イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

イタリアのドライブ楽しみと注意点

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 先週5月22日土曜日にマルケの渓谷を歩いたときは、できるだけ早く給油する必要があったので、通り道にあるガソリンスタンドでは一番安いと思われる、我が家からそう遠くない店で、久しぶりに給油をしました。

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Perugia, Umbria 22/5/2021

 このガソリンスタンドは、我が家から、スーペルストラーダ(superstrada)と呼ばれる無料高速道路の入り口へと向かう途中にあって、便利なはずなのですが、数年前までは経営者が異なり、当時は他店に比べてガソリン価格がひどく高かった上に、不親切な対応をされた記憶があったので、最近も寄ったことがなかったのです。

 夫が給油しようとセルフサービスの給油ポンプの前に車を停めると、奥の店から人が出てきて、給油をしてくれようとするので驚きました。「ここはセルフサービス用じゃないんですか」と尋ねると、「わたしが給油しますが、値段はセルフサービス用価格です」とのことです。セルフサービスの方が、ガソリン価格がずっと安いのです。さらに、夫が払った料金であれば、バールでコーヒー1杯が無料になりますよとのことだったので、奥のバールで初めて朝食を食べてみることにしました。

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 すると、驚いたことに、中で売られている朝食用のクロワッサンなどもおいしそうで、座って食べられるテーブルと椅子も外にあり、使えますよとばかりに、ドアを開け放したトイレもあって、何かと便利でした。このあたりは、朝食用の甘い菓子パンがおいしい店やガソリンスタンドが多いので、新しい客を呼び込もうと、セルフサービスで給油しようとする客の給油を手伝って、「今ならこの給油でコーヒー1杯無料ですよ」と伝えているのでしょう。

 店内の黒板に、クリスマス、ベファーナ、謝肉祭、復活祭、そして夏と、1年のさまざまな祝いごとなどを、色つきで描いてあるのも、いいなあと思いました。

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 さて、家を出たときには、シビッリーニ山脈のマルケ州側にある村、サルナーノに行こうと考えていました。ペルージャからアッシジに向かうと、走行中に、こんなふうにシビッリーニ山脈の最高峰、ヴェットーレ山が見えるところがあります。

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 この写真で正面に写っているのは、木々に隠れて見えませんが、アッシジを中腹に抱くスバージオ山(Monte Subasio)です。でも、この写真を撮影したのは、すぐ前を走る車の後ろ姿が、カエルの顔に見えて、かわいらしかったからです。

 最近は遠出すると、どの方面に向かっても、あちこちで道路工事が行われていて、片側通行になっている箇所が何箇所かあります。降りようと思っている出口からは、工事のために出られないこともあり、そういう場合には、少し前から案内看板が道路脇に立っているのですが、渋滞などで前の車に気を取られていたり、その看板があるところで大きなトラックを追い越したりしていると、看板が目に入らず、

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本来降りようと思っていた出口から出られないことがあるので、気をつけなければいけません。グーグルマップは、こういう工事による出入り口の状況を、正確に教えてくれることもあるのですが、もう工事が終わっているのに、まだ工事中だと表示したり、その逆に、まだ工事中なのに、自由に通れるかのように表示したりすることがあるので、それほどあてにできません。

 この日も、本来の昇降口からは降りられないので、一つ手前の出口から出なければいけなかったのですが、その表示に気づいたのは、その出口を通り過ぎようとしたときで、時すでに遅く、上の写真に写っている本来の出口の二つ先の出口まで走って、その出口で降りてからUターンしなければいけませんでした。

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 わたしたちの車の前にも、同じようにUターンして戻っている車が何台もあったので、おそらくは表示の仕方自体が分かりにくかったり、目立たなかったりしたのだと思います。

 こうして不必要に走らなければいけなかった距離と時間が、夫にはひどく長く思われたようですが、今写真で時間を確認すると、長いように見えた回り道も10分で終わっています。Uターンして戻ってきてから撮影した上の写真でも、左手奥にスバージオ山が見えています。


 このあと、サルナーノの中心街を散歩するのだと思っていたら、夫の意向でフィアストローネ渓谷(Vallata del Fiastrone)を歩くことになり、

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Vallata del Fiastrone

新緑と花の美しい渓谷で長いながい坂道を下って、清らかな流れに出会うことができました。

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 このあと、渓谷からサルナーノへと向かうときには、美しいシビッリーニ山脈(Monti Sibillini)の山並みを見ることができました。


 夫がジェラートを食べに行こうと言っていたサルナーノ(Sarnano)に寄らずに、代わりにさらに十数キロメートル先にあるアマンドラに行くことにしたのは、その日はちょうど、サルナーノとシビッリーニ山脈の標高1287mの高みにあるサッソテット(Sassotetto)の間でカーレースが行われていて、中心街からかなり離れた場所にしか駐車できるところが見つからず、すでに渓谷で長い間、登り下りの激しい道を歩いたあとだったので、そんなに歩く元気がなかったからです。

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Amandola (FM), Marche

 一方、アマンドラ(Amandola)であれば、中心街のすぐ近くに駐車できる上に、門を入ってすぐのところに、以前教えてもらったおいしいジェラート屋さんがあるのです。サルナーノからアマンドラへと車で向かう途中は、高峰の眺めがすばらしく、アブルッツォ州のグラン・サッソの最高峰、コルノ・グランデが雪を頂く姿が見える場所さえあったので、夫と二人で感嘆しました。写真は残念ながら間に合いませんでした。

 アマンドラまで車で走り、バールで食べながら休憩をしている間に元気が出たので、せっかくだからと村を散歩することにしました。ただし、夫はこんなふうに急な階段を登って行きたそうだったのですが、わたしは疲れているからと、なだらかな坂道を登っていくことにしました。

 そうして、この日は、先日の記事でもお話しししたように、シビッリーニ山脈の最高峰、が見えてうれしかったのですが、実はこの山は、上から3枚目の写真で、トンネルと緑の木々の上に小さく見えている山と同じ山なのです。

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 ヴェットーレ山の北西にあるペルージャからは、山の西側が見えるのですが、北東にあるアマンドラ(Amandola)からは、ヴェットーレ山(Monte Vettore、2476m)の東側、つまりペルージャから見えるヴェットーレ山の裏側、反対側が見えるのです。

 あちらこちらへと出かけて、いろいろな山を登るたびに、車で通りかかったり、町から見えたりするとうれしい風景が増えていく、旅にはそんな楽しみもあります。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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ブログテーマ:お気に入りの場所やお勧めスポット・お店を教えて!
Commented by tokotakikuh at 2021-05-30 15:41
お国・お国の諸事情が解りますね(笑)
日本も、ガソリンスタンド、ほとんどがセルフです
30数年前にアメリカを訪ねた時
ガソリンスタンドに、誰もいない
高速道路?が日本とはまるで違った容
しかし、休憩場所に「無料のドーナツ」が置いてあったり
眠くなれば、しばし仮眠できる場所があったりと

流石、車社会の国だと思いました

日本がこれを導入するようになってまだまだ日が浅いですが
ガソリンスタンド全盛期から比べると
昔ながらのスタンドが、どんどん閉店してます
今では、コンビニとタイアップした姿も見かけます

給油、あれが、ドライバーには休息を意味するのかな?(笑)

さてさて・ドライブは楽しめたようですよ(笑)
つづき・・楽しみです
Commented by ciao66 at 2021-05-30 17:17
ガソリンスタンドの思わぬサービスは良かったですね。でも。高速で降りるところを通り過ぎ、というのは疲れますね!お疲れさまでした。
 おしゃべりしていてうっかり通り越すのも有りそうでが、工事中の標識が見えにくいというのも困りものです。工事情報を前もって入手していればいいのでしょうが、いつもそれに思い当たるとは限らず・・・。
Commented by jinsnap_2 at 2021-05-30 23:19
こんにちは。
GSのサービス、とっても素敵ですね。
給油目的でなくてもよりたくなっちゃうかもw

それとヒルクライムのレース。
音とスピード感に痺れました。
Commented by villagecafe2 at 2021-05-31 06:51
はじめまして!私もイタリア人パートナーとイタリア中を車でまわり、その度にいろいろな発見があり楽しかったのを思い出しました。ようやく旅行が再開できそうなので、またイタリアへ旅行を計画中です!
Commented by milletti_naoko at 2021-06-05 05:01
zakkkanさん、わたしは日本のガソリンスタンドというと、4人くらいがささっと寄ってきて、ボンネットを開けて、いいと言うのに、車道に出るところまで案内してくれて、過剰すぎるサービスに毎回辟易していたのを覚えているのですが、なんと日本でも、今はほとんどがセルフなんですね! 無料のドーナツに仮眠ができる場所とは、配慮が行き届いていますね。

夫は、給油は遠出をするときにして、ついでに朝食を取れば、時間も無駄がないと考えているきらいがあります。
Commented by milletti_naoko at 2021-06-05 05:07
ciao66さん、その後今度は、高速で降りるところでちゃんと降りたら、混雑する町の市内を通って渋滞があったので、夫ったら、先に行って戻った方が早かったなんて言っています。と言うわけで、結局はこのときはこれでよかったのかなという気もします。

工事情報も刻一刻と変わるので、オンライン情報の更新もなかなか難しいですよね。
Commented by milletti_naoko at 2021-06-05 05:11
jinさん、思いがけないサービスに驚きました!

ヒルクライムのレース、わたしも映像を見て、やはり眺めもすばらしいし、臨場感もあるなと思いました。映像も見てくださったんですね。ありがとうございます。
Commented by milletti_naoko at 2021-06-05 05:14
vilaggecafe2さん、コメントをありがとうございます。自分たちであちこち回ると、ツアー旅行ではできない発見がありますよね。楽しい旅をされたようで何よりです。計画中の旅行も楽しい旅となりますように。
by milletti_naoko | 2021-05-30 06:55 | Viaggi | Comments(8)