イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

エーデルワイス会えてうれしいシビッリーニ山脈

 8月6日に、パラッツォ・ボルゲーゼ山を目指してシビッリーニ山脈(Monti Sibillini)を登ったときは、思いがけず、

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6/8/2021

自生のエーデルワイス(stella alpina)が咲くのを、山の斜面や登山道の脇に見つけることができて、うれしかったです。

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 フランスやピエモンテのアルプスでも、自生する花を見たことがあり、アブルッツォ州のグラン・サッソにも自生するところがあると聞いたことはあるのですが、シビッリーニ山脈にもエーデルワイスが咲いているとは、知らなかったからです。

 標高2千メートルを超える山には咲いていることがあるんだ、ほら、たくさん咲いているだろうと、この日最初に教えてくれたのは夫ですが、

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こうやって山を下る途中にも、路傍に咲いていたことは、わたしが先に気づきました。

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 パラッツォ・ボルゲーゼ山の右手の坂道を登り、前方に見えるポルケ山(Monte Porche、2233m)の方へと歩いていく夫を追っていった先で、エーデルワイスがあちこちに咲いているのを、見ることができました。

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 むやみに山を下ると、あとで登るのが大変だからと、風が吹き荒れる中、高みに立っているわたしに、サッソ・ボルゲーゼ(Sasso Borghese、2119m)の手前に立つ夫が、ここまで来れば、風がそんなに吹いていないよと夫が言います。

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 それで夫の方へと斜面を下っていくと、確かにここにもあそこにも、エーデルワイスが咲いていました。

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 かつて苦労しながら登り、野の花が美しかったシビッラ山(Monte Sibilla、2173m)が、思いがけず左手奥に見えて、うれしかったです。夫はトレッキングコースを下っていって、サッソ・ボルゲーゼの岩の向こうの風景を見ていたのですが、わたしは斜面を下らずに、同じ高さを保ったまま、右手を走るトレッキングコースの方に歩いて行きました。

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 すると、斜面のあちこちに、エーデルワイスが咲いていました。

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 こんなふうに、草の間に咲く花もあります。

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 前方に見えるのが、パラッツォ・ボルゲーゼ山(Palazzo Borghese、2145m)の山頂です。

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 パラッツォ・ボルゲーゼ山の頂の下方を通って、ポルケ山へと登っていくトレッキングコースの右手、上の写真では左手前に、大きな深い穴があって、緑の植物が育っています。夫がこの植物に興味を持って、じっくりと眺め始めました。

 せっかくここまで来たのだから、パラッツォ・ボルゲーゼ山の山頂まで登ってみたいと思ったわたしは、「ぼくは登るよりも、おもしろそうなものをこうしてみたいから」という夫と、少しだけ別行動をして、

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パラッツォ・ボルゲーゼ山の山頂へのトレッキングコースが、そのうち左手に現れることを期待しながら、前方に見えるポルケ山の方へと向かって、しばらく歩きました。

 けれども、パラッツォ・ボルゲーゼの山頂付近を通り過ぎても、山頂へと登る道が見あたらないため、引き返して山を下っていくことにしました。

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 トレッキングコースを引き返す途中に、撮影したのがこの写真です。右手奥に見える岩は、サッソ・ボルゲーゼで、見る位置や方向によって、かなり姿が変わって見えるのがおもしろいと思いました。

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 道の傍らに、タイム(timo)の花が咲いています。

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 パラッツォ・ボルゲーゼ山の、大きな白い歯のような岩の間を通り抜けたあたりで、夫が周囲の風景を観察していたので、そのあとは、二人でいっしょに山を下りました。そうやって下っていたら、冒頭の写真のように、この道の脇にも、一か所だけ、エーデルワイスが咲いているところがあったのです。

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Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by sunandshadows2020 at 2021-08-21 09:56
私がエーデルワイスを見たのは多分植物園だったと思います。
自然の中で見つけたら嬉しくなる自生の花は格別ですね。
タイムの花も自然の中で力強く咲いていて嬉しく思います。
素敵な景色、花々、なおこさんご夫婦の楽しみを共有させていただいた気分です。
Commented by kaho0212 at 2021-08-21 10:39
おはようございます。
サウンドオブミュージックの劇中歌「エーデルワイス」。
初めて歌を聴いた当時、美しい歌だなぁと思ったと同時にどんなお花なのかしらと思いを巡らしていました。
この年齢になりはじめてお花を拝見。
やはり高山に咲く清らかな白いお花なのですね~。
貴重なお写真見せて下さりありがとうございます(#^^#)
Commented by tokotakikuh at 2021-08-21 15:48
憧れます・・この光景と、このお花たちに
私が、エーデルワイスを観たのは・・
黒部です
本場のスイスでは季節柄、見ることが出来なかったので

この先
この足で、この眼で、見ることはもう不可能ですから
嬉しいです
Commented by nonkonogoro at 2021-08-22 08:47
わあ いいですねえ。。。
可愛いエーデルワイスの姿に たくさん会えて
良かったですね。

私も以前 スイスの山で
この花を見たことがあります。
少し最盛期を過ぎていたので
なおこさんの画像の方が いい感じ~

Commented by zao480 at 2021-08-22 11:21
ヨーロッパのエーデルワイスはさすがに標高が高く気温がかなり低くなるだけあって、包葉がかなり毛深く可愛らしいですね。
実は我が家から歩いて登れる山頂にエーデルワイスの親戚であるミネウスユキソウがあります。宮城県では最高峰ですが1817メートルしかありません。この辺りの山はおそらくそれほど寒くないらしく白い毛はやや薄いです。
一時期ウスユキソウ属にはまって、山形県の月山や北海道の礼文島まで見に行っていました。
若いころは元気で定年になったらヨーロッパに見に行きたいと思っていた花ですが、まさかこんな情勢になって気軽に外国に行けなくなるとは夢にも思いませんでした。体が登山に耐えられるくらいトレーニングできるようになることと、外国に気軽に行けるようになるというわずかな期待を持ちつつ、なおこさんのブログで楽しませていただきます。
Commented by milletti_naoko at 2021-08-23 04:27
お転婆シニアさん、南欧では標高2千メートルあたりで、エーデルワイスに出会える山が各地にあり、花が見られるとうれしいです♪

タイムの花、こんなに標高の高いところで見たのは初めてのように思います。それに登っている途中にはあまり見かけなかったので、ここはかげになっていて涼しいので、今も花が残っているのかなと思いました。

共有する思い出記事を楽しんでくださったと知ってうれしいです。いつかいっしょに歩ける日が来ますように。
Commented by milletti_naoko at 2021-08-23 04:33
かほさん、こんばんは。かほさんも、サウンド・オブ・ミュージックの歌を通して、エーデルワイスの花に興味を持たれたんですね! わたしも、このミュージカルは映画も歌も大好きで、歌を聞いて花を想像しつつも、ずっとどういう花か調べることもないままにいました。それで、イタリア語ですでに知っていた花が、実はエーデルワイスだと知ったときには驚いたのですが、標高2千メートルの高み、冬には雪に覆われる山に咲く可憐な花です。

こちらこそ、うれしいコメントをありがとうございます♪
Commented by milletti_naoko at 2021-08-23 04:39
zakkkanさん、わたしたちが出会った花と風景を楽しんでくださったと知って、うれしいです♪ 黒部でご覧になったことがおありなんですね。

シビッリーニ山脈にも咲いているとは知らず、しかもこんなにもあちこちに咲いているところを見られて、うれしかったです♪
Commented by milletti_naoko at 2021-08-23 04:47
のんさん、ありがとうございます。
のんさんは、スイスでご覧になったんですね! コメントをきっかけに、確かに同じ花でも、咲き初めだったり、咲き終わりだったりするのか、微妙に花の姿が違いますね。

冒頭の写真の一番下に咲く花が、一番姿が美しい頃のような。
Commented by milletti_naoko at 2021-08-23 04:59
zao480さん、ありがとうございます。エーデルワイスの親戚が、ご近所の山にも咲いているんですね! 花びらだとばかり思っていた部分が、まさか包葉だったとは、コメントを拝読して、調べて初めて知りました。なるほど、その包葉も毛の深さなどが寒暖や標高によって違ってくるのですね。なんとそんなに遠出して、見に行かれたことがあるとは!

いつかお越しになって、ご自分の目で見られるときが、早く来ますように。
by milletti_naoko | 2021-08-21 02:28 | Marche | Comments(10)