常の騒々しさから
解放できるのでしょうね

それが、旅ですね
Commented by milletti_naoko at 2021-06-05 02:08
チッチさん、うれしく温かいお言葉をありがとうございます。

わたしは日本では、あまり野山を歩くことがなかったので、今皆さんのブログで日本の野山の写真を拝見しては、わたしも、よく似た森や山や渓流があるのを見て驚いています! 
by milletti_naoko | 2021-05-23 19:11 | Marche | Trackback | Comments(3)