イタリア写真草子 ペルージャ在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

花彩る山の下方にカステッルッチョ高原は今は黄の花みどり色

花彩る山の下方にカステッルッチョ高原は今は黄の花みどり色_f0234936_06102548.jpg
 春がいつまでも寒かった今年は、6月半ばを過ぎた今、カステッルッチョ・ディ・ノルチャ(Castelluccio di Norcia)の高原には、緑の中、ところどころに、レモン色の花が一面に咲く畑が広がっています。

花彩る山の下方にカステッルッチョ高原は今は黄の花みどり色_f0234936_06375450.jpg
Piani di Castelluccio & Monti Sibillini, Umbria

 去年の7月に歩いた、カステッルッチョからはやや遠いけれども、人が少なくて花が美しかった道を歩こうと、車でそのあたりまで行ってみると、ところが、わたしが歩こうと考えていた道の先に、牧羊犬もいる羊の群れがいます。

花彩る山の下方にカステッルッチョ高原は今は黄の花みどり色_f0234936_06404183.jpg

 そこで、予定を変更して、夫が提案したように、シビッリーニ山脈(Monti Sibillini)の最高峰、ヴェットーレ山(Monte Vettore、2476m)の斜面を登ってみることにしました。

花彩る山の下方にカステッルッチョ高原は今は黄の花みどり色_f0234936_06300666.jpg

 この横に長く、右の高みに岩の塊のある山が、ヴェットーレ山です。わたしたちは人が少ないところへと、このヴェットーレ山の向かって右側を通る道路を進み、

花彩る山の下方にカステッルッチョ高原は今は黄の花みどり色_f0234936_06273692.jpg

岩の塊よりもさらに右の方から、山の斜面を登り始めました。

花彩る山の下方にカステッルッチョ高原は今は黄の花みどり色_f0234936_06421491.jpg

 空に雲があるものの、湿度と気温がひどく高い日で、仕方ないなあと思いながら、急な斜面を登り始めたのですが、登っていくと、山の斜面には、蘭(orchidea)など、色とりどりの野の花が咲いていて、きれいです。

花彩る山の下方にカステッルッチョ高原は今は黄の花みどり色_f0234936_06463121.jpg

タイム(timo)のピンクの花も、あちこちに咲いています。

花彩る山の下方にカステッルッチョ高原は今は黄の花みどり色_f0234936_06482855.jpg

 丘の上にあるカステッルッチョの中心街は標高1452mで、高原の標高は平均約1350mです。その高原の道路の脇に車を置いて登り始めたわたしたちは、さらにヴェットーレ山(2476m)の高みへと登っていきます。

 登っていくうちに、高原も道路もははるか下方になり、手前の山の向こうに隠れていた、遠くの山並みも見えてきます。

花彩る山の下方にカステッルッチョ高原は今は黄の花みどり色_f0234936_06531195.jpg

 このあたりで、よさそうな石を見つけて、その上にしばらく座り、来る途中に買った菓子パンを食べて一休みしました。

 休んで元気が出てきたわたしは、さらに先へと歩いていって、黄色い花に彩られた高原を見たいと思い、立ち上がって、さらに歩き始めました。

花彩る山の下方にカステッルッチョ高原は今は黄の花みどり色_f0234936_07003195.jpg

 蘭の花が群れて咲くその向こうに、カステッルッチョの町や高原、山も見えています。

花彩る山の下方にカステッルッチョ高原は今は黄の花みどり色_f0234936_07024157.jpg

 ポンポンのようにかわいらしい藤色の小さな花も、特に山の高みにはたくさん咲いていました。残念ながら、イネ科の植物もたくさんあり、どうもその花粉が飛んでいるらしくて、途中から目に花粉症の症状が出て、困りました。

花彩る山の下方にカステッルッチョ高原は今は黄の花みどり色_f0234936_07070797.jpg

 夫もそのうちやって来るだろうと、自然の花畑の中をどんどん歩いていくと、下方から夫の声がします。

花彩る山の下方にカステッルッチョ高原は今は黄の花みどり色_f0234936_07085004.jpg

 遅くなってしまわないように、そろそろ帰ろうと夫が言うので、何枚か写真を撮ってから、わたしも山を下り始めました。

花彩る山の下方にカステッルッチョ高原は今は黄の花みどり色_f0234936_07102938.jpg

 山の斜面を少し登っただけで、花と風景を楽しむことができたので驚きました。

花彩る山の下方にカステッルッチョ高原は今は黄の花みどり色_f0234936_07163859.jpg

 高原のマルケ側には、もうヤグルマギク(fiordaliso)の青い花が一面に咲いている畑も一部あり、

花彩る山の下方にカステッルッチョ高原は今は黄の花みどり色_f0234936_07124771.jpg

その畑の端には、ヒナゲシ(papavero)も咲いていたのですが、カステッルッチョの高原一面を、真っ赤なヒナゲシや青いヤグルマギクの花が彩るまでには、今年はまだしばらく時間がかかりそうです。

関連記事へのリンク
- 花見のつもりが山登り、カステッルッチョ (2018/7/14)
- 絵のように美しい花の高原を行く、カステッルッチョ (2018/7/14)
- カステッルッチョ花の高原 くもり・雨でもきれい、ノルチャ (2020/7/17)

Articolo scritto da Naoko Ishii

↓ 記事がいいなと思ったら、ランキング応援のクリックをいただけると、うれしいです。
↓ Cliccate sulle icone dei 2 Blog Ranking, grazie :-)
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ  <

ブログテーマ:お気に入りの場所やお勧めスポット・お店を教えて!
Commented by nonkonogoro at 2021-06-20 08:28
今日も朝から
すがすがしい風景を堪能しました。
気分爽快になれましたよ。!(^^)!

昨日のBSテレビ
「小さな村の物語」では イタリアの
ウンブリア州の ベヴァーニャという村の特集でした。
風景よりも 音楽の指導者 レストランの経営者
アンティークの店などが クローズアップされていて
楽しかったです。
Commented by toshis_photoblog at 2021-06-20 08:57
なおこさん
きれいな景色ありがとうございます。
すばらしいです。
toshi
Commented by tobelune at 2021-06-20 10:33
雄大な風景と、色とりどりの花たち。
お写真を拝見しているだけで清々しい気分になれます。
ありがとうございます!
夫さんの赤いシャツがワンポイントとして利いてますよね。素敵です。
Commented by meife-no-shiawase at 2021-06-20 12:32
なんて気持ちの良さそうなお写真。
こんな広々とした風景が広がって
お花もたくさん咲いて本当に美しいです。
同じ時間を過ごすならなおこさんが過ごしていらっしゃるような
時間を過ごしたいな・・・と思う方も多いと思います。
私もその1人です~。

緑も深い緑に黄緑に・・・
眺めていると視力がよくなりそうです。笑。
Commented by tokotakikuh at 2021-06-20 14:31
大自然の中を行く
人の営みの中の、ブレイクタイムですね

毎回
この広大で、素晴らしい風景を魅せていただくと
ヨーロッパの大地を踏みしめたくなります
Commented by ciao66 at 2021-06-20 16:07
 眺めのいい山、広いお花畑、とても気持ちのいいところですね。
 山の上まで行かなくとも、眺めも良し、花もビックリするほど広範囲にに咲いていて、おまけに誰もいませんし!
 どれも綺麗ですが、中でも3枚目、4枚目の山の景色をバックにしたもの、それから次の斜のアングルに切取った蘭のアップ、そして、最後のヒナゲシとヤグルマギクのお花畑がいいね!と思いました。
Commented by sunandshadows2020 at 2021-06-21 23:49
レモン色という言葉に爽やかさを感じます。
6月中旬でもそんなに多くの野の花が見られるのが良いですね。
今気がついたのですが、山に木が生えていませんね。
夏には乾燥して此方のように茶色(此方ではゴールドと呼びますが)になるのでしょうか?
それとも時々雨もあり緑が続くのか興味が湧きました。
Commented by milletti_naoko at 2021-06-22 16:05
のんさん、記事を楽しんでくださったと知ってうれしいです。

なんと日本の番組で、ウンブリア州のべヴァンニャの村の紹介があったんですね! 村に暮らす人や店などに焦点が当てられて、興味深い番組になっていたとは、どんな内容だったか、機会があればぜひ見てみたいです。
Commented by milletti_naoko at 2021-06-22 16:13
toshiさん、ありがとうございます。
お言葉とてもうれしいです。花や風景が美しくて、感嘆しました♪
Commented by milletti_naoko at 2021-06-22 16:26
とべるねさん、こちらこそうれしいコメントをありがとうございます。

緑の斜面を登っていくと、野の花がたくさん咲いていて、見晴らしもすばらしかったです♪
Commented by milletti_naoko at 2021-06-22 16:34
メイフェさん、暑い日だったので、こんな急斜面を登っていくなんてと思ったのですが、花がたくさん咲いていて、見晴らしもすばらしく、登って本当に良かったと思いました。緑が多い中に暮らしていて、わたしはどちらかというと出不精なのですが、机に向かってばかりいるからと、引っ張り出してくれる夫がいてくれて、ありがたいです。

ずっと緑を眺めていたら、きっと目にもずっと優しいことでしょうね。
Commented by milletti_naoko at 2021-06-22 16:38
zakkkanさん、カステッルッチョの高原は、おっしゃるように、大自然の山の中に、人が畑を作り、放牧された牛や羊たちが草を食べるので木が育たず草腹が広がっていて、人の営みが自然と共に作り出した風景なのです。野の花が斜面にたくさん咲いているのも、ある意味動物たちが肥やしをやっているおかげかと思います。

早く安心してヨーロッパにお越しになれる日がやって来ますように♪
Commented by milletti_naoko at 2021-06-22 16:55
ciao66さん、少し登っただけで、こんなに斜面に花があり、眺めがいいのだと、歩いていて驚きました。おほめのお言葉ありがとうございます。4枚目は、歩いた道がわかりやすいようにと、美的観点からはどうかなと思いつつ載せた写真なので、コメント、うれしいです。

人が多いのは、1枚目・3枚目の写真を撮影した、カステッルッチョの高原の真ん中を一直線に進む道で、わたしたちは、そこからマルケ・アブルッツォ方面へと進む道へと曲がってしばらくいったところを歩いたため、それでも下方には歩く人や、自転車やバイクで行く人がいたのですが、ここは登山道からは外れているため、他には歩く人もいませんでした。最後の2枚の写真を撮ったあたりには、車や人も多かったのですが、わたしたちはそこからは少し離れたところに車を停めて、花を見て撮影しました。
Commented by milletti_naoko at 2021-06-22 17:03
お転婆シニアさん、近年はカステッルッチョの高原の畑にヒナゲシなどが咲く時期が7月の初めから中旬へとずれ込むように思うのですが、その前にもこんなふうに、いろんな他の花が咲いています。

イタリアの山はこんなふうに、放牧された牛や羊、馬などが草を食べるために、木が育たない場所が多いんです。1・2枚目の写真やなどに、見える緑の色濃い場所にはけれども、木が生えていて森があります。丈の高い草は夏には枯れてしまい、すでに今も枯れてススキ色になっているイネ科の植物があるのですが、草原や山の丈の低い草は、このまま緑色であるように思います。丈の高い草は枯れて、低い芝生ほどの高さの草は緑のままであるように思うのですが、場所にもよるかもしれません。
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by milletti_naoko | 2021-06-20 07:30 | Umbria | Comments(14)