イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

炎天下ポルケ山登れば羊・雨・雷、シビッリーニ山脈

 先週は、下の写真の中央よりやや右手に上へと向かって伸びる砂利道の行き止まりあたりにある給水場の手前に駐車して、そこから右手の斜面の緑の森の中を歩き、

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Monti Sibillini 13/8/2021

さらに山を登って、左端に見えるパラッツォ・ボルゲーゼ山(Palazzo Borghese、2145m)の山頂近く、標高約2090mの高さまで登りました。


 8月13日金曜日は、そのとき、前方に見えていた緑の山、ポルケ山(Monte Porche、2233m)の山頂を目指して、山を登りました。

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http://www.sibillini.net/il_parco/gps/mappaSisma.jpg

 ただし、前回はパラッツォ・ボルゲーゼ山とポルケ山の南西にある給水場、Fonte di San Lorenzo(1402m)から、上の地図にピンクで記した登ったのですが、今回は、その給水場よりもかなり左手にあるForca di Gualdo(1498m)の手前の駐車場から出発し、黄緑で示した道を通って、山を登りました。

 地図の左端近くに緑の家のマークで記された山小屋、Rifugio La Baitaは標高1650mの高さにあり、その前の駐車場まで車で行くことができていれば、登るのがずっと楽だったのですが、地図にも赤で囲んだ小さい丸で記されているように、山小屋までの道は、2016年のイタリア中部地震以来、車での進入は今も禁止となっています。

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 そこで、復旧工事も終わりに近づき、夫が歩いている側の車線に、さらなるアスファルトの層を重ねなければいけないという、その道路を、長い間歩いて、登って行きました。この写真で、目前にすぐパラッツォ・ボルゲーゼ山が見えるので、ついすぐ山まで行けるような錯覚に陥ってしまったのですが、

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実際には、そのあとすぐにカーブがあって、道は山とは別の方向へと向かっていきます。

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 この写真は、出発地点の駐車場を目指して、シビッリーニ山脈を登る途中に撮影したものですが、この日は、標高約1400mの地点でさえ、気温が30度もあるようにひどく暑い日で、そのため、照りつける太陽の下、長い間アスファルトの上を歩くのは、なだらかな登り道とは言え、暑くて大変でした。

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 この日わたしたちが目指したポルケ山は、パラッツォ・ボルゲーゼ山のすぐ左手にそびえてる山です。

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 アスファルトの道を離れ、ようやく砂利道を歩くことになったのですが、夫が前方に羊の群れと牧羊犬がいるのに気づきました。最初はこの丘の上に小さく見えていたのですが、夫が羊飼いと話している間に、どんどんこちらへとやって来ました。幸い、この犬たちは皆おとなしくて、これまで人に危害を加えたことが一度もないとのことです。

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 実はこのかなり手前で、木の下で弱り込んでいるように見えた犬がいたので、夫は自分がペットボトルに入れていた水のほとんどを、その犬にやってしまっていました。それで、給水場がこの先にあるかどうかと尋ねると、幸いあるとのことです。それで、その場所を教えてようとしてくれたからか、このあとは、かなり長い間、この羊飼いといっしょに給水場まで歩きました。

 今夜になって地図を見て、このとき羊飼いと車も通れる砂利道を通って給水場まで行ったために、回り道をして、後でひどく歩きにくい斜面を歩かなければいけなかったことに気づきました。でも、このときは、どうしても、給水場で水を補給する必要がありました。

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 ようやく給水場までやって来て、夫もわたしも水を補給し、羊飼いにお礼を言い、あいさつをして、さらに教えてもらったトレッキングコースを歩きました。

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 昼食休憩後は、再び照りつけ始めた太陽の下、急な登り坂が続いたため、わたしが疲れて休んでいたら、夫が、上の地図に丸で囲んだ標高2042mのてっぺんまで登りました。てっぺんからはシビッラ山も見ることができて、眺めがすばらしかったそうです。左手の頂近くに小さく小さく夫が映っているのが見えるでしょうか。

 座って休んでいる間に、空が曇り、雨も時々ぱらつくようになり、わたしたちが歩いてきた道の上の空が曇り、雷も鳴っています。夫をしばらく待っていたのですが、戻ってきません。来た道を引き返そうと思えば、黒雲が広がり、落雷の危険もあるのですが、一方、夫が登っている山やポルケ山の山頂付近には青空が広がっています。

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 このあと、せっかくだからと、ポルケ山頂を目指して歩いていったのですが、

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わたしたちが帰りに通らなければいけない道のあたりに、牧羊犬や羊たちがやって来ているのに夫が気づき、また、暗雲や雨がポルケ山の方まで来るかもしれないと考えて、残念ながら山を下ることにしました。

 実はこのあと、しばらく歩くうちにどしゃぶりとなり、雷も時々落ちていたのですが、さらに歩いて山を下る途中で空が晴れ、ふり返ってポルケ山の方を見ると、もう山頂近くの空が晴れていました。今地図を見ると、このときわたしたちが歩いていた道は、ポルケ山の山頂に行く道ではなく、パラッツォ・ボルゲーゼ山へと向かう道だったようで、山頂を目指すには本当は、これよりもかなり手前で、別の道を通らなければいけなかったようです。

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 出発地点まで戻るために、まずはポルケ山の斜面を下っていきます。上の写真で前方に見える頂が、夫がしばらく前に登って、見晴らしを楽しんだ山です。

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 予想もしていなかった雨が降り、さらにどしゃぶりとなって長い間降ったのですが、幸いわたしはレインコートを、夫は折り畳み傘を持っていました。

 途中で、再び晴天となり、長い道を下って駐車場に戻ると、午後6時20分でした。出発は午前11時38分でしたから、昼食休憩も含めて、約6時間半の山登りとなりました。今回も標高約2090mの地点まで登ったのではないかと思います。万歩計の歩数は22373歩です。

 山頂まで登れなかったのは残念でしたが、前回登った時とは違う角度から、同じ山や風景を眺めることができましたし、見晴らしがすばらしく、野の花もたくさん咲いていました。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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ブログテーマ:お気に入りの場所やお勧めスポット・お店を教えて!
Commented by 3841arischan at 2021-08-15 20:37
なおこさん、登山道、地図で拝見すると
前回の道とは違うのがよくわかり楽しいです(^-^)
途中で、羊飼いのワンちゃんにお水をあげてしまう旦那様、優しいですね!
山登りの時に水は命にもかかわる貴重な水ですから!
ピンクの可愛らしいお花、先日の私の写真とよく似ているような?お山に咲いてるから違うとは思いますが・・・
景色が最高ですね~
途中の雨と落雷は、予想外で大変でした^^;
傘とレインコート、流石です(*^_^*)
Commented by milletti_naoko at 2021-08-18 05:40
アリスさんが楽しんで地図を見てくださったと知って、うれしいです♪ わたし自身も、どこを歩いたのか後から自分で把握するために、大いに役立ちます。意外と、記事に書いておかないと、後で忘れてしまってはっきり思い出せないことが多いんです。

ひどく暑い日で、これからずっと登り道が続くというときではありましたが、気は短いけれど、根が優しい人です。このあとに給水場があって、本当に助かりました。

ピンクの花は、この花では花びらが違うのが分かりにくいかと思いますが、イタリアの山では特に標高の高い山で夏によく見かけるヤナギランだと思います。学名はEpiobilum angustifolium、イタリア語名はepilobioです。「思います」と言うのは、これまでにイタリアのアルプスやアブルッツォのグラン・サッソで見かけた花と、色や花びらの形、咲き方や葉は同じなのに、丈がずっと低いからなのですが、どうやらこんなふうに低い場合もあるようです。

確か前日に見た天気位予報では、イタリア中部はどこも晴れという予報が出ていました。山は天気が変わりやすいので、雨具は一応必ず持っていきます。持っていって本当によかったです♪
Commented by meife-no-shiawase at 2021-08-19 13:41
すごい~!羊の群れ!
たくさんいますね。みんな草を食べているのでしょうか。
すごい~!!!

ご主人さま。ご自分のお水をワンちゃんに。
優しいですね。確かにあまりお水が飲めるところがなさそうな。

2万2千歩を超えていらっしゃる!す、すごい!
6時間半。かなりの運動量。
なおこさんにダイエットは不要です♪
Commented by milletti_naoko at 2021-08-19 15:07
メイフェさん、あちこちに羊の群れがいて、山を歩く分には、牧羊犬がおとなしいだろうかなどと不安材料になるのですが、昔からの放牧が今も続いていて安泰だなあと夫は、群れが近づくたびに警戒はしつつも、うれしそうでした。

夫は根は優しいんです。このあと会った羊飼いから、年を取ってはいるけれど元気だと聞き、実はわたしたちが給水場に着いた頃に、歩いて水を飲みに来ていましたから、暑さにバテていたのでしょう。

ありがとうとざいます! きっと少しずつ継続した方が健康にはよいし、このあと夕食を軽く済ませればいいのですが、最近は帰りが遅くなったり、うちの中が夕方も暑かったりして、つい外食が増えて、そうするとついワインを1杯となって、残念ながら体重が、ロックダウン中にじわじわと増えたまま戻らずにいて、着られない服がたくさんあるので、ダイエットあるいはもっと運動量を増やすことが必須なんです。
by milletti_naoko | 2021-08-15 08:14 | Marche | Comments(4)